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ワインをもっと楽しみたいコミュのラングドック地場品種の魅力

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Qさんからの視点(14)

「ラングドック地場品種の魅力」

 最近、何回か続けて、あちこちでラングドックワインのセミナーを行いました。というのも、ラングドックほど不当に低い評価がされている産地がないと思うからです。いや、低いというだけならともかく、根本的に誤解されているのが問題だからです。
 参加者に、ラングドックの赤品種は何かと聞くと、シラー、グルナッシュ、ムールヴェードルという答えが返ってきます。白品種は、ほとんど誰も答えられません。皆さんはどうでしょうか。
 シラーのような北方の外来品種を暑いラングドックに植えると、アルコール度数が高く、酸が低く、しつこい味のワインになります。それを嫌って早く収穫してしまえば、単純な風味になってしまいます。そしてそれが、多くの人が、ラングドックらしいと誤解している味わいなのです。
 最近ピク・サン・ルーやモンペイルー、テラス・デュ・ラルザックといった、ラングドックの内陸の、標高が高く涼しい場所のワインがもてはやされていますが、それはラングドックを北産地の味わいの基準で見るからでしょう。シラーを使う以上は、そのような場所で栽培する以外はないとも言えます。このシラー中心の見方を改めることで、じめてラングドックのワインの本当の姿に触れることができます。暑い産地には、そのような場所にふさわしい地場品種がちゃんとあるのです。それこそ、シチリアにおける、グリッロ、ネレッロ・マスカレーゼ、フラッパートといった品種の例を思い出してみればわかるはずです。
 カリニャンを30%以上含まねばならないとするサン・シニャン・ベルルーの新しいドメーヌ、レ・テラス・ド・ガブルエルのワインは、地場品種レドネール・ペリュ50%、カリニャン30%、ムールヴェードル20%のブレンドです。優れたシスト土壌のミネラル感と、本当のラングドックらしいなめらかさ、しなやかさが存分に感じられる傑作だと思いました。
 反対にシラー中心の方針を決めたサン・シニャン・ロックブリュンは、シラーのゴリゴリした性格が目立ちます。ロックブリュン村では超希少品種リベイラン、そしてサンソー単一品種のワインをつくるティエリー・ナヴァルに注目すべきでしょう。
 ミル・ローズの新作、アラモン単一の赤。オート・テール・ド・カンベルースのアラモンのロゼ。これらは、正しく栽培されたアラモンが、いかに優れたワインを生み出すのかを教えてくれます。樹勢が強く収量が大きなアラモンは、きわめて痩せて乾燥した土地に植えることが必要だったし、歴史的にはそのような丘陵地に植えられてきたそうですが、大量生産のテーブルワイン産地になりさがった20世紀、肥沃な低地に植えられて、粗悪なワインの原料になってしまいました。だからアラモンは今ではアペラシオンのワインには認められていません。残念なことです。
 白品種の場合、シャルドネやソーヴィニヨンは論外として、ルーサンヌやヴィオニエといった北ローヌ品種は、赤の場合のシラーと同じく、ワインを不必要に重たくしてしまします。白で注目したいのは、なんと言ってもテレットとカリニャン・ブランです。テレットはシャトーヌフの認可品種としてのみ知られていますが、これはきわめてミネラリーでシリアスで、酸のしっかりとした、素晴らしいワインを生み出します。マス・サン・ローランのテレットは、今、フランスで最も注目すべき白ワインのひとつでしょう。先述したナヴァルでは、古典的な、ウイヤージュなしの酸化型のテレットが造られます。コアなラングドックファンにとってはうれしくなるようなワインです。
 カリニャン・ブランは、2001年に単一でワインを仕込んだ最初の生産者、ル・コンテ・デ・フローリスのワイン、リュンヌ・ブランシュを忘れてはいけません。もともとムルソーのジャック・プリュールでワイン造りを学んだだけに、樽発酵で、ブルゴーニュ的な重たさがあるのですが、ギ・ルーロのスタイルにますます惹かれる、と言い、新しいヴィンテージになるごとにバトナージュの回数が減っており、透明感のある軽快かつミネラリーなスタイルに進化しているようです。
 ミル・ローズのカリニャン・ブランも素晴らしいワインです。樽発酵とステンレス発酵を半分づつ、という造りが成功していると思います。カリニャン・ブランはミネラリーな構造と、厚みのある果実味の、スケールの大きな構成をもったワインになると思います。
 これらはほんの一例ですが、こういった地場品種のワインを味わえば、ラングドックがいかにエレガントで、いかに押し付けがましくなく、自然体で、エネルギーに余裕があるワインかがわかります。北のワインの自己主張の強さもいいのですが、南のワインのやさしさ、寛容さ、鷹揚さに、もっと目を向けるべきです。
 パワフルで濃いワイン、しつこい自己主張のワイン、そして、国際品種の安価なワイン、といった、ラングドックへの誤解が、早くなくなってほしいのです。そのためには、ちゃんとしたラングドックのワインが日本に輸入されていなければどうしようもないのですが、残念ながら、日本にはほとんど入ってきません。多くの人が、間違ったイメージをもち、その間違ったイメージを満足させるようなワインを求めてしまうからです。この悪循環をいい加減にやめようではありませんか。
 とはいえ、単一品種のワインは、ラングドックの本当の実力を知るための、途中のステップでしかありません。失われつつある地場品種がどれほどのポテンシャルがあるのかを理解するためには、単一品種のワインを飲んでおく必要があるとはいえ、本来ならば、そして伝統的には、複数の品種の混醸こそがラングドックです。というか、基本的にはどの産地でもそうです。ですから、シャトーヌフやパレットのような混植混醸のワインがラングドックにも多く登場することを願うばかりです。テレット、カリニャン・ブラン、グルナッシュ・ブラン、グルナッシュ・グリ、ロール、ブールブーラン、クレーレットの混醸ワイン。私にとっては、それが、今一番飲んでみたい、夢のワインです。

コメント(2)

勉強にえんぴつほっとした顔なります。

シラー主体よりも、カリニャンやグルナッシュ主体の赤に美味しいワイングラスのが多い気がしてました。

自分は「イポジーの02」が印象的でウインク素晴らしいワインだと思います。

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