ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

日本曲者女優伝(芸一筋)コミュの拾四の巻 浦辺粂子さん

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
またまた時間が空いてしまいましたが
今回は浦辺粂子さんについてのお話しです。

昨年暮れにWOWOWからスカパー!に切り替えてからは
日本映画専門チャンネルなどで旧い邦画を楽しんでいるのですが
40年から50年代にかけて製作されたそれら多くの作品に
浦辺さんがやたらに顔を出しているのにはホントに驚いてしまいました。
暮れから最近までに観た映画のタイトルだけを列記すれば
銀座カンカン娘/雪夫人絵図/めし/稲妻/朝の波紋/或る女/
煙突の見える場所/金語楼の子宝騒動/あにいもうと/煙突の見える場所/
日本橋/私は二歳/赤線地帯/いとはん物語/細雪/千姫御殿/流れ雲etc
まさに娯楽映画から芸術作品までの物凄い数です。
長い間大映の専属スターでしたから他社作品に出演した場合には
名前の横に(大映)の文字が必ず添えられています。
まさに各社を股にかけた名脇役女優であったのです。

ふくよかで愛嬌のある童顔とチョッと舌足らずの台詞廻しが売り物で
二十代の頃から老け役をこなしてきた貴重な女優さんでした。
1902年の静岡生まれ、若い頃からの女優志願で親の反対に遭い家出してからは
奇術団一座/浅草根岸歌劇団/曾我廼家五九郎一座/浪花少女歌劇団/
混声歌劇団/新派一座/大阪オペラ一座/筒井一座等を
芸名を替えながら転々とし、
遂には日活京都撮影所に入社して尾上松之助の相手役として『馬子唄』でデビュー
という苦労人生を送っていた女優さんでもあるのです。
次いで名作『清作の妻』で性格女優として認められた後は
お馴染みの脇役女優としてスクリーンで大活躍を続けられてきたのです。

ワタシとしては浦辺さんが出演している作品の中でも
成瀬巳喜男演出による『稲妻』での母親役が一番好きでなりません。
東京の下町に住み四人の子供達の父親が総て違う男だという
チョイとお人好しのおふくろさんは、
奔放な長女(村田知恵子)、気弱い次女(三浦光子)、しっかり者の三女(高峰秀子)、
意気地のない長男(丸山修)を育て上げたものの、
バスガイドをしている三女はそんな家に愛想をつかし一人暮らしを始めてしまいます。
その三女を訪ねてきた浦辺さんの母親が泣く名シーンが次の動画です。
<video src="6279613:0238c32f2422dc4f13c20341ba512172">

三女にだらしなさを指摘された母親が思わず号泣してしまう背景に
稲妻が閃くさまが克明にとらえられています。
二人は直ぐに和解して「お母ちゃんに浴衣を買ってあげるよ」
という三女の言葉に和んだ母親を送る夜道のシーンでラストになります。
古き良き時代の邦画における叙情的かつ感動的なラストシーンでした。

浦辺さんの他の作品の中で克明に憶えているものは
長谷川一夫主演『虚無僧系図』での山本富士子の乳母役と、
『雁』で高峰秀子を妾に囲う東野英治郎の本妻役です。
前者では富士子をかばいながら火にまかれて死んでいくシーンが凄絶でしたし、
後者では蚊帳の中でオッパイ丸出しの姿で寝ているシーンが衝撃的でした。

そんな浦辺さんも80年代後半ではテレビ番組「ライオンのいただきます」等で
おばあちゃんアイドルとして人気を博し活躍されていましたが、
1989年のある日自宅で炊事中に着ていた洋服の袖に火が燃え移り
大火傷を負い翌日病院にて死亡という不幸な最後を遂げられてしまいました。
その悲報を聞いた時には上の『虚無僧系図』での彼女の姿が思い出されてなりませんでした。

コメント(6)

彼女の凄味が一番感じられたのは今回とりあげられた<稲妻>だったでしょうね。あのお母さん役なしでのあの映画はありえませんでした。またわりかし最近見直した<煙突の見える場所>で田中絹代に馬券売りを誘う彼女も印象的でした。あの事故で亡くなったと聞いたときは本当にショックでした。
そういえば最近、数学者の森教授が料理中に大やけどをされて入院しているそうですね。アリさんもよく料理されるから注意してください。
>朝風呂さん
『稲妻』の主役はひょっとして浦辺さんだったのかもしれませんねぇ。
アナタからいただいたDVDで初めて観た映画なのですが、
つい先日NHK hiで改めて観直して彼女の演技に感心しきりでした。
馬券売りの彼女もイイ演技を見せていましたねぇ。
悪婆だけは演じることのなかった女優さんでした。

ウチはオール電化でガスがありませんし、
最近は揚げものを控えておりますので
料理中の火傷はまず心配ないと思っております。
包丁でしょっちゅう手を切ってはバンドエイドのお世話になってはおりますが・・・
ほんとに日本映画の全盛期に大活躍の名脇役でしたね。
出演作の数多い事!

私が好きなのもやっぱり皆さんと同じく『稲妻』。だらしのない母親像が生活感いっぱいで、しかも情があるからラストシーンで泣かされますよね。ただ4人も旦那さんが居た事だけは疑問なんですが(笑)

それと『雁』の本妻さんが名演でした。オッパイぽろりも驚いたけど、あのお妾さんに激しく嫉妬する中年女は凄みがありました。
(この作品では金貸しの東野英治郎も巧かった)

その他にも『あにいもうと』の気が弱くオロオロするばかりの母親。
『乱れる』は、たった1シーンの出演ながら、衝撃のラストシーンに繋げる印象的な場面だったし、
どの作品でも、僅かな出演でも巧いですわ。

そうか、悪婆は演じてないんですね。これからもっと注目して観なければなりません。
>takaまっすぃさん
晩年の可愛いいおばあちゃんアイドルの印象が強過ぎたので
あんなに多くの映画で名脇役として活躍されていたことを
ついつい忘れがちになっていたのですが
こうした旧い邦画で次々と彼女の演技を見せ付けられると、
改めてその偉大な業績に驚いてしまいます。
けっして巧くはないのだけど
出て来るだけでホッとするというか
癒されるというか
一種不思議な雰囲気を持った女優さんでした。

悪婆を演じたことはなかったと断言はできませんが
悪婆が似合う女優さんだとは決して言えませんよねぇ・・・
世に言う数々の巨匠にこれほど使われた脇役女優も珍しいと思います。
それでいながら娯楽映画や喜劇映画にも数多く顔を出していたのですから
結構引っ張り凧だったようですねぇ・・・

甘えたような独特のイントネーションが忘れられません。

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

日本曲者女優伝(芸一筋) 更新情報

日本曲者女優伝(芸一筋)のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング