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生活保護者の集いコミュのコロナ禍で急増 「SNSヤミ金」に手を出した男性の悲惨すぎる“アリ地獄”

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https://news.livedoor.com/article/detail/20911171/

 他人事ではないコロナ禍の貧困が、じわじわと社会を侵食している。生活保護を申請したら収容所のような「無料低額宿泊所」に放り込まれた人、コロナ切りに遭った女性の面接希望が殺到するデリヘルやガールズバー、民泊の仮面をかぶり1部屋に8人を同居させる“脱法ドミトリー”……。

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 そんな中、水面下で蔓延しているのが「SNSヤミ金」だ。コロナ禍の貧困支援の現場を1年間にわたり密着取材しているジャーナリストの藤田和恵氏は、こう語る。


ヤミ金はヤミ金。一度借りてしまったが最後
「生活苦に陥った人は、行政や支援団体に相談する前に、まず自分でなんとかしようとしてしまいます。ぎりぎりまで追い詰められ、藁にもすがる思いでネットを検索し、たどり着いた先に『SNSを介した違法な個人間融資=SNSヤミ金』がある。SNS経由なので、一度も対面せずにやり取りが完結しますし、中にはアニメキャラなどのかわいらしいアイコンを使ったり、自ら“ソフトヤミ金”と名乗ったりして油断を誘う手口もあります」

 しかし、ヤミ金はヤミ金。一度借りてしまったが最後、取り立てはまったく“ソフト”ではない。まずは、その実例を藤田氏のルポルタージュ『ハザードランプを探して 黙殺されるコロナ禍の闇を追う』から見ていく。


融資の条件として相手に送った免許書を手にした写真。返済が遅れるとネット上に指名手配のようにばら撒くと脅され、拡散されれば「デジタル・タトゥー」として残ることに

ヤミ金に手を出した秋頃
 コロナ禍が広がる前、細谷文彦さん(仮名・40代)は地方都市で水産関係の事業を手掛けていた。だが、コロナ禍で経営が悪化し、「夜逃げ同然」で東京に出てきたのは2020年6月である。事業関係の負債や知人・親戚からの借金はかさみ、そうした混乱の中で妻とも離婚。個人事業主に給付された持続化給付金の100万円は、妻と子どもにすべて渡したという。ヤミ金に手を出したのは、秋になって所持金が尽きた頃。

「東京なら何か仕事があるかなと思って出てきたんですが、コロナで全然見つからなくて……。ヤミ金がやばいところだってことは、わかっていました。でも、これ以上周りに迷惑をかけるわけにはいかない。その一心でした」

 お金借りたい、明日必要、ブラック。そんなワードを使ってネットで検索を続け、たどり着いた先に掲示板があった。名前や連絡先などを登録すると、「ご融資のご案内ができます」「即日振込可能です」といったメッセージや、LINEのQRコードを記載したダイレクトメールが連日、何件も届くようになったという。

一度に借りられる金額はだいたい3万円以下
 メールで連絡を取ると、住所や年齢、家族構成のほか、実家や取引先の連絡先、家族の勤め先、子どもの学校名といった情報を送るよう返信があった。預金通帳や健康保険証のコピー、免許証を顔の横に掲げた自撮り写真の提出も求められた。結局、細谷さんは30件近い個人情報を渡してしまう。

「一度に借りられる金額はまちまちですが、だいたい3万円以下です。あるヤミ金からは2万8000円を借りて、1週間後には4万円の返済を求められました。別のヤミ金からは1万5000円を借りて返済は3万円とか。お金を借りるときは、知らない人の口座から複数回に分けて振りこまれることもありましたし、返すときは毎回違う口座を指定されました。証拠を残さないようにしているのかなと思いました。

 警察には何度か相談しましたが、『暴力団が組織的にやってるわけじゃないので、実害が出るまで動けない』『事務所がないので、うちの管轄かどうかわからない』などと言われ、取り合ってもらえませんでした」

 返済が滞ると、「新しく口座を作ってくれれば、利息分をまけてやってもいい」「手元にあるキャッシュカードを郵送してくれれば、返済を待ってやってもいい」といった提案を持ちかけられたこともあった。振り込め詐欺などの犯罪に使われるかもしれない――そう思って提案を断ると、今度は「息子さん、〇〇中学だよね」「個人情報をネットで晒す」と脅され、やむを得ず別のヤミ金から借りてしまう。こうしたことを繰り返した結果、借金は雪だるま式に増えていったという。

(中略)

家族・知人にも取り立てが…
 細谷さんの携帯に、今度は妹から電話がかかってきた。

「お兄ちゃんが変なところからお金を借りるから、お金を返せって何度も職場に電話がかかってくる! このままだったら、私が会社に行けなくなっちゃうじゃない!」

 横で聞いていてもパニック状態になった声が漏れ伝わってくる。妹は実家のある地方都市で暮らしている。細谷さんによると、ヤミ金業者からの取り立てはすでに実家の両親や知人にも手が及んでいるという。すぐに反貧困ネットワークの顧問弁護士・林治さんに面談のアポを入れた。

 林弁護士は細谷さんからの聞き取りを終えると、携帯電話の着信履歴をもとに片っ端からヤミ金業者に電話をかけ始めた。今後は請求行為を一切しないように、という趣旨を淡々と伝えていく。中には「詐欺で訴えるぞ!」「本人にかわれ!」などとすごむ相手もいたが、ほとんどの業者は「わかりました」「弁護士が間に入ったら、それ以上請求しません」と言って早々に切り上げた。

 意外とスムーズに終わるかもしれない――。

 そう思った矢先、細谷さんの携帯が鳴った。実家の母親からだという。弁護士を立てたと知った一部のヤミ金業者らが、今度は実家に脅しの電話をかけ始めたのだ。母親は「実家の住所もわかっている」「今から息子を連れて行って目の前でぼこぼこにしてやる」「父親の職場にも行くからな」などと脅され、かなり動揺しているらしい。

 林弁護士がヤミ金業者と渡り合う横で、細谷さんが母親に向かって「電話に出たらダメだって言ったでしょ」「今、弁護士の先生に相談してるからさ。もうちょっと耐えて。お願いだから」「電話線、引っこ抜いちゃって!」と必死の形相で説得している。ちょうどそのとき、事務所の電話が鳴る。事務の女性が林弁護士に、留守番電話にメッセージを残した業者が折り返しの電話をかけてきたことを告げる。

 やはり、一筋縄ではいかないのか。

実は情報弱者な若者たち
 昨今のSNSヤミ金の蔓延について、元埼玉県警捜査一課でデジタル捜査班長も務めた佐々木成三氏は、こう指摘する。

「胴元は従来のヤミ金と同じく反社、半グレがメインですが、あくまで個人間融資で、アカウントも売買して足がつかないようにしているので、取り締まりにくい。また、自らの手を汚さず、返済に困った人間を手駒として利用するなど知能犯化しています。追い込みもあからさまな暴力行為は伴いませんが、本人だけでなくSNSアカウントに紐付いている家族や友人、知人、会社に脅しをかけるなど巧妙狡猾。利用してしまう側の心理としては『SNSで完結するのでハードルが低い』というものがありますが、逆にヤミ金側にも『SNSはカモが見つけやすい』というメリットがあります」

 なぜSNSはカモを見つけやすいのか?

「カモになりやすい属性の人を見抜きやすいからです。例えば、よくある『現金プレゼント企画』。これに応募した人は、お金に困っている、もしくはお金に興味があるということ。前澤友作氏などの例外を除く大多数が架空のイベントで、実際はカモリストの作成に利用されています」

 副業、融資、投資などの怪しい宣伝も同様だ。さらに、佐々木氏はSNS特有のリスクに警鐘を鳴らす。

スマホ依存の人ほどカモになりやすい
「SNSの危険なところは、SNS上に同じようなカモや業者のサクラが無数にいること。これで『みんなやっている』と安心してしまうんです。また、『自分で検索して見つけた』という能動的なアクションが絡んでいるため、業者の仕込んだDMのやり取りや成功例であっても簡単に信じてしまうのです」

 ネット上では、興味のある対象に情報が偏り、その他の情報が遮断される「フィルターバブル」も問題視されている。

「その意味で、スマホに情報源が偏っている人、スマホ依存の人ほどカモになりやすい。物事を多角的に検証できなくなっていくので、『みんなやっている』『スマホが真実』と信じ込んでしまう。テレビや雑誌、あるいは知人、友人の話など多様な情報に接すれば詐欺であることは一目瞭然なのに、自分のスマホの中、特にSNSという閉じた世界の中で視野狭窄に陥り、簡単にダマされる。

 SNSなどを介して多くの若者が給付金詐欺に手を染めたことが象徴的です。スマホネイティブ、デジタルネイティブと言われる若者は、スマホ依存がゆえに実は情報リテラシーが低い。集団心理に訴える情報操作なども容易になるので、今後、大きな社会問題になるとみています」

「利息は7日で2割、10日だと3割」
 コロナ禍でSNS上には「個人間融資」に#(ハッシュタグ)を付けた書き込みが急増したといわれる。実際にTwitterを開けば、「#お金貸してください」「#ブラック対応」といったワードを簡単に見つけることができる。「どこからもお金借りれなくて困ってるブラックの方、大歓迎!」「詳しくはDMまたはLINEまで」「振込まで最短5分」などアピールする投稿もあれば、「利息は7日で2割、10日だと3割」など、公然と違法な金利を掲げる投稿もある。

 お金に困った側の人が書き込むネット上の掲示板もある。そこには「緊急事態宣言に伴って、現在まったく稼げていない状況です。どうしても20万円必要です」「コロナの影響で給料が減ってしまって家賃と携帯代が払えません。どなたか助けていただけないでしょうか?」「支払いはご指定いただいた利息で返していきます」といった切実な書き込みで溢れている。

SNSヤミ金の入り口
 最近では、SNSにこうした書き込みをすると、やり取りの履歴が残らない「テレグラム」というメッセージアプリを使うよう指示されることもある。テレグラムはロシアで開発された無料アプリで、グループチャットなどの会話は一定時間後に消去され、その後の復元は難しいとされる。このため特殊詐欺グループやヤミバイトといった犯罪の相談や指示に使われることが多い。一度でもSNSヤミ金にアクセスすれば、最悪、犯罪の片棒を担がされることにもなる。

 冒頭の細谷さんは、民間のネットワーク「新型コロナ災害緊急アクション」にSOSを発し、林弁護士とつながったことで九死に一生を得た。最後に、藤田氏のルポルタージュから細谷さんのその後を引用する。コロナ禍の生活苦を食い物にするSNSヤミ金――そのアリ地獄の入り口は、私たちの暮らしのすぐそばにある。

ヤミ金の督促から逃れる方法は、1円も返さないこと
 この日は結局、夜になるまでヤミ金業者の対応に追われた。7時頃になって、ようやく細谷さんの携帯への督促電話やメールも減り始めた。ぼちぼちと業者側もあきらめたようだ。細谷さんは今後、自己破産の手続きを進めるという。事務所の一角で林弁護士が細谷さんにアドバイスをしている。口調はいつになく厳しい。

「ヤミ金は1か所でも借りた時点で、“カモリスト”に載ります。彼らは個人でやっていますが、同時にネットワークも持っています。細谷さんの個人情報は今も全国のヤミ金関係者に共有されていると思ってください。ヤミ金からは絶対借りてはいけないことは言うまでもないのですが、万が一、借りてしまった場合、お金は元金も含めて1円も返す必要はありません。意外かもしれませんが、ヤミ金の督促から逃れる方法は、1円も返さないことです。取り立てが恐ろしいからといって少しでも返せば、『脅せば返すやつだ』と思われるだけです。あと数日、嫌がらせは続くかもしれません。でも、そこは頑張って耐えてください。ご家族にもそう伝えてください」

(中略)

 助手席に座る細谷さんが問わず語りに話し始めた。

「SOSを出す前は、これ以上家族に迷惑かけないようにどうやって死ねばいいか、ということばかり考えてました。だから、銀行のカードとかクレジットカードとか全部捨てたんです。身元不明の遺体のほうがいいのかなって……。皆さんとつながらなければ、死んでいたと思います」

 その声は少し震えているように聞こえた。

(藤田 和恵)

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