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生活保護者の集いコミュのコロナ禍の貧困「まさか自分が」 根強い生活保護の偏見

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https://digital.asahi.com/articles/ASP625T0ZP62UTFL008.html

生活保護を申し込む人と利用し始める世帯が、2020年度は増加に転じた。前年度から増えるのは、「派遣切り」が問題となったリーマン・ショック直後の09年度以来のことだ。足元ではコロナ禍が長期化し、雇用の不安定な人らが直撃を受けているが、生活保護が認められるには厳しい資産条件があるほか、社会の偏見はなお根強い。申請をためらい、ぎりぎりの生活を送る人がさらに多くいる可能性がある。

生活保護の申請、11年ぶり増加 20年度22.8万件
 こどもの日の5月5日。東京都千代田区の聖イグナチオ教会では、無償で食料を配り、生活相談も受け付ける「ゴールデンウィーク大人食堂」が開かれていた。小雨で肌寒い中、正午の開始前から長い列ができた。女性や外国人の姿も目立った。

どうにかなると思ったけど…「まさか自分がこうなるとは」
 この日訪れたのは400人以上。新宿区の50代女性もその一人だ。お米5キロなど食料をもらい、相談にも乗ってもらった。女性は派遣社員として貸しビルやホテルの清掃の仕事を続けてきたが、昨年6月に派遣切りにあった。20年ほど派遣社員として働いてきたが、貯金はなく、失業手当も3カ月で終わった。

 家賃が払えなくなり、友人宅に泊めてもらうようになった。「最初はどうにかなるだろうと思ったけど、(状況は)どんどん悪くなった」。年末に近づくと、1日1食で過ごした。友人の家で過ごすのは肩身が狭い。住所がないと身元の証明が難しく、仕事探しもできなかった。「まさか自分がこうなるとは」と当時を振り返る。

 今年1月、食料配布の支援現場で出会ったスタッフの勧めで、生活保護を申請した。1カ月も経たずに申請が認められた。思っていたよりも早く決まり、安心したという。

 厚生労働省が6月2日に発表した20年度の生活保護の申請件数は、前年度より2・3%多い22万8081件だった。リーマン・ショックの影響で急増した09年度以降、生活保護の申請件数は減少を続けていた。景気回復の影響もあるが、12年に起きた「生活保護バッシング」の影響も指摘されている。

 新宿区の女性の場合、生活保護になって住居が確保できたことで、仕事を探す次のステップに移ることができた。女性は「生活保護に偏見をもつ人もいると思うが、やめてほしい。それでためらっていても解決しない」と話す。

「全世代型の貧困」広がる
 とはいえ、支援までたどり着けない人たちもなお多いとみられる。

 生活保護を申請する際には、福祉事務所が親族に援助が可能かを確認する「扶養照会」があるが、「親族に知られたくない」などとして申請をためらう人が多い、と指摘されている。厚労省は今年2月、扶養照会が不要となるケースを「20年間音信不通」から「10年程度」に改めるなど、照会を限定的にしたが、支援団体は抜本的な見直しを求めている。

 また、利用が認められるのは、預貯金をはじめ、ごく限られた資産しかない場合で、厳しい要件が申請をさまたげている面もある。

 5月5日の大人食堂には、政情不安が続くミャンマー国籍の男性(51)も仲間と食料を受け取りに来ていた。「働きたい。でも、できない。お金ない。食べ物ない」。だが、男性はこの日の時点では在留資格がなく、拘束を一時的に解かれた「仮放免」だった。就労は認められず、「適法に国内に滞在しているわけではない」(厚労省保護課)との理由で生活保護を使うことも認められない。暮らしを守る社会保障の仕組みの外側に置かれていた。

 リーマン・ショック後、中高年の男性中心に派遣切りが相次いだ08年末から09年の年始に日比谷公園であった「年越し派遣村」。当時から困窮者支援を続ける一般社団法人「つくろい東京ファンド」代表理事の稲葉剛さんは、リーマン・ショック後とコロナ禍の違いを肌で感じる。「あの頃と違うのは、この十数年で女性の非正規雇用はさらに増え、外国人労働者も多くなった。日本社会の変化が、貧困として表れている。学生や高齢者も生活苦が増えており、『全世代型の貧困』が広がっている」と話す。

「知られるの嫌」3割超
 感染が長期化するにつれ、生活保護申請数の伸びは昨年9月以降、月を追って拡大。今年3月の申請数は2万2839件と、コロナ禍で最多となった。

 背景には、政府が生活保護の積極的な利用を促したこともある。非正規の女性を中心に仕事を失う人が相次ぎ、自殺者数も増えるなか、厚生労働省は昨年12月からホームページで「生活保護の申請は国民の権利です」と異例の呼びかけをした。菅義偉首相も今年1月、「最終的には生活保護という仕組み」がある、と述べた。

 そもそも自民党は野党時代、「生活保護の水準の1割カット」を公約に掲げ、12年12月に政権に復帰した。第2次安倍政権下では生活保護で送れる生活水準を段階的に引き下げた。

 だが、コロナ禍で生活苦に直面する人が続出すると、昨年6月に安倍晋三首相(当時)が生活保護について「ためらわずに申請していただきたい」と表明した。

 厚労省も、申請者が一定の条件を満たせば通勤用の車を持っていても利用を認めるなど、柔軟な運用を窓口の自治体に促した。今年2月には、申請した人の親族に援助が可能かを福祉事務所が確認する「扶養照会」の運用も見直した。身内に知られたくない人が申請をあきらめることがあるため、厚労省は照会不要の例として「音信不通20年」を「10年程度」に緩和した。

 いま、菅首相は「重層的なセーフティーネット(安全網)により支援を行っている」(5月19日の参院本会議)とアピールする。無利子で生活費を借りられる特例貸し付けは、上限額を最大200万円に拡大したことなどで、貸付総額は約9400億円(5月26日時点)と、リーマン・ショック後の09年度の約50倍の規模にのぼる。一定額まで家賃を原則3カ月分支給してもらえる住居確保給付金も、20年度は306億円あまりの支給が決まり、直近データのある18年度の約50倍に達する。

 これに対し、生活保護の申請が前年度比2・3%増だったことに、厚労省は「手前」の支援策がある程度機能した、と分析する。

 ただ、10年ほど前の「生活保護バッシング」でみられたような制度への偏見や誤解はいまだ根強く、申請の足かせになっている面は否めない。つくろい東京ファンドが昨年末から今年初めに都内で開いた困窮者向けの相談会に来た人を対象にした調査では、生活保護の利用経験がない106人に利用しない理由を聞いたところ、「家族に知られるのが嫌だから」が34・9%を占めた。

 国の推計では、生活保護を使える生活水準にある人の2〜3割程度しか、実際には利用していない。支援団体からは扶養照会の廃止も含む抜本的な見直しを求める意見も出ている。

 緊急事態宣言が長期化し、「自助」を続ける困窮世帯が限界まで追い込まれる例が、さらに増える可能性もある。「最後の安全網」としての生活保護の役割も重みを増している。(久永隆一、石川友恵)

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