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登記の勉強と情報コミュの第三者のためにする契約)とその買主と第三者との間の売買契約(他人物売買)

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カウンター相談(164)/登研691−211◆ 買主が指定する第三者に所有権を移転する旨の売買契約(第三者のためにする契約)とその買主と第三者との間の売買契約(他人物売買)を原因とする所有権の移転の登記の申請の可否について ◆



甲所有のA不動産について,次のような,乙が指定する第三者に所有権を移転する旨の特約がある甲乙間の売買契約(第三者のためにする契約)が締結されるとともに,同契約に基づく乙による第三者の指定前に乙丙間の売買契約(他人物契約)が締結された場合に,これらの契約に基づく甲から丙への所有権の移転の登記は,申請することができないものと考えますが,いかがでしょうか。

 ア甲乙間の売買契約における特約の内容 
?売買代金完済後も
?の指定までは所有権は甲に留保される。

?所有権は,乙の指定する者に対し,乙の指定を条件として甲から直接移転する。 イ乙丙間の売買契約における特約の内容 ?丙は乙にA不動産の売買代金全額を支払う。 ?所有権の移転に係る乙の債務は,丙の売買代金完済と引換えに甲が乙に代わり履行する。


◆御意見のとおりと考えます。

46 2008年08月31日 10:46 ♪けいちゃん [編集] 第三者のためにする契約
契約により当事者の一方が第三者に対してある給付をすることを約することを第三者のためにする契約という(537条)。その第三者の権利は受益の意思表示をしたときに発生する(537条1項2項、発生後は当事者がこれを変更、消滅させることができない、538条)。債務者の抗弁の問題につき、539条。


[編集] 類似した法律用語
第三債務者
債務者の債務者のこと。
第三取得者
担保物権の設定された後に目的物の所有権又は、用益物権を取得した者。

[編集] 第三者への判決効
民事事件について、裁判の効力は通常当事者間にしか及ばないとするのが原則であるが、一定の範囲では、訴えの提起時点で第三者であった者にも既判力が及ぶ。また、会社訴訟などにおいては、利害関係人が多数に上るため、法律関係の早期安定が要請されるから、判決効に対世効を法的にもたせ、第三者にも効力を及ぼすことがある。

47 2008年08月31日 10:55 ♪けいちゃん  『第三者のためにする契約』は,昭和57年・58年に連続して出題されました。『例外のそのまた例外』ともいうべき問題です。
Aが自己の土地をBに譲渡し,Bがその代金をCに支払う旨の契約がAB間でなされた。この場合,次の記述のうち誤っているものはどれか。(昭和57年・問9)


1.「AとBが通謀して虚偽の意思表示による契約をした場合には,Bは,たとえCが善意であっても代金を支払う必要がない。」

2.「Cが代金の支払を受ける旨の意思表示をした後は,AB間の契約が無効又は取り消し得べきものであるとしても,Cが善意ならば,Bは,それを主張することができない。」


3.「Cが代金の支払を受ける旨の意思表示をした後は,原則としてAとBは契約の内容を変更し又は消滅させることができない。」

4.「Cは,AB間の契約に不満であってもその契約を解除することはできない。」



【正解】

1 2 3 4
○ × ○ ○
48 2008年08月31日 11:00 ♪けいちゃん ◆第三者のためにする契約

 『第三者のためにする契約』とは,契約の当事者の一方Bが第三者Cに直接に債務を負担することを相手方Aに約する契約です。

 A(要約者)――→B(諾約者)
            ↓
            C(受益者)

 AはBに何らかの債務を負い,Bはその対価としてCに何らかのものを給付する債務を負担,Cは契約の当事者ではありませんが,直接Bに対して給付請求の権利を持つ。

 「何もそんなマダルッコシイことをしなくても」と思われるかもしれませんが,このような契約形態は,実は,私たちの日常にもあります。〔AがBに代金を払ってCに分譲マンションを給付させるなどの場合は,登記費用の節約などの実利があります。〕

 【例1】 生命保険の受取

 被保険者(要約者)―――保険会社(諾約者)
                   |
                 保険の受取人(受益者)

 【例2】 お中元やお歳暮の配送 (⇔異論あり)

 百貨店(要約者)―――運送会社(諾約者)
                   |
               中元・歳暮の届先(受益者)

●受益者Cの権利は,諾約者Bに対して契約の利益を享受する意思表示をしたときに発生する。(537条2項)

●受益者Cの権利内容はABの契約によって定まり,Cが受益の意思表示をした後は,A・BはCの権利内容を変更したり,消滅させることができなくなる。(538条)

●Bは,AB間の契約に無効・取消・解除・同時履行の抗弁権などが生じた場合は,それをCに対抗することができる。(539条)

 このため,以下の規定の第三者が受益者の場合は適用除外になります。

 → 通謀虚偽表示での無効を善意の第三者には対抗できない。(94条2項)

 → 詐欺による取消は,取消前の善意の第三者には対抗できない。(96条3項)

 → 契約の解除は第三者の権利を害することはできない。(545条1項但書)


 恐らく,この適用除外が出題者の狙いとする論点だったと思います。

●昭和58年・問6・肢3
3.「当事者の一方が第三者に対して一定の給付をする旨の契約が締結された場合

において、その第三者の権利は、債務者に対してその第三者が契約の利益を享受

する意思を表示したときに発生する。」

【正解:○】


◆第三者に給付をする旨の契約

 A(要約者)――→B(諾約者)
            ↓
            C(受益者)

 第三者のためにする契約とは,要約者が契約によって取得する権利を第三者である受益者に帰属させる契約です。

  第三者の権利は、第三者が債務者に対して契約の利益を享受する意思を表示したとき(黙示でもよい)に成立します。(民法537条2項)
 第三者(受益者)の意思を無視することはできないからです。

 その第三者は、債務者に対して直接にその給付を請求することができます。

▼間違いやすいのですが、第三者の受益の意思表示は第三者の権利発生要件であって、契約の効力発生要件ではありません。



1.「AとBが通謀して虚偽の意思表示による契約をした場合には,Bは,たとえCが善意であっても代金を支払う必要がない。」

【正解:○】

49 2008年08月31日 11:04 ♪けいちゃん ◆無効・取消・解除になったら,受益者は対抗できない

        虚偽表示
 A(要約者)――――→B(諾約者)
               ↓
               C(受益者)

 諾約者Bは,AB間の契約に無効・取消・解除・同時履行の抗弁権などが生じた場合は,受益者Cの善意・悪意には関係なく,受益者Cに対抗することができます。(539条)

 このため,『通謀虚偽表示では,当事者間では無効だが,その無効を善意の第三者には対抗できない。』という94条2項の規定は受益者には適用除外されています。

 したがって,AB間の契約が通謀虚偽表示の場合は,Bは,その無効をCに対して主張できるため,たとえCが善意であっても,Cに代金を支払う必要はありません。

2.「Cが代金の支払を受ける旨の意思表示をした後は,AB間の契約が無効又は取り消し得べきものであるとしても,Cが善意ならば,Bは,それを主張することができない。」


【正解:×】

◆無効・取消・解除になったら,受益者は対抗できない

 A(要約者)――→B(諾約者)
            ↓
            C(受益者)

 諾約者Bは,AB間の契約に無効・取消・解除・同時履行の抗弁権などが生じた場合は,受益者Cの善意・悪意には関係なく,受益者Cに対抗することができます。(539条)

3.「Cが代金の支払を受ける旨の意思表示をした後は,原則としてAとBは契約の内容を変更し又は消滅させることができない。」

【正解:○】

◆受益の意思表示後は,契約内容の変更や消滅は不可

 A(要約者)――→B(諾約者)
            ↓
            C(受益者)

 Cが受益の意思表示をすることによって第三者Cの権利が発生した後は、当事者ABがこれを変更したり、消滅させることはできません。(民法538条)

4.「Cは,AB間の契約に不満であってもその契約を解除することはできない。」


【正解:○】

◆解除権者 : 要約者と諾約者

 A(要約者)――→B(諾約者)
            ↓
            C(受益者)

 第三者のためにする契約を解除することができるのは要約者Aと諾約者Bで、諾約者Bが債務を履行しない場合でも、受益者である第三者Cには解除権はありません。

 契約を締結したのは、要約者Aと諾約者Bの二者だからです。

50 2008年08月31日 11:09 ♪けいちゃん 他人物売買


所有権の取得・移転


 売主が他人の所有する物件について売買契約を結ぶことを、他人物売買といいます。民法上、他人物売買は有効とされますが、買主は所有権を取得できる場合とできない場合があるので、対処法を知っておく必要があります。

○他人物売買における所有権の取得

 民法では、他人の物について所有者の同意なく売買契約を締結した場合でも、契約自体は有効とされています。このとき、売主はその所有者から所有権を取得して、これを買主に移転する義務を負います。

 そのため、買主が物件の所有者になるためには、売主がその義務を履行することが前提となります。

○売主の所有権移転義務の履行が不能の場合

・買主からの契約解除

 この場合、母親が売却に賛同せず、第三者に所有権を移転し、登記をすれば売主は買主に所有権を移転する義務を履行できません。その場合、買主は契約を解除することができます。売主に義務不履行に関する責任があるかどうか、また買主が他人物売買であることを知っていたかどうかは問われません。

 買主が他人物売買であることを知らなかった場合、売主に対して損害賠償の請求もでき、また、悪意の買主でも売主に責任がある場合は、損害賠償を請求できます。

・売主からの契約解除

 契約当時、売主・買主ともに他人物であることを知らなかった場合、売主は買主に損害賠償をすれば契約を解除することができます。

 また、買主のほうが他人物であることを知っていた場合は、売主は買主に権利の移転ができないことを通知するだけで契約を解除できます。

51 2008年08月31日 11:15 ♪けいちゃん ◆他人物売買は有効

他人物売買は有効に成立し,売主には,他人から取得して買主に移転する義務(560条)があり,売主が買主に移転できないとき(561条)に担保責任を負います。

 他人物売買では,目的物の所有者が当初から目的物を譲渡する意思がなくても,契約は無効にはならず,契約は有効に成立します。(最高裁・昭和25.10.26)




●アウトライン−善意・悪意に関係なく,買主は,解除することができる
52 2008年08月31日 11:18 ♪けいちゃん どんなときに売主は担保責任を負うか

 売主は,他人から取得して買主に移転する義務(560)があり,
 売主が買主に移転できないとき。(561)

 (いったん買主に移転登記しても,権利を主張する者が出現
 して,最終的に所有権を取得できなかった場合も含む。

 契約成立時に売主が所有権をもっていても登記がなく,
 最終的に買主に所有権を移転できなかった場合も含む。 )

 〔判例〕 (最高裁・昭和25.10.26)

 他人物売買で所有権を移転できなくなったことによる担保責任の規定は,
 原始的(契約成立前),後発的(契約成立以降)を問わず,
 また債務者に帰責事由があるかないかを問わず,適用され,
 『所有権を移転できなくなったこと』のみで買主は解除できる。

 解除 買主は善意・悪意どちらでも解除できる。

 善意ならば,損害賠償請求もできる。



■他人物売買での所有権移転の時期

 当事者に特約がなければ,売主が,所有者から目的物を取得する契約を締結したと同時に,所有権は直ちに買主に移転します。(大審院・大正8.7.5)




●善意の売主の解除権 

売主が,契約当時,売却した権利が自己の権利ではないことを知らなかったときに,その権利を取得して買主に移転できない場合は,売主から解除することができます。(562条)

53 2008年08月31日 11:19 ♪けいちゃん http://drky04.hp.infoseek.co.jp/note/minpo/baibai1.htm

コメント(17)

♪けいちゃん http://drky04.hp.infoseek.co.jp/note/minpo/baibai1.htm
質問
質問者:prettypooh 二重売買について。(民法総則)
困り度:
すぐに回答を! 法学部一年生です。
二重売買に関しては、
「Aは、自己の所有する土地甲をBに売却し、さらにBが登記を得る前に、Aは甲をCにも売却した。このとき、CがBより先に甲の所有権を取得した場合は、Bは登記という対抗要件を備えていないため、Cが甲の所有者であると主張できる。」とされていますよね。
ここで疑問なんですが、なぜ土地甲の所有権を持っていないはずのAが、再び甲を譲渡できるのでしょうか。権利のないAからCに所有権はうつらないと考えられ、むしろA−Cの売買契約は無効とされるべきなのではないでしょうか。登記を信頼した者を保護しなければならないという観点から無効とされないのだとしたら、土地甲の所有権のないAから甲を買うという行為はどのように説明されますか?
質問投稿日時:07/06/13 17:25質問番号:3081588
この質問に回答します 質問を締め切ります 最新から表示|回答順に表示 回答
回答者:kanpyou 学部の一年生ということで、現在「民法 総則」を学習中なのでしょう。

二重売買における権利関係の得喪については、「物権」で詳しく学習します。
アウトラインに触れると、
物権の変動
・「意思主義」と「形式主義」…意思表示による変動と、登記など様式性を求めるもの
・「物権行為の独自性・無因性」…売買などの「契約」(債権行為?)を切り離し、登記など「物権行為」において物権が変動するのか。変動する場合は契約無効の場合、これを切り離して、物権行為だけで変動をを肯定できるか。(形式主義的視点)

 それらの類型として
I契約主義(合意主義)…意思主義を反映
II登記主義(引渡主義)…意思主義と形式主義の折衷(有因変動(契約など)と敵対・排他性(登記)による)
III物件的合意主義…形式主義を反映
(*注意しなければならないのは、わが国では物権行為の独自性・無因性は否定されていて、I説ないしII説が反映されていると思われる。)

問題となるのが、176条と177条の関係で、
二重譲渡「不動産物権変動 総説」後段辺り
​http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8C%E9%87%8D%E8%AD%B2%E6%B8%A1​
「第1譲渡の意思表示によって物権変動は生じているとし、〜物権変動は一時点をもって決するような明確なものではなく登記を備えるまでは外部から分からないため確定的でない」としています。
しかし、これは、176条と177条との判断を示しているだけで、ご質問の根本的疑問である、意思主義なのか折衷的なのかは明示しません。

ここで、登記に『公信力』が認められないのはご存知でしょうか。
公信力とは、登記内容が、真に現在の権利関係を表しているかどうか、という意味で、物権は意思表示のみで変動しますので、現在の権利関係を表しているとはいえません。(タイムラグや様々な理由により記載されていないだけではなく、不実の申告も含めるという意味)
このように、現実の権利者と登記内容とに乖離が生じる事となるが、現在の所有者にしてみれば、それ以前の権利関係というものには関心が無く、不明の場合でさえあります。変動原因を560条にしろ、他の原因にしろ、所有しているという証明が必要になります。その、所有の事実を第三者に提示する時期が、登記という方法によるもので、有因変動による登記という公示方法により
「所有(意思)」と「公示(形式)」とが一致した時点で「排他的な対抗力」を備えることになります。

B、C共に善意者であれば、譲渡など(有因)により登記を為すことで、適法かつ完全な所有者となると考えます。もちろん、AのBあるいはCに対する不実な行為は、債務不履行などによる損害賠償責任を負うことになります。(翻意なのか561条の契約解除なのかはAの内心による法律効果なので、AのB、Cとの契約成立に影響を与えないと考える。)

と私は理解しました。個人的な見解・理解なので、学説、通説とは異なることをお断りしておきます。


回答者:noname#34093 これは民法を勉強しようとする人が、必ずと言っていいほどぶつかる論点ですね。
他の方の解答にもあるように、不完全物権変動説というのが、一般的な理解です。(これ以上踏み込むのは、民法学上タブーとされています。)

確かに、ご指摘の通り、176条の意思主義によって売買契約では特約なき限り、所有権は当然に買い主に移転します。

ただし、これは売り主と買い主という当事者間でのみの法律関係であると理解されています。
つまり、これに第三者が絡んでくるときは、別個の考えが必要とされているのです。

第三者にとっては、契約の存在と所有権の移転という売買の当事者間の出来事というのは、簡単には知ることができません。
試しに、自宅の3件ほど隣の家の所有権移転がどこの誰との関係で行われたか、想像してみてください。
「実際に住んでいる人が買い主なんだろう」ということくらいはわかりますが、売り主や、契約内容、所有権の移転の状態などについては、簡単に知ることができません。

第三者がその不動産に関して、所有権を譲り受けようとするときにはいろいろ調査しなければならず、しかも当事者間での契約内容などを調査するというのは大変な負担なわけです。
そうすると、不動産取引が困難になりますから、経済政策上妥当でない。
そこで、第三者が物権の所在を容易に知ることができるように不動産物権制度を作っておく必要がある。
以上の考えで、登記制度というものができているわけです。

これを前提とすると、当事者間でいかに有効な取引があっても、これを第三者が認識できるようにして、初めて第三者との関係でも、自己の権利をしっかりと主張できるという制度にしたほうが、第三者の取引安全のために適切ではないかという考えがでてきます。

そこで、177条が当事者間での物権変動を登記なくして、第三者に対抗することができないと定めたのだということができます。

以上のように、当事者間での物権変動と、第三者との関係での物権変動を分けて考えているのが、現在の学説の現状です。
つまり、質問欄の事例では、「BはAとの関係では、登記の有無にかかわらず土地甲の完全な所有者である」ということはいえますが、「BはCとの関係では登記なくして、土地甲の所有者であるとは主張できない」ということになります。


以上のように説明してくると、176条と177条の関係がよく分かると思います。
要は、176条で私的自治(意思主義)の当然の帰結を規定し、177条で、第三者保護のために取引上の政策規定を定めたのです。


・・・・・あれ?じゃあ二重譲渡ができるというのは?という疑問がまだ解決されないと思いますが、話はここから始まります。

 以上のように、Bは売り主Aと契約をしていても、登記を得ない限り、第三者であるCに対しては、所有権を対抗できないということになります。(177条)
 Cとの関係では、Bは土地甲の所有者ではない・・・・。
 ということは、AからBに所有権が移っていない・・・・。
 だったら、CはAB間の売買契約の存在に関係なく、Aから所有権を取得できるのではないか?
 ・・・できるとしなければいけないのです。
 なぜなら、Cは裁判において、Bが登記を得ない限りBは土地甲の所有者ではない、と言い張ることができるのですから。

 そうすると、第三者が絡んできた場合には、177条の取引安全の政策規定によって、176条の意思主義を制限して、登記の獲得の先後で決着をつけよう、という価値観がでてきます。(民法学者はこう考えています)

 以上を前提とすると、第三者との関係は、登記の先後で最終的な権利者を確定できれば、所有権の移転が二重、三重に行われても、所有権移転の完全性は、それほど重大な問題ではないと考えられます。

 という観点から、民法上の二重譲渡は非常に寛大に考えられております。
 一言で言ってしまえば、二重譲渡を無効として扱うよりも、二重譲渡というものを認めて、対抗問題を主たる問題とするほうが、取引秩序として都合がいいということでしょうか。
 そういった価値判断にすぎません。
 ですから、二重譲渡を無効としたほうがいいという考えも、十分成り立ちます。
 ただ、現在の民法学は、そのような考えをとっていないというにすぎません。
回答
回答者:kanpyou 民法560条以下を参照
​http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M29/M29HO089.html#10030000000020000...​

他人物売買 不動産用語集
​http://www.re-words.net/yougo.php?n=1741​
回答者:noname#61929 大概の民法の基本書には載っています。

疑問はもっともな話でして、「第一譲渡により譲渡人には所有権がなくなるのなら、第二譲渡は他人物譲渡で無効となるから理論的に言えば本来対抗問題になどなりようがないはず」というのは民法学者なら誰でも認めるところです。その上で、現在通説と言われる説は、「不動産物権変動において登記を移転しない段階では譲渡による所有権の取得は対抗力のない不完全なものであり、その反面として譲渡人は譲渡により完全には所有権を喪失しない。その結果、第二譲渡は完全な無権利者によるものではなく、無効とはならない。第三、第四……もまた同様である」と考えます。これを「不完全物権変動説」(我妻説)と言います。

この説の妥当性はおいておきますが、少なくとも質問の程度の疑問は民法学者は皆分かりすぎるほど分かっているのであり、それに対する理論的説明で昔からあれこれ頭を悩ませてはいるのです。まずは基本書を読めばその辺の話は載っています。載っていないような基本書は捨てましょう。

#ちなみに民法の話ですから刑事は余談ですが、二重譲渡が「横領罪」となる可能性があるというのは有名な話。
回答者:kanpyou >この場合、第三者が単純悪意であっても、第三者が保護されますよね?

第三者(質問文中のCに相当)が最初の売買契約の存在を知っていて、その後に契約を締結しても、最初の買主に対する違法性を認めなかった事例
昭和27(オ)1078
事件名 所有権移転登記抹消等請求
裁判年月日 昭和30年05月31日
法廷名 最高裁判所第二小法廷
裁判種別 判決
結果 破棄差戻し
判例集巻・号・頁 第9巻6号774頁

原審裁判所名 仙台高等裁判所
​http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/4E402B7805D268F549256A8500316563...​
判例検索システム
​http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=回答
回答者:kanpyou 主張する者、根拠を示せ。

「権限のない取引を無効とする根拠(条文)を述べよ。」
ちなみに、民法95・96条、共に、自ら(B)の契約が無効になる条文。

>土地甲の所有権のないAから甲を買うという行為はどのように説明されますか?

#1様もご指摘の通り、詐欺(罪)に該当する可能性もありますね。
損害賠償請求が可能だと思いますが、その程度はいかほどか…
回答者:kanpyou 民法
(不動産に関する物権の変動の対抗要件)
177条  不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法 (平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
​http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M29/M29HO089.html#10000000000000000...​
種類:アドバイス
回答
回答者:jojojo1218 登記上Aの所有である土地甲を買うCは善意の第3者。
登記を怠った者が不利益をこうむることがあるのは、登記を信頼する第3者を保護し、実際の権利と登記を一致を促すことで登記の信頼性を高め、取引の安全性がますかららしい。
どの道Aは刑事民事両方で大変だね。

この回答へのお礼 この場合、第三者が単純悪意であっても、第三者が保護されますよね?
物権変動と第三者への公示

[編集] 公示の原則と公信の原則
公示の原則(消極的信頼の原則):物権変動には外部から認識しうるように対抗要件を伴うことを要するという原則
公信の原則(積極的信頼の原則):対抗要件を伴った物権変動の外観が存在し、それを第三者が信頼した場合には実体的な物権変動が存在しなくてもその信頼を保護すべきという原則。
日本では動産物権変動については即時取得制度によって公信の原則が採用されている一方、不動産物権変動については不動産登記に公信力を認めなかったので民法第94条2項類推適用(権利外観法理)によって取引の安全を図っている。
この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています。

[編集] 物権変動の対抗要件
物権には排他性があり物権変動の事実は第三者の権利関係に大きく影響するので、物権変動を第三者に対抗するためには対抗要件を備える必要がある。


[編集] 不動産物権変動の対抗要件
不動産物権変動の対抗要件について、民法は「不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない」(民法177条)と規定する(不動産物権変動の対抗要件は不動産登記である)。


[編集] 動産物権変動の対抗要件
動産物権変動の対抗要件について、民法は「動産に関する物権の譲渡は、その動産の引渡しがなければ、第三者に対抗することができない」(民法178条)と規定する。また、「動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律」は一定の動産物権変動につき動産譲渡登記を認めている。したがって、動産物権変動の対抗要件は引渡しまたは動産譲渡登記である。ただし、船舶や自動車など特別の登記制度や登録制度のある動産については、各種特別法上の登記や登録が物権変動の対抗要件である(船舶登記や自動車登録など)。


[編集] 慣習法上の対抗要件
立木や未分離果実などについては慣習法上、「明認方法」と呼ばれる対抗要件が認められている。
登記請求権(とうきせいきゅうけん)とは、不動産の物権変動があった場合に、登記権利者が、登記義務者に対し、不動産登記を行うことに協力するよう求める実体法上の請求権、あるいは具体的な登記手続を求める登記手続上の権利をいう。

目次 [非表示]
1 登記請求権の意義
1.1 実体法上の登記請求権
1.2 登記法上(登記手続上)の登記請求権
2 登記請求権の発生原因・法的性質
2.1 物権的登記請求権
2.1.1 2当事者間の場合
2.1.2 転得者がいる場合
2.2 物権変動的登記請求権
2.3 債権的登記請求権
3 関連項目



[編集] 登記請求権の意義

[編集] 実体法上の登記請求権
不動産を購入して所有権を取得した者や、不動産に抵当権の設定を受けた者は、これらの物権が登記簿に正しく登記されないと、第三者に対抗できなかったり、他人への譲渡が妨げられたりするなど、様々な不利益を受ける。

そのため、買主や抵当権者が、売主や抵当権設定者に対して正しい登記への協力を求める実体法上の権利を認める必要があり、これを実体法上の登記請求権という(以下、単に登記請求権というときは実体法上の登記請求権を指す)。

実体法上の登記請求権を有する者(買主、抵当権者など)を「実体法上の登記権利者」といい、これに対して登記義務を有する者(売主、抵当権設定者など)を「実体法上の登記義務者」という。


[編集] 登記法上(登記手続上)の登記請求権
実体法上の登記請求権が認められる場合でも、実際に登記を行うためには、不動産登記法の定める手続に従わなければならない。すなわち、不動産の買主や抵当権者は、売主や抵当権設定者に対し、共同申請で登記手続をするよう求め(不動産登記法60条)、任意の協力が得られない場合は、訴えを提起し、確定判決を得て単独申請で登記手続をする必要がある(同法63条1項)。

そして、この場合、登記法上の登記請求権を有する「登記法上の登記権利者」は、権利に関する登記をすることにより登記上直接に利益を受ける者、その相手方である「登記法上の登記義務者」は、権利に関する登記をすることにより登記上直接に不利益を受ける登記名義人である必要がある(不動産登記法2条12号、13号)。

たとえば、A→B→Cと不動産が売買されたが、登記がまだAにある場合、CはBに対し実体法上の登記請求権を有するが、Bは登記名義人ではないので、登記手続上、登記義務者にはなれない。

このように、登記請求権は、実体法上の裏付けがなければならないが、さらに不動産登記法の定める手続によって制約される。このような登記手続上の制約の下における登記請求権を登記法上(登記手続上)の登記請求権という。

以下では、特に断らない限り、実体法上の登記請求権について記述する。


[編集] 登記請求権の発生原因・法的性質
登記請求権の発生原因については、これを実体的な権利(物権)の効力として生じる(物権的請求権の一種)という見解や、物権変動そのものの効力として生じるという見解があるが、判例は、様々な場合に登記請求権を認めており、これを一元的に説明することは困難である。そこで、登記請求権を、発生原因に応じて、物権的登記請求権・物権変動的登記請求権・債権的登記請求権の3類型に分類するのが一般的である。


[編集] 物権的登記請求権
物権的登記請求権とは、現在の実体的な物権関係と登記とが一致しない場合に、この不一致を除去するため、物権そのものの効力として発生する登記請求権をいう。物権的請求権の一種(物権的妨害排除請求権)である。

たとえば、A所有の不動産について、B名義の所有権移転登記がされているときは、実体的な物権関係と登記が一致していないから、Aは、Bに対し、所有権移転登記の抹消登記等を求めることができる。

以下、2当事者間の場合と、転得者Cが存在する場合とに分けて説明する。


[編集] 2当事者間の場合
所有権移転登記の抹消登記請求
A所有の不動産について、A名義の所有権移転登記(又は所有権保存登記)の後に、無権限のB名義の所有権移転登記がされているときは、Aは、Bに対し、所有権移転登記の抹消登記請求をすることができる。
所有権移転登記請求
また、上記の場合、Aは、Bに対し、抹消登記に代えて、真正な登記名義の回復を登記原因とするAへの所有権移転登記請求をすることができるとするのが判例である(最高裁昭和34年2月12日判決・民集13巻2号91頁・最高裁判例情報。学説は反対説が多い)。
抵当権設定登記の抹消登記請求
A所有の不動産について、B名義の抵当権設定登記がされているが、抵当権設定契約が存在しない、無効、あるいは債務完済によって消滅した場合、Aは、Bに対し、抵当権設定登記の抹消登記請求をすることができる。

[編集] 転得者がいる場合
所有権移転登記の抹消登記請求
A→B→Cと不動産が売買され、Cに登記が移転したが、A・B間の売買が無効であった場合など、Aは、所有権に基づき、登記名義人であるCに対して抹消登記請求をすることができる(大審院明治41年3月17日連合部判決民録14輯303頁)。もっとも、この場合、Bの登記は残るので、AはBに対して改めて抹消登記請求をしなければならない。
所有権移転登記請求
上記の場合、Aは、Cに対し、真正な登記名義の回復を登記原因として、Aへ直接所有権移転登記をするよう求めることもできるとするのが判例である(最高裁昭和30年7月5日・民集9巻9号1002頁・最高裁判例情報、最高裁昭和32年5月30日判決・民集11巻5号843頁・最高裁判例情報、前掲最高裁昭和34年2月12日判決。これも、物権変動の過程を登記に正確に反映しなくなるとして反対説が多い)。
なお、真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記請求は、真正の権利者が元登記名義人ではないときにも認められる。たとえば、登記名義人AからBに不動産が売買されたが、AからCに所有権移転登記がされてしまった場合、Bは、Cに対し、真正な登記名義の回復を原因として所有権移転登記請求をすることができる(昭和39年2月17日民三発125号民三課長回答)。
抵当権設定登記の抹消登記請求
AからBに抵当権が設定され、BがCに抵当権を譲渡したが、A・B間の抵当権設定契約が無効であった場合、Aは、登記名義人であるCを相手方として抵当権設定登記の抹消登記請求をすることができる(前掲大審院明治41年3月17日判決)。

[編集] 物権変動的登記請求権
物権変動的登記請求権とは、物権変動それ自体から生じる登記請求権をいう。

積極的物権変動
たとえば、A→B→Cと不動産が売買されたが、登記がまだAにある場合、Bは、Aに対し、所有権移転登記請求をすることができる(大審院大正5年4月1日判決・民録22輯674頁)。
この場合、Bは既に所有権を失っているので、Bの登記請求権は物権的登記請求権としては説明できず、また、消滅時効にかからない点で債権的登記請求権だけでも説明できないため、(積極的)物権変動的登記請求権として説明される。
消極的物権変動
A→B→Cと不動産が売買され、Cに登記が移転したが、AB間の売買が無効、又は取り消されたり解除されたりした場合、Bは、Cに対し、抹消登記請求をすることができる(大審院明治45年6月24日判決・民録18輯636頁、最高裁昭和36年4月28日判決・民集15巻4号1230号・最高裁判例情報)。
この場合も、Bは所有権を当初から取得していないか、既に失っているので、物権的登記請求権として説明できないため、(消極的)物権変動的登記請求権として説明される。

[編集] 債権的登記請求権
債権的登記請求権とは、不動産の売買契約に基づいて所有権移転登記請求をする場合や、賃貸借契約において登記をするとの特約に基づいて賃借権設定登記請求をする場合のように、当事者間の合意に基づいて生じる登記請求権をいう。

もっとも、何らの物権変動が生じていないのに、登記をする旨の合意は無効であり、そのような合意からは登記請求権は生じない。

中間省略登記
債権的登記請求権に関し、特に問題となるのが、中間省略登記である。中間省略登記とは、A→B→Cと不動産が売買された場合に、A・B・C間の合意で、直接AからCに対して移転登記をするような場合をいう。これは、主に登録免許税等を節約するために行われる。
登記実務上、AとCが、A・B間及びB・C間の登記原因証書(売買契約書)を提出して、AからCへの中間省略登記を共同申請しても、受理されない(もっとも、旧法下では、A・C間の売買を登記原因として、登記原因証書に代えて登記申請書の副本を提出すれば受理されていた(旧不動産登記法40条)が、新法で申請書副本の制度は廃止された)。
これに対し、訴訟による方法では、Cは、A及びBが承諾している場合にはAに対し中間省略登記による登記請求の勝訴判決を得ることができ(最高裁昭和38年6月14日判決・集民66号499頁、最高裁昭和40年9月21日判決・民集19巻6号1560頁・最高裁判例情報)、この勝訴判決を得たときは、登記所は裁判所の判断を尊重して中間省略登記を受理している(不動産登記法63条1項)。
中間省略登記については、物権変動の過程を忠実に反映するという登記法の建前に反しているとして否定的に捉える見解と、現実の要請に照らして、やむを得ないものと捉える見解がある。
登記とは、一般に法に定められた一定の事柄を帳簿や台帳に記載することをいいますが、ここでは、それらの内で不動産の物権変動を公示するための登記について扱います。

民法では不動産に関する物権変動につき、

第177条 不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。

と、定めて、第三者に対抗するために登記をすることを求めています。そこで、まずここでは、この登記について学びます。

この講座は、民法(物権)の学科の一部です。

目次 [非表示]
1 登記
2 登記の種類
3 登記の手続
4 登記の有効要件
4.1 登記の追完・流用
4.2 中間省略登記
5 登記請求権
6 登記の効力



[編集] 登記
登記は、国の機関である登記所がその登記事務を行っており、登記所で登記事務を行う者を登記官といいます。登記は、登記官が登記簿に登記事項を記録することで行われます。かつては、登記簿は紙の帳簿でしたが、現在では磁気ディスクに電磁的に記録されています。

登記記録は、一個の建物または一筆の土地ごとに作成されており、このような編成方法を物的編成主義といいます。これに対して、その所有者一人ごとに作成する方法は人的編成主義といいます。そして、登記記録は表題部と権利部からなります。

表題部には、不動産の表示に関する登記が記録されます。これは不動産の客観的状況を公示するためのものであり、登記原因とその日付、登記の年月日、その所在地や土地であればその面積、建物であればその種類や構造などが記録されます。表示に関する登記は物の存在を他の物と区別して表示するものであり、177条にいう登記にはあたらないとされています(ただし、表示に関する登記が民事的に意味を持つ場合もあり、借地借家法では建物の表示に関する登記は借地権対抗要件としての建物登記となります。)。なお、表示に関する登記は登記官が職権で登記することができます。

権利部には、不動産の権利に関する登記が記録され、所有権、地上権、永小作権、地役権、先取特権、質権、抵当権、賃借権および採石権が登記されます(不動産登記法3条)。権利部は更に甲区と乙区に区別され、甲区には所有権に関する登記が、乙区にはそれ以外の物権についての登記がなされます。同一の不動産について複数の登記の申請があった場合には、登記官は受付番号の順に従って記載し、登記された権利の順序は、原則として登記の順序によります(不動産登記法4条1項)。

(参照 w:登記所)


[
編集] 登記の種類
登記は、記録される内容により、記入登記、変更登記、更正登記、抹消登記、回復登記に分類されます。

記入登記とは、新たに登記原因が生じたとき、ある事項を新たに登記簿に記載するものであり、所有権の保存(新築した建物や造成された土地など)や移転、抵当権の設定などが挙げられます。
変更登記とは、実体関係と登記に不一致が生じたとき、登記の一部を変更するものであり、登記名義人の名前・住所の変更などが挙げられます。
更正登記とは、既存の登記が実体関係と錯誤などにより不一致であったとき、登記を正しく変更するものであり、誤記があった場合にそれを正すものなどが挙げられます。
抹消登記とは、登記に対応する実態関係がなくなったとき、登記を抹消するものであり、被担保債権の弁済による抵当権の消滅などが挙げられます。
回復登記とは、一度消滅させた登記を回復させるものであり、抵当権が消滅していないのにそれが抹消された場合に、これを回復するものなどが挙げられます。
また、登記はその形式により主登記と付記登記に分類されます。

主登記とは、事項欄の記載において登記の順序により、順位番号が独立に付与されるものであり、付記登記の対象となる既存の権利登記のことです。付記登記とは、既になされている主登記を前提として、その権利登記と一体のものとして公示される権利登記を言います。例えばある抵当権が譲渡された場合には、付記登記の形で抵当権の譲渡が公示されることで、譲渡後も抵当権の順位が変更されずに維持されることとなります。

さらに、登記はその効力により本登記と仮登記に分類されます。

本登記とは、登記本来の効力である対抗力を発生・変更・消滅させる登記であり、単に登記という場合これを指します。これに対して、仮登記とは本登記ができるだけの手続要件が備えられていない場合に、将来その完備により行われる予定の本登記のために、あらかじめその順位を保全しておく効力を持つ登記です。仮登記は、登記原因となる権利の変動は既に生じているものの登記申請のために必要な情報を提供することができない場合(不動産登記法105条1号)と、本登記の対象となる権利の変動に関して請求権を保全する場合(不動産登記法105条2号)に認められます。

(参照 w:抹消登記#不動産登記)


[編集] 登記の手続
権利に関する登記については、法律に別段の定めがある場合を除いて、登記権利者と登記義務者が共同で申請しなければならないものとされています(不動産登記法60条)。登記権利者とは、登記をすることで登記上直接に利益を得るもののことであり、登記義務者とは、登記をすることで登記上直接に不利益を受けるもののことを言います。

これに対して、相続を原因とする登記(不動産登記法62条)や判決による登記(不動産登記法63条)などは単独での申請が認められています。

また、登記官は、申請書の形式上の要件が整っているかどうかのみを審査する権限を持ち、登記の申請が真実の権利関係と合致したものでなくとも、形式上要件が備わっていれば申請を受理をしなければなりません。このような形式審査主義を採用したのは、費用や時間の節約をするためや、また登記所は法律問題の成否を審査するための用意がないためなどといわれています。そのため、実体関係と合致しない虚偽の登記が申請されることも考えられますが、当事者共同申請主義によって登記義務者にも申請させることで、自己に不利となる虚偽の登記を申請することは考え難いため、ある程度実体関係と合致した登記がなされるよう図られています。


[編集] 登記の有効要件
登記は、形式的には不動産登記法に定められた形式を備えており、実質的にはその登記が実際の権利関係に合致していることで、有効なものとなります。


[編集] 登記の追完・流用

ここで、一旦実体を失って無効となった後に、新たに実体を備えるようになった場合、残されていた以前の登記を流用することができるか否かについて問題となります。

判例によれば、建物が滅失した後、新たに再建された場合、滅失した建物の登記は新建物についての登記として無効とされています(大判大正6年10月27日ほか)。これは、旧建物と新建物は別個の不動産であり、旧建物についての登記は新建物についての登記となりえず、また新建物についてその後保存冬季がなされることも考えられるが、流用登記を有効と認めると一個の不動産について複数の有効な登記が存在することとなり、登記の公示性が著しく害されるためとされています。

一方で、抵当権設定登記について、一旦債務が返済され抵当権が消滅した後に、再び債務を負って抵当権が設定された場合において、判例では、そのような登記は無効としながらも、流用登記の当事者は、自ら登記を流用することとした以上登記の無効を主張することができず(最判昭和37年3月15日)、また登記の流用後に利害関係を持つに至った第三者も、特別な事情がない限り流用登記の無効を主張することができない(大判昭和11年1月14日)としています。これは、流用後には登記に概ね合致する実体があり、また第三者としてもそのような実体を前提として取引関係に入った以上、登記の無効を主張する正当な利益を有しないものと考えられます。そのため、実際には登記の流用前に利害関係を持つに至った第三者だけが、無効を主張できるものとなります。



(第三者のためにする契約)

            登記原因証明情報

1 登記の目的 所有権移転
2 登記の原因 平成18年11月1日売買
3 当事者 権利者        A市B町1丁目2番3号
                  (丙) 丙 野 太 郎
        義務者         C市D町2丁目3番4号
                  (甲) 甲 山 一 郎
       5(1)の売買契約の買主 E市F町3丁目4番5号
                  (乙) 乙 川 花 子
4 不動産の表示
   所在 X市Y町Z丁目
   地番 7番9
   地目 宅地
   地積 123.45平方メートル

5 登記の原因となる事実又は法律行為
(1)甲は,乙との間で,平成18年10月1日,その所有する上記不動産(以下「本件不動産」
という。)を売り渡す旨の契約を締結した。
(2)(1)の売買契約には,「乙は,売買代金の支払いまでに本件不動産の所有権の移転先
となる者を指名するものとし,甲は,本件不動産の所有権を乙の指定する者に対し乙の指
定及び売買代金全額の支払いを条件として直接移転することとする。」旨の所有権の移
転先及び移転時期に関する特約が付されている。
(3)所有権の移転先の指定
平成18年11月1日,乙は,本件不動産の所有権の移転先として丙を指定した。
(4)受益の意思表示
平成18年11月1日,丙は甲に対し,本件不動産の所有権の移転を受ける旨の意思表示
をした。
(5)平成18年11月1日,乙は,甲に対し,(1)の売買代金全額を支払い,甲はこれを受領し
た。
(6)よって,本件不動産の所有権は,平成18年11月1日,甲から丙に移転した。

平成18年11月5日 ○○法務局●●出張所御中


 上記登記原因のとおり相違ありません。

      権利者        A市B町1丁目2番3号
                  (丙) 丙 野 太 郎 印
      義務者         C市D町2丁目3番4号
                  (甲) 甲 山 一 郎 印
      5(1)の売買契約の買主 E市F町3丁目4番5号
                  (乙) 乙 川 花 子 印

(買主の地位の譲渡)

            登記原因証明情報

1 登記の目的 所有権移転
2 登記の原因 平成18年11月1日売買
3 当事者 権利者        A市B町1丁目2番3号
                  (丙) 丙 野 太 郎
       義務者         C市D町2丁目3番4号
                  (甲) 甲 山 一 郎
       買主の地位の譲渡人   E市F町3丁目4番5号
                  (乙) 乙 川 花 子
4 不動産の表示
   所在 X市Y町Z丁目
   地番 7番9
   地目 宅地
   地積 123.45平方メートル

5 登記の原因となる事実又は法律行為
(1)甲は,乙に対し,平成18年10月1日,その所有する上記不動産(以下「本件不動産」
という。)を売り渡す旨の契約を締結した。
(2) (1)の売買契約には,「乙から甲への売買代金の支払いが完了した時に本件不動産
の所有権が乙に移転する。」旨の所有権の移転時期に関する特約が付されている。
(3)地位の譲渡契約
乙は,丙との間で,平成18年10月11日,(1)の売買契約における買主としての地位を丙
に売買により譲渡する旨を約し,甲は,これを承諾した。
(4)代金の支払い
平成18年11月1日,丙は,甲に対し,(1)の売買代金全額を支払い,甲はこれを受領し
た。
(5)よって,本件不動産の所有権は,平成18年11月1日,甲から丙に移転した。

平成18年11月5日 ○○法務局●●出張所御中

 上記登記原因のとおり相違ありません。


      権利者        A市B町1丁目2番3号
                  (丙) 丙 野 太 郎 印
      義務者         C市D町2丁目3番4号
                  (甲) 甲 山 一 郎 印
      買主の地位の譲渡人   E市F町3丁目4番5号
                  (乙) 乙 川 花 子 印
http://blog.livedoor.jp/macnak/archives/50106388.html 2005年10月21日


買主たる地位の承継
本日、三重県にある2物件を一括して売却する取引の決済(クローンジング)がありました。
このうち1物件について、「買主たる地位の承継」が行われました。

売主Aと買主Bが売買契約を締結したところ、代金決済の前に買主がBからCに変更となることはよくあります。
この場合、AB間の売買契約をいったん合意解除したうえで、改めてAC間で売買契約を締結することも考えられますが、手附を授受している場合、AはBに手附を返還し、CがAに手附を支払うということになり、煩雑となります。
そこで、元の契約関係を維持したまま、ABC間で買主をBからCへ変更する旨の覚書を締結する方法がとられることがあり、これを「買主たる地位の承継」といいます。

専門的な話になるので、弁護士伊豆隆義さんの「お仕事&more」から引用します。

(引用ここから)

ある契約から生じた個々的な債権または債務だけでなく、契約当事者たる地位そのものが、包括的に第三者に移転することを契約上の地位移転または契約上の地位譲渡と言う。買主の地位譲渡は、契約上の地位譲渡の典型例である。契約上の地位譲渡は、分析的に考えるとその要素として債権譲渡の側面と免責的債務引受の要素とがあることから、当該地位譲渡当事者と地位譲受人との間の合意のみならず、相手方当事者の同意が必要とされる。

(ここまで引用)

買主たる地位の承継を行われると、買主はBからCに変更となり、Bは契約関係から離脱します。
BからCに買主が変更となった後で決済(クロージング)が行われるため、物件の所有権はAからCに直接移転することになります。
このため、Bは物件の所有権を取得したことにはならないため、登記上もBは現れませんし、不動産取得税もかかりませせん。

これと似た話として、「中間省略登記」の問題があります。
物件がA→B→Cと転売された場合に、A→Bの移転登記を行わず、直接A→Cの移転登記を行うことを「中間省略登記」といいます。
この中間省略登記については、判例でも有効と認められていたため、特に業者が転売目的で物件を売買する際に広く用いられてきました。

ところが、不動産登記法の改正により、この中間省略登記ができなくなりました。
(厳密に言うと、以前から法務局は中間省略登記を認めていませんでしたが、形式的審査しかできないため登記義務者A・登記権利者Cとして申請すれば受付られていました。)

改正前は、登記原因証書を添付しなくても申請書副本を添付して登記申請をすることができました。
申請書副本には、登記義務者(A)・登記権利者(C)の名前を記載するだけのものであって、AとCの間に中間者Bがいることまでに記載されないので、A→Cと所有権が移転した旨の登記申請が事実上可能であったのです。

ところが、今回の改正によって申請書副本制度が廃止され、登記申請には必ず「登記原因証明情報」を添付することとなりました。
登記原因証明情報とは、登記原因となる事実又は法律行為を証明する情報であって、当該原因に基づく権利変動等を確認することができるものをいいます。
A→B→Cと所有権が順次移転した実態があるにもかからず、A→Cと直接所有権が移転したかのように記載すると虚偽の申請となってしまうため、従来のような中間省略登記はできないとされています。

詳細については、やはり専門家の解説に勝るものはないと思いますので、「安達司法書士.comブログ」をご参照いただければと思います。

しかし、今回のような「買主たる地位の承継」は、Bが所有権を取得する前に契約関係から離脱していますので、A・C間で直接権利移転が行われるものですので、実態と登記申請に不一致が無いため問題はないのです。

第三者のためにする売買契約又は買主の地位譲渡による登記の申請の可否(回答)

平成18年 登記先例・通達・回答

【法務省からの回答文書】

第三者のためにする売買契約の売主から当該第三者への直接の所有権の移転の登記の申請又は買主の地位を譲渡した場合における売主から買主の地位の譲受人への直接の所有権の移転の登記の申請の可否について(回答)

本月21日付け照会のあった標記の件については,いずれも貴見のとおりと考えます。

【法務省への照会文書】

第三者のためにする売買契約の売主から当該第三者への直接の所有権の移転の登記の申請又は買主の地位を譲渡した場合における売主から買主の地位の譲受人への直接の所有権の移転の登記の申請の可否について(照会)

甲を登記義務者,丙を登記権利者とし,別紙1又は別紙2の登記原因証明情報を提供して行われた甲から丙への所有権の移転の登記の申請は,他に却下事由が存在しない限り,いずれも受理されるものと考えて差し支えないか,照会します。

別紙1(第三者のためにする契約)

登記原因証明情報

1 登記原因証明情報の要項
(1)登記の目的 所有権移転
(2)登記の原因 平成18年11月1日売買
(3)当事者
   権利者 A市B町1丁目2番3号
       (丙) 丙野太郎
   義務者 C市D町2丁目3番4号
       (甲) 甲山一郎
   2(1)の売買契約の買主
       E市F町3丁目4番5号
       (乙) 乙川花子
(4)不動産の表示
所在 X市Y町Z丁目
地番 7番9
地目 宅地
地積 123.45平方メートル


2 登記の原因となる事実又は法律行為
(1)甲は,乙との間で,平成18年10月1日,その所有する上記不動産(以下「本件不動産」という。)を売り渡す旨の契約を締結し,甲は,同日,売買代金全額を乙から受領した。
(2) (1)の売買契約には,「甲は,本件不動産の所有権を乙の指定する者に対し乙の指定を条件として直接移転することとする。乙から甲への売買代金の支払いが完了した後も,その指定があるまでは,本件不動産の所有権は,甲に留保される。」旨の所有権の移転先及び移転時期に関する特約が付されている。
(3)所有権の移転先の指定
平成18年11月1日,乙は,本件不動産の所有権の移転先として丙を指定した。
(4)受益の意思表示
平成18年11月1日,丙は甲に対し,本件不動産の所有権の移転を受ける旨の意思表示をした。


平成18年11月5日 ○○法務局●●出張所御中


上記登記原因のとおり相違ありません。


権利者 A市B町1丁目2番3号
(丙) 丙野太郎 印
義務者 C市D町2丁目3番4号
(甲) 甲山一郎 印
2(1)の売買契約の買主 E市F町3丁目4番5号
(乙) 乙川花子 印


別紙2 (買主の地位の譲渡)

登記原因証明情報

1 登記原因証明情報の要項
(1)登記の目的 所有権移転
(2)登記の原因 平成18年11月1日売買
(3)当事者
   権利者 A市B町1丁目2番3号
       (丙) 丙野太郎
   義務者 C市D町2丁目3番4号
       (甲) 甲山一郎
   買主の地位の譲渡人
       E市F町3丁目4番5号
       (乙) 乙川花子
(4)不動産の表示
所在 X市Y町Z丁目
地番 7番9
地目 宅地
地積 123.45平方メートル


2 登記の原因となる事実又は法律行為
(1)甲は,乙に対し,平成18年10月1日,その所有する上記不動産(以下「本件不動産」という。)を売り渡す旨の契約を締結した。
(2) (1)の売買契約には,「乙から甲への売買代金の支払いが完了した時に本件不動産の所有権が乙に移転する。」旨の所有権の移転時期に関する特約が付されている。
(3)地位の譲渡契約
乙は,丙との間で,平成18年10月11日,(1)の売買契約における買主としての地位を丙に売買により譲渡する旨を約し,甲は,これを承諾した。
(4)代金の支払い
平成18年11月1日,丙は,甲に対し,(1)の売買代金全額を支払い,甲はこれを受領した。


平成18年11月5日 ○○法務局●●出張所御中


上記登記原因のとおり相違ありません。


権利者 A市B町1丁目2番3号
(丙) 丙野太郎 印
義務者 C市D町2丁目3番4号
(甲) 甲山一郎 印
買主の地位の譲渡人 E市F町3丁目4番5号
(乙) 乙川花子 印


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