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生活保護者の集いコミュの研究から見えてきた…履歴書の「性別」が生む”無意識の偏見”

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https://news.yahoo.co.jp/articles/f193ad128ac58eb9f6cdc61a598ef0309f21aff0

米国を中心に、長年研究が進められてきた「アンコンシャス・バイアス」。“男性だから稼ぐべき“、“外国人は自己主張が強い“ など、私たちに無意識の内にインプットされた「偏見」を意味する。

偏見は良識的な人でも持っており、それ自体は悪いことではない。しかし事実に基づかずに、評価や意思決定に何らかの影響を及ぼす側面もある。コンサルタントで“バイアス“問題に詳しいパク・スックチャ氏は、その問題点を指摘する。

パク氏は著書『アンコンシャス・バイアス―無意識の偏見― とは何か』にて、各国の研究結果を例に偏見の実情を解説している。この問題は人々の生き方をいかに左右してきたのか。

※本稿は、パク・スックチャ 著『アンコンシャス・バイアス―無意識の偏見― とは何か』(インプレス社)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)とは何か
「アンコンシャス・バイアス」とはなんでしょうか。

日本ではまだそれほど馴染みがない言葉かもしれません。直訳すると、

アンコンシャス=無意識な
バイアス=偏向、偏見

ですので、日本語では「無意識の偏見」と翻訳されることが多いです。

では「無意識の偏見」とはなんでしょうか?

無意識=自分が自分の行為に気づかないこと
偏見=偏った見方・考え方。ある集団や個人に対して、十分な根拠なしにもつ偏った判断や意見等

なんとなくイメージできてきたでしょうか。具体的には、以下のように自身が思っていたり、他人から言われたことはありませんか?

「男だから家族を養うべきだ」
「女のくせに出しゃばりだ」
「最近の若者は忍耐力がない」
「高齢者は頑固だ」
「外国人は自己主張が強い」

「男」「女」「若者」「高齢者」「外国人」といった特定の属性や集団、対象に対して、十分な根拠なしにもつ偏った判断や意見が、バイアス(偏見)です。

バイアス(偏見)の対象は人だけに限らず、例えば

「日本製は質が高い」
「新興国は治安が悪い」

などもバイアス(偏見)です。

アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)は、その名の通り、自分自身が気づかずに(無意識に)もっている偏った見方や考え方(偏見)のことです。

これは同時に、無意識的に生じる「瞬間的、自動的連想」とも言えます。

一般的に人は、自分には良識があり、物事を客観的に判断できていて、「偏見はもっていない」と思っています。しかし数多くの研究により、「人間はみな偏見をもっている」ことがわかりました。心優しい人も優秀な人ももっているのです。

バイアス(偏見)には機能があるため、偏見をもつこと自体は悪いことではありません。

しかし、十分な事実にもとづいていないため、しばしば意思決定や評価に歪みを与え、間違った判断をしてしまいます。それが問題なのです。

大量の情報を処理するための「偏見」
では人はなぜ偏見をもつのか。それは、脳がそうさせるからです。人の脳は、情報処理をするとき、無意識と意識の2種類の思考パターンで対応しています。

無意識の思考パターンは、受動的、自動的、直感的で、判断の質が弱点ですが、スピードが速いというメリットがあります。これに対して、意識の思考パターンは、スピードが遅い弱点がありますが、能動的、論理的、分析的という強みがあります。

私たちは絶えず迅速な判断を求められる一方で、情報の量は無限大です。そのようななか、あらゆることを客観的に分析して判断を下すことはできません。

また、脳科学の進展により、人の脳が意識的に対応できるのはわずか1%ほどで、99%の情報は無意識的に処理されていることも明らかになっています。

このような状況で大量の情報を素早く効率よく処理するために、過去の知識や経験をもとにした「近道」を使います。この近道が「偏見」なのです。

ただし、スピードと効率の代償として「正確さ」が失われ、しばしば不正確な判断を下してしまうのです。そして、無意識であるがため、自分の意思決定や行動に偏見があると気がついていません。

しかしこの機能を使わなければ、無限大の情報が溢れる社会に対応することはできませんから、完全に排除すればいいというものではありません。どういう状況でバイアス(偏見)に委ねてよいのか、どういう状況では「無意識」を「意識して」判断するべきなのか、考える必要があるのです。

同内容の履歴書で「性別」による評価の例
アンコンシャス・バイアスの影響を確認する代表的な研究例をご紹介しましょう。

ウィスコンシン大学が行なった研究です。米国の大学の心理学の教授に依頼して、その大学の心理学の専任教員を採用するための履歴書の評価を依頼しました。

研究チームは、2種類の職務履歴書を準備しました。2つともまったく同じ学歴、職歴、実績ですが、性別だけを変えました。回答者の半分の教授たちには女性の名前の履歴書を、もう半分の教授たちには男性の名前の履歴書を送り、それぞれの大学で専任教員として採用したいか、評価をお願いしたのです。

結果、同一の内容にもかかわらず、「採用に適切」と答えた割合が、男性名の履歴書は79%。女性名の履歴書は49%と、男性名の方がなんと30ポイントも高く評価されました。

また、「実績を見たい」、「発表した論文を読まないとわからない」など、女性へのネガティブなコメントが男性に比べて4倍も多かったのです。

同様の結果は、女性の教授たちにも見られました。偏見の影響は評価側の性別にかかわらず、共通していたのです。

この研究で明らかになったことは、性別に対する無意識の偏見が存在したこと。その影響により、女性の方がより厳しいレベルを要求されました。

そして、男性は実力より高く、女性は実力より低く評価され、男性が有利になりました。また、その他の数多くの研究でも同じ傾向が表れました。

女性活躍推進というと、「女性にゲタを履かせるのか」と言われますが、研究結果により浮き彫りになったのは、ゲタを履いていたのは男性の方だったという事実です。

1980年代から始まったアンコンシャス・バイアスの研究は、2000年以降に加速し、現在までに膨大な数となっています。研究結果により、「性別」「人種」「移民」「LGBT」「体重」「経済状況」等、さまざまな属性や特質に偏見がもたれることがわかりました。

そしてどの調査でも、偏見をもたれた少数派や非主流派に、不利な結果が出ることも判明したのです。

パク・スックチャ(株式会社アパショナータ代表、コンサルタント)

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