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おとなのミクシーコミュの大人の童話「悲しみの森」

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悲しみの森

ある国の山奥に「悲しみの森」がありました。
悲しみの森はどこにでもあるような普通の森です。
でも、人はこの森に来ると涙が溢れ出すのです。
理由はわかりません。
ただ、この森は悲しみに溢れているのです。
そう感じるのです。


序章
子熊は大きく伸びをします。
朝日を浴びて、かあさん熊に抱かれて幸せな朝です。
お腹が空いたようです。
「おっぱい、おっぱい」
子熊の覚えた言葉は「おっぱい」と「かあさん」だけでした。
かあさん熊は気付いていました。あまりに空腹でおっぱいなど出ない事を
「おっぱい、おっぱい」
かあさん熊は考えます。もう冬に入っています。
秋に充分な栄養をためる事が出来ませんでした。
冬眠は出来ない。
食べ物は雪に埋まってゆく。
この子の為には危険な狩をしなければ、・・・・・・・死んでしまう。
街に行けば何か食べるものが、
無いのなら人間を・・・・・・
でも、人間を襲えば多くの犠牲が出る、熊の仲間に・・・・・
かあさん熊の悩みは朝霧より深く、降りしきる雪より儚いものでした。
「かあさん、おっぱい」
この子の為には何をしてでも生き延びなければ。
たとえ、
たとえ、

「ぼうや、行くよ。しっかりつかまってね。」
かあさん熊は森をぬけて行きました。
後ろを振り返らずに。





1章 別れ

かあさん熊は走ります。

決意が緩まないように。

何でもいいから食べるんだ、おっぱい出さなくては、この子が、この可愛らしい子が、
絶対に、お前だけは、死なせない。

何をしても、わたしが、わたしが・・・・・・・・

朝日が凍りついた空気をきらきらと光らせます。

かあさん熊の瞳もきらきらと輝くものがありました。
悲しみの森は、この二人を静かに見送りました。

街が近づき、かあさん熊の顔つきが変わりました。
子熊は震えてかあさん熊にしがみつきます。

空腹と恐れ、
「くぅーーーーん、くぅーーーーん」
体が震えます。
寒さではありません。予感です。
耐える事のできない予感です。
「くぅーーーーん、くぅーーーーん」

かあさん熊は突然止まり、目の前の生き物に標準を絞っていました。

「いいかい、ぼうや。よくお聞き。私たちが狩をする時はどうしようもない時だけだよ、生きるためだよ。狩をすれば、悲しむ者が出る。食べた相手には子供もいるかもしれない。家族もいるだろう。だから感謝して食べるんだよ。感謝してね。」

目の前の生き物は井戸の水を汲んでいる女性でした。
かあさん熊は低く唸ると草むらから飛び出しました。


ずっどーーーーーーんーーーーーーーー!!


子熊は何が起こったのか解りません。
目の前にはかあさんの大きな体が
必死に駆け寄ります。

「かあさん!かぁさん!」
「おっぱい。おっぱい。」

かあさんの体から嗅いだ事のない匂いがします。
嫌な匂いです。

火薬の匂いです。

「かぁさん、起きてよ、帰ろうよ、早く」
言葉が溢れだします。

喋らなくてはいけません。

「かあさん。かあさん。」

「坊やぁ、聞いておくれ、人を恨んではいけないよ。すべて宿命なんだよ。でもね、かあさんはね、坊やが一番大事だった。愛しているよ。早く逃げなさい。かあさんは、かあさ・・・・・・・」

「早く帰ろうよ、一人は嫌だよ、かあさん、かあさん、かあさん」

その時後ろから、嫌な匂いが強くしてきました。

そして、首の後ろから捉まれて空中に

「嫌だよ、離して、かあさん、かあさん、早く帰ろうよ。」





第2章 平穏

子熊は猟師の家に連れて行かれました。

「可哀相に、酷い事をするじゃないか」

「馬鹿言え、俺が撃たなければ、お前が食われていたんだぞ、何言ってるだぁ」

「ごめんねぇ、こんな酷い父さんほっといてね、こっちにおいで

おおー、よしよし。怖かったね。もう大丈夫だからね。いい子だね。

名前はなんだい?」

「ちびでいい!」

「何を言っているんだい、いつまでも小さかぁないよ」

「馬鹿言え、大きくなったらなぁ、こっちが食われてしまうだぁ」

「酷い父さんですねぇ。おお、よしよし。

いいかい。今日からは私がかあさんだよ」

子熊は混乱しました。かあさんとは違う匂い。でも優しいかおり、背中をなでてくれる手は暖かくて眠くなります。

「かあさん。かあさん」

「ほらぁ、見てみぃ、涙流してるじゃないかぁ。
可哀相に」

「うるせぇーー。おらぁ、熊をさばいてくるわ。汁の用意でもしとけぇ」

悲しみの森はざわついていました。

風が吹き木々は擦れあい、何かを訴えかけていました。

「ああ、ちび、今日から かあさんが一緒に寝てあげるからね」

ちびはかあさんに連れられて布団に入りました。

あたたかい、

なんて暖かいんだろう。

かあさんの手が優しく背中をなでます。

ちびは涙が止まりません。

外からは本当のかあさんの匂いが微かにします。

「かあさん、かあさ・・・・・・・・」

深い、深い、眠りがちびに訪れました



第2章 暖

ちびは目を覚ましました。

こんなに暖かいねぐらがあるんだろうか

かあさんと震えて寝てたのが嘘のようです。

「可哀相によっぽど疲れたのね、おはようちびちゃん。ご飯出来ていますよ。硬くなったパンにミルクとハチミツですよ」

ちびは今まで嗅いだ事のない、素敵な匂いを嗅いだ。

我慢できない。お皿に飛びついた。

おいしい。おいしい。悲しいぐらい美味しい。

かあさんにも、かあさんにも

おっぱい。おっぱい

もうなくなった・・・・

「かあさん。おっぱい・・・・」

「お腹すいていたのね。さあ、召し上がれ」

おいしい、おいしい。かあさん大好き。かあさん

ちびは新しいかあさんに飛びつきます。

「おお、いい子だ。本当に可愛い。お前は私の本当の子だよ」

後ろでは熊鍋がぐつぐつと音を立てていました。


第3章ワルツ

春が来ました。雪が解けて、ふきのとうが芽を出します。

ちびは明るい日差しに目を細めます。

桜の淡いピンク、菜の花の鮮烈な黄色、ハチミツミルクの甘いかおり、

かあさんの暖かな手、ちびは静かに幸せを感じます。

「ちび、寝ちゃったの。ずーっとちびならいいのにねぇ」

梅雨空、庭を走り回ったちびは泥だらけです。かあさんがお風呂に入れてくれます。

「いやだ、ちび、大きくなったね、持ち上がらないよ。
どうだい気持ち良いだろ。可愛いね。ちび、大好きだよ」

ちびもかあさんが大好きです。

時間が止まればいい。時間が

夏にちびは大きなスイカ食べました。かあさんが作った大きなスイカです。

甘くて、冷たくて、美味しいスイカです。

涼しくなって、台風が来ました、窓はがたがた音を立てて、森はうなっていました。

ちびは怖くてかあさんに一日中しがみつきました。

そして、森が赤くなると、ちびは何故だかお腹がすきました

抑える事のできない空腹です

ある日ちびは棚の上にあるハチミツのビンを床に落として全部なめてしまいました

そして、唸ってしまったんです。

低く、力強く。

猟師の父さんが見逃すわけがありません。

野生の目覚めです。


第4章  宿命
「明日、ちびを山に返す。」

「待っておくれよ。こんな冬の初めに山に返したら死んでしまうよ」

「だめだぁ。こいつはもう充分に大きい。俺らが寝ている時に喉をかまれたれひとたまりもない。危険なんだぁ。こいつは熊だ。犬ころとは違うで」

「今日が最後かぁ?」

「ああ、そんだ。」

「ちび。ちび。ああ、かあさんはちびと離れたくない。
かあさんの本当の子供だよ。」

ちびは訳がわからないまま布団の中から様子をうかがっています

かあさん早くなでなでしておくれよ

かあさんは涙を流しながらちびを布団ごと抱きしめます

「かあさん、どうしたの、泣いたら駄目だよ、僕が守ってあげるからね」

「ああ、どうして、どうして。こんなにいい子なのに」

酷すぎる。

翌朝、目を覚ますと父さんが毛皮の着物を着て待っていました

そして、ちびに首輪をすると力強く引っ張って行きます

「父さん、どこへ行くの、ちびはちゃんとついて行くよ。そんなに引っ張らないで。まだ、朝ご飯食べてないんだよ。家に戻ろうよ。かあさんのご飯が食べたいよ。寒いよ。おうちに帰りたいよ。」

何時間も歩きました。

ここは何処でしょうか。懐かしいような気もします。

「ちび。最後のご飯だ。ゆっくりたべろ」

ハチミツのかおり、ミルクのかおり

「とうさんと一緒に食べるんだね。   いただきまーす。」

ちびはご飯に夢中です。

父さんは静かに去ります。匂いがわからなくなるように。川を跳び越えたり、遠回りをして。

ちびが気付いた時は、静寂だけです。

ちびは走りました

「かあさん!!父さん!!」

「いやだぁーーーー」

誰も答えてくれません、雪が降りしきります

何日、森をさまよったのでしょうか

ただ白いだけの森には、布団もミルクもありません。

「寒いよー、かあさん、どこ。抱きしめておくれよ」

フクロウのおじいさんが言います。
「早くお逃げ、お腹をすかした犬が近づいているよ」

「ぼくを食べる。そんなことは・・・・・

かあさん。たすけて。かあさん。かあさん」

犬はすぐに来ました。
ちびは逃げます

どんなに早く走っても犬にはかないません。あちらこちら噛まれました。

無我夢中で木に登りました。

痛み、空腹、寒さ、悲しさ、ちびは泣きました。

「くぅーーーーん、くぅーーーーん」


「くぅーーーーん、くぅーーーーん」

犬はしばらくするとあきらめていなくなりました

ちびは落ちるように木から降りました

「帰りたい。かあさんの手のぬくもりが、かあさん、かあさん」
犬の牙に引き裂かれた傷から血が滴ります。

「暖かい、甘いミルクが飲みたいよ」

ちびは横たわり空を見上げます。

星はこんなに明るいのに、さむい、さむい、かあさん

薄れ行く意識の中で声がします

「ちび、お前の望みを言うが良い、一つだけかなえてやろう」

「かあさんに、かあさんに。抱きしめられたいです。」

「よかろう、もう少し我慢するのじゃ」


気付くと、ちびは家の前にいました。

ああ、かあさん。かあさん。ちびは叫びました。

早く入れておくれよ。さむいよ。だきしめ

ずっどーーーーーーんーーーーーーーー!!

ちびは自分の体の中から嫌な匂いが立ち上るの意識しました。

「おまえさん。なにをするんだい。ちびじゃないか。わたしのちびじゃ」
かあさんは駆け寄ってくれました。

そして、抱きしめてくれました。

「わたしのちび、ああ、ひどすぎる」

かあさん手が凍えた体をやさしく温めます。

痛みはもうありません。

布団の中で眠る時と一緒です。

「かあさん。よかった。暖かいよ。ミルク  はもう  い い や

ずっと この ま ま  」

ちびは空に上りました。本当のかあさんの待つ空に。

コメント(5)

思いついたばかりの文章です。

今後修正していきますので、ご意見、感想をお願いします。

みっちゃん♪さん

ありがとうございます。

みっちゃん♪さんならどんな写真を添付しますか?

イメージに合うのがあれば見せてくれませんか。
まりえさん

犬の目は純粋であの目には誰もかないませんね。

話が出来ない分、重要な自己主張のアイテムなんでしょうが。

出かける前の、悲しそうな上目遣い。

かないません。犬

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