英語学習者の最初の躓きは 「Be 動詞」の理解である。日本語学習者の躓きが「は」と「が」の使い分けであるように。この問題の根は深い。先に、
英語：５文型説の誤り ― 形式主義文法論の混迷
https:/
で論じたが、生成文法始め伝統的な英文法でも本質的に誤っており、形式主義的な文法論の欠陥がここに露呈している。
白井 由美子
なぜ Be 動詞でつまずいてしまうのか?-初級レベルの学生の誤答を見ながら-
https:/
柳瀬江里哉
英語のbe動詞の分類と指導に関する考察
https:/
他、多数の論考が教育の問題として扱っているが正しい理解は当然ながら得られていない。本質的には現在の形式主義的な英語学の欠陥であることが理解されていないために解決が得られないものである。今一度この誤りを明確にしておきたい。
＜判り易い「【中学英語】be動詞って何？」＞を参考にしよう。
https:/
ここでは、「be動詞は中学1年生で最初に習う動詞ですが、実は他の動詞には見られない、いろいろな姿や意味、役割がある、変幻自在でちょっと不思議な動詞なのです。」と「be＜動詞＞」とすることに全く疑問が持たれていない。しかし、
be動詞には「存在する」のように、「歌う」などの一般動詞と同じような意味もありますが、ここではbe動詞がほかの動詞と大きく異なる特徴的な部分について説明します。その基本的な意味・役割が、《主語について説明する》です。／／
と、「ほかの動詞と大きく異なる特徴的な部分」があることを自覚しながら、語の意義ではなく「基本的な意味・役割」という機能を問題にし、同じ形（形式）であることから、「be動詞」と＜動詞＞にしてしまうところに本質的な誤りがある。
「存在する」は日本語でも、「ここに本があります。」の「ある」が＜動詞＞であるように、無から有への時間的な変化を表す＜動詞＞であることに問題はない。しかし、「これは本である。」の「ある」は」存在ではなく肯定判断を表しており、正しくは＜助動詞＞としなければならない。学校文法では意義の相違を認めながら形式主義的に＜補助動詞＞と＜動詞＞の一類に品詞分類している。本家本元の英文法ではこの意義の相違を正しく捉えることができずに、これを一纏めに＜動詞＞とするところに混乱が生まれているのである。
Ｔhere is a pen.
の”is”は存在を表す動詞である。しかし、
Ｔhis is a pen.
の”is”は「これはぺンです。」の「です」に当たる肯定判断を表す＜助動詞＞である。英文法でも、
He is runnning.
の”is”は＜助動詞＞としながら、形式に引きずられ「Ｔhis is a pen.」の”is”を正しく＜助動詞＞に位置付けることができないのである。
そもそも助動詞が動詞を助けるという構文上の形式から＜動詞＞の下位分類として＜助動詞＞としているところに本質的な誤りがある。
語の意義ではなく形式や機能に基づき品詞分類するしかない現在の言語学の欠陥が露呈している。先の Ｔｏｐｉ でも指摘の通り、
安藤 貞雄／著『現代英文法講義』（開拓社；2005/10/1）は、「Ｂｅ，Have，Ｄo」を本動詞の用法と助動詞の用法を持つとしながら、
Tom is a police officer. （トムは警察官です。）
の〔ｉｓ〕は＜動詞＞として扱い、「 一次助動詞 : be, have, do 」は「いずれも【語彙的な意味をもたない】文法形式素（formative）である。」という形式主義的な誤りを披歴している。
形式のみを持ち「語彙的な意味をもたない」語などというものは宙に浮いているしかなく、語ではありえない。この「 一次助動詞 : be, have, do 」は肯定判断を表す＜助動詞＞であり、「Tom is a police officer. 」の〔ｉｓ〕と同じものである。
この誤った文法教育を受けた中学生、高校生、大学生が混乱するのは必至で、上に挙げた論考がこの混乱を取り上げながら何ら本質的な解明ができないのは英語学、英文法論の欠陥に起因するものである。
参考までに、この疑問に悩まされている学習者の質問例を次に示す。
＞AreとDoは
Are が動作がない時に使う単語
Do は動作がある時に使う単語
であっていますか？
https:/
＞英語について2つ質問があります。
https:/
■
英語：５文型説の誤り ― 形式主義文法論の混迷
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で論じたが、生成文法始め伝統的な英文法でも本質的に誤っており、形式主義的な文法論の欠陥がここに露呈している。
白井 由美子
なぜ Be 動詞でつまずいてしまうのか?-初級レベルの学生の誤答を見ながら-
https:/
柳瀬江里哉
英語のbe動詞の分類と指導に関する考察
https:/
他、多数の論考が教育の問題として扱っているが正しい理解は当然ながら得られていない。本質的には現在の形式主義的な英語学の欠陥であることが理解されていないために解決が得られないものである。今一度この誤りを明確にしておきたい。
＜判り易い「【中学英語】be動詞って何？」＞を参考にしよう。
https:/
ここでは、「be動詞は中学1年生で最初に習う動詞ですが、実は他の動詞には見られない、いろいろな姿や意味、役割がある、変幻自在でちょっと不思議な動詞なのです。」と「be＜動詞＞」とすることに全く疑問が持たれていない。しかし、
be動詞には「存在する」のように、「歌う」などの一般動詞と同じような意味もありますが、ここではbe動詞がほかの動詞と大きく異なる特徴的な部分について説明します。その基本的な意味・役割が、《主語について説明する》です。／／
と、「ほかの動詞と大きく異なる特徴的な部分」があることを自覚しながら、語の意義ではなく「基本的な意味・役割」という機能を問題にし、同じ形（形式）であることから、「be動詞」と＜動詞＞にしてしまうところに本質的な誤りがある。
「存在する」は日本語でも、「ここに本があります。」の「ある」が＜動詞＞であるように、無から有への時間的な変化を表す＜動詞＞であることに問題はない。しかし、「これは本である。」の「ある」は」存在ではなく肯定判断を表しており、正しくは＜助動詞＞としなければならない。学校文法では意義の相違を認めながら形式主義的に＜補助動詞＞と＜動詞＞の一類に品詞分類している。本家本元の英文法ではこの意義の相違を正しく捉えることができずに、これを一纏めに＜動詞＞とするところに混乱が生まれているのである。
Ｔhere is a pen.
の”is”は存在を表す動詞である。しかし、
Ｔhis is a pen.
の”is”は「これはぺンです。」の「です」に当たる肯定判断を表す＜助動詞＞である。英文法でも、
He is runnning.
の”is”は＜助動詞＞としながら、形式に引きずられ「Ｔhis is a pen.」の”is”を正しく＜助動詞＞に位置付けることができないのである。
そもそも助動詞が動詞を助けるという構文上の形式から＜動詞＞の下位分類として＜助動詞＞としているところに本質的な誤りがある。
語の意義ではなく形式や機能に基づき品詞分類するしかない現在の言語学の欠陥が露呈している。先の Ｔｏｐｉ でも指摘の通り、
安藤 貞雄／著『現代英文法講義』（開拓社；2005/10/1）は、「Ｂｅ，Have，Ｄo」を本動詞の用法と助動詞の用法を持つとしながら、
Tom is a police officer. （トムは警察官です。）
の〔ｉｓ〕は＜動詞＞として扱い、「 一次助動詞 : be, have, do 」は「いずれも【語彙的な意味をもたない】文法形式素（formative）である。」という形式主義的な誤りを披歴している。
形式のみを持ち「語彙的な意味をもたない」語などというものは宙に浮いているしかなく、語ではありえない。この「 一次助動詞 : be, have, do 」は肯定判断を表す＜助動詞＞であり、「Tom is a police officer. 」の〔ｉｓ〕と同じものである。
この誤った文法教育を受けた中学生、高校生、大学生が混乱するのは必至で、上に挙げた論考がこの混乱を取り上げながら何ら本質的な解明ができないのは英語学、英文法論の欠陥に起因するものである。
参考までに、この疑問に悩まされている学習者の質問例を次に示す。
＞AreとDoは
Are が動作がない時に使う単語
Do は動作がある時に使う単語
であっていますか？
https:/
＞英語について2つ質問があります。
https:/
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コメント(26)
機能主義文法に過ぎない生成文法でも、この助動詞”be” は当然ながら＜動詞＞とされ、その扱いに困惑している。下記、
藤内 則光
「叙述のbe動詞の統語的特異性・再考」
https://nufs.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=233&item_no=1&page_id=13&block_id=17
では、「2.1.」で、
Ｔhis is a pen.
を取り上げ、「NVNの線型順序の英文で、一般的な他動詞と線型順序に限れば一致するので奇異な印象を与えない。しかし、動詞の目的語の位置にあるように見える a pen は実際には目的語ではなく主格補語と呼ばれている。」と困惑している。これは上述の通り＜動詞＞ではなく＜助動詞＞なので当然であるが、形式主義的な発想からこれを合理化すべく腐心している。
形式主義では形式と内容を一致させるしかなく、零記号という認識は存在するが表現されない存在を捉えることも、理解することも出来ないため、一般動詞との相違と関連を捉えることができず混迷を重ねるしかないのが現状である。
これが科学的と称する言語論、文法論の実体である。■
藤内 則光
「叙述のbe動詞の統語的特異性・再考」
https://nufs.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=233&item_no=1&page_id=13&block_id=17
では、「2.1.」で、
Ｔhis is a pen.
を取り上げ、「NVNの線型順序の英文で、一般的な他動詞と線型順序に限れば一致するので奇異な印象を与えない。しかし、動詞の目的語の位置にあるように見える a pen は実際には目的語ではなく主格補語と呼ばれている。」と困惑している。これは上述の通り＜動詞＞ではなく＜助動詞＞なので当然であるが、形式主義的な発想からこれを合理化すべく腐心している。
形式主義では形式と内容を一致させるしかなく、零記号という認識は存在するが表現されない存在を捉えることも、理解することも出来ないため、一般動詞との相違と関連を捉えることができず混迷を重ねるしかないのが現状である。
これが科学的と称する言語論、文法論の実体である。■
>>[1]
三浦は時制についても入れ子を使いますが、あなた同様、宮崎正弘も入れ子をわかっていません。あなたよりはマシな気はしますが。「急いで書かせる」「急いで刺し殺す」から、さすがに入れ子が統合する統合される関係であることは理解できたと思います。まさかいまだに、風呂敷と入れ子を混同していないですよね？笑
辞の内側に詞があるという間違いと、詞の内側に詞がある、句の内側に句があるというのは別物で、前者は対象と話し手の現実での統一の反映によって生まれたもので、後者は文の組み立ての話です。
【あなたの意見だと、入れ子の大きさの違い、盃の大きさの違いは何を表すのですか？具体と抽象ですか？大爆笑、大爆笑】
添付の図を見てください。
「過去の仮想の世界」は「彼もアメリカへ行か」の枠の内側になっていません。「過去の現実世界」が「過去の仮想世界」のところにないといけません。そして、「過去の現実世界」のところに「現在の現実世界」がないといけません。これでは「現在の現実世界」が句の外側にあることになってしまいます。「日本語はどういう言語か」の210ページの矢印から、三浦は時制の世界を句で考えています。これは「日本語はどういう言語か」の219ページと220ページを見てもわかります。
時制の入れ子は最終的に「現在の現実世界」が統合します。当たり前ですよね。
「行か」が線で囲まれているところも間違いで、時枝も三浦もこんな図にはまったくしていません。これでは統合する統合されるとなりません。
あなたは宮崎が正しいと以前言いましたが、あなたは入れ子と風呂敷を混同していることがわかり、あなたは間違いだとわかりました。いい迷惑でした。三浦の本に書いていないことは断言的に言うのはやめてほしいものです。あるいは「私の意見ですが、」と謙虚に断りを入れてほしいものです。
ここまでで、何か反対意見はありますか？
無視しないで何かコメントくれませんか？あなたは人の間違いを指摘しているのに、自分の間違いを指摘されるとだだをこねます。言っていることとやっていることが違うではないですか。あなたはただの文法愛好家で学者ではないですし。あなたの説ではなく、三浦の説です。あなたがすごいのではなく、三浦がすごいのですから。誰もあなたをすごいとは思っていません。お互いに間違いを指摘し合って高まっていくべきではないでしょうか？
というか、入れ子をわかっていないのに、よくあれこれ言えますね？
三浦は時制についても入れ子を使いますが、あなた同様、宮崎正弘も入れ子をわかっていません。あなたよりはマシな気はしますが。「急いで書かせる」「急いで刺し殺す」から、さすがに入れ子が統合する統合される関係であることは理解できたと思います。まさかいまだに、風呂敷と入れ子を混同していないですよね？笑
辞の内側に詞があるという間違いと、詞の内側に詞がある、句の内側に句があるというのは別物で、前者は対象と話し手の現実での統一の反映によって生まれたもので、後者は文の組み立ての話です。
【あなたの意見だと、入れ子の大きさの違い、盃の大きさの違いは何を表すのですか？具体と抽象ですか？大爆笑、大爆笑】
添付の図を見てください。
「過去の仮想の世界」は「彼もアメリカへ行か」の枠の内側になっていません。「過去の現実世界」が「過去の仮想世界」のところにないといけません。そして、「過去の現実世界」のところに「現在の現実世界」がないといけません。これでは「現在の現実世界」が句の外側にあることになってしまいます。「日本語はどういう言語か」の210ページの矢印から、三浦は時制の世界を句で考えています。これは「日本語はどういう言語か」の219ページと220ページを見てもわかります。
時制の入れ子は最終的に「現在の現実世界」が統合します。当たり前ですよね。
「行か」が線で囲まれているところも間違いで、時枝も三浦もこんな図にはまったくしていません。これでは統合する統合されるとなりません。
あなたは宮崎が正しいと以前言いましたが、あなたは入れ子と風呂敷を混同していることがわかり、あなたは間違いだとわかりました。いい迷惑でした。三浦の本に書いていないことは断言的に言うのはやめてほしいものです。あるいは「私の意見ですが、」と謙虚に断りを入れてほしいものです。
ここまでで、何か反対意見はありますか？
無視しないで何かコメントくれませんか？あなたは人の間違いを指摘しているのに、自分の間違いを指摘されるとだだをこねます。言っていることとやっていることが違うではないですか。あなたはただの文法愛好家で学者ではないですし。あなたの説ではなく、三浦の説です。あなたがすごいのではなく、三浦がすごいのですから。誰もあなたをすごいとは思っていません。お互いに間違いを指摘し合って高まっていくべきではないでしょうか？
というか、入れ子をわかっていないのに、よくあれこれ言えますね？
棚瀬, 江里哉
「英語のbe動詞の分類と指導に関する考察」
https://hokusei.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=732&item_no=1&page_id=13&block_id=21
本論考も当然ながら、”be” を本動詞と助動詞に区分しながら、助動詞の意義を捉えることがでいないために「本動詞」の”be” に「連結」なる機能を取り込み混乱している。そして、「４．課題」で、
統語論的には、たとえば、助動詞であろうと連結、存在であろうと、疑問文においては前置されるという特徴がある。しかし、形式上の規則だけではなく、よりコﾐｭニケーショント結びつきやすい意味論的な共通点を見いだせないものだろうか。認知論的なモデルに一つの可能性があると思われるが、その検討も今後の課題である。
と匙を投げているのが現状である。本Ｔｏｐｉの内容が理解できれば明白であるが機能主義、形式主義的な論理、発想からは解決不能な問題と化す他ない。■
「英語のbe動詞の分類と指導に関する考察」
https://hokusei.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=732&item_no=1&page_id=13&block_id=21
本論考も当然ながら、”be” を本動詞と助動詞に区分しながら、助動詞の意義を捉えることがでいないために「本動詞」の”be” に「連結」なる機能を取り込み混乱している。そして、「４．課題」で、
統語論的には、たとえば、助動詞であろうと連結、存在であろうと、疑問文においては前置されるという特徴がある。しかし、形式上の規則だけではなく、よりコﾐｭニケーショント結びつきやすい意味論的な共通点を見いだせないものだろうか。認知論的なモデルに一つの可能性があると思われるが、その検討も今後の課題である。
と匙を投げているのが現状である。本Ｔｏｐｉの内容が理解できれば明白であるが機能主義、形式主義的な論理、発想からは解決不能な問題と化す他ない。■
当然ながら、現在の英文法学に基づく教育では下記の質問が絶えることはない。
そして、それに論理的に答えることができないのが現状である。
日本語を英語にする時be動詞にすればいいか一般動詞にすればいいか分からないのですが、分かるようになるにはどうすればいいのでしょうか
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13263448398
be not to say that 〜 「〜ということを言っているのではない」 と言う訳があったのですが、文法的に説明して欲しいです
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12263449147
■
そして、それに論理的に答えることができないのが現状である。
日本語を英語にする時be動詞にすればいいか一般動詞にすればいいか分からないのですが、分かるようになるにはどうすればいいのでしょうか
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13263448398
be not to say that 〜 「〜ということを言っているのではない」 と言う訳があったのですが、文法的に説明して欲しいです
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12263449147
■
佐藤良明
『英文法を哲学する』（株式会社アルク；2022.1.24）
では、
3‐４ am／are／はbeとは違う。 （113ｐ）
5‐３ 「いる」と「ある」がbeとhaveに対応する。 （179ｐ）
と混乱した説明が平然と成されている。5‐３では、
初級英語でbe動詞の意味を「ある、である」と教え、haveの意味を「持つ」と教えるのは賢いやり方とは言えません。進行形や完了形を字句通りに理解することを難しくしてしまうからです。
と進行とアスペクトについて説明しているが、日本語の「いる」と「ある」の対比を引き合いにだしながら、「ある」
の動詞と助動詞の相違については触れることができていない。
そもそも動詞を形式的に定義する限り区分の根拠を見いだすことはできず、”be” "do" "have" の動詞、助動詞を区分できず、「賢いやり方とは言えません」と言いながら賢いやり方を提示することができない。
著者は英文法を科学するのではなく哲学するため、3‐４では、「文法は、言葉についての理解をすっきりさせるためにあるものですが、本当に基礎的なことは、語るのが難しすぎる。というか、言葉で語れるようになっていません。」と述べ、「コトバの基礎を語るもどかしさ」を披歴するしかない。
この書も形式主義的な言語観、文法観に基づき経験的、感覚的な文法解釈を展開する他ないことを露呈している。■
『英文法を哲学する』（株式会社アルク；2022.1.24）
では、
3‐４ am／are／はbeとは違う。 （113ｐ）
5‐３ 「いる」と「ある」がbeとhaveに対応する。 （179ｐ）
と混乱した説明が平然と成されている。5‐３では、
初級英語でbe動詞の意味を「ある、である」と教え、haveの意味を「持つ」と教えるのは賢いやり方とは言えません。進行形や完了形を字句通りに理解することを難しくしてしまうからです。
と進行とアスペクトについて説明しているが、日本語の「いる」と「ある」の対比を引き合いにだしながら、「ある」
の動詞と助動詞の相違については触れることができていない。
そもそも動詞を形式的に定義する限り区分の根拠を見いだすことはできず、”be” "do" "have" の動詞、助動詞を区分できず、「賢いやり方とは言えません」と言いながら賢いやり方を提示することができない。
著者は英文法を科学するのではなく哲学するため、3‐４では、「文法は、言葉についての理解をすっきりさせるためにあるものですが、本当に基礎的なことは、語るのが難しすぎる。というか、言葉で語れるようになっていません。」と述べ、「コトバの基礎を語るもどかしさ」を披歴するしかない。
この書も形式主義的な言語観、文法観に基づき経験的、感覚的な文法解釈を展開する他ないことを露呈している。■
佐藤良明 『英文法を哲学する』（株式会社アルク；2022.1.24） の
2−４、「英語文は構造に収まりたがる」(75ｐ)
では、〔is〕〔are〕が下記の通り＜形式動詞＞とされてしまいます。
Ｓもようなもの―�垢里茲Δ覆發痢州呂里茲Δ覆發�
�鵝法�They are dancing.
�堯法�This is so pretty.
ただ、〜。is も、言ってしまえば【「形式動詞」】。「寒い」というだけのことを言うのに、、【動詞】が必要なわけでもないのに、構文上の理由から借り出されてきた。�鵝砲琵堯砲両豺隋⊆膰譴梁緻昌譴�、何かを「指して」はいますが、【動詞】はやっぱり形式を整えているに過ぎません。／／
（【】は引用者の付加。）
このように、〔is〕〔are〕が＜動詞＞とされ、「形式を整えているに過ぎません。」と単なる＜形式動詞＞とされてしまいます。勿論、これらの〔is〕〔are〕はＴｏｐｉ で論じたように肯定判断を表す＜助動詞＞であり、〔They〕と〔dancing〕、〔This 〕と〔so pretty〕の繋がり、関係の話者による肯定判断の認識を表しています。
話者の認識を捉えることの出来ない形式主義／機能主義的な発想ではこれを捉えられないことを露呈しています。■
2−４、「英語文は構造に収まりたがる」(75ｐ)
では、〔is〕〔are〕が下記の通り＜形式動詞＞とされてしまいます。
Ｓもようなもの―�垢里茲Δ覆發痢州呂里茲Δ覆發�
�鵝法�They are dancing.
�堯法�This is so pretty.
ただ、〜。is も、言ってしまえば【「形式動詞」】。「寒い」というだけのことを言うのに、、【動詞】が必要なわけでもないのに、構文上の理由から借り出されてきた。�鵝砲琵堯砲両豺隋⊆膰譴梁緻昌譴�、何かを「指して」はいますが、【動詞】はやっぱり形式を整えているに過ぎません。／／
（【】は引用者の付加。）
このように、〔is〕〔are〕が＜動詞＞とされ、「形式を整えているに過ぎません。」と単なる＜形式動詞＞とされてしまいます。勿論、これらの〔is〕〔are〕はＴｏｐｉ で論じたように肯定判断を表す＜助動詞＞であり、〔They〕と〔dancing〕、〔This 〕と〔so pretty〕の繋がり、関係の話者による肯定判断の認識を表しています。
話者の認識を捉えることの出来ない形式主義／機能主義的な発想ではこれを捉えられないことを露呈しています。■
さらに、佐藤良明 『英文法を哲学する』（株式会社アルク；2022.1.24） の「３−３ 文は補語だけで自立する」では、次のように述べています。
英語の発想には、発想の根本から［ＳＶＯ］の形をしている系統と、［Ｃ］のみで発想し、あとから、都合に応じてＳを付けて、【形式動詞の ｉｓ】 等で結びものがある。その点が理解されれば、初級英語の教室も、こんなふうにリラックスして実習に生徒を引き込めるのではないでしょうか。
There. On the floor. Under the table. Your pen is there. It's under the table.
Here. in may.hand. It's in my hand. It was down here. On the floor. I picked it up. it's uｐ here now ...／／
この文で、
Your pen is there.
It's under the table.
It's in my hand.
It was down here.
の"be” は存在を表す動詞であり、【形式動詞の ｉｓ】 ではない。なぜこんなことになってしまうのであろうか？
それは、語の形式だけに囚われ、表現過程、話者の認識、語の意義を捉えられない言語観の限界と云わなければならない。これでは、「リラックスして実習に生徒を引き込め」ても、混乱を招くだけであろう。■
英語の発想には、発想の根本から［ＳＶＯ］の形をしている系統と、［Ｃ］のみで発想し、あとから、都合に応じてＳを付けて、【形式動詞の ｉｓ】 等で結びものがある。その点が理解されれば、初級英語の教室も、こんなふうにリラックスして実習に生徒を引き込めるのではないでしょうか。
There. On the floor. Under the table. Your pen is there. It's under the table.
Here. in may.hand. It's in my hand. It was down here. On the floor. I picked it up. it's uｐ here now ...／／
この文で、
Your pen is there.
It's under the table.
It's in my hand.
It was down here.
の"be” は存在を表す動詞であり、【形式動詞の ｉｓ】 ではない。なぜこんなことになってしまうのであろうか？
それは、語の形式だけに囚われ、表現過程、話者の認識、語の意義を捉えられない言語観の限界と云わなければならない。これでは、「リラックスして実習に生徒を引き込め」ても、混乱を招くだけであろう。■
金 銀珠
形容詞の二つの統語機能
言語テクストの解釈的観点から
https://www.gcoe.lit.nagoya-u.ac.jp/result/pdf/3-2_%E9%87%91%E9%8A%80%E7%8F%A0.pdf
でも、beを動詞として一括し次のように規定している。
be動詞は、構文的にみれば、時制やムードなどを表すために発達したものである。このようなことから、be動詞の役割は、文を結ぶことより、まず、形容詞文に時制やムードを盛り込むことにある、とみた方が妥当であろうと考えられる。さらに、このようなbe動詞の統語機能は、（4ｂ、ｃ、ｄ）で見るように日本語の形容詞が単独では過去時制やムードを表すことができず、「強く＋あった」「強く＋あろう」「強く＋あれ」のように存在動詞「ある」と結合することによって示される現象とパラレルである。／／
この論考はタイトルからも明らかなように「統語【機能】」、つまり語の意義ではなく「機能」を取り上げ、本質と取り違えて論じている。be動詞もまた「役割」という機能を問題にするしかなく、その意義を捉えられずに混乱している。
「強く＋あった」「強く＋あろう」「強く＋あれ」は、それぞれ＜形容詞＞「強く」＋＜助動詞＞「ある」＋過去の助動詞「た」、意志の＜助動詞＞「う」、＜助動詞＞「ある」の命令形「あれ」であり、存在動詞「ある」ではない。日本語文法ではこの「ある」は＜補助動詞＞とされているが正しくは肯定判断を表す＜助動詞＞である。「強い」という属性の存在を表しているのではないことは明らかであろう。英語のbeも又同様であり、存在を表しているのではない。
「存在動詞「ある」と結合することによって示される現象とパラレルである。」というのも、膠着語である日本語と屈折語である英語の意義の相異を正しく捉えたものではない。
どちらも単に形式と機能に囚われ、安易に同一視する粗雑な判断である。
これらは言語の本質を捉えることができない機能主義的な発想の限界である。この論考の主題である＜形容詞＞についても同様な機能主義的な誤った解釈が展開されているがその点については別にＴｏｐｉを立て明らかにしたい。■
形容詞の二つの統語機能
言語テクストの解釈的観点から
https://www.gcoe.lit.nagoya-u.ac.jp/result/pdf/3-2_%E9%87%91%E9%8A%80%E7%8F%A0.pdf
でも、beを動詞として一括し次のように規定している。
be動詞は、構文的にみれば、時制やムードなどを表すために発達したものである。このようなことから、be動詞の役割は、文を結ぶことより、まず、形容詞文に時制やムードを盛り込むことにある、とみた方が妥当であろうと考えられる。さらに、このようなbe動詞の統語機能は、（4ｂ、ｃ、ｄ）で見るように日本語の形容詞が単独では過去時制やムードを表すことができず、「強く＋あった」「強く＋あろう」「強く＋あれ」のように存在動詞「ある」と結合することによって示される現象とパラレルである。／／
この論考はタイトルからも明らかなように「統語【機能】」、つまり語の意義ではなく「機能」を取り上げ、本質と取り違えて論じている。be動詞もまた「役割」という機能を問題にするしかなく、その意義を捉えられずに混乱している。
「強く＋あった」「強く＋あろう」「強く＋あれ」は、それぞれ＜形容詞＞「強く」＋＜助動詞＞「ある」＋過去の助動詞「た」、意志の＜助動詞＞「う」、＜助動詞＞「ある」の命令形「あれ」であり、存在動詞「ある」ではない。日本語文法ではこの「ある」は＜補助動詞＞とされているが正しくは肯定判断を表す＜助動詞＞である。「強い」という属性の存在を表しているのではないことは明らかであろう。英語のbeも又同様であり、存在を表しているのではない。
「存在動詞「ある」と結合することによって示される現象とパラレルである。」というのも、膠着語である日本語と屈折語である英語の意義の相異を正しく捉えたものではない。
どちらも単に形式と機能に囚われ、安易に同一視する粗雑な判断である。
これらは言語の本質を捉えることができない機能主義的な発想の限界である。この論考の主題である＜形容詞＞についても同様な機能主義的な誤った解釈が展開されているがその点については別にＴｏｐｉを立て明らかにしたい。■
ここで問題にしている、have，do，be（判断辞）について、
三 浦 陽 一
英語時称の言語過程 ―レールカメラ図による図示の試み―
http://elib.bliss.chubu.ac.jp/webopac/bdyview.do?bodyid=XC10000109&elmid=Body&fname=143_Miura.pdf
では、「判断」について次のように指摘している。
判断には，肯定，否定，疑問の三種がある。判断は表現主体の認識を直接にあらわす主体的表現である。三種の判断のうち肯定が基本であり，現実とは異なる認識をもって現実を認識したとき否定となり，肯定の不確定を認識すれば疑問となる。
判断（とくに肯定と疑問）の認識は，表現を省略することも多い（ゼロ記号）。それをあえて表現したり文を構成しようとするとき，英語では have，do，be（判断辞）と not（否定辞）を用いる＊。
＊
「歴史をさかのぼれば判断は本来ゼロ記号だったのであり，本来は存在などを表す抽象動詞 be や所有を表すhaveが判断の主体的表現に転化して，現在のいわゆる助動詞beやhaveに至ったのである。」（宮下眞二『英語はどういう言語か』140 頁）。たとえば，He ■ talks. という文では話し手の肯定という判断の認識はあるがその主体的表現はない（■の部分。いわばここにゼロ記号がある。しいて肯定判断を表現するなら He does talk. となる）。しかし He is talking. という文では話し手の主体的な肯定判断が is によって表現されている。／／
have，do，be の原義は，それぞれ「もつ（保持）」「する（動作）」「いる（存在）」という，人間世界の基本的行為である。
have，do，be は，I have a car．He will do everything. She is in the room. のように，それぞれの原義どおりに一般動詞として使われる場合もある。
他方で，I have visited the country．He did not come. She is tired. のように，それぞれの原義を止揚・保存しつつ，判断（肯定，否定，疑問の区別）を明示して文を構成するためにも使われる。この場合の have，do，be を判断辞と呼ぶ。
＝＝＝＝＝＝＝＝引用終わり
現在の英語学には主体的表現、客体的表現という語の根本的な区分の概念が無く、動詞／助動詞を形式と機能により区分するしかないのが現状である。
ここでは、助動詞について次のように述べている。
助動詞
助動詞はみずからの判断に関する表現主体の認識をあらわす主体的表現である。いわば表現主体が自分の判断に関する「揺れ」を表現するもので，文の主語に関する客観的表現ではないので注意する＊。
＊助動詞が文の主語に関する判断ではなく，表現主体の心的態度の直接的表現（時枝文法でいう「辞」）であり，したがって文全体を射程に収める語であることについては，次の引用を参照。「助動詞は，発話者の目から見て，ある命題が真か偽かということにかかわる，さまざまな意味の層を表現する。」ス
ティーブン・ピンカー（椋田直子訳）『言語を生みだす本能（上）』NHK ブックス，1995 年，161 頁。
「文は助動詞を主要語とする最大投射なのです。いわば文は『助動詞句』です。」枡矢好弘・福田稔『学校英文法と科学英文法』研究社，1993 年，57 頁。（ゴチックは引用者）
＝＝＝＝＝引用終わり
この引用では、「助動詞は，発話者の目から見て，ある命題が真か偽かということにかかわる，さまざまな意味の層を表現する。」としているが、これも文と命題を混同した混乱した議論であり、命題の真偽ではなく、肯定／否定の判断の直接的表現である。■
三 浦 陽 一
英語時称の言語過程 ―レールカメラ図による図示の試み―
http://elib.bliss.chubu.ac.jp/webopac/bdyview.do?bodyid=XC10000109&elmid=Body&fname=143_Miura.pdf
では、「判断」について次のように指摘している。
判断には，肯定，否定，疑問の三種がある。判断は表現主体の認識を直接にあらわす主体的表現である。三種の判断のうち肯定が基本であり，現実とは異なる認識をもって現実を認識したとき否定となり，肯定の不確定を認識すれば疑問となる。
判断（とくに肯定と疑問）の認識は，表現を省略することも多い（ゼロ記号）。それをあえて表現したり文を構成しようとするとき，英語では have，do，be（判断辞）と not（否定辞）を用いる＊。
＊
「歴史をさかのぼれば判断は本来ゼロ記号だったのであり，本来は存在などを表す抽象動詞 be や所有を表すhaveが判断の主体的表現に転化して，現在のいわゆる助動詞beやhaveに至ったのである。」（宮下眞二『英語はどういう言語か』140 頁）。たとえば，He ■ talks. という文では話し手の肯定という判断の認識はあるがその主体的表現はない（■の部分。いわばここにゼロ記号がある。しいて肯定判断を表現するなら He does talk. となる）。しかし He is talking. という文では話し手の主体的な肯定判断が is によって表現されている。／／
have，do，be の原義は，それぞれ「もつ（保持）」「する（動作）」「いる（存在）」という，人間世界の基本的行為である。
have，do，be は，I have a car．He will do everything. She is in the room. のように，それぞれの原義どおりに一般動詞として使われる場合もある。
他方で，I have visited the country．He did not come. She is tired. のように，それぞれの原義を止揚・保存しつつ，判断（肯定，否定，疑問の区別）を明示して文を構成するためにも使われる。この場合の have，do，be を判断辞と呼ぶ。
＝＝＝＝＝＝＝＝引用終わり
現在の英語学には主体的表現、客体的表現という語の根本的な区分の概念が無く、動詞／助動詞を形式と機能により区分するしかないのが現状である。
ここでは、助動詞について次のように述べている。
助動詞
助動詞はみずからの判断に関する表現主体の認識をあらわす主体的表現である。いわば表現主体が自分の判断に関する「揺れ」を表現するもので，文の主語に関する客観的表現ではないので注意する＊。
＊助動詞が文の主語に関する判断ではなく，表現主体の心的態度の直接的表現（時枝文法でいう「辞」）であり，したがって文全体を射程に収める語であることについては，次の引用を参照。「助動詞は，発話者の目から見て，ある命題が真か偽かということにかかわる，さまざまな意味の層を表現する。」ス
ティーブン・ピンカー（椋田直子訳）『言語を生みだす本能（上）』NHK ブックス，1995 年，161 頁。
「文は助動詞を主要語とする最大投射なのです。いわば文は『助動詞句』です。」枡矢好弘・福田稔『学校英文法と科学英文法』研究社，1993 年，57 頁。（ゴチックは引用者）
＝＝＝＝＝引用終わり
この引用では、「助動詞は，発話者の目から見て，ある命題が真か偽かということにかかわる，さまざまな意味の層を表現する。」としているが、これも文と命題を混同した混乱した議論であり、命題の真偽ではなく、肯定／否定の判断の直接的表現である。■
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