北京波の新世紀映画水路コミュの『レディ・イン・ザ・ウォーター』評

この文章をお読みになられても、鑑賞には一切影響ありません！

実は一言も書けない。書いてはいけない種類の映画である。

どうせ、この映画・・・Ｍ・ナイト・シャマランの世界に興味がある人間しか見には来ないでしょ。

いままで１本もシャマランの映画を見ていない人・・・絶対に見てはいけません。後悔する。招待券で無料入場したとしても、後悔する。

しかし、「シックス・センス」「サイン」「ヴィレッジ」に少しでもシンパシーがあり、いつもみたいに上手く○○○○してくれるんじゃないか・・・と思っている観客は、どうせ我慢できないでしょ。

見たまえヨ。ならば、見たまえよ。
見なけりゃ、褒めも貶しもできないじゃん。

しかし、いまさらながらキャスティングは抜群に上手いよな。ポール・ジアマッティというのは本当に上手い！

ロン・ハワードの娘も、こんな女優いないさぁ。

ボブ・バラバン・・・あの『真夜中のカーボーイ』の映画館のトイレでジョン・ヴォイトに腕時計を取られそうになる少年が、こんなになっちゃった。

メアリー・ベス・ハートもＭ・ナイト・シャマランも自作自演でやってますよ。

この映画、シャマランの世界に積極的に○○○○欲しくてやってくる観客にのみ開かれた世界なんじゃないかな。キー・ワードは「集団催眠」ですよ。

それをすんなりやられてしまう最大の功労はクリストファー・ドイルのキャメラですよ。呆れたけど、またまた次回作も行っちゃうでしょうな。（★★★）

しかし、いままでのシャマランははったりの作家で、見終わったあとにだまされた快感があった。少なくとも「シックス・センス」「サイン」「ヴィレッジ」にはあった。

しかし、今度シャマランがだましたのは映画を見に来た観客ではなく、シャマランを見に来た観客なのである。

次回作が楽しみだ。もうだます相手はいないからだ。