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★より正しい健康情報の読み方コミュの【放射線】どんな種類がある?人体への影響は? http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=60939262&comm_id=275786

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※この記事は『Newton 2008年10月号』に掲載された,身近な“?”の科学「放射線」を転載したものです。
協力:酒井一夫放射線医学総合研究所 放射線防護研究センター長


 放射線というと危険なイメージもあるが,役に立つ利用例も多い。レントゲンやがんの放射線治療はよく知られた応用例だろう。植物の品種改良,医療器具の滅菌,半導体の製造などにも利用されている。
  天井に設置される煙感知器にも放射線が使われている。放射性物質から出る放射線で装置内の空気の分子を電離し,電流が流れるようにしてある。電離とは,原子から電子をたたきだすなどして,電気を帯びたイオンにすることだ。煙が装置内に入ってくると,電離が邪魔されて電流が弱まるので,煙を感知できるのだ。

■放射線は,電離をおこすエネルギーの流れ

 放射線には,レントゲンに使われる「X線」以外にもいろいろな種類がある。「アルファ線(ヘリウム原子核)」,「ベータ線(電子)」,「ガンマ線」,「中性子線」などだ。X線とガンマ線はエネルギーの高い電磁波(光の仲間)だが,そのほかは何らかの粒子の流れである。
 放射線医学総合研究所放射線防護研究センター長の酒井一夫博士は,次のように説明する。「放射線とは,照射した物質に電離をおこすことのできる,高いエネルギーの流れのことを指します」。
 なお,放射線に似た言葉である「放射能」は「物質がもつ,放射線を出す能力」のことだ。放射能という語が「放射性物質(放射線を出す物質)」の意味で使われる場合もある。

■DNAなどの生体分子を傷つける

 放射線の被曝は,人体に悪影響をおよぼす可能性がある。放射線が,細胞のDNA(デオキシリボ核酸)など,重要な生体分子を傷つけることがあるからだ。
 放射線が直接,生体分子を傷つける場合もあるが,間接的な影響の方が一般的には大きいという。放射線が水分子を分解し,「活性酸素」を生じさせ,この活性酸素が生体分子を傷つけるのだ。
 とくに放射線の影響を受けやすいのは,活発に分裂する細胞である。がん細胞は活発に分裂するので,正常細胞にくらべて放射線の影響を受けやすい。放射線が,がん治療に有効なのはこのためだ。ただし,放射線でできた傷を修復する能力が高く,死ににくいがん細胞もある。また,活発に分裂する小腸の細胞など,正常細胞でも放射線の影響を受けやすいものがある。

■私たちはつねに放射線を浴びている

 放射線は人工的なイメージが強いが,自然界にも放射線の発生源はたくさんある。たとえば,大気中には,放射性物質であるラドンが含まれており,呼吸を通してつねに体内に入ってきている。大地や岩石,食物にも微量の放射性物質が含まれている。また,宇宙からも放射線(宇宙線。主に陽子の流れ)が降り注いでいる。
 地域によって差はあるが,世界平均では,1人が年間に受ける自然放射線による被曝線量は2.4mSv(ミリシーベルト)になる。Sv(シーベルト)とは,人体への影響を評価するための被曝線量の単位で,m(ミリ)は1000分の1をあらわす。
 放射線を受ける組織にもよるが,100〜数千mSv以上の線量を一度に受けると,胎児の異常,白内障,不妊(男女とも),脱毛や皮膚の潰瘍などが生じるとされる。

■低い被曝線量の影響はよくわかっていない

 放射線防護の基準となっている「ICRP(国際放射線防護委員会)」の2007年版の勧告では,事故などによる一般公衆の被曝量(自然放射線と医療行為による被曝は含めない)は,年間1mSv(放射線をあつかう作業者は20mSv)をこえてはいけないことになっている。
 ただし,1mSvは放射線防護のための目安であって,「これをこえた被曝は即危険」という値ではない。「アメリカでの取りまとめによると,100mSvの被曝をした場合,100人中1人の割合でがんになる人がふえる計算になります。なお,人工的な放射線とは関係なく,自然にがんになる人は,100人中40人程度います」(酒井博士)。
 低い被曝線量でも,同じ割合でがんの発生がふえると仮定して単純計算すると,1mSvの被曝では1万人中1人の割合でがんになる人がふえることになる。
 ただし,低い被曝線量でも同じ割合でほんとうにがんがふえるかはわかっていない。細胞には,放射線でできた傷を修復する機能などがあるため,ある被曝線量以下では影響は出ない,と考える研究者もおり,論争がつづいている。

■遺伝的な影響は?

 放射線による影響には,動物実験から,遺伝的な影響もあることがわかっている。遺伝的な影響とは,放射線を受けた生殖器の影響が次世代に受けつがれ,突然変異が増えることを指す(胎児が直接受ける放射線の影響とはことなる)。しかし,酒井博士によると,広島・長崎の原爆被害者での調査を含めて,人で放射線による遺伝的な影響が認められた例はないという。
 放射線の影響は,低い被曝線量での発がんや,遺伝的な影響など,まだわからないことも多い。医療などで放射線が身近になってきている今,安全で安心な社会の実現のためにも,さらなる研究の進展が求められている。

放射線とは何かや,放射線の生体への影響についてまとめた。放射線の人体への影響にはさまざまあるが,「確定的影響」には,胎児の異常,白内障,不妊,脱毛や皮膚の潰瘍などがある。なお,数Sv(シーベルト)程度の被曝で致死量とされる(Svについては本文参照)。

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