ベティ・デイヴィスが生きていたらメリル・ストリープもグレン・クローズもちんころ扱いでしょう。『黒蘭の女』(1938) 、『THE PRIVATE LIVES OF ELIZABETH AND ESSEX』(1939)、『月光の女』(1940) 、『偽りの花園』(1941)、『イブの総て』(1950)、『何がジェーンに起こったか?』(1962)、『ふるえて眠れ』(1965)、『MADAME SIN』(1971)、『ナイル殺人事件』(1978)。あのハスキーでありながら甲高い声(『イブの総て』での"Fasten your seatbelts. It's going to be a bumpy night.")、ある時は冷たくある時は情熱的な瞳(キム・カーンズの「ベティ・デイヴィスの瞳」という歌にもなりました)、惚れ惚れする手先から足までの仕草(『偽りの花園』での総レースのドレスの裾の引き方、『イブの総て』でのドライ・マティーニの持ち方)。彼女に匹敵する女優はもう岡田茉莉子しかいないと思っています。ワイラー監督との映画と『THE PRIVATE LIVES OF ELIZABETH AND ESSEX』でのオリー・ケリーの衣裳、『イヴの総て』のイーディス・ヘッドの衣裳、『何がジェーンに起こったか?』のノーマン・コッホの衣装を独自のセンスで魅力的に着こなす術も抜群。ワイラーとの実らなかった恋、新聞に求人広告を出したり、『何がジェーンに起こったか?』の撮影中、そしてアカデミー賞でのジョン・クロフォードとの壮絶なバトルと私生活もパーフェクト。アカデミー賞受賞式にはエリザベス女王の撮影中とかで髪をそったままプレゼンター役で登場するなどチャーミングな一面も。
困ったときには