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登記の勉強と情報コミュの株式の分割と定款変更の議決機関

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株式の分割と定款変更の議決機関
 

普通株式とA種株式を発行する公開会社において、普通株式を1対10の割合で株式の分割をする場合、取締役会の決議のみで手続をすることができるでしょうか。

 また、株式の分割の手続終了時において変更することができる発行可能株式総数の上限は何株でしょうか。

 なお、当会社は過去に普通株式の自己株式を消却した結果、現在の発行可能株式総数は10万株、普通株式の発行可能種類株式総数は6万株、A種株式の発行可能種類株式総数は4万株、発行済普通株式の数は2万株であり、A種株式は現実には発行していません。



 取締役会決議のほか、普通株式の発行可能種類株式総数の増加に係る株主総会の決議を要します。また、手続終了後の発行可能株式総数の上限は80万株です。


【解説】

 設問の会社は、公開会社であるにもかかわらず、現在の発行可能株式総数が発行済株式の総数の4倍を超えています。これは、株式の消却や併合をしたときに生じることのある現象であり、違法状態ではありません。

 さて、設問の会社は、現に2以上の種類の株式の発行をしていない株式会社ですから、株主総会の決議によらないで、株式の分割がその効力を生ずる日における発行可能株式総数をその株式分割前の発行可能株式総数に、会社法183条2項1号に規定する割合の範囲内で増加する定款の変更をすることができます(会社法184条2項)。

 設問における、会社法183条2項1号に規定する割合は9ですから、発行可能株式総数の10万株に9を掛けた範囲(90万株)でこれを増加することができ、手続終了後の発行可能株式総数の上限は100万株になるようにも思えます。

 しかし、設問の会社は、公開会社ですから、この場合にも、会社法113条3項の規定が適用されます(山本為三郎 会社法コンメンタール第4巻164頁)。

 定款変更後の発行可能株式総数が、その定款変更の効力が生じたときの発行済株式総数(株式の分割後の20万株)の4倍を超えることができず、手続終了後の発行可能株式総数の上限は80万株となります。

 株式の分割と同時にする発行可能株式総数を増加する定款変更は、取締役会の決議ですることができますが、設問の会社は、普通株式の発行可能種類株式総数が6万株ですから、このままでは、株式の分割が、発行可能種類株式総数の枠外発行となってしまいます。

 会社法において、発行可能株式総数と発行可能種類株式総数は別の概念ですから、会社法184条2項の規定による定款変更の特則を発行可能種類株式総数の変更に適用することはできません(相澤哲=葉玉匡美=郡谷大輔編著『論点解説新・会社法』190頁)。

 そこで、設問においては、普通株式の発行可能種類株式総数を変更するために株主総会の決議を要するということになります。

 なお、種類株式発行会社においては、発行可能種類株式総数を増加する定款変更をする場合、ある種類の株主に損害を及ぼすおそれがあるときの種類株主総会の開催の要否を検討することを要しますが、設問のケースでは、A種株式を現実に発行していないため、この点の考慮は不要です(会社法322条1項柱書ただし書)。

コメント(1)

株の流動性が低下し資金調達に支障をきたしている場合に、株式分割を利用すれば、発行済株式を細分化し株価を下げることで、株の流動性を上げることができます。たとえばある株式会社の株価が1株100,000円まで上がり株の流動性が低下していた場合に、株式分割を利用し、1株を10株に分割すれば、1株あたりの株価が10,000万円まで下がりますので、会社に出資する者が増え、株の流動性を回復することができます。

株式会社は、株式の分割をしようとするときは、1.株式の分割により増加する株式の総数の株式の分割前の発行済株式(種類株式発行会社にあっては、会社法183条2項3号の種類の発行済株式)の総数に対する割合及び当該株式の分割に係る基準日、2.株式の分割がその効力を生ずる日、3.株式会社が種類株式発行会社である場合には、分割する株式の種類を定め、取締役会設置会社においては取締役会の決議、非取締役会設置会社においては株主総会の普通決議が必要です。ただし種類株式発行会社においては、株式の分割によりある種類の株式の種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が2以上ある場合にあっては、当該2以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会。)の特別決議が必要です(会社法第322条1項2号、同法第324条2項4号)。

株式会社は、定款に別段の定めがある場合を除き、会社法第183条2項1号により定めた基準日の2週間前までに、当該基準日及び株式分割の内容を公告しなければなりません(会社法124条3項)。そして基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている株主(種類株式発行会社にあっては、基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている会社法第183条2項3号の種類の種類株主)は、株式分割の効力発生日に、基準日に有する株式(種類株式発行会社にあっては、会社法第183条2項3号の種類の株式。)の数に株式分割の割合を乗じて得た数の株式を取得します。 現に2以上の種類の株式を発行している種類株式発行会社を除き、株式会社は、株式分割の効力発生日における発行可能株式総数が、その日の前日の発行可能株式総数に株式分割の割合を乗じて得た数の範囲内であれば、取締役の決定(取締役会設置会社においては取締役会の決議)によって定款の変更をし、発行可能株式総数を増加することができます。

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