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私的文章倉庫コミュの涅槃の入り口

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青空。


まるで魂の抜ける様だった。
浮遊感に酔いながら、思考は用を為さなかった。

そこはエアーコンディションは最適で、脳みそは軽やかだった。
裸足で草を踏むと露が心地好く、咲く花の香が眠気を引き戻した。
控え目に太陽が燃えている。

遠くから誰かの歌う声が聞こえる。

まるで夢想の世界だ。
風が七色に染まり、瞬きの度に雲は姿を変える。

規則正しく電気が跳ねる。
私の鼓動がそれに合わせて血液を運ぶ。

行く当ても無く、ふらふらと地平を探す。
堪らなく惹かれる。
歩を重ねる毎に倦怠感が体を巻く。
堪らなく惹かれる。

幾つもの影が、何かを囁いている。
大きく小さく波打つ。

虚ろな気分で立ち尽くす私。
ただ抗えない程に眠たかった。
相変わらず良い香りを振り撒く花の方へ、草色の足を前に出す。



インドラが雷を噴いてヴァジュラを打ち下ろした。



激痛に跳ね起きて、私は瀕死であった。
視界を回しながら確かめたそこには、もう花は香ってはいなかった。


もう一度、命と引き換えに青空を見たいと思った。

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