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私的文章倉庫コミュの放課後パレット

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ヴィーナスの白い肩に、
赤橙のレースが掛かる頃、
あなたは銀鼠の階段を降りて、
この部屋へとやって来る。

少し日に焼けたわたしのカンバスでは、
黒炭で彩られたあなたの横顔が、
どこか遠い誰かを眺めていた。

ガタガタと鳴る扉を横に引き、
楽しそうに名前を呼ぶあなたの声。
途端に空気が熱をはらんで、
頬は鴇色に染められてしまう。

入口に立つあなたのもとに、
栗毛色の髪を揺らしながら近づく。
優しそうに口元を綻ばせ、
手に手を取って帰り路に向かう。

瞬間、わたしの世界に帷が降りる。
温かく照らしていた残陽は消え去り、
開け放たれたままの扉を見つめながら、
言葉にならない恋慕がとぐろを巻く音を聞いていた。

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