吉行理恵コミュの吉行理恵さんと「こほろぎ嬢」

　映画『こほろぎ嬢』監督の浜野佐知です。皆さん、初めまして。

　映画『こほろぎ嬢』は２００６年にオール鳥取ロケで撮影し、昨年5月に大阪・十三の「第七藝術劇場」でロードショー公開されました。その時は脚本担当のkuninori55さんがお知らせさせていただきました。　

http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=13637014&comm_id=223650

　映画『こほろぎ嬢』は昭和初期に活躍した女性作家、尾崎翠の短編３本（「歩行」「地下室アントンの一夜」「こほろぎ嬢」）を連作として映画化したものですが、「松木夫人」役で理恵さんの姉である和子さんが出演してくださっています。
　理恵さんは、『こほろぎ嬢』の完成を本当に楽しみにしていてくださった（和子さん談）そうですが、とても、とても残念なことにクランク・イン直前の２００６年５月に亡くなられました。

　理恵さんが亡くなった後、遺品を整理していた和子さんは、押入れの片隅から猫の骨ツボ３個と、お金を発見しました。和子さんは、そのお金を、「理恵が観るのを楽しみにしていたこの映画に使ってもらうのが、一番喜ぶと思うから」と、『こほろぎ嬢』にカンパをしてくださいました。
　私はその理恵さんのお金で映画に最後の場面を付け加えました。そして、映画『こほろぎ嬢』を宇宙のどこかで微笑む理恵さんに捧げました。

　ぜひ、吉行理恵さんを愛する皆さまに観ていただきたく、ご案内を差し上げます。

日時：2008年2月24日（日）
　　　第1回: 11:00～14:00（開場10:30）　第2回: 15:00～18:00（開場14:30）

会場：ドーンセンターホール・7F（大阪府立女性総合センター）
　　　大阪市中央区大手前1丁目3番49号　Tel: 06-6910-8615　

料金：前売り：2,500円　当日：3,000円　ペアチケット：4,500円

問合せ・前売り取り扱い：『こほろぎ嬢』上映実行委員会
　　　　　　　　　　　　　Tel: 06-6201-1329（NPO法人ZUTTO）
　　　　　　　　　　　　　Tel: 06-6945-5160 (?オフィス・オルタナティブ）　
　詳細とチケットのお申し込みはこちら→http://www.npo-zutto.com/info.htm

　映画の上映と『こほろぎ嬢』の音楽監督・吉岡しげ美さんのコンサートとのジョイント企画です。
　各回、私と吉岡さんのミニトークもあります。

　吉岡しげ美さんの詳細はこちら→http://www.shigemin.sakura.ne.jp/
　
　映画『こほろぎ嬢』の詳細はこちら→http://www.h3.dion.ne.jp/~tantan-s/

　　
　また、映画『こほろぎ嬢』のパンフレットには、「吉行理恵メモリアル」と銘打って、尾崎翠を愛した理恵さんが、最初の「尾崎翠全集」に寄せた「一貫した清潔感と爽やかさ　貧乏や病気がすすむにつれて冴えるユーモア」と題した書評が掲載されています（「週間読書人」１９８０年３月１７日）。
　同じページには、姉の吉行和子さんが、鳥取県倉吉市のロケ地で、「鳥取にて」と題して、亡くなった理恵さんを偲んで書かれたエッセイを掲載しています（「俳句αあるふぁ」２００６年８・９月号、「最初はグー」より）。
　
　私は、映画『こほろぎ嬢』で、「吉行理恵」と「尾崎翠」という二つの孤独な魂が寄り添ったのだ、と思っています。

　どうぞよろしくお願いいたします。
　