![[dir] 癒し療法・健康法・美容法](https://logo-imagecluster.img.mixi.jp/photo/comm/43/80/3244380_58s.jpg){kind=logo}
「ガード」とよみます。一般には呼んで字のごとしで胃酸が逆流し食道炎を起こし、胸焼けや胸部不快感を想像しがちです。しかし、症状は多彩でこういう症状以外に胸痛、喘息様発作、湿性咳嗽、嗄性、咽喉頭違和感、喉頭肉芽腫の形成、耳痛、中耳炎などのさまざまな症状を引き起こします。診断は上部消化管内視鏡を行い所見があればそれで確定します。最近ではＢａｒｒｅｔｔ食道（食道下端の扁平上皮が胃の円柱上皮に置き換わるいわばＧＥＲＤのなれの果て）、食道癌との関連も指摘されております。ただ、困ったことに内視鏡的にまったく所見のない人がいます。実はこの方が問題なのです。私の印象だと患者さんの６割以上を占めるのではないかと思われます。こういう人は胃酸がどの程度食道に逆流しているか２４時間ｐＨモニタリングをおこなって診断をします。しかし、日本では欧米ほど盛んに検査は行われておりません。検査が煩雑なのと、時間が束縛されることがその理由です。もう少し検査が簡便になり、外来でもできるようになることが望まれます。
おおむね胃酸の食道への逆流時間と食道粘膜の障害の程度は一致していますが、そうでない人もいます。それはその人の胃酸にたいする食道の知覚過敏性によるものではないかと考えられますが、まだまだ病態については分からないところがたくさんあり、これからの研究課題です。
日本消化器学会、日本消化器内視鏡学会では逆流性食道炎、慢性胃炎、胃潰瘍、胃癌、大腸癌の原因としてヘリコバクターピロリ菌が関与しているという話題が多いですが、ピロリ菌除菌後にＧＥＲＤの出現率が高いというのも事実です。この病態もまだよく分かっていません。
治療は主にＰＰＩ （ｐｒｏｔｏｎ ｐｕｍｐ ｉｎｈｉｂｉｔｏｒ）の内服が基本になります。これは胃酸の分泌を強力に押さえる薬で、ＧＥＲＤの治療指針ガイドライン（ＬＡ分類が主体）にしたがって治療を行います。ずっと続けるかどうかはその人の病態、生活習慣によりますが、いまのところこのくすり以外に有効な薬剤はなく症状が軽減してくれば減量あるいは中止します。
上部消化管はストレスに非常に敏感に反応します。老夫婦が朝大喧嘩しただけで、夕方には吐血するといった話はよくききます。したがって日常生活ではできるだけ交感神経を刺激するようなことは避ける。快食、快便、快眠に努めることが非常に大切です。夕食は早めにたべる。夜寝る前に食事をしない。スポーツで汗を流すのも有効です。また、アルコールは程々にはいいですが、タバコはよくありません。たばこを吸う人の胃の粘膜は内視鏡で見ると、皆一様に粘膜が障害されています。
食生活における生活習慣の欧米化、人口の高齢化、さらに、ヘリコバクターピロリ菌の感染率の低下などで今後ますます日本においてＧＥＲＤの増加が予想されます。病態についてはあまりにも不明な点がおおく研究課題が山積しておりますが、一定の治療指針もでており、症状、検査、治療について御質問のあるかたはお気軽におたずねください。紙面がなくなってきましたのでまた次の機会にお話します。
http://
２００４．５．１８． 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友
逆流性食道炎
http://
胃食道逆流症（ＧＥＲＤ）
http://
おおむね胃酸の食道への逆流時間と食道粘膜の障害の程度は一致していますが、そうでない人もいます。それはその人の胃酸にたいする食道の知覚過敏性によるものではないかと考えられますが、まだまだ病態については分からないところがたくさんあり、これからの研究課題です。
日本消化器学会、日本消化器内視鏡学会では逆流性食道炎、慢性胃炎、胃潰瘍、胃癌、大腸癌の原因としてヘリコバクターピロリ菌が関与しているという話題が多いですが、ピロリ菌除菌後にＧＥＲＤの出現率が高いというのも事実です。この病態もまだよく分かっていません。
治療は主にＰＰＩ （ｐｒｏｔｏｎ ｐｕｍｐ ｉｎｈｉｂｉｔｏｒ）の内服が基本になります。これは胃酸の分泌を強力に押さえる薬で、ＧＥＲＤの治療指針ガイドライン（ＬＡ分類が主体）にしたがって治療を行います。ずっと続けるかどうかはその人の病態、生活習慣によりますが、いまのところこのくすり以外に有効な薬剤はなく症状が軽減してくれば減量あるいは中止します。
上部消化管はストレスに非常に敏感に反応します。老夫婦が朝大喧嘩しただけで、夕方には吐血するといった話はよくききます。したがって日常生活ではできるだけ交感神経を刺激するようなことは避ける。快食、快便、快眠に努めることが非常に大切です。夕食は早めにたべる。夜寝る前に食事をしない。スポーツで汗を流すのも有効です。また、アルコールは程々にはいいですが、タバコはよくありません。たばこを吸う人の胃の粘膜は内視鏡で見ると、皆一様に粘膜が障害されています。
食生活における生活習慣の欧米化、人口の高齢化、さらに、ヘリコバクターピロリ菌の感染率の低下などで今後ますます日本においてＧＥＲＤの増加が予想されます。病態についてはあまりにも不明な点がおおく研究課題が山積しておりますが、一定の治療指針もでており、症状、検査、治療について御質問のあるかたはお気軽におたずねください。紙面がなくなってきましたのでまた次の機会にお話します。
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２００４．５．１８． 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友
逆流性食道炎
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胃食道逆流症（ＧＥＲＤ）
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コメント(1)
胸やけと胃の逆流は肥満と喫煙が原因
◎体重の増加と喫煙が、胸焼けや、胃酸や胃の内容物の逆流を招いている可能性が高いようです。
◎新しい研究は、肥満と喫煙が胃食道逆流症 ( GERD ) のリスクを増加させると確認しています。
◎太りすぎや肥満の人々は、女性で約 5 割またはそれ以上、男性で約 2 〜 3 倍に、リスクが増加しました。
◎痩せている人々は、男女ともリスクが減少しました。
◎レジャー時間にスポーツやエクササイズを楽しむことは、リスクを減少させるようです。
◎一方で、職業上の激しい身体的な活動は、胃食道逆流症 ( GERD ) のリスクを増加させるようです。
◎胃食道逆流症 （ GERD ） とは、胃酸と消化酵素が、胃から食道に逆流することで、食道に炎症が起こって痛みが生じます。胃食道逆流症で最も多くみられる症状は、胸やけです。胸やけと一緒に、胃の内容物が口まで戻ってくることもあります。
◎スウェーデンのカロリンスカ研究所のツｫンリ・チェン （ Zongli Zheng ） 氏らが、 Gastroenterology 誌 1 月号に発表しました。
◎これまでに、多くの研究が、これらの要素を胃食道逆流症 ( GERD ) に結び付けましたが、新しい研究は、初めて一卵性双生児を含む研究をおこない、環境要因と遺伝の影響を切り離して確認することができました。
◎研究チームは、 869 組の一卵性双生児を含む、 2 万 7717 人の男女を対象に研究をおこないました。双子は、どちらか片方が胃食道逆流症 ( GERD ) の症状をもっていました。
◎ 1967 年と 1973 年に、運動や食事などのライフスタイルに関するアンケートに回答してもらい、1998 〜 2002 年に電話インタヴュー調査で、胃食道逆流症 ( GERD ) の症状に関して確認しています。
◎胃食道逆流症 ( GERD ) のリスクは、肥満度をみる体格指数 （ BMI ) の上昇とともに高くなりました。
◎遺伝的な影響を調整後に、標準の BMI 値をもつ女性と比べて、胃食道逆流症 ( GERD ) を発症するリスクが、正常範囲高めの BMI 値の女性は 25 パーセント、太り過ぎの女性は 46 パーセント、肥満の女性は 59 パーセント上昇しました。
◎標準の BMI 値 を 20 〜 22.4 、正常範囲高めの BMI 値は 22.5 〜 24.9 、太り過ぎの BMI 値は 25 〜 29.9 、肥満の BMI 値は 30 以上 としています。
_≫体格指数 （ BMI ) は身長と体重から算出されます。
◎逆に、 BMI 値が 20 未満の痩せている女性は、胃食道逆流症 ( GERD ) を発症するリスクが 19 パーセント減少しました。
◎遺伝的な要素は、女性よりも男性で、胃食道逆流症 ( GERD ) と肥満の関係で、大きな影響をもつようでした。これは、女性よりも男性で、肥満は、強い遺伝的な影響があるためのようだと研究者は記述しています。
◎標準の BMI をもつ男性と比べて、胃食道逆流症 ( GERD ) を発症するリスクが、正常範囲高めの BMI 値の男性は 44 パーセント、太り過ぎの男性は 187 パーセント、肥満の男性は 277 パーセント上昇しました。
◎逆に、痩せている男性は、胃食道逆流症 ( GERD ) を発症するリスクが 28 パーセント減少しました。
◎男性と女性の両方で、喫煙は、胃食道逆流症 ( GERD ) を発症するリスクを増加させました。タバコを吸えば吸うほど、胃食道逆流症 ( GERD ) のリスク高くなりました。
◎喫煙は、男性で 53 パーセント、女性で 37 パーセント、胃食道逆流症 ( GERD ) のリスクを増加させました。
◎一般の通念とは逆に、飲酒とコーヒーは、胃食道逆流症 ( GERD ) のリスクを上昇させませんでした。
◎飲酒と胃食道逆流症 ( GERD ) とのリンクが、全く見つからなかったと研究者は述べています。
◎その上、コーヒーをたくさん飲むことは、実際に、胃食道逆流症 ( GERD ) から、男性を保護するようでした。
◎これは、コーヒーをたくさん飲む人々は、太りにくい傾向があるためではないかと研究者は考えています。
◎研究者は、体重の増加、喫煙、仕事上の激しい身体的活動は、胃食道逆流症 ( GERD ) のリスク因子のようだと結んでいます。一方で、レジャーで身体を動かすことは、胃食道逆流症 ( GERD ) を防ぐ効果があるようだと述べています。
◎仕事上の激しい身体的活動と胃食道逆流症 ( GERD ) のリンクは、食後に満腹の状態で仕事をしなければならないために、逆流を引き起こすのではないかと述べています。
◎体重の増加と喫煙が、胸焼けや、胃酸や胃の内容物の逆流を招いている可能性が高いようです。
◎新しい研究は、肥満と喫煙が胃食道逆流症 ( GERD ) のリスクを増加させると確認しています。
◎太りすぎや肥満の人々は、女性で約 5 割またはそれ以上、男性で約 2 〜 3 倍に、リスクが増加しました。
◎痩せている人々は、男女ともリスクが減少しました。
◎レジャー時間にスポーツやエクササイズを楽しむことは、リスクを減少させるようです。
◎一方で、職業上の激しい身体的な活動は、胃食道逆流症 ( GERD ) のリスクを増加させるようです。
◎胃食道逆流症 （ GERD ） とは、胃酸と消化酵素が、胃から食道に逆流することで、食道に炎症が起こって痛みが生じます。胃食道逆流症で最も多くみられる症状は、胸やけです。胸やけと一緒に、胃の内容物が口まで戻ってくることもあります。
◎スウェーデンのカロリンスカ研究所のツｫンリ・チェン （ Zongli Zheng ） 氏らが、 Gastroenterology 誌 1 月号に発表しました。
◎これまでに、多くの研究が、これらの要素を胃食道逆流症 ( GERD ) に結び付けましたが、新しい研究は、初めて一卵性双生児を含む研究をおこない、環境要因と遺伝の影響を切り離して確認することができました。
◎研究チームは、 869 組の一卵性双生児を含む、 2 万 7717 人の男女を対象に研究をおこないました。双子は、どちらか片方が胃食道逆流症 ( GERD ) の症状をもっていました。
◎ 1967 年と 1973 年に、運動や食事などのライフスタイルに関するアンケートに回答してもらい、1998 〜 2002 年に電話インタヴュー調査で、胃食道逆流症 ( GERD ) の症状に関して確認しています。
◎胃食道逆流症 ( GERD ) のリスクは、肥満度をみる体格指数 （ BMI ) の上昇とともに高くなりました。
◎遺伝的な影響を調整後に、標準の BMI 値をもつ女性と比べて、胃食道逆流症 ( GERD ) を発症するリスクが、正常範囲高めの BMI 値の女性は 25 パーセント、太り過ぎの女性は 46 パーセント、肥満の女性は 59 パーセント上昇しました。
◎標準の BMI 値 を 20 〜 22.4 、正常範囲高めの BMI 値は 22.5 〜 24.9 、太り過ぎの BMI 値は 25 〜 29.9 、肥満の BMI 値は 30 以上 としています。
_≫体格指数 （ BMI ) は身長と体重から算出されます。
◎逆に、 BMI 値が 20 未満の痩せている女性は、胃食道逆流症 ( GERD ) を発症するリスクが 19 パーセント減少しました。
◎遺伝的な要素は、女性よりも男性で、胃食道逆流症 ( GERD ) と肥満の関係で、大きな影響をもつようでした。これは、女性よりも男性で、肥満は、強い遺伝的な影響があるためのようだと研究者は記述しています。
◎標準の BMI をもつ男性と比べて、胃食道逆流症 ( GERD ) を発症するリスクが、正常範囲高めの BMI 値の男性は 44 パーセント、太り過ぎの男性は 187 パーセント、肥満の男性は 277 パーセント上昇しました。
◎逆に、痩せている男性は、胃食道逆流症 ( GERD ) を発症するリスクが 28 パーセント減少しました。
◎男性と女性の両方で、喫煙は、胃食道逆流症 ( GERD ) を発症するリスクを増加させました。タバコを吸えば吸うほど、胃食道逆流症 ( GERD ) のリスク高くなりました。
◎喫煙は、男性で 53 パーセント、女性で 37 パーセント、胃食道逆流症 ( GERD ) のリスクを増加させました。
◎一般の通念とは逆に、飲酒とコーヒーは、胃食道逆流症 ( GERD ) のリスクを上昇させませんでした。
◎飲酒と胃食道逆流症 ( GERD ) とのリンクが、全く見つからなかったと研究者は述べています。
◎その上、コーヒーをたくさん飲むことは、実際に、胃食道逆流症 ( GERD ) から、男性を保護するようでした。
◎これは、コーヒーをたくさん飲む人々は、太りにくい傾向があるためではないかと研究者は考えています。
◎研究者は、体重の増加、喫煙、仕事上の激しい身体的活動は、胃食道逆流症 ( GERD ) のリスク因子のようだと結んでいます。一方で、レジャーで身体を動かすことは、胃食道逆流症 ( GERD ) を防ぐ効果があるようだと述べています。
◎仕事上の激しい身体的活動と胃食道逆流症 ( GERD ) のリンクは、食後に満腹の状態で仕事をしなければならないために、逆流を引き起こすのではないかと述べています。
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