台風の眼を覗き隊！コミュの台風の異常進路と近年の傾向について、

11月に入り台風発生域の対流は不活発で、本年度中に本土に接近する台風は無さそうです。
因みに、公式記録の残る1951年から2021年までの最も遅い上陸記録は、1990年11月30日に和歌山県に上陸したものがあります。こういったケースは激レアながら、近年、温暖化が原因とみられる異常進路が増加傾向にあるようです。

図①は単純な異常進路で、一般的な進路から著しく逸脱したものを抜粋してみました。
特に異常と思われるのは1812で、この台風は東日本から上陸した後、西日本を横断するという真逆のコースと取った事で話題になりました。1616は転向しないコースのまま北海道に上陸（上陸直前で熱低に衰弱した）。1512は一見すると普通の進路ですが、ハワイ付近に発生したハリケーンが延々と越境してきたものです。

図②は季節的異常進路で、通常の季節では有り得ない進路を進んだ台風を抜粋しました。
特に異常なケースは11月30日に和歌山県に上陸した9028と、上陸直前で熱低に衰弱したものの4月に長崎県に上陸した0302があります。1918は10月としては最も北西を進み、黄海を北上しました。近年、10月に異常な北上をする台風が激増しており、温暖化によるものと思われます。

図③は近年の台風の進路の変遷を表にしました。
1999年までは沖縄付近から九州を縦断する台風が大半を占めていましたが、2000年以降より九州に上陸する台風が減少し東日本に集中する傾向が顕著に見られます。
特に2008年以降より6年間も九州に上陸した台風が皆無なのは特記に値する！。
この傾向はスパコンによる温暖化シミュレーションでも弾き出されてるが、2016年以降から再び九州付近を通過する台風が増加しており、揺らぎの範囲なのか今の所はっきりしない。