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生活保護者の集いコミュの浴槽に沈められ、性虐待も…寸前で踏みとどまった「人生終わる」

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https://news.yahoo.co.jp/articles/948c5d61499bd775f5b367dedd789abaf622d366

リナ(23)=仮名、福岡県=は小学生の頃、音楽の授業が憂鬱でたまらなかった。2歳下の弟、4歳下の妹と3人でリコーダーは1本だけ。「お姉ちゃん、貸して」。休み時間に貸し借りし、授業が重なれば弟や妹が優先。「なんで持っとらんと?」。男子にからかわれ、ぐっと我慢した。

【画像】虐待事件に関わった親の背景

 家族は兄も含めて6人。両親は働かず生活保護に頼った。5歳の時に離婚。父親、弟との3人暮らしが始まり、2年後には兄と妹も加わった。しばらくすると母親が彼氏を連れてやって来た。いびつな家だった。

 「何でここにおるとや」。友達と遊んでいても父から連れ戻されるようになる。待っていたのは洗濯や掃除。「頭が悪いんやけん無駄」と宿題もさせてもらえなかった。家族一緒に公園で遊んだ記憶さえない。友達もいなくなった。

 母が彼氏と家を出たのは小3の時。父は覚醒剤に溺れ、パチンコ店に入り浸った。お使いを間違えると「役立たずの豚が」とキレ、「目つきが悪い」と浴槽の水に顔を沈められた。

「人生終わる」。寸前で踏みとどまった
 中学ではバレーボール部に入りたいな―。ささやかな希望も「そんな暇があれば家のことをしろ」という父の一言で閉ざされる。

 高校には進学しなかった。「貧しいから何もできない」。昼間に家事をこなし、夕方からは飲食店でアルバイト。月5万〜6万円の給料の大半は父に渡した。

 17歳だった。突然、家で父に押し倒され、犯される。寝込みを襲われることもあった。「嫌だけど拒否しなかったら、もっとひどい暴力はなくなるかも」。気持ちを抑え込もうとしたけど「殺したくて、殺したくて」。布団の中で包丁を握り締めた。「でも、私の人生も終わる」。寸前で踏みとどまった。

 寮がある就職先が見つかり、18歳で家を出る。「妹は大丈夫かな」。母に性虐待を打ち明け、妹と弟を引き取ってもらった。

 母から連絡があったのはそのすぐ後だった。「お父さんの心臓が止まりそう」。病室には、痩せこけた父がいた。「鬼」から、やっと解放される。父が亡くなり、初めて安心できた。

守るからね。娘の寝顔に約束したんだ
 「パチン」。蒸し暑かった昨年10月のある日、3歳の一人娘の小さな手をたたいてしまう。道路に飛び出そうとした娘に、焦った。「私も暴力を振るってる。鬼と一緒じゃん」。しくしく泣く娘の手を何度も「ごめんね」とさすった。

 リナはシングルマザ―。父に否定され続け、今もちゃんとした大人とは思えない。自分が子育てなんて。「抱っこの回数が少ないのかな」「どうやって遊ぶんだろう」。親子の「当たり前」が分からない。

 「大丈夫よ。叱ったり、褒めたりしながら育っていくから」。娘が通う保育園で、ベテラン保育士が掛けてくれた言葉が染みる。

 寝かしつけ、会員制交流サイト(SNS)をのぞく。「夜泣きがきつい」。どこかのママの書き込みに「私だけじゃないんだ」と背中を押される。

 「自由に生きてほしい」。娘の寝顔を見て、切に願う。両親を反面教師に約束する。命を懸けて守るからね。

性犯罪の厳罰化
 2017年の刑法改正で、強姦罪の名称を強制性交罪に変更し、法定刑の下限を3年から5年に引き上げた。被害者の告訴が必要な親告罪規定もなくした。親などが立場を利用して18歳未満に性的な行為をすれば、暴行や脅迫がなくても罰する監護者性交罪も新設。その後、性犯罪に関する無罪判決が相次ぎ、性暴力撲滅を訴える「フラワーデモ」が各地に広がった。法務省の検討会は昨年6月から、強制性交罪の成立に必要な「暴行・脅迫要件」の是非について議論をしている。

#記者ノート   母として、手探りでたぐる娘の幸せ
 虐待や貧困の連鎖、という言葉がある。親から子への暴力や家庭の貧しさが、次の世代でも繰り返されやすいことを表す。リナは連鎖から抜け出そうともがいていた。

 初めて顔を合わせたのは昨年末、福岡県内の喫茶店。テーブル越しの席に座るリナに、取材に応じた理由を尋ねた。「苦しんでいる若者がいることを、大人に知ってほしいから」。まっすぐ目を見て、そう話した。

 幼少期から繰り返された、父親からの暴力や異常な監視。胸をえぐるような話を聞く中で、疑問も湧いた。誰かに相談できなかったのか−。

 「当たり前と思っていたから、相談するという発想はなかった」。荒れた家庭がリナの中では「家族の形」だったという。父から責められるたびに「自分が悪い」と思い込もうとした。

 1度だけ、助けを求めたことがある。小学校高学年の頃、担任に「お父さんの暴力がきつい」と打ち明けた。教師は素っ気なく「家の中の話。何もできんよ」と言った。「誰も頼れない」。大人に絶望した。

 思い出したくもない経験を語ることについて、「別の人のことを話している感覚。それくらい、拒絶している記憶です」と表現した。他人に起きた出来事と思わなければ、とても話せない、と。当事者にしか理解できない言葉だと思った。

 取材中、淡々と語るリナが、感情を高ぶらせることがあった。18歳で家を離れたことを話し始めた時だ。「私が逃げたせいで、妹が私と同じ性被害に遭っていたかもしれない…」。言葉が続かなかった。目の前で今も苦しむ姿を見た時、声を掛けることができなかった。

 一人娘のことに話題が向くと、ぱっと表情が明るくなった。「家の中で踊ったり、歌ったり。体力がすごい」「最近は食事の準備も手伝ってくれる」。優しい母の顔だった。

 手探りなことも多く、最近は行政による子育て支援にも関心を寄せる。「悩みを話せる場所を少しずつ探していきたい。娘が幸せになれるように、私がしっかりしないと」

 連載記事には、読者から励ましの声が寄せられた。「リナさんの子どもにケーキを買ってあげたい。手作りマスクも送りたい」。見ず知らずの人からの善意に、リナは少し戸惑った。「今、私よりも苦しんでいる人がいるのに」。受け取ってもいいのかどうか、決めきれずにいる。

(鶴善行)

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