ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

あなたの詩(ウタ)コミュの*初めての食事*1

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
店へ入ると、黒いスーツを綺麗に着こなした男性が出迎えてくれた。

「平塚様。お待ちしておりました。」

顔を見ただけで、解るなんてすごいなぁ…なんて呑気な事を考えていると、

「あみちゃん、テラス席もあるんだけど、海の風は嫌いかな?」

と彼が聴いてきたので、私は首を左右に振り

「この時間帯の海…大好きなんです」

と答えた。
* * * * * *

テラス席へ案内されると、そこには綺麗なバラの花が飾られ、沢山のキャンドルが灯されていた。
「わぁ!綺麗!」

思わず声をあげる。

「毎年、このホテルに来るんだ。いつもはこんな風にバラを飾ったりなんかしないんだけど…今日は特別だからね」

と、テーブルに肘をつき、私を見つめながら彼は呟いた。

「ここのホテルは人も少ないし…、年に一回だけ休暇を取って来てるんだ。あのバルコニーがお気に入りでね…あそこで何も考えず、ぼーっとするのが好きなんだ」

メニュー表を見ながら、何かを想うような優しい顔で 彼は話している。

私とは 別世界のひと…

仕事もこなし
スマートな対応
長い手足に
綺麗な瞳…

何より 彼が作り出す 優しい空気と 心地よい声から発せられる 細やかな私への気遣いに

初めて大人の男性を感じた。

「私は…」

メニュー表から顔を上げ、彼の視線が私に向けられる

「私は…色々考えたい事があって…。仕事とか、恋愛とか、将来の事とか…。」

うつむきながら 話す私の言葉を、微笑みながら彼は聴いている

「あのバルコニーに居たのは、部屋に居ると余計な事まで考えてしまうから…。外の空気を吸おうと思って…そしたらいきなり強い風が吹いて、スカートが脚に絡まっちゃったんです。少し濡れてたから…なかなか解けなくて…」

バラの花越しに 彼の顔を覗く。

「そうだったんだ 僕はてっきり変わった子なのかなと思ってしまってたよ」

ふふっと小さく笑いながら、軽く手を挙げウェイターを呼ぶ。

「以前食べたデザート、まだあるかな?」

と 親しげな表情で やりとりを彼がしている最中、

私は 彼の 香水の香りを思いっきり吸い込んでいた。

あぁ〜 いい香り…
同い年の男の子には まだこの香りは早いな

夕日に染まる海に視線をやり、部屋で考えていた事を思い出していた

「綺麗だよね…このホテルから見える景色。」

彼の声が小さくて、見つめられている事に 私は気付かなかった。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

あなたの詩(ウタ) 更新情報

あなたの詩(ウタ)のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。