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生活保護者の集いコミュの迷走する現金給付 ワーキングプアの労働者を排除するな

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https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20211111/pol/00m/010/012000c

 現金給付をめぐる議論が迷走している。

 自民、公明両党は、11月9〜10日の協議において、(1)18歳以下の子どもを対象に年内に現金5万円、来春に5万円分のクーポンを支給すること(年収960万円を超える世帯を除く)、(2)18歳以下への給付とは別に、住民税非課税世帯に一律10万円を給付すること、(3)マイナンバーカード保有者に最大2万円分のポイントを付与することで合意した。

会談に臨む自民党の茂木敏充幹事長(右)と公明党の石井啓一幹事長=国会内で2021年11月8日、竹内幹撮影
会談に臨む自民党の茂木敏充幹事長(右)と公明党の石井啓一幹事長=国会内で2021年11月8日、竹内幹撮影
 また、岸田文雄首相は10日の記者会見で「コロナ禍で厳しい経済状況にある学生に対しても、修学を継続するための10万円の緊急給付金を支給します」と表明した。「18歳以下」への支給という方針に対して、「19歳以上の大学生や専門学校生もアルバイトが減少して困窮している」という声が出たことに配慮したものだと思われるが、これが上記の(1)(2)の施策とどのような整合性を取るのかは、まだ明らかになっていない。

狭すぎる現金給付の対象
 先の衆院選で、公明党は「高校3年生の年代まで1人一律10万円相当を給付する」という公約を掲げていたが、連立を組む自民党の公約には「非正規雇用者・女性・子育て世帯・学生をはじめ、コロナでお困りの皆様への経済的支援を行います」としか書かれていなかった。「経済的支援」の中身や対象をあえて曖昧にしながら、「岸田氏が総裁になり、自民党が『分配』重視へとシフトした」というムードを作り出す、というのが自民の選挙戦略だったのであろう。

岸田文雄首相と会談するため首相官邸に入る公明党の山口那津男代表=東京都千代田区で2021年11月10日、竹内幹撮影
岸田文雄首相と会談するため首相官邸に入る公明党の山口那津男代表=東京都千代田区で2021年11月10日、竹内幹撮影
 私が今回の自公合意で最も問題だと考えているのは、生活困窮者支援として想定されている(2)の現金給付の対象が住民税非課税世帯に限定されていることだ。

 東京23区に暮らす単身世帯の場合、年収が100万円以下にならないと、住民税は非課税にならない。年収100万円という収入は、都市部で民間賃貸住宅を借りて暮らしている人にとっては生活保護基準を下回る水準であり、貯金を取り崩さないと家賃や食費をまかなえないレベルの貧困状態である。そこまでの低収入にならないと与党の想定する支援対象に該当しないということになってしまうのである。

「手取り13万円」
 現金給付の対象から外されようとしている人たちの中で、最も困窮している層は年収100万〜200万円で働くワーキングプアの非正規労働者である。

 今年9月に国税庁が発表した「令和2年分 民間給与実態統計調査」の結果によると、令和2(2020)年1月から12月までの1年を通じて勤務した給与所得者数は5244万6000人で、給与所得者1人当たりの平均給与は約433万円であった。平均給与は前年度より3万3000円減少しており、2年連続の減少となった。男女別に見ると、男性532万円、女性293万円となっており、ジェンダーの格差は依然として大きいままだ。

 正規と非正規の格差も開いたままである。平均給与は正規496万円、非正規176万円となっており、特に女性の非正規の平均給与は153万円と低水準に据え置かれている。

 年収100万〜200万円の給与所得者は、男性214万人(7.0%)、女性508万人(23.4%)となっている。女性の場合、階層別に見ると100万〜200万円で働く人が最も割合が高く、全体の約4分の1を占めているという状況になっている。

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 岸田首相は10日の会見において「非正規など経済的にお困りの世帯に対して、1世帯あたり10万円の現金給付を行います」と発言したが、政府が「経済的にお困りの世帯」の定義を住民税非課税世帯に限定するのなら、ワーキングプアの非正規労働者の多くは排除されることになる。

 10月下旬には、ツイッターで「手取り13万円」の生活の悲惨さを訴えるツイートが話題となり、「手取り13万円」というワードがトレンド入りした。

 給与所得者ではなく、フリーランスや自営業で働く人の中でも、この収入水準で生活に苦しんでいる人はたくさんいるだろう。近年は地方公務員の中でも非正規職員の割合が増えており、公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)の調査によると、非正規公務員の約4割が年収100万〜200万円で働いているという。

 岸田首相をはじめとする与党の政治家は、こうしたワーキングプアの貧困を経済的に困っていない状態と見なしているのだろうか。

一律現金給付と富裕層課税強化の組み合わせ
 私は、コロナ禍における生活困窮者への緊急支援策としては、「生活困窮者」を層として捕捉する方法が開発されていない現状においては、「一律に現金給付をおこない、同時に富裕層への課税強化をおこなうことで、後で税金として返してもらう」という方法が最も現実的だと主張してきた。

 また、単発の現金給付等の緊急対策と並行して、生活保護や住居確保給付金などの既存のセーフティーネットの仕組みを使いやすく改善し、政策的に制度利用者を増やすべきだと訴えてきた。

 政府が本気で「非正規など経済的にお困りの世帯」を経済的に支援したいのであれば、「住民税非課税世帯」というラインにこだわることをやめ、他の方法を検討すべきである。生活に困窮している層を捕捉する他の方法がないのであれば、一律給付をするしかない。

 自民党は、選挙公約の文言を曖昧にしたから逃げ切れると考えているのかもしれないが、「非正規雇用者・女性」も経済的支援の対象とすると明言した以上、そのほとんどが排除される対策は許されない、ということを肝に銘じておくべきである。

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