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コンテンツ翻訳研究会コミュの翻訳小説や映像の限界

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 というか翻訳家の限界なんだけどね。

 おいおい訳し切れていないよ、それ…ってことです。

ケース1:台詞・文字が表す意味に詳細説明が必要!
    (それを説明しきれない・翻訳者が無知という場合)

『タイタニック』 20世紀FOX

 ジャックが上流階級の晩餐会に招かれてのシーンでの原文。

 「ふむ、ボストンの名家ドーソン家の出身かね…?」
 「いえ、チッペワフォールズ村のドーソンっす」

 と場違いなハイソのパーティーに呼ばれてしまった田舎の青年っぽい演出を狙った会話なんですが、翻訳字幕では

 「ウィスコンシンのドーソンです」 で、おしまい。

 これでは演出意図が伝わらない。
 
 翻訳者はかろうじて、その村がウィスコンシンにあるまでは調べたんでしょうね。でも大事なことは、アメリカではウィスコンシンが最北の田舎の代名詞だということ。日本で云えば岩手、青森、知床って感じですか。で、チッペワフォールズという響きが田舎っぽい響きらしいということ。チッペ滝村みたいな。大字津軽(おおあざつがる)って感じかな。
 いちいち地理の説明できないんだったら、せめて「村」とかつければいいのに……。
 ま、悪名高い先生の翻訳なんで映画通は期待してませんでしたけど。


ケース2:原文のこだわりに対して翻訳者に専門知識が乏しい場合

『ダヴィンチ・コード』 角川書店

 「Jフレームのメディーサ拳銃」「保身用拳銃」

 などと陳腐な翻訳が拳銃だけでなく飛行機とかでも並んでます。翻訳者がメカには詳しくないみたいです。

 ここはすんなりと「リボルバー拳銃」、クラシックな翻訳表現では「回転胴式拳銃」でいいと思う。

 原作原文見てないのでなんとも云えませんが、作者のダン・ブラウンがプロップ(小道具)にこだわるタイプだとすれば、そんな省略では許されないかも…ですが…。

 メデューサ拳銃は、S&Wのリボルバーからパテントを得て製造している射撃競技用の拳銃。
 シリンダーとバレル(銃身)を換えることで同じフレームで.38口径から9ミリ口径、.40口径までの弾が使え、その間のマグナム弾も装填可能。
 なんでも射撃競技会に出場していた銃の設計者(NASAのコンピュータ技師)が手の感覚を変えずに、さまざまな口径の競技に出るために素早くかつ精巧に口径を変えられるようにと開発した銃なんだと。
 パーツが多い分、値段は通常のS&Wの倍くらいします。

 Jフレームというのはリボルバー型のフレームが「J」の形になってるから呼ばれた拳銃関係者にしか伝わらない呼び方。
 
 アメリカ人のガンマニアなら持ってるかもしれない…位の稀なプロップを原作者ダン・ブラウンがなぜヨーロッパ人の金持ちに持たせたのか…ちょっと謎。

 …というような悩みを翻訳者・編集者が持ち合わせたかどうか…が知りたいですね。

 「護身用拳銃」を「保身用拳銃」と明らかな誤訳をしてるようじゃ、期待できませんけど。

 『ダヴィンチ・コード』は、冒険小説仲間から「翻訳が粗い」と聞いていたので、あんまり興味なかったんだけど、或る事情から映画と小説を比べる必要に迫られて読みました。

 通常の翻訳部分も、少しおかしい、みたい。

 例えば毒(アレルゲン物質)を盛られた被害者の場面で、「目のかすみを覚えつつ…」って、訳してる。

 これは「目のかすみを感じつつ」とか「目がかすんできたのを感じながら」だと思うのよ。

 意識が失われるまでの表現で「覚える」という用字はふさわしくないと思うんだよね。
 「眠さを覚えつつ…」「遠のく意識を覚えつつ…」とは云わないですよ。

 おそらくダン・ブラウンの原作小説の面白さの何割かは伝わってませんね。  
 
 でも単行本・文庫本合わせて500万部を突破してる。

 翻訳、やろうかなあ。 


 ps

 メデューサ拳銃について
 http://www.bellum.nu/armoury/MM47.html



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