ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

私的文章倉庫コミュの夜明け

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
遠くで、明けの鳥が啼いている。未だ残る夜の裾を舐める様に、暁が焼いていく。横たわり焦点の合わないまま、わたしはそれを見ている。

朝が持つ独特の潔癖さに部屋が埋められていく。目を閉じていた間の事は、一切合財がまるで他人事の様になり、今のわたしは産まれたてであるとでも言いたげな白々しさ。そうやって朝という張りぼての赦しの中で、昨日の自分を幾度も捻り潰し、夥しい白さでわたしの部屋を埋めるのだ。

誘惑に弱く、脆弱な思考を巡らせながら夜陰に紛れ、のろのろと地を這うわたしの心。待ち侘びた赤光に身体を晒し、その度に美しくなれると信じている悲しい生き物。
嘘ばかりを繰り返して依った蜘蛛の糸で、解脱を決める肚も無い。

括り損ねた頚だけが朝日に際立ち、より一層わたしを白くしていた。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

私的文章倉庫 更新情報

私的文章倉庫のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。