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生活保護者の集いコミュの予期せぬ妊娠、女性たちの選んだ道は…漫画で伝える支援の必要性

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https://mainichi.jp/articles/20210925/k00/00m/040/109000c

たった一度の性交により13歳で身ごもった――。そんな思いがけない妊娠に悩む女性の相談を24時間態勢で受け付ける一般社団法人「小さないのちのドア」(神戸市北区)が設立から3年を迎え、相談事例を紹介する漫画を出版した。予期せぬ妊娠をした6人の女性が登場。出産や中絶といったそれぞれの選択、未来へ一歩を踏み出す姿が描かれている。【稲田佳代】

夏祭りで出会った高校生と
 小さないのちのドアは、代表理事を務める永原郁子さん(64)が2018年9月に設立した。永原さんは、法人に隣接する助産院の院長。保健師の西尾和子(よりこ)さん(38)らとともに「一人の命でも救えたら」を合言葉に、これまでに2万件以上の相談を受けてきた。


思いがけない妊娠に悩む女性からの相談事例を漫画にした「小さないのちのドアを開けて」を紹介する永原郁子さん(中央)と西尾和子さん(右)、漫画を担当したのだますみさん=神戸市北区で2021年9月4日午後2時50分、稲田佳代撮影拡大
思いがけない妊娠に悩む女性からの相談事例を漫画にした「小さないのちのドアを開けて」を紹介する永原郁子さん(中央)と西尾和子さん(右)、漫画を担当したのだますみさん=神戸市北区で2021年9月4日午後2時50分、稲田佳代撮影
 21年9月に出版した漫画「小さないのちのドアを開けて」は、孤立する妊婦に対する支援の必要性を伝えるために企画した。多くの人に手に取ってもらおうと、読みやすい漫画にしたという。妊娠に関する正しい知識を身につけてもらうため、情報コラムも掲載。避妊しても失敗することがあり、コンドームの失敗率は一般的な使い方なら18%、低用量ピルなら同9%などとし、出産にかかる費用も紹介している。

 漫画には、夏祭りで出会った男子高校生との一度の性交で妊娠し、家族に反対されながらも「産み育てたい」と希望する13歳の中学生の少女が登場する。整った顔で優秀な姉と小さな頃から比較され、中学入学後に友人関係や勉強がうまくいかずに悩んでいたなかで妊娠。相手とはすぐに別れ、家族に打ち明けた時には、法律で中絶が可能な時期(妊娠22週未満)を過ぎていた。


 相談を受けた永原さんは「育てたい」という少女の思いを尊重。両親の協力の下で育てる方法と、他の家庭に子どもを託す特別養子縁組の方法があることを伝え、家族会議にも同席した。少女は特別養子縁組を自ら選択し、産んだ赤ちゃんは養親へと託された。妊娠中、少女はエコー写真のアルバムを作ったり日記を書いたりと前向きで、出産後は「一生懸命生きてきたと言える自分になりたい」と将来の夢を語ったという。こうした子どもの予期せぬ妊娠について、永原さんは「中絶も選択肢だが、本人の産みたい思いや、出産が人生への祝福につながることもあると親御さんに知ってほしい」と語る。

相手家族の反対で中絶するケースも
 中絶後に「つらすぎて死にたい」と相談があった18歳女性のケースでは、罪悪感や喪失感を抱くこともある現実を伝える。


18歳で妊娠し、社会人の彼氏と結婚の話が出ていた女性。変心した彼氏とその両親に反対されて中絶手術を受けたが、心の傷は深く「死にたい」と訴える=漫画「小さないのちのドアを開けて」より、いのちのことば社提供拡大
18歳で妊娠し、社会人の彼氏と結婚の話が出ていた女性。変心した彼氏とその両親に反対されて中絶手術を受けたが、心の傷は深く「死にたい」と訴える=漫画「小さないのちのドアを開けて」より、いのちのことば社提供
 妊娠して結婚の話も出ていたが、相手の家族に反対された。シングルマザーの道を探ったものの、男手一つで育ててくれた父親に迷惑をかけられないと断念。仕方なく中絶手術を受けたが深く傷つき、小さないのちのドアへ初めて電話をかけた。3〜4日ごとに相談の電話をかける時期が半年間続き、徐々に落ち着くと、今度は「忘れてしまうのが怖い」と訴えるようになる。出産するはずだった予定日が近づくにつれ、幸せそうな妊婦を憎んでしまう苦しみを吐露した。永原さんは否定せずに受け止め続け、タイミングを慎重に見計らって「『私の赤ちゃんは生まれてこられなかったけど、あなたは元気に生まれておいでね』と思えたらいいね」と言葉をかけた。女性は次第に穏やかさを取り戻していったという。

 漫画には他にも、不倫相手との性交や風俗の仕事で妊娠したり、夫からのドメスティックバイオレンス(DV)を受けて妊娠・中絶を繰り返したりするケースが描かれている。女性たちは永原さんらに支えられ、葛藤しながらもそれぞれの未来を選び取っていく。


 思いがけない妊娠や「育てられない」といった訴えは、女性側が一方的な批判を受けがちだが、妊娠に責任がある相手男性は逃げて音信不通となる例が多い。女性たちが虐待や家族との不和、経済的困窮、DVなどの事情を複数抱えていることも少なくないという。永原さんは「妊娠して困っている妊婦がいることを広く知ってもらい、相談から自立までワンストップの支援を制度化して、どんな妊婦にとっても温かい日本にしたい」と訴える。

不倫関係にある男性の子を妊娠し、出産するか中絶手術を受けるかどうかで迷う女性に寄り添う助産師の永原郁子さん=漫画「小さないのちのドアを開けて」より、いのちのことば社提供拡大
不倫関係にある男性の子を妊娠し、出産するか中絶手術を受けるかどうかで迷う女性に寄り添う助産師の永原郁子さん=漫画「小さないのちのドアを開けて」より、いのちのことば社提供
 漫画の価格は1870円。発行元「いのちのことば社」の公式通販サイトで購入でき、10月初旬からは一般書店でも販売する。問い合わせは同社(03・5341・6920)へ。

コロナ下で10代からの相談増
 小さないのちのドア(078・743・2403、https://door.or.jp/)では女性たちのありのままを受け止める。産前産後だけでなく、生活保護や特別養子縁組といった具体的な課題解決方法も提案し、その後の人生を前向きに歩めるように精神面や生活面をサポートしている。2020年12月には、住む場所がなく頼る人がいない妊婦の滞在施設「マタニティホーム・Musubi(むすび)」も神戸市北区にオープンした。

 21年8月末までの相談件数は、3247人からの2万1729件に上る。このうちハイリスクとされる妊娠後期(28週以降)に至っているのに病院を一度も受診していない妊婦の相談人数は137人。同じ未受診でも新生児殺害遺棄事件につながりかねないとされる陣痛開始後や出産直後の女性からの相談のほか、中絶手術を受けた心の傷で「今から飛び降りる」といった緊急対応が必要なケースもあった。

 新型コロナウイルス感染拡大後の20年4月以降は相談が急増し、特に10代からが多くなっているという。公的な相談窓口は昼間しか開いていない場合が多いが、24時間態勢で受け付ける小さないのちのドアでは相談の7割以上が夜間で、ネット交流サービス(SNS)経由が8割以上を占める。

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