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生活保護者の集いコミュの低所得者には現金支給「給付付き税額控除」とは何か

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https://news.yahoo.co.jp/articles/bf4c59f5e7ba031b1ce8d1026cbf36be481e19f5

新型コロナウイルスの感染拡大では、収入が急減して生活が苦しくなった人への支援策が課題になった。そこで注目を集めるのが「給付付き税額控除」だ。税と社会保障を組み合わせ、低所得者には現金給付する仕組みで、欧米では効果的な低所得者支援策として評価が高い。具体的な仕組みやマイナンバー制度との深い関わりをみていこう。【毎日新聞経済プレミア・渡辺精一】

 ◇現状に見合わないセーフティーネット

 コロナ禍は、特に、非正規やフリーランスで働く収入が不安定な人を直撃した。これは日本のセーフティーネットの限界を浮き彫りにした。

 現在のセーフティーネットは、生活保護や公的年金、失業保険など働くことが難しい人を主対象とする。だが、所得は低くても「社会の支え手」として働く人が、コロナ禍で急に収入が落ち込み、生活が立ち行かなくなっても、支援は後手後手だ。

 コロナ禍では、パート・アルバイトなどシフト制で働く人のシフトが減り休業手当も出ないというケースが増えた。野村総合研究所はこうした「実質的失業者」は2021年5月で約132万人と推計した。

 働き方の多様化にも対応できない。個人で仕事を請け負うフリーランスで働く人が増え、政府推計では462万人に及ぶ。雇用契約はなくても、委託された業務を行って報酬を得る点で雇われて働く人と変わらないが、収入減や病気などに備えるセーフティーネットは薄い。

 働いているのに十分な所得を得られず生活に困窮する「ワーキングプア」。その支援策として、欧米では、社会保障と税を組み合わせ、低所得者に現金給付する「給付付き税額控除」を導入する国が増えた。

 日本では07年の政府税調が初めて取り上げ、09年の衆院選では民主党が公約に掲げて政権を握り、連合や日本経団連なども実現を求めてきた。だが、ここ10年ほど議論は下火だ。

 それがコロナ禍で再燃した。10月の自民党総裁選では高市早苗氏(現党政調会長)が主張し、衆院選では日本維新の会や国民民主党が主要公約に掲げた。東京都税制調査会は10月に公表した答申で国レベルでの導入を提言した。

 ◇「負の所得税」という発想の転換

 給付付き税額控除とは何か。

 税制度には、税負担を調整する「控除」という仕組みがあり、大きく「所得控除」「税額控除」に分かれる。

 日本の所得税は所得控除がベースだ。所得から、基礎控除や配偶者控除などの所得控除を引いて課税所得税額を出し、税率を掛けて税額を求める。これに対し、税額控除は計算して出した税額から決まった控除額を差し引く。

 この違いを、単純化したモデルで見ていこう。サラリーマンのABC3人がおり、年収はA280万円、B650万円、C1800万円とする。この3人について、所得控除と税額控除のそれぞれで、税の負担がどれだけ軽くなるかという「税軽減効果」を、現行税率を使って比べてみる。

 サラリーマンは、必要経費にあたる「給与所得控除」を収入から引いたものが所得だ。所得はA188万円、B476万円、C1605万円になる。

 まず所得控除からみよう。所得控除を一律100万円とすると、その税軽減効果は、Aは5万円(税率5%)、Bは20万円(同20%)、Cは33万円(同33%)。累進課税のため、所得が多いと税率が上がり税額は高くなるが、その分税軽減効果も大きい。高所得者のほうが有利だ。

 税額控除はどうか。税額控除を一律20万円とすると、BCともに税軽減効果は20万円だ。Aは税額が9万4000円と控除額を下回るため、税軽減効果も9万4000円にとどまる。税額の低い低所得者の恩恵が薄い問題がある。

 この点を改善するのが、給付付き税額控除だ。税額控除を基本に、税額が控除額より少ない低所得者には差額を現金給付する。このケースではAは差額10万6000円を現金で受け取る。こうして3人とも税軽減効果は20万円で一律になる。

 これはノーベル経済学賞を受けた米経済学者ミルトン・フリードマンが唱えた「負の所得税」というアイデアが基になった。「税を取るだけでなく、低所得者には給付もする」という発想の転換がある。

 さらに消費税にも応用できる。消費税は所得に関係なく同税率であるため、低所得者の負担が重い「逆進性」がある。その解消策に給付付き税額控除が使える。

 仮に、消費税について1人5万円の控除を設けるとする。ABCとも4人家族で、それぞれに家族4人分計20万円の控除を上乗せすると、ABCとも税軽減効果は40万円となり、Aへの現金給付は30万6000円に増える。これで逆進性が緩和される。

 ◇切り離されたマイナンバー制度

 給付付き税額控除は、所得を正確に把握する仕組みが前提となるが、日本は16年にマイナンバー制度を導入しインフラは整っている。いや、正確には、そもそもマイナンバー制度は給付付き税額控除を念頭に置いていたが、そのために使われていないという「ねじれ」がある。

 民主党政権は、消費税増税の逆進性解消として給付付き税額控除を想定し、消費税増税とマイナンバー制度をセットとみなして、12年にそれぞれ法案提出した。だが、消費税増税法案は同8月に成立したが、同11月の衆院解散でマイナンバー法案は廃案となった。

 同12月に政権復帰した自民党は、マイナンバー制度について民主党案を引き継ぎ、法案を成立させたが、その後、逆進性解消策には軽減税率を採用した。この結果、マイナンバー制度と給付付き税額控除とは切り離された。

 マイナンバー制度には(1)国民の利便性の向上(2)行政の効率化(3)公平・公正な社会の実現――という三つの目的がある。

 政府は、社会保障や税の申請で書類が減って利便性が高まり、国や自治体の間で情報連携が進んで行政が効率化したという点をアピールする。だが「公平・公正な社会の実現」となるとトーンが下がる。その理由は、これが給付付き税額控除を想定した“置き土産”であり、今のところ成果が薄いためだ。

 政府は、経済対策として18歳以下を対象に10万円相当を給付する。だが、与党内では当初、所得制限をめぐりなかなか足並みがそろわず、経済専門家にはそもそも政策効果を疑問視する声が多い。

 給付のたびに、誰を対象とし、方法をどうするかを決める「いきあたりばったり」を何回繰り返すのか。コロナ禍を教訓に「公平・公正」な仕組み作りを議論すべき時期にあるのは間違いない。

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