太陽 Solnze（英題：The Sun)コミュのわからなかったこと

はじめまして。
映画を見て、ひとつ疑問があります。
御前会議の場面、昭和天皇のどのような言葉が
「降伏する用意があることを示唆」しているのでしょうか？
パンフに採録されたシナリオを確認しても
天皇の台詞は「四方の海は…まだ荒れるがよい…」で終わっていて、
まだ戦いをやめるわけにはいかないと
言っているようにしか思えないのですが…。

コメント(9)

最初
全て
最新の40件

[1] mixiユーザー 08月13日 17:06

御前会議のシーン、私もそんなカンジがしました。
な～んか、わかったような、わからないような。

あと、あと、
ダーウィンの彫像が進化論（天皇＝人間）のメタファーとして
出て来てるのかな～と思ったけど、
じゃあ、あの引き出しにしまった彫像は誰？？

この映画って史実にかなり忠実なんですよね。
皇居で鶴飼ってたのにびっくり。
キジならともかく本当？

あと、GHQの通訳ってあんなに天皇にシンパシー持ってたの？
びっくりス。

（THELMAさん質問に答えてなくてごめん）

[2] mixiユーザー 08月13日 17:51

終戦の御前会議に列した迫水書記官長の記録では、昭和天皇の終戦についての発言は極めて明晰かつ論理的なもので、鈴木首相と事前に打ち合わせがなされていたことがうかがえます。
明治天皇の御製を引用したのは開戦時の会議で、遠まわしな形で平和的解決を示したものです（政府と軍部が一致して決めた開戦を拒否することは帝国憲法に違反するため）。
映画では御製の引用を終戦に持ってくると同時に、解釈の読み替えを天皇自身が示した、敗戦国としての苦難を民族の進化発展に不可避な試練と受け止めよう、というニュアンスかと思います。

終戦の御前会議やマッカーサー会見での発言は、意図的に史実と違う、曖昧で多義的な台詞にしているように思います。
なぜならこの映画は、昭和天皇という悲劇的パーソナリティーについての映画で、終戦についての映画ではないからです。

引き出しにしまわれた彫像はナポレオンです。
このシーンは史実に基づいていて、三体の彫像は皇太子時代の訪欧で購入されたものです。
つまり昭和天皇自身が選んだ、科学者として、政治家として、軍事指導者としての理想像だったといえるでしょう。
ナポレオンは終戦の時に片付けましたが、ダーウィンとリンカーンの像は晩年まで昭和天皇の御座所に飾られていました。

マッカーサー会見で実際に通訳をしたのは外務省出身の皇室御用係寺埼英成（のち外務次官）です。GHQの通訳はフィクションです。
また侍従長も史実とはキャラクターが違います。当時の侍従長は藤田尚徳海軍大将。回想録を見る限り、教養ある一徹な禿頭の老軍人です。海軍さんだし外国のお菓子は食い慣れてたかと（^^

[3] mixiユーザー 08月13日 20:05

＞敗戦国としての苦難を民族の進化発展に不可避な試練と受け止めよう、というニュアンス

なるほど、そうなのですね。
史実はどうあれ、劇中のあの場面は
天皇の終戦への意志を示すものとして考えるべきなのでしょう。
おっしゃる通り、曖昧で多義的ではありますが、
その方がしっくりきます。

それにしても、みごとなシナリオと演出でしたね。
（シナリオに関しては、佐野史郎がかなりがんばったのか…）

＞アンドーさん
皇居のツルは史実だったんですか！？
あのシーン、とても好きでした（^^)

[4] mixiユーザー 08月13日 22:09

たしかに「曖昧で多義的な台詞」が
この映画の魅力でもありました。

ナポレオンでしたか。ありがとうございます。

そして通訳、やっぱ、あんな訳ないよなぁ。

あと、ハーシーズくらい
戦前の日本人でも知ってただろ、と私も思いました。
面白いからいいけど。

イッセー尾形の顔があまりにそっくりでリアルで
ドキュメンタリーでもないのに、
いろいろ発見したような気になりました。

[7] mixiユーザー 08月14日 15:35

監督のインタビューした人に聞いたのですが、
ツルは、特に監督が演出のために用意したわけではなく、
本当に偶然そこへ飛んできたようですが、
シーンにものすごい溶け込んでいたのでそのままOKを
出したとのことらしいですよ。

[8] mixiユーザー 08月15日 18:32

好評につき拡大ロードショウとか。
めでたい　めでたい！

[9] mixiユーザー 08月16日 21:01

史実に則って終戦を描いた映画としては、岡本喜八監督『日本のいちばん長い日』をお勧めします。昭和天皇の発言も再現されていますが、掛け値なしに傑作だと思います。

『太陽』は史実との違いをつつく映画ではなくて、なぜ、いかに史実を虚構化したのかを読み取る映画のように思いました。
ソクーロフ監督は歴史を舞台裏から覗くように描写しています。しかしそれは想像に基づく「虚構の楽屋裏」であり、言わば「虚の虚」として二重反転された史実を描き出した、実に端倪すべからざる作品だと思います。

>ナポレオンでしたか。ありがとうございます。

アメリカと戦争している帝国の現人神が、ダーウィンとリンカーンを執務室に飾っているというのは、ものすごいイロニーですね。しかもそれが史実なのですから。

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ