男！鈴木みのるコミュの２００６年プロレス大賞ＭＶＰ

↑「オレおめでとう！」とクラッカーを打ち鳴らす鈴木＝横浜市内のパンクラス道場

みのるが“世界一性格の悪いＭＶＰ”

　２００６年プロレス大賞（東京スポーツ新聞社制定）の選考会議（デイリースポーツなどマスコミ１０社の担当記者、評論家ら２７人で構成）が１１日、都内で行われ、各受賞者が決定した。最優秀選手賞（ＭＶＰ）は全日本の３冠王座を奪取する一方、最弱女子レスラーやロボット（メカマミー）とまで戦った懐の深さを評価された鈴木みのる（３８）＝パンクラスＭＩＳＳＩＯＮ＝が初受賞。鈴木は腎臓がんからの復帰を期すノア・小橋建太（３９）との３冠戦をぶち上げた。授賞式は２５日に都内で行われる。
　新日本からＵＷＦに移籍し、パンクラシストからプロレスラーへ。波瀾（はらん）万丈の格闘人生を送ってきた“世界一性格の悪い男”は今回の快挙に「うれしくてうれしくて涙が止まりません…」とボケながら「そんなわけねえじゃん！」と一人突っ込みで、ひねくれ者の本領発揮。“名誉”や“伝統”などクソくらえだ。
　「賞なんか目標にしてねえから。オレは自分のためだけにやってるから。まあ、くれるっていうなら、もらってやるよ」。この男にとってＭＶＰなど何の価値もないらしい。肩書より、熱くなれる魂を求めている。
　鈴木の目は“鉄人”に向けられていた。前夜、日本武道館の廊下で小橋とすれ違い、互いに会釈を交わした瞬間「こいつと戦いたい」という思いが浮かんだという。「オレの勝手な希望」と前置きしながら「いつか小橋が帰ってきて、そのときまで俺が（３冠の）ベルトを持っていたらね」と、夢を膨らませた。
　メジャーもマイナーも関係ない。ノア、新日本、全日本から、ドラゴンゲート、メカマミーとの一騎打ち、風香との“３冠防衛戦”まで枠にとらわれずに駆け抜け、０７年も新日本１・４東京ドーム大会で永田との防衛戦を皮切りに突っ走る。「来年も俺の思い通りにやらせてもらう。面白いことをやらないと損だろ」。“世界一性格の悪いＭＶＰ”は破天荒な幕末の志士のように、風になる。

[デイリースポーツ]