- 詳細 2019年5月9日 19:43更新
-
新井 貴浩（あらい たかひろ、1977年1月30日 - ）は、阪神タイガース所属（内野手）。広島市中区江波（えば）出身。１メートル８９、９５キロ。右投げ右打ち。既婚。今季年俸１億５０００万円。
【来歴】
■プロ入り前
県立広島工業高校では3年夏の県大会でベスト16、その後駒澤大に入学し、大学4年時は日米大学野球で打率5割。秋はリーグ打点王とベストナインを獲得。大学時の通算本塁打が2本だった新井を広島がドラフトで指名したのは、野村謙二郎（大学の先輩）の強い推薦があったからと言われる。また大学の1年先輩である読売ジャイアンツの高橋尚成は、大学時代の新井を「打てない、守れないが、意外と足はそこそこ速く、素直で先輩の受けはとても良かった」と話している。
■広島時代
入団後は「将来の4番候補」として期待され、自身もその意気込みを「空に向かって打つ」と宣言する。2002年は本塁打28本を放ち、この年のオフ阪神タイガースに移籍した金本知憲の後を継ぐ4番に座るが、地元出身のスラッガーとの期待の大きさと、やはり精神的主柱でもあった金本不在は大きく2003年には開幕から4番に座るも不振で前半戦のみに留まった。
2004年も極度の打撃不振に陥る。構えた際のグリップの位置が低く、さらに上下するという悪フォームで結果を恐れるあまり、ボールを待ちすぎ、追い込まれて打ち取られるパターンを繰り返した。
しかし2005年シーズン、内田順三コーチとともに、グリップを高くし足を上げる、また積極的に打ちに行く打撃スタイルへの改造が成功し43本塁打で本塁打王を獲得。6月28日の対阪神戦ではリチャード・ランスに並ぶ球団タイ記録の6試合連続本塁打を放つなど自身最高の成績を残す。しかしこの翌日は無安打に封じ込まれてしまい、惜しくもランディ・バース（阪神）と王貞治（巨人）が持つ日本記録（7試合）には届かなかった。また、山本浩二の持つ球団年間本塁打記録（44本）を破るのではないかと期待されたが、1本差で届かなかった。
2006年1月、これまで金本や佐々岡真司らと共に行っていた鹿児島・最福寺での護摩行合宿を単独で3泊4日かけて行った。2003年シーズンで4番として失敗していることもあり、本人は2006年シーズンこそ正念場と位置づけていた。また、前年のタイトル獲得が評価され、WBC日本代表にも選ばれる（黒田博樹はケガで辞退のためチームからは新井のみ出場）。しかし、出場機会はごくわずかであった。シーズンでは、ブラウン監督が掲げているケースバッティングを心がけていたのが実を結び、本塁打数は減少したものの、43本の本塁打を放ちながら打点は2桁（94打点）に終わった前シーズンに対し、ランナーを置いての打撃が向上して3桁の打点に（100打点）到達したが、これまでのシーズン同様、積極的に打ちに行く打撃スタイル故か、四球数が少なく選球眼の悪さを指摘された。
2007年シーズンでは自己ベストを更新する55個の四球を選んだ。打点も102を記録する等スラッガーとして毎年着実に成長している事を伺わせる。しかしチャンスに強くなったのは良いが、ケースバッティングに徹したせいか、今度は新井の魅力であった豪快な打撃が損なわれていると言う指摘もある。
■阪神時代
2008年4月12日、対横浜戦(横浜スタジアム)5回戦の第一打席に寺原隼人からプロ入り通算1000本安打を達成。同試合では広島時代から慕っている同僚の金本知憲も同じ寺原からプロ入り通算2000本安打を達成している。10月29日に栗原健太とともに、自身初となるゴールデングラブ賞を受賞した（受賞者が2人なのは1993年の今中慎二と桑田真澄以来、15年ぶり）。
移籍初年の2008年は前半戦から好調で高打率をキープし、チームの首位独走に貢献した。しかし、前半戦終了間近になって腰痛を訴え、一時登録を抹消される。以後、自慢の打撃は鳴りを潜めるようになる。北京五輪の日本代表には選ばれ、4番一塁手として全試合に先発出場するも、腰痛もあり満足な打撃を行うことは出来なかった。結果的に日本はメダルを逃し、新井にとっては悔しさの残る五輪となった。五輪後、腰の疲労骨折が判明。一時はシーズン絶望とされたが、チームが優勝争いの真っ只中にあったシーズン終盤に強行復帰。しかし、最後まで本来の打撃が戻ることはなく、チームはV逸、CSでも敗退した。終わってみれば、2008年シーズンでは期待されたホームランは僅か8本にとどまり、新井としては不本意なシーズンになった。
