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日本曲者女優伝(芸一筋)コミュの四の巻・千石規子さん

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今回は未だにご存命でしかも現役で活躍されている
千石規子さんのお話しです。

最近はお姿を拝見することがあまりなくなってしまいましたが、
映画『東京タワー』にも出演していたらしいからまだまだお元気の筈。
とにかく1922年生まれだから現在は85歳、
ムーランルージュ/水谷八重子一座の舞台を経て、
1947年に『女優』で東宝から映画デビューだというのですから、
彼女の女優としての人生は果てしなく長いのです。

アリが彼女を最初に意識したのは、
子供の頃に観た東映の添え物映画『新諸国物語』、
『笛吹童子』や『三日月童子』での堤婆役でした。
まだ30歳になったばかりの彼女は、
その時からもうカギ型に曲がった付け鼻と不気味なマント姿で、
老獪な悪役ババアを気持ちよさそうに演じていました。
だからこれらの映画でデビューしたばかりの
錦之介や千代之介はそっちのけで、
この堤婆の怪演ぶりに惚れ込みヤンやの喝采を送ったものでした。

その他東映の映画では千恵蔵の金田一耕助シリーズや、
多羅尾坂内シリーズの常連でもあり、
いつも不気味でクセのある芝居を見せていました。
下の動画は『獄門島』(1949)での気違い娘月夜役
(市川版では浅野ゆう子が演じた役)ですが、
若い頃には意外と可愛い顔をしていました。
<video src="1303685:2fa958cabb4d210d8feeb3ee6925f2ee">

ちなみに冒頭の祈祷師は前回話題にした原泉さん。
規子さんの右にいるのは、
その頃に色っぽい悪女や姐御を頻繁に演じていて、
これもアリのご贔屓だった朝雲照代さんです。

しかし規子さんのデビュー翌年に『酔いどれ天使』で
彼女を採用した黒澤明監督は、
余程彼女が気に入ったのか、
その後も『野良犬』『静かなる決闘』『醜聞』『白痴』
『生きる』『七人の侍』『生きものの記録』
などの作品で彼女を多用していました。
なかでも『酔いどれ天使』での
主人公三船に思いを寄せる
酒場女役がやるせなく、
『野良犬』でのピストル密売屋の手先役が強烈な印象を残し、
『醜聞』でのヌードモデル役は主役の山口淑子を完全に喰っていました。
上の二枚の写真はいずれも『醜聞』での出演シーンです。

多くの娯楽映画で活躍していた反面、
芸術映画でも名演技を見せていた数少ない女優といえます。
彼女のフィルモグラフィーをみても、
とんでもない娯楽作品の合間に、
上記した黒澤映画以外の作品として、
『西鶴一代女』『浮雲』『警察日記』『ここに泉あり』『雪国』
『女が階段を上るとき』『あらくれ』『怪談』などの
当時の名作がきら星のように散りばめられています。

とにかく規子さんはどの作品でも
何処か拗ねていてふてぶてしく、
陰気で不気味ながらも何故か明るい愛嬌があり、
憎らしいようでいて憎み切れない不思議な役柄を、
痛快かつ軽妙に演じていた正真正銘のクセモノ女優だといえるのです。

映画で最後に印象が強かったのは、
『男はつらいよ・寅次郎紅の花』での
浅丘ルリ子扮するリリーの母親役でしたが、
老人ホームを逃げ出してきた老婆の切なさを、
健気に精一杯演じていました。

テレビの『Dr.コトー』でも味のある役を演じていたらしいのですが、
普段は地上波番組とはほとんど縁がないワタシは、
これを観なかったことが誠に残念でたまりません!

また、最近ではテレビの『踊る!さんま御殿!』などのバラエティ番組に登場し、
面白いお婆さんとして人気が高かったそうですが、
さんまの下品なガハハ笑いが大嫌いなワタシは、
勿論そんな番組は観たことがありません。
そんな番組でお笑い芸人のなぶりものにされるのだけは
止めて欲しいものだと思います。

そして、いつまでもお元気で、
その燻し銀のような演技を魅せ続けていて欲しいと、
そのようにお願いするのみであります。

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