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生活保護者の集いコミュの崩れる「家族依存型福祉国家」 孤独・孤立の連鎖を防ぐ

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https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20220422/pol/00m/010/009000c?utm_source=newsshowcase&utm_medium=gnews&utm_campaign=CDAqEAgAKgcICjDH194KMOS91gEwweJJ&utm_content=rundown

 わが国で初めて政府が調査した、孤独・孤立の問題についての実態調査結果が4月8日に公表された。調査期間は昨年12月〜今年1月、調査対象は16歳以上2万人、回答者数は1万1867人である。

若者も孤独に悩む
 全体で孤独感が「しばしばある・常にある」と回答した人の割合は4.5%、「時々ある」と「たまにある」も合わせると36.4%の結果である。年代別に見ると、同様の合計で20代が44.4%、30代が42.2%、60代が33.4%、70代が28.7%。孤独・孤立は高齢者の問題と思われがちだが、若い人でも深刻であることが改めて認識される結果である。

 「望まない孤独」の著者である大空幸星氏が代表を務めるNPO法人「あなたのいばしょ」と早稲田大学が、今年2月に20歳以上約3000人を対象にした調査結果でも、全体で37.3%が孤独感を感じているなか、20代で42.7%、60歳以上で23.7%と、若い世代が孤独感を感じる人が多いことが明らかになっている。

 「あなたのいばしょ」の設立時(2020年3月)には、月平均1000件程度の相談が現在は月2万件を超え、利用者の約8割が10〜20代という。

社会的孤立の深刻化
 孤独・孤立と関連する自殺者数は、20年に前年比4.5%増の2万1081人で、リーマン・ショック直後以来11年ぶりに増加した。男性は11年連続で減少したが、女性は前年比15%増、若者の増加も目立つ。

 21年は2万1007人で、11年ぶりに増加した前年を74人下回るが、依然として高い水準だ。「望まない孤独」や「社会的孤立」が深刻化したことも大きな要因であろう。

 世界でも孤独問題への取り組みが進んでいる。先進的な英国は17年政府が主導して調査を行い、人口の13%超が孤独を抱え、経済損失が年間4.7兆円と試算した。18年には孤独担当大臣が新設され、各省の横断的な組織が民間と協力し、カフェや文化的な拠点といったさまざまな居場所をつくっている。

孤独・孤立対策推進会議で発言する岸田文雄首相(右)。左は野田聖子孤独・孤立対策担当相=首相官邸で2021年12月28日、竹内幹撮影
孤独・孤立対策推進会議で発言する岸田文雄首相(右)。左は野田聖子孤独・孤立対策担当相=首相官邸で2021年12月28日、竹内幹撮影
 日本も21年に孤独・孤立対策担当相が設置され、「孤独・孤立対策担当室」が新設された。今年2月25日には、孤独・孤立を感じている人を支援するため、民間団体とつくる「官民連携プラットフォーム」の設立総会を開いた。冒頭の政府として初めての実態調査も、担当相が新設された成果といえる。

 実態調査の結果から課題を整理し、指標をつくり効果が検証できる体系を整備して、支援を急ぐ必要がある。「官民連携プラットフォーム」の目的である、民間団体や自治体との連携が欠かせず、民間の知恵やアイデアを活用すべきだろう。また、実態調査は単発な調査にとどまらず、政府の他の大規模調査に孤独・孤立に関する指標を組み込むことによって、長期的な対応と検証に取り組むべきである。

孤独・孤立は社会全体の問題
 孤独や孤立の課題は、社会の変容や構造的な問題と密接にかかわっている。日本は「家族依存型の福祉国家」といわれ、家族の支え合いが強い社会だった。しかし、家族構成は1人暮らしが急速に増えるなど大きく変化した。地域や企業内で支え合う「地縁」や「社縁」も弱体化しているところに、コロナ禍が追い打ちをかけ、「孤独・孤立」がより深刻化し、顕在化した。

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 コロナ禍で人と人がつながることの意味や、社会のありようが問い直されている。いうまでもなく、人は一人では生きていけない。頼れる家族がいなくても、社会の中で支え合うことが重要だ。孤独や孤立は社会全体の問題である。

「つながり」を提案する社会的処方
 社会的に孤立しやすいとされる人に、薬を処方するように必要な「つながり」を提案する社会的処方と呼ばれる試みが各地で起こっている。誰でもいつでも相談できる体制の拡充が急がれる。周囲へのSOSの出し方を学校で教えるなど、声をあげやすい環境を整える施策も重要だ。

 英国のチャリティーズ・エイド・ファンデーションが発表する世界の寛容度や人助け度指数、ワールド・ギビング・インデックスでは、「見知らぬ人、あるいは、助けを必要としている人を助けたか」という項目で、日本は114カ国中114位(21年発表)と世界最下位だ。身の回りの「小さな声かけ」、そんな地道な取り組みも求められる。

 この取り組みは、粘り強く関わりを重ねるしかない。そして、支援する人を支援することも重要だ。息の長い期間となるゆえに、その連鎖こそが包摂的「つながり」の再構築となる。

 孤独・孤立対策担当相をはじめ政府のリーダーシップを期待したい。

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