ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

日本曲者女優伝(芸一筋)コミュの弐拾壱の巻 浪花千栄子さん

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
さてさてまたまた長い間ご無沙汰をしてしまいました。

久しぶりの今回は言わずもがなの名女優浪花千栄子さんについて語りましょう。

彼女は既に30年以上も前に亡くなっているのですが
今でも田舎や観光地にはオロナイン軟膏のホーロー看板で
ニッコリ笑っているお顔を見掛けることがありますから
若い方でも上の左写真をみればあああの女優さんだと思い出される方も多いことでしょう。
この看板の大元は彼女の本名「南口キクノ」を音読みにしたテレビCMで、
当時は大好評を博したものでした。

浪花千栄子さんは1907年に関西で産まれ8才の時から道頓堀の仕出屋で女中奉公、
京都で女給として働いた後18才で芝居一座入り、
19才の時に東亜キネマに入社して数本の時代劇に出演した後は
22才で松竹家庭劇に参加して座長の渋谷天外と結婚、
天外の浮気で1951年に離婚、新喜劇を退団してからは芸能界から身を引いていましたが
請われてNHKラジオの「アチャコ青春手帖」にアチャコの母親役で出演、
次いで「お父さんはお人好し」にも二人で出演している内に
次々と映画出演のオファーが続くようになり、
溝口/小津/木下/豊田/内田/黒澤などの名監督による名作で
舌を巻くような名演技を披露して観客を沸かせていたものの
1973年に惜しくも66才の若さであの世へ旅立たれたという
まさに波瀾万丈の女優人生を送られた方なのです。
上の写真中は映画『お父さんはお人好し』に出演しているまだお若い頃の浪花さんです。

彼女の全盛時代は1953年から63年までの10年間であり
その間53年には14本、54年には21本、55年には14本、56年には18本、
57年には19本、58年には20本、59年には18本、60年には16本、
61年には18本、62年と63年には各14本もの多くの映画に出演しています。
それらの映画の中には
『祇園囃子』(53)、『女の園』(54)、『近松物語』(54)、
『二十四の瞳』(54)、『山椒太夫』(54)、『夫婦善哉』(56)、
『猫と庄造と二人のをんな』(56)、『大阪物語』(57)、『雪国』(57)、
『蜘蛛巣城』(57)、『暖簾』(58)、『彼岸花』(58)、
『花のれん』(59)、『宮本武蔵』(61−64)、『小早川家の秋』(61)、『悪名』(61)
等々の不朽の名作が散りばめられていますが
あとの八割は喜劇や時代劇やひばり・チエミの相手役などの娯楽映画が占めています。
これらの作品では小狡くて厚かましいオバハン役や
船場商人の奥様役に彼女の持ち味が十二分に発揮されていましたが、
『宮本武蔵』でのお杉婆あ役や『悪名シリーズ』での女親分役には
ホントにワクワクさせられるところがありました。

60年代の後半からは出演作品が激減してテレビや舞台で活躍するようになりましたが
なかでもテレビ初の「大奥シリーズ」で演じていた意地の悪い老女役は圧巻でした。
人の良いオバハン役に名演技を魅せる反面、
悪役として登場する浪花さんの迫力にも物凄いものがあり、
特に『夜の素顔』(57)での京マチ子の育ての母親役や
『女系家族』(63)での欲深な叔母役は観ていても怖くなるような気がしました。
下の動画は『女系家族』で若尾文子をいびりまくる浪花さんのお姿です。
<video src="8253932:c12de33e05c42227097f38254e2a93bb">

最近発見した珍画像は田中絹代の演出作品『女ばかりの夜』(61)で
梅毒に罹ったパンパンの更正施設に入所している最年長でかつレズ気味の女性に扮した三つ編み姿の浪花さんです。
富永美紗子のアバズレを惚れ込んで可愛がっていたのに
彼女が施設を脱走した淋しさから首を括って自殺するという哀れな役を演じていました。
<video src="8253949:14c764ddd73e5e623f250169fea69e1c">

70年代初頭に名古屋の名鉄ホールで有馬稲子主演の「お初天神」という商業演劇に出ていた浪花さんを実際に観たことがありました。
映画で観るよりもかなり大柄な女性で押出しの見事さとその良く通る台詞が立派だったことを未だに良く憶えています。

残念ながら今では浪花さんのような名演技をみせて呉れる女優さんは見当たりませんが
CSなどで放映している古い邦画を観ていると
三本に一本程度は必ず浪花さんが出ていますから
いつまでも彼女のことを忘れることなく過ごせることだけが無常の幸せだといえます・・・・

コメント(2)

ウチにもあのホーロー看板がありまして、子供の頃からお馴染みなんです。

出て来る度に上手くて感心しますが、『祇園囃子』のお茶屋の女将が見事でした。物腰の柔らかさと非情さを併せ持った、花街独特の女をまざまざと見せてくれましたね。
したたかでも色気があるのが浪花さんの身上でしょうか。

また、この人の関西弁がキレイで大好きなんです。近頃の下品な関西弁とは別の次元ですね。

浪花千栄子の生の舞台に接した事があるのは、そりゃもうスゴイ事で、ご自慢になさいませ。
牡牛座takaまっすぃさま
コチラでも信州の温泉などへ行くと必ずあのホーロー看板を目にします。
それを見るたびに「ナンコーキクノでございます・・」という
浪花千栄子さんの声が聞こえてくるような気がしますよねぇ。

66才の若さでなくなってしまわれたことが
ホントに惜しくてなりません・・・

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

日本曲者女優伝(芸一筋) 更新情報

日本曲者女優伝(芸一筋)のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング