登記の勉強と情報コミュの新会社法成立！その概要と商業登記に関する留意点等

【速報】新会社法成立！その概要と商業登記に関する留意点等
平成１７年６月２９日

会社法」及び「会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」が本日（6月29日）成立しました。７月６日に公布される予定です（官報の確認・保存をお願いします。）。
　施行日は，公布の日から1年6月以内の政令で定める日とされています。現在の情勢からすると，来年春（ゴールデンウィーク明け（5月8日）が有力ではありますが，さらに早期の施行を求める声もあり，具体的な施行日については，予断を許さない状況です。）に施行になる見込みです。
　商業法人登記手続の詳細については，関係省令等の整備を待って確定することとなりますが，新会社法及び改正商業登記法の内容並びに施行に向けて必要となる準備等の概要について，取り急ぎご紹介します。
　なお，本稿中，条項数のみを記載しているものは会社法の条項であり，整備法と記載しているものは，「会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」の条項です。

１．会社法の構成
　――表記の現代語化と単一法典化：登記に関する条項は第7編第4章に集約――

　現在，会社の設立，組織，運営及び管理については，商法，有限会社法，株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律（商法特例法），商法中署名すべき場合に関する法律，銀行持株会社の創設のための銀行等にかかる合併手続の特例等に関する法律等により規律されていますが，会社法の施行に伴い，現行商法の「第二編　会社」が切り出されるとともに所要の整備が行われ，有限会社法，商法特例法等は，廃止されることとなります。商業登記法についても大幅な改正が行われています。
　個人商人の商号，未成年者，後見人，個人商人の支配人については，引き続き商法の規定により登記されることとなり，商号登記簿，未成年者登記簿，後見人登記簿，支配人登記簿については，現在のまま残ることとなりますが，会社については，すべて新会社法によって規律されることとなります。
　新会社法の構成は，以下のようになっています。
　　第1編　総則　（用語の定義，会社の商号，使用人等）
　　第２編　株式会社（設立，株式，新株予約権，機関，計算等，定款の変更，事　　　　　　業の譲渡等，解散，清算）
　　第３編　持分会社（注1）（設立，社員，管理，社員の加入及び退社，計算等，　　　　　　定款の変更，解散，清算）
　　第4編　社債　
　　第5編　組織変更（注２），合併，会社分割，株式交換及び株式移転
　　第6編　外国会社
　　第7編　雑則（解散命令等，訴訟，非訟，登記（注３），公告）
　　第8編　罰則

(注1)「持分会社」とは，合名会社，合資会社又は合同会社の総称（575条）。合同会社は，今　　回新たに創設された類型であり，日本版LLC（Limited Liability Company）と言われるもの。　　合名会社は社員全員が無限責任社員であり，合資会社は無限責任社員と有限責任社員から　　なり，合同会社は有限責任社員のみから構成される。合名会社，合資会社及び合同会社の　　間の変更は，組織変更ではなく，「種類変更」として位置づけられ，たとえば，合名会社　　は，有限責任社員を加入させる定款変更をすることにより合資会社に種類変更することが　　でき，合資会社は，社員全員を有限責任社員とする定款変更をすることにより合同会社に　　種類変更することができる（638条）。

(注２)「組織変更」とは，株式会社から持分会社，又は持分会社から株式会社への組織の変更　　のみをいい，持分会社間の変更（合名会社から合資会社，合資会社から合同会社への変更）　　は（注1）のとおり「種類変更」として整理されている（2条26号）。

(注３）現行商法においては登記義務や登記すべき事項を定める条文は，実体規定に併せて規　　定されており，各章・節に散在していたが，新会社法においては，登記期間，登記すべき　　事項，裁判による登記の嘱託に関する条文が第7編「雑則」の第4章として，907条から938　　条までに集約されている。なお，株式会社も持分会社も本店所在地において設立の登記を　　することによって成立することとされており（49条，579条），設立の登記が会社の成立　　要件であることに変更はないが，吸収合併，吸収分割については，登記が効力発生要件で　　はなく，対抗要件とされ，効力発生日については，組織再編行為を行う会社間で定めるこ　　とができることとされた。　

２．商業登記に関する重要な改正点

　(1)　会社の種類の見直し　――有限会社の制度が廃止され，合同会社の制度が　　　新設
　(2)　最低資本金規制の廃止
　(3)　会社の機関設計の柔軟化　――譲渡制限会社については，現行有限会社法　　　類似の規律を導入
　(4)　支店における登記事項の見直し　―――支店所在地においては，商号，本　　　店の所在場所，支店（管轄登記所の管轄区域内にあるもののみ）の所在場所　　　のみを登記し，支配人の選任，代理権の消滅は，本店の登記簿に登記する。
　(5)　同市町村内における類似商号の登記禁止規定の廃止　――ただし，目的の　　　内容にかかわらず，同一所在場所で同一商号の会社を登記することはできな　　　い。
　(6)　商号の仮登記の制度の廃止

３．会社の種類
　―――有限会社を廃止し，合同会社の制度を創設―――

　会社の種類は，次のように整理されます。

　(1)　株式会社
　　　　株式会社は，公開会社と非公開会社（注４），大会社とそれ以外の会社（注5）　　　に区分されます。また，取締役会設置会社，会計参与設置会社（注６），監　　　査役設置会社，監査役会設置会社，会計監査人設置会社，委員会設置会社，　　　種類株式発行会社か否かで，それぞれ規律が異なることとなります。

　(2)　持分会社
　　ア　合名会社
　　イ　合資会社
　　ウ　合同会社（注１参照）

　(3)　外国会社

　(4)　特例有限会社(注７）
　　　　　　
(注４)ここでいう「公開」「非公開」の別は，上場・店頭登録等により株式を公開しているか　　否かという一般に言われている区別ではなく，定款に株式の譲渡制限に関する規定を置い　　ていない会社を「公開会社」，定款に譲渡制限に関する規定を置いている会社を「非公開　　会社」とするもの

(注５)大会社の定義は，現在の商法特例法の大会社の定義に同じ（資本金5億円以上又は最終　　の貸借対照表上の負債総額が200億円以上）

(注６）「会計参与」とは，今回新設された機関であり，取締役・執行役と共同して計算書類　　　を作成し，株主総会において計算書類に関して株主が求めた事項について説明し，会社と　　は別に計算書類を5年間保存して会社債権者の請求に応じて当該会社の計算書類を開示す　　る等の義務を負う。

(注７）既存の有限会社は，商号中に「有限会社」の文字を用いたまま，会社法の規定による　　株式会社として存続することになるが，このような会社は「特例有限会社」と称される。　　これらの会社についても，「社員」を「株主」と，「持分」を「株式」と，「資本の額を出　　資一口の金額で割った値」を「発行可能株式総数・発行済株式の総数」とみなし，また，　　定款に株式の譲渡制限等に関する規定があるものとみなす等所要の手当てをした上で，会　　社法中の株式会社の規定が適用されるが，機関の設置関係については，株主総会，取締役，　　監査役以外は設置することができないとする特則や，取締役の任期等に関する規定の適用　　除外規定を置く等により，現在の有限会社法と実質的に同様の規律を受けることとされて　　いる。
　　　また，特例有限会社については，定款を変更してその商号中に「株式会社」という文字　　を用いる「商号変更」をすることができることとされており，この場合の特例有限会社か　　ら通常の株式会社への移行の登記は，当該特例有限会社について解散の登記をし，商号変　　更後の株式会社について設立の登記をすることとされている（整備法45条，46条）。

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[1] mixiユーザー 10月12日 15:39

４．株式会社の機関
　　――柔軟な機関設計。非公開会社については，取締役は1名でも可―――
　
　株式会社については，機関設計の規律が柔軟化され，すべての会社に設置が義務付けられる機関は，株主総会と取締役1名のみとなり，定款の定めによって，取締役会，会計参与，監査役，監査役会，会計監査人又は委員会を置くことができることとされています（327条）。ただし，会社の分類に応じて以下のような設置義務があります（327条，328条）。
　(1) 公開会社，監査役会設置会社，委員会設置会社については，取締役会を置か　　　なければならない。
　(2) 取締役会設置会社及び会計監査人設置会社（それぞれ，委員会設置会社を除　　　く。）は，監査役を置かなければならない（ただし，非公開会社については，　　　会計参与でも可）。
　(3) 委員会設置会社は，会計監査人を置かなければならない。
　(4) 大会社かつ公開会社で委員会設置会社でない会社は，監査役会及び会計監査　　　人を置かなければならない。
　(5) 大会社かつ非公開会社は，会計監査人を置かなければならない。

　これを一覧に整理すると，以下のようになります（表中，N/Aは，対象外の意）。

５．登記すべき事項

　登記すべき事項についても，多くの変更が生じています。変更点は以下のとおりです。

　(1) 株式会社の登記事項（911条）
　　ア　登記事項でなくなるもの
　　　?株券不発行に関する定め
　　　?登録機関の氏名及び住所並びに営業所
　　　?重要財産委員会
　　　?委員会等設置会社
　　　?代表取締役又は代表執行役の共同代表に関する定め
　　　?清算人の共同代表に関する定め
　　　?支配人の共同代理の定め
　　　?支店所在地における登記事項のうち，商号，本店，当該支店所在地を管轄　　　　する登記所の管轄区域内にある支店の所在場所以外の事項
　　　?社外取締役である旨（特別取締役による議決の定めがある場合，委員会設　　　　置会社，，責任限度額の定めがある場合を除く。）

　　イ　新たに登記事項になるもの
　　　?株券発行会社であるときは，その旨
　　　?取締役会設置会社であるときは，その旨
　　　?会計参与設置会社であるときは，その旨並びに会計参与の氏名又は名称及　　　　び会計参与が保存する計算書類等の備置場所
　　　?監査役設置会社であるときは，その旨
　　　?監査役会設置会社であるときは，その旨及び監査役のうち社外監査役であ　　　　るものについて社外監査役である旨
　　　?会計監査人設置会社であるときは，その旨及び会計監査人の氏名又は名称
　　　?一時会計監査人の職務を行うべき者を置いたときは，その氏名又は名称
　　　?特別取締役による議決の定めがあるときはその旨，特別取締役の氏名，（取　　　　締役のうち社外取締役であるものについて，社外取締役である旨）
　　　?委員会設置会社であるときは，その旨（及び取締役のうち社外取締役であ　　　　るものについて，社外取締役である旨，各委員会の委員及び執行役の氏名，　　　　代表執行役の氏名及び住所）
　　　?会計参与又は会計監査人の責任の免除についての定款の定めがあるとき　　　　　は，その定め（取締役，監査役，執行役についても存続）
　　　?会計参与，社外監査役又は会計監査人が負う責任の限度に関する契約の締　　　　結についての定款の定めがあるときは，その定め（社外取締役についても　　　　存続）
　　　?　?の定めが社外監査役に関するものであるときは，監査役のうち社外監　　　　査役であるものについて社外監査役である旨（社外取締役についても存続）

　　ウ　登記事項名が変更されるもの
　　　?発行可能株式総数　←　発行する株式の総数
　　　?資本金の額　←　資本の額
　　　?株主名簿管理人の氏名又は名称及び住所並びに営業所　←　名義書換代理　　　　人の氏名及び住所並びに営業所
　　　?存続期間　←　存立時期
　　　?発行可能種類株式総数　←　発行する各種株式の総数
　　　?単元株式数　←　１単元の株式の数

　(2) 合名会社及び合資会社（912条，913条）
　　ア　登記事項でなくなるもの
　　　?社員，清算人の共同代表の定め
　　　?支配人の共同代理の定め
　　　?合併の公告をする方法

　　イ　新たに登記事項となるもの
　　　?社員の名称（法人が無限責任社員となることができることとされたため）
　　　?会社を代表する社員が法人であるときは，当該社員の職務を行うべき者の　　　　氏名及び住所
　　　?公告方法

　　ウ　登記事項名が変更されるもの
　　　?存続期間　←　存立期間　

　

[2] mixiユーザー 10月12日 15:40

(3)　合同会社（914条）(新設）
　　　?目的
　　　?商号
　　　?本店及び支店の所在場所
　　　?存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは，その定め
　　　?資本金の額
　　　?業務執行社員の氏名又は名称
　　　?代表社員の氏名又は名称及び住所
　　　?代表社員が法人であるときは，当該社員の職務を行うべき者の氏名及び住　　　　所
　　　?公告方法

　(4)　特例有限会社
　　ア　登記事項でなくなるもの
　　　?出資1口の金額
　　　?取締役，清算人の共同代表の定め
　　　?支配人の共同代理の定め
　　　?合併等の公告をする方法

　　イ　新たに登記事項になるもの
　　　?発行可能株式総数及び発行済株式の総数
　　　?株式の譲渡制限に関する定め
　　　?公告方法（登記がなければ官報による旨）

　　ウ　登記事項名が変更されるもの
　　　?資本金の額　←　資本の総額
　　　?存続期間　←　存立時期

６．既存会社の登記に関する経過措置
　
　(1)　新登記事項等に関する職権登記　
　　旧商法による旧会社の登記は，会社法の相当規定による登記とみなすこととさ　れており，また，新たに登記事項となる「取締役会設置会社である旨」，「監査役　設置会社である旨」や「株券発行会社である旨」等については，その旨の登記が　されたものとみなす措置（「監査役設置会社である旨」の登記については「委員　会等設置会社である旨」の登記がある会社以外の会社が対象，「株券発行会社で　ある旨」については「株券を発行しない旨」の登記がある会社以外の会社が対象），　登記事項でなくなる「社外取締役である旨」の登記は当該登記にかかる取締役の　任期中に限り抹消することを要しないとする措置等がとられている（整備法103　条）ので，会社法施行後においても，現在の登記のまま会社の登記事項証明書等　を交付することが可能であるが，旧商法に基づく登記をいつまでも存置し，新会　社法に基づく登記と並存するような状態が続くことは好ましくはないため，新た　に登記事項となる事項や，特例有限会社の発行済株式の総数等への登記事項の置　換え等に関しては，登記官が，職権で，対応する事項を登記することとされてい　ます（整備法136条）。
この職権による登記をどのように実施するかについては，現在,本省民事局に　おいて検討中です。かなりの部分が登記情報システムを利用しての自動作業にな　るものと見込まれますが，登記所内で実施すべき作業も予想されますので，検討　の状況に応じ，改めてお知らせします。

　(2)　支配人の登記の本店登記簿への移記
　　支配人の選任及び代理権の消滅については，すべて本店所在地の登記簿に登記　することとされたことから，既存の支配人の登記のうち支店所在地の登記簿に記　録されているものについては，登記官が，職権で，本店所在地の登記簿に移記し　なければならないこととされています（整備法136条7項）。
　　この移記作業をどのように実施するかについては，現在，本省民事局において　検討中です。会社法施行前の準備作業等が必要になるものと見込まれますが，こ　れについても，検討の状況に応じ，改めてお知らせします。

[3] mixiユーザー 10月12日 16:03

Q1：　発行可能株式総数については，定款作成時に定める必要はなく，会社が成立　するまでの間に発起人全員の同意によって，定款を変更して定めればよいことと　されましたが（会社法37条），この場合の定款変更については，公証人の認証が　必要ですか。

　必要ありません。設立登記の申請書には，発起人全員の同意によって発行可能　株式総数を定めたことを証する書面を添付することになります。

Q2:　取締役の任期は，「『選任後』２年内に終了する事業年度のうち最終のものに関　する定時株主総会の終結のときまでとする」とされていますが，取締役の就任の　年月日は，選任の日となるのでしょうか？

これまでと同様，会社と取締役との関係は，委任に関する規定に従うこととさ　れています（会社法330条）ので，「就任日」は，就任の承諾があった日です。た　だし，その取締役の任期は，就任の日からではなく，「選任の日」の翌日から起算　することになります。
　　もっとも，取締役の任期については，現行の「2年ヲ超ユルコトヲ得ズ。」から　「選任後２年内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終　結のときまで」に変更されていますので，選任の日と就任承諾の日の間に事業年　度が終了するような場合以外は，任期満了日に影響が生じることはありません。

Q3:　非公開会社（譲渡制限会社）においては，定款によって，取締役等の任期を「選　任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結　のときまで」伸長することができるとされていますが，会社法施行後に定款変更　をすることにより，会社法の施行日に在職していた取締役の任期を「選任後10年　以内に終了する・・・定時株主総会の終結のときまで」に伸長することは可能で　すか？

可能です。整備法95条は，「この法律の施行の際現に旧株式会社の取締役，監　査役又は清算人である者の任期については，なお従前の例による。」と規定してい　ますのが，この場合の「なお従前の例による」という趣旨は，取締役については，　「2年を超えることができない」とされていた任期が，自動的に「選任後２年内　に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結のときまで」　に変更になるわけではないという趣旨です。
　　したがって，会社法施行後に定款を変更して，取締役の任期を「選任後10年以　内に終了する・・・定時株主総会の終結のときまで」に変更すれば，会社法施行　時に在職していた取締役の任期を伸長することが可能です（現に在職する取締役　については，改正後の規定を適用しないとする規定があったり，取締役本人が任　期の伸長に同意しない場合は別。）。ただし，会社法施行前に任期が満了していた　取締役については，このような定款変更をしても任期が復活するわけではありま　せんので，念のため。
　　なお，この問題については，民事局商事課に対し，このような取扱いが可能と　なる場合の条件（取締役本人の同意等）の要否について確認中ですので，確認が　とれた時点で改めて連絡します。

[4] mixiユーザー 10月12日 16:10

Q4:　取締役の任期に関する定款の定めがない特例有限会社が通常の株式会社に移行　する場合の取締役の任期（移行に当たって改選をしない場合）は，どうなります　か？
　　移行後の株式会社の定款に定めた任期は「選任後10年内に終了する事業年度の　うち最終のものに関する定時株主総会の終結のときまで」と定められたと仮定し　ます。

A:　上記Q3の考え方に従えば，特例有限会社において取締役に選任された日の翌　日から起算して10年内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総　会の終結のときに任期が満了することになると考えられます。ただし，移行時（定　款変更時＝登記によって効力が生じます（整備法45　条2項））において，10年　以内に終了する・・・・定時株主総会が終結してしまっているときは，株式会社　への移行（定款変更）と同時に任期が満了すること考えられます。
　　なお，この問題については，株式会社の既存取締役の場合と同様に考えて良い　かどうかについて，確認中ですので，確認がとれた時点で改めて連絡します。

Q5:　取締役会を設置しない会社においては，定款，定款による委任に基づく取締役　の互選又は株主総会の決議により代表取締役を選定することができることとされ　ています（会社法349条）が，株主総会の決議により代表取締役を選定した場合　の代表取締役の就任の登記の申請書には，社員総会議事録（改正商業登記法46条2　項）のほかに，定款の添付が必要ですか？

　定」現在の有限会社において，社員総会による決議により代表取締役を選任した場　合には，定款の添付は必要とされていないので，会社法施行後の株式会社につい　ても株主総会で代表取締役を選任した場合には，定款の添付は不要であると考え　られますが，確定的な判断は，改正商業登記規則等の内容が明らかになるのを待　つ必要があるものと考えられます。
　　なお，取締役会設置会社以外においては，代表取締役の「選定」は必須とはさ　れていませんが，代表取締役の「選を行わない株式会社については，取締役　の各自代表＝すべての取締役が代表取締役となります（349条１項）ので，取締　役が１名の場合には，その者が自動的に代表取締役となり，取締役Aの氏名の登　記と，代表取締役Aの住所及び氏名の登記をすることになります（すべての株式　会社に代表取締役が存することになり，この点は，現在の有限会社及び会社法施　行後の特例有限会社とは異なります。）。
　　取締役会設置会社においては，取締役会において代表取締役を「選定」しなけ　ればらなないこととされています（会社法362条3項）ので，念のため。

　（注）「選定」の用語は，「選任」された者の中からさらに選出する場合に使われ　る用語です。取締役に「選任」された者のなかなら代表取締役を｢選定」するわけ　です。特別取締役も取締役のなかから「選定」されます（会社法373条）し，委　員会設置会社の委員も取締役の中から「選定」されます（会社法400条2項）。執　行役は，取締役会の決議によって「選任」され，代表執行役は執行役のなかから　「選定」されます。

Q6:　非公開会社が，就任後5年を経過している取締役の退任による変更の登記を申　請する場合には，退任を証する書面として定款を添付する必要がありますか。

　原則としては，定款の添付が必要となるものと考えられますが，現在の株式会　社の取締役の任期の伸長又は短縮と同様，株主総会議事録の記載により定款の定　めが分かるようであれば，議事録の記載を援用することも可能とされる可能性が　あります。今後発出される通達等で示されるものと考えられます。

[5] mixiユーザー 10月12日 17:31

会社法関係の政令及び省令案の内容については，昨年中に，法務局LANの電子メール等によりお知らせしたところですが，以下の4本の政令が公布され，10本の省令案が公表又は提示されています。今後，これらの他に，法務省以外の各省庁が所管する関係政令等を改正するための政令等が公布される予定です。
　
　１．関係政令（昨年12月14日公布）
　　・「会社法施行令（平成17年政令364号）」
　　・「会社法及び会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う　　　法務省関係政令の整備等に関する政令（平成17年政令366号）」
　　・「会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う経過措置を　　　定める政令（平成17年政令367号）」
　　・「中間法人法施行令（平成17年政令365号）」

　２．法務省令案
　　(1)　11月29日からパブリックコメント手続が行われたもの
　　・会社法施行規則案
　　・株主総会等に関する法務省令案
　　・株式会社の業務の適正を確保する体制に関する法務省令案
　　・株式会社の計算に関する法務省令案
　　・株式会社の監査に関する法務省令案
　　・株式会社の特別清算に関する法務省令案　
　　・持分会社に関する法務省令案
　　・組織再編行為に関する法務省令案
　　・電子公告に関する法務省令案

[6] mixiユーザー 10月12日 17:33

１．会社法施行令（平成17年政令364号）の概要

　・書面に記載すべき事項等を電磁的方法により提供する場合の承諾の手続
　・電子公告調査機関の法務大臣への登録及び更新の申請に係る手数料の額
　・登録の有効期間
　　等を定めるもので，現在「商法，有限会社法及び株式会社の監査等に関する商　法の特例に関する法律の関係規定に基づく電磁的方法による情報の提供等に関す　る承諾の手続等を定める政令」及び「電子公告を行う調査機関の登録の申請等に　係る手数料の額を定める政令」が定めている事項と実質的な変更はありません。

２．会社法及び会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う　　　法務省関係政令の整備等に関する政令（平成17年政令366号）（以下「整備政　　令」といいます。）の概要
　

[7] mixiユーザー 10月12日 17:35

整備法の施行に伴って，以下の政令の廃止又は改正を行うものとなっています。
　
　(1)廃止される政令（整備政令１条）
　　ア　商号の仮登記に関する供託金の額を定める政令（昭和39年政令第52号）
　　　　　←　商号の仮登記の制度が廃止されるため。ただし，既存の仮登記につ　　　　　　いてする予定期間の伸長の登記の申請に係る供託金の額については，　　　　　　なお従前の例によるとする経過措置規定（整備政令第2条）がありま　　　　　　す。

　　イ　株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律施行令（平成15年政令　　　第18号）
　　　　　←　会社法等に吸収されているため

　(2)改正される政令
ア　無尽業法第二十一条ノ八の規定による登記に関する件（昭和16年政令第　　　　140号）
　　　　無尽会社（資本金の額が5千万円を超える株式会社でなければなりません。）　　　については，内閣総理大臣の認可を受けた契約により他の無尽会社にその業　　　務及び財産の管理を委託することができ，この場合には，委託無尽会社の本　　　店及び支店の所在地において，「他の無尽会社に業務及び財産の管理を委託し　　　た旨」並びに「受託無尽会社の商号及び本店の所在地」を登記すべきことと　　　されていましたが，この登記については，委託無尽会社の本店の所在地にお　　　いてのみ登記すれば足りることとされました（整備政令３条）。
　　　なお，無尽業法については，整備法１７７条により，以下のとおり改正が　　　行われています。
　　　　?無尽会社は，会社の機関として，取締役会を置かなければならない（無　　　　　尽業法第３条）。
　　　?無尽会社の公告方法は，官報によることはできず，日刊新聞紙又は電子　　　　　公告による必要がある（同法第３５条の２）。
　　　　?無尽会社は，持分会社の無限責任社員又は業務執行社員となることがで　　　　　きない。

[8] mixiユーザー 10月12日 17:43

イ　登記手数料令（昭和24年政令第140号）
本支店一括申請に関する商業登記法の条文番号が変わったことに伴う整　　　　　　　理であり，実質的な変更はありません（整備政令４条）。

　　ウ　弁護士会登記令（昭和24年政令321号）
　　　?合併による弁護士会の設立の登記の申請書添付書面に関する規定中の引用　　　　　　　条項の整理（実質的な変更はありません。）
　　　?合併の公告をする方法の登記の申請書添付書面に関する規定（弁護士会登　　　　　　　記令第条)の削除（以上整備政令５条）
　　　　　←　弁護士会の登記事項のうち，合併の公告方法を日刊新聞紙又は電子公告　　　　　　　　によりする旨については，現行制度では，設立の登記を定める弁護士　　　　　　　　法第３４条第２項と別に規定され（旧弁護士法第４３条第２項，旧商　　　　　　　　法第１００条第８項）いわゆる「独立の登記」として位置付けられて　　　　　　　　いましたが，改正後においては設立の登記の１項目とされました。こ　　　　　　　　れに伴って，合併の公告をする方法の登記の申請書添付書面について　　　　　　　　は，設立登記の添付書面又は変更登記の添付書面として，それぞれの　　　　　　　　規定に吸収して規定されることになったので，この規定が削除された　　　　　　　　ものです。この事項が登記事項であることや，その添付書面として設　　　　　　　　立の登記にあっては会則（変更の登記にあっては，会則の変更を証す　　　　　　　　る書面）が必要になることは，現行制度と変わりません（弁護士会登　　　　　　　　　記令第７条，第８条）。
　　?　なお，商業登記法の規定の準用に関し，
　　　ⅰ　施行日前に生じた事項にも，以下の場合を除き，改正後の商業登記法が　　　　準用されること
　　　ⅱ　旧商業登記法の規定によって生じた効力は妨げられないこと
　　　ⅲ　商業登記法を準用して施行日前にした処分，手続その他の行為は，別段　　　　の定めがある場合を除き，改正後の商業登記法の相当規定を準用してした　　　　処分とみなすこと
　　　ⅳ　施行日前にされた登記の申請に係る手続きについては，なお従前の例に　　　　よること
　　　ⅴ　施行日前に登記すべき事項が生じた場合における登記の申請書に添付す　　　　べき資料については，なお従前の例によること
が経過措置として規定されています（整備政令６条）。この経過措置規定は，　　　整備法による商業登記法の改正に関する経過措置と同趣旨です（整備法１３　　　６条１項から４項）。
　　　　　
　　エ　建設機械登記令（昭和29年政令第305号）
　　オ　企業担保登記登録令（昭和33年政令第187号）
　　カ　船舶登記令（平成17年政令第11号）
　　キ　担保附社債信託法施行令
　　　　キを除く3つの政令については，「担保附社債信託法」が「担保付社債信託　　　法」に改められた以外に改正点はありません（整備政令７条）。キの担保附社　　　債信託法施行令については，担保附の「附」を「付」に改める改正のほか，　　　信託会社が担保附社債に関する信託業務を行う場合に取引をしてはならない　　　利害関係人として信託会社の「会計参与」が加えられています（整備政令１　　　４条）。

　★ク　独立行政法人等登記令（昭和39年政令第28号）
　　　?　登記事項中「事務所」が「事務所の所在場所」に改められています（独　　　　立行政法人等登記令2条）。
　　　?　独立行政法人等については，会社法施行後においても，従たる事務所の　　　　所在地において，本店における登記事項と同様の事項について登記を行う　　　　ことになりますので，「従たる事務所の業務に関し一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する代理人の登記」は，引き続き従たる事務所の所在地において行います。
　　　　　この登記（従たる事務所で行う登記であって，主たる事務所では登記さ　　　　れない事項に係る登記）の申請書には，独立行政法人等を代表する者の印　　　　鑑証明書の添付が必要になりますが，整備法による商業登記法の改正により，独立行政法人等登記令17条が準用していた商業登記法53条3項（支店所在地において支配人登記をする場合の印鑑証明書添付義務に関する規
　　　　定）が廃止されたため，本政令中に同様の趣旨を規定する新たな条項が置
　　　　かれました（独立行政法人等登記令10条4項）。

[9] mixiユーザー 10月12日 17:45

※すべての法人について，支店又は従たる事務所の所在地における登記事項の簡略化　が行われる訳ではないことに注意　
　　→　支店又は従たる事務所の所在地における登記が簡略化される法人は，別添１　　　　のとおり

別添１　支店又は従たる事務所の所在地における登記の登記事項が簡略化されるもの
　　
　次に掲げる法人については，支店又は従たる事務所の所在地における登記事項が簡略化され，?商号又は名称，?本店又は主たる事務所，?当該登記所の管轄区域内にある支店又は従たる事務所という３事項だけを登記する。
　これに伴い，施行日前に支店又は従たる事務所の所在地でした支配人（ウ，カ，ク，ケ及びサからセまでにあっては，参事）の選任の登記は，本店又は主たる事務所の所在地でしたものとみなすとされ，登記官が，職権で，当該支配人の登記を本店又は主たる事務所における登記簿に移する（なお，キには，支配人その他の代理人の登記は存しない。）。
　ここに掲げていない法人であって，従たる事務所における登記をすべきこととされている法人については，会社法等の施行後もこれまでと同様，従たる事務所においても，本店所在地における登記と同様の事項を登記する（代理人の登記等を除く。）必要がある。

　　　ア　会社（会社法第９３０条第２項，整備法第１３６条第７項）
　　　　【例外】ただし，会社経理応急措置法・企業再建整備法に基づく特別経理会社の指定及び特別管理人の登記（同法第３条第１項，第１７条第３項）がされた現に存する特別経理会社については，?特別管理人の変更の登記（同法第１７条第４項），?旧勘定及び新勘定の併合の登記（企業再建整備法第３７条第１項），?上記?の場合の当該指定及び特別管理人の登記の抹消の登記（同法第４２条第２項）は，本店及び支店の所在地の双方においてする（特別経理会社・整備法第２７５条，第２７６条）。
　また，既存の閉鎖機関（同令第２３条第１項及び第２項により，閉鎖機関である旨，指定業務並びに特殊清算人の事務所及び名称の登記がされている。）については，?特殊清算人の変更の登記（同条第６項），?指定の解除の登記（同条第５項），?特殊清算結了の登記（同令第１９条の２２）は，本店及び支店の所在地の双方においてする（閉鎖機関・整備法第２７７条）。

　　　イ　信用金庫，信用金庫連合会（信用金庫法第７４条第２項，整備法第１９４条第２４項
　　　ウ　労働金庫，労働金庫連合会（労働金庫法第７８条第２項，整備法第１９８条第２２項）
　　　エ　相互会社（保険業法第６４条第３項，整備法第２１６条第５８項）
　　　オ　特定目的会社，旧特定目的会社（資産の流動化に関する法律第２２条第４項，整備法第２２１条第４９項，第２３３条第１８項）
　　　カ　農業協同組合，農業協同組合連合会（農業協同組合法第８２条第２項，整備法第３５０条第２５項）
キ　農事組合法人，農業協同組合中央会（農業協同組合法第８２条第２項）
ク　水産業協同組合（漁業協同組合，漁業生産組合，漁業協同組合連合会，水産加工業協同組合，水産加工業協同組合連合会及び共済水産業協同組合連合会をいう。水産業協同組合法第１１０条第２項，整備法第３５４条第２４項）
　　　ケ　輸出水産業組合（輸出水産業の振興に関する法律第２０条，中小企業等協同組合法第９３条第２項，整備法第３７０条第１５項）
コ　商工組合中央金庫（商工組合中央金庫法第１５条ノ３第２項，整備法第３９４条第７項）
　　　サ　中小企業等協同組合（事業協同組合，事業協同小組合，火災共済協同組合，信用協同組合，協同組合連合会及び企業組合をいう。），中小企業団体中央会（中小企業等協同組合法第９３条第２項，整備法第３９７条第１８項）
　　　シ　輸出組合，輸入組合（輸出入取引法第１９条第１項，第１９条の６，中小企業等協同組合法第９３条第２項，整備法第４０６条第１６項）
　　　ス　協業組合，商工組合，商工組合連合会（中小企業団体の組織に関する法律第５条の２３第５項，第５４条，中小企業等協同組合法第９３条第２項，整備法第４１４条第１８項）
セ　鉱工業技術研究組合（鉱工業技術研究組合法第１６条，中小企業等協同組合法第９３条第２項，整備法第４１９条第１４項）

[10] mixiユーザー 10月12日 17:47

　?　また，別表から「魚価安定基金」，「漁業協同組合整備基金」及び「輸出　　　　振興事業協会」が削除されています。魚価安定基金は財団法人であり，ま　　　　た，漁業共同組合整備基金及び輸出振興事業協会は，根拠法が既に廃止済　　　　であることから，整理が行われたものです。
　　（以上整備政令８条）
　　　?　独立行政法人等登記令による商業登記法の準用関係については，上記の　　　　弁護士会登記令と同様の経過措置の外，改正前の商業登記法により行った　　　　「本支店一括申請対象庁」の指定は，改正後の商業登記法によって行った　　　　指定とみなすことが規定されています（整備政令９条）。

[11] mixiユーザー 10月12日 17:48

★ケ　組合等登記令（昭和39年政令29号）
　?　一般的な登記事項中「事務所」が「事務所の所在場所」に，「存立時期」　　　　が「存続期間」に，それぞれ改められました（組合等登記令7条）
　　 ?　共同代表の定めが登記事項とされていた組合等については，その定めが　　　　登記事項から削除されました（別表１）。また，代理人に関する登記事項に　　　　ついて，「共同代理の定め」が登記事項から削除され（組合等登記令12条），　　　　それに関する添付書面の規定も削除されています（同令23条1項）。
　　　?　組合等の「合併の公告の方法」を登記すべき旨については，根拠法中に　　　　「合併の際の債権者保護手続に関する公告を二重公告によって行うことが　　　　できる」旨の規定がある組合等に限定する形で，組合等登記令12条の２に　　　　おいて，設立時の登記事項とは別に規定されていましたが，この公告方法　　　　を登記すべき旨については，各組合等ごとに，別表１中に個別に規定され　　　　ることとされました。
　　　?　その他，各組合等毎の登記事項の変更については，別添２の新旧対照表　　　　を参照願います。
　　　?　組合等の登記申請の添付書面については，
　　　　ⅰ）出資一口の金額の減少をする場合の債権者保護手続を二重公告（官　　　　　　　報のほか定款に定めた日刊時事新聞紙又は電子公告）によることがで　　　　　　きる組合等がこれらの方法による公告をしたときは，公告及び催告を　　　　　　したことを証する書面に代えて，二重公告をしたことを証する書面を　　　　　　添付すべき旨を定める規定が新設され（同令17条3項（新設）），
　　　　ⅱ）「合併の公告をする方法」については，現在は，上記弁護士会登記令と　　　　　　同様，独立した登記事項とされているため，添付書面に関する規定も　　　　　　別に置かれていますが（同令23条の２），上記?のとおり，別表１で　　　　　　定める一般的な登記事項とされたため，添付書面の規定も設立の登記　　　　　　又は変更の登記に関する添付書面の規定（同令16条，17条）を適用　　　　　　することとされ，23条の２が削除されました。
　　　　（以上整備政令１０条）
　　　?　組合等登記令による商業登記法の準用関係については，上記の独立行政　　　　法人等登記令と同様の経過措置規定が置かれています（整備政令１１条１　　　　項から５項）。
　　　?　整備法の規定によりなお従前の例によることとされる組合等の出資一口　　　　の金額の減少，清算，合併又は森林組合法による権利義務の承継に関する　　　　登記を申請する場合の登記の手続は，なお従前の例によることとされてい　　　　ます（整備政令１１条６項）。
　　　?　施行日において現に存する漁業信用基金協会，船主相互保険組合，農業　　　　信用基金協会及び農林中央金庫は，施行日から６月以内に，新たに登記事　　　　項とされた「公告の方法」を登記しなければならないこととされています　　　　（整備政令１１条７項）。この登記をするまでの間に，他の登記を行う場合　　　　やこの事項について変更が生じた場合の取扱い，この登記を行わなかった　　　　場合の過料等については，特例有限会社や株式会社が施行日から６ヶ月以　　　　内にすべきこととされている他の登記の場合と同様です（整備政令１１条　　　　８項から１０項）。また，この登記の申請書には，定款を添付しなければな　　　　らないこととされています（整備政令１１条１１項）。
　　
　　コ　公証人手数料令（平成5年政令224号）
　　　　定款の認証を規定する法律名及び条項番号の整理が行われたのみで，実質　　　的な変更はありません。

　　サ　電気通信回線による登記情報の提供に関する法律施行令（平成12年政令　　　　177号）
　インターネット登記情報法提供サービスによって情報が提供される対象と　　　なる登記について，「有限会社」を削り，「合同会社」を加えることとされま　　　した。

[12] mixiユーザー 10月12日 17:53

シ　会社更生法施行令（平成15年政令121号）
　　　　この政令は，更生計画の遂行により登記すべき事項が生じた場合の登記申　　　請（嘱託）書の添付書面について規定するものですが，別添３の新旧対照表　　　のとおり，全面的な改正が行われています。
　　　　ただし，実際に添付すべき書面が大幅に変更になったわけではなく，現在，　　　登記の内容に応じて個別に添付書面を列挙する形で規定されているものが，　　　?各条において個別に規定するもの以外は，商業登記法の添付書面に関する規定によること（会社法施行令第２条），?，更生計画の遂行により登記すべき事項が生じた場合の登記申請（嘱託）書については，常に認可決定謄本を添付しなければならず，この場合には整備法による改正後の商業登記法４６条（添付書面の通則）が規定する書面の添付は不要であること（会社法施行令第３条）を，通則として規定し，個別の条項において，商業登記法が定める添付書面のうち更生計画の遂行による登記の場合には添付が不要となるものを各別に規定する形に整理し直されたことによる改正であり，考え方が大きく変わったものではありません。
　また，更生計画の定めにより清算人が就任した場合の登記の添付書面に関　　　する規定（会社更生法施行令５条），更生計画の定めにより持分会社への組織　　　変更をした場合の登記の添付書面に関する規定（同令９条）が新設されてい　　　ます。

[13] mixiユーザー 10月12日 17:56

３．会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う経過措置を定　　める政令（平成17年政令367号）（以下「経過措置政令」といいます。）の概要

　(1)有限会社法の廃止に伴う経過措置
　　ア　利益をもってする持分の消却の定めの取扱い（経過措置政令１条）
　　　　既存有限会社の定款中に，利益をもってする持分の消却に関する規定があ　　　るときは，その規定は，それぞれ以下のとおりの事項の定めとみなすこととされ（経過措置政令第１条第１項），定款にこれらの規定があるとみなされた特例有限会社は，施行日から６月以内に発行する株式の内容及び発行済み株式の総数並びにその種類及び種類毎の数の登記を申請しなければならないこととされています。
　　　?　社員が旧有限会社に対して利益を持ってする持分の消却を請求すること　　　　ができる旨の規定がある場合
　　　　→　会社法第１０７条第２項第２号イ，ホ及びヘに掲げる事項
　　　　　（取得請求権付株式に関する定めとみなすという趣旨）
　　　?　旧有限会社が一定の事由が生じたことを条件として利益をもってする持　　　　分の消却をすることができる旨の規定がある場合　
　　　　→　会社法第１０７条第２項第３号イからハまで及びトに掲げる事項
　　　　　（取得条項付株式に関する定めとみなすという趣旨）

　　　ⅰこの登記をするまでの間に，他の登記をするときは，当該他の登記と同時　　　　にこの登記をしなければならないこと，
　　　ⅱこの登記をするまでの間に，この登記において登記すべき事項に変更を生　　　　じたときは，遅滞なく，変更前の事項の登記と変更にかかる事項の登記を　　　　同時にしなければならないこと，
　　　ⅲこれらの登記を行わなかった場合は，その特例有限会社の取締役又は清算　　　　人は，１００万円以下の過料に処せられること
　　　については，持分に関する定款の定めがあることにより当該持分が種類株式　　　とみなされる場合の登記義務と同様です（同条２項による整備法４２条８項　　　から１１項までの準用）。

　　イ　株主名簿の記載事項に関する会社法の規定の適用除外（経過措置政令２条）
　　　　会社法１２１条が定める株主名簿の記録事項には，株主の氏名又は名称及　　　び住所，株主の有する株式の数のほか，株式の取得日も記載しなければならないとされていますが，現在の有限会社の持分の移転に関する社員名簿の記載については，取得者の氏名及び住所，移転する出資口数を記載すれば足りることとされており，持分の取得日については，記載すべきこととされていません。このため，特例有限会社の株主名簿に記載された持分（→株式）ついては，会社法施行後に移転が生じ，その取得年月日が記載（記録）されるまでの間は，取得年月日の記載を要しないこととされています。

　

[14] mixiユーザー 10月12日 17:57

　ウ　自己持分の処分の効力（経過措置政令３条）
　　　　旧有限会社の自己持分の処分については，施行日前に行った社員決議その　　　他の手続きは，施行日前に当該処分の効力が生じない場合には，その効力を失うこととされています（経過措置政令３条）。自己持分を引き受けさせて増資を行う場合には，その効力は，登記によって生じることとされていますので，この場合には，登記申請までが施行日前に行われる必要があるものと考えられます。

　　エ　特例有限会社の株主総会の招集に関する特則（経過措置政令４条）
　　　　特例有限会社の株主総会を「株主の請求によって招集する場合」の特則は，　　　整備法１４条２項に置かれています。株主総会の一般的な招集手続に関する　　　会社法２９６条第３項は，「株主総会の招集は，次条第４項（※筆者注：通常の株式会社の株主による株主総会の招集の請求に関する手続を規定）の規定により招集する場合を除き，取締役が招集する」としていることから，この規定が特例有限会社に適用される場合には，「株主総会の招集は，整備法１４条２項の規定により招集する場合を除き，・・・・」と解すべきことが明らかにされています。

　　オ累積投票に関する経過措置（経過措置政令５条）
　　　　通常の株式会社については，「定款に別段の定めがないとき」は，株主が，　　　株主総会における取締役の選任について累積投票によることを請求できます　　　（ただし，この請求は，株主総会の５日前までにしなければならないこととされています。）（会社法３４２条）が，旧有限会社の定款に，取締役の選任を累積投票で行う旨の定めがない場合には，存続する特例有限会社の定款には「株主が取締役の選任を累積投票により行うことを請求することができない旨」の定めがあるものとみなすこととされています。

　　カ　監査役会の設置に関する規定の適用除外（経過措置政令６条）
　　　　株式会社については，公開会社又は大会社が清算会社となった場合には監　　　査役を置かなければならないこととされています（会社法４７７条４項）が，　　　特例有限会社が清算会社となった場合については，資本金の額が５億円を超え，又は負債が２００億円を超える大会社に該当する場合であっても，監査役を置く義務はないこととされています。

[15] mixiユーザー 10月12日 18:00

(2)商法特例法の廃止に伴う経過措置
　　ア　商法特例法２０条等により大会社特例規定又はみなし大会社特例規定が適　　　用される会社に関する経過措置（経過措置政令８条）
　　　　施行日において商法特例法上の大会社又はみなし大会社であって委員会等　　　設置会社でなかった株式会社の定款には，監査役会及び会計監査人を置く旨　　　の定めがあるものとみなすこととされています（整備法５２条）が，施行日　　　において，大会社又はみなし大会社に該当しなくなったが，その後の最初の　　　決算期に関する定時総会の終結前であるために，商法特例法２０条の規定に　　　より，なお大会社特例規定又はみなし大会社特例規定の適用を受けている会　　　社であった場合についても，同様に，その会社の定款には，監査役会及び会　　　計監査人を置く旨の定めがあるものとみなすこととされています（経過措置　　　政令８条１項）。
　　　　また，施行日において委員会等設置会社であった会社の定款には，取締役　　　会，委員会及び会計監査人を置く旨，剰余金の配当等を取締役会が決定する　旨並びに当該事項を株主総会の決議によっては定めない旨の定めがあるもの　とみなすこととされています（整備法５７条）が，施行日において，委員会等設置会社でなくなったが，その後の最初の決算期に関する定時総会の終結　前であるために，商法特例法２１条の３７の規定により，なお委員会等設置会社特例規定及び大会社特例規定又はみなし大会社特例規定のの適用を受けている会社であった場合についても，同様に，取締役会，委員会及び会計監　査人を置く旨，剰余金の配当等を取締役会が決定する旨並びに当該事項を株主総会の決議によっては定めない旨の定めがあるものとみなすこととされています（経過措置政令８条２項）。
　　　　ただし，これらの定款の定めは，施行日後最初に終結する定時株主総会の　　　終結のときにその効力を失うこととされています（経過措置政令８条３項）。

[16] mixiユーザー 10月12日 18:01

　イ　監査役の員数等に関する経過措置（経過措置政令１０条）
　　　　平成１３年の商法特例法の一部改正により，大会社における社外監査役の　　　員数が増加（一人以上から監査役の過半数以上に）されるとともに，社外監　　　査役の要件の厳格化（会社又は子会社の取締役又は支配人その他の使用人で　　　なかった期間が「就任前５年間」から「就任前」に）され，この改正規定は，　　　平成１７年５月１日に施行されています。平成１３年の改正法の附則第１０　　　条により，監査役の員数等に関する規定は，当該改正規定の施行後最初に到　　　来する決算期に関する定時総会の終結のときまでは，なお，従前の例による　　　こととされていますので，この改正規定は，実際には，平成１７年５月１日　　　以降に到来する決算期に関する定時総会のときから各会社に適用されること　　　となり，３月末決算の会社については，本年３月末の決算期に関する定時総　　　会（本年６月頃に開催される定時総会）の終結のときから適用されることに　　　なります。
　　　　この点について，会社法の施行日において，この附則の経過措置規定によ　　　り平成１３年改正法による監査役の員数等に関する規定が未だ適用されてい　　　ない会社については，会社法の施行日以後最初に終結する定時株主総会の終　　　結のときまでは，なお同条（平成１３年改正法附則第１０条）の例による（＝　　　平成１３年の商法改正前の規定に従う）こととされています。

[17] mixiユーザー 10月12日 18:02

(3)商法の一部改正に伴う経過措置
　　ア　株式の利益償却に関する経過措置（経過措置政令第１２条）
　　　　旧株式会社の定款中に，配当可能利益による株式の消却に関する規定があ　　　るときは，その規定は，それぞれ以下のとおりの事項の定めとみなすことと　　　されています。
　　　?　株主が旧株式会社に対して利益をもってする株式の消却を請求すること　　　　ができる旨の規定がある場合
　　　　→会社法第１０７条第２項第２号イ，ホ及びヘに掲げる事項
　　　　　（「取得請求権付株式」に関する定めとみなすという趣旨）
　　　?　旧株式会社が一定の事由が生じたことを条件として利益をもってする株　　　　式の消却をすることができる旨の規定がある場合　
　　　　→会社法第１０７条第２項第３号イからハまで及びトに掲げる事項
　　　　　（「取得条項付株式」に関する定めとみなすという趣旨）

　　イ　新株予約権の消却に関する経過措置（経過措置政令１３条１項，２項，３　　　項）
　　　　施行日において現に発行されている新株予約権について，「会社が新株予約　　　権を消却できる旨及び消却によって新株予約権者が受領する金銭その他の消　　　却の条件」の定めがあるときは，その新株予約権は，「取得条項付新株予約権　　　であって，消却の条件として定められた事由が生じた場合に会社が当該取得　　　条項付新株予約権を取得し，その定めによって定められた金銭を交付するも　　　の」とみなすこととされ（経過措置政令１３条１項），会社は，施行日から６　　　ヶ月以内に，その新株予約権について会社法２３６条１項７号に掲げる事項　　　（一定の事由が生じた日に会社が新株予約権を取得する旨及びその事由，新　　　株予約権者に交付する対価の内容，数若しくは額又はこれらの算定方法等）　　　の変更の登記をしなければならないこととされています（同条２項）。
　　　ⅰこの登記をするまでの間に，他の登記をするときは，当該他の登記と同時　　　　にこの登記をしなければならないこと，
　　　ⅱこの登記をするまでの間に，この登記において登記すべき事項に変更を生　　　　じたときは，遅滞なく，変更前の事項の登記と変更にかかる事項の登記を　　　　同時にしなければならないこと，
　　　ⅲこれらの登記を行わなかった場合は，その株式会社の代表取締役，代表執　　　　行役又は清算人が，１００万円以下の過料に処せられること
　　　については，取得条項付株式又は取得請求権付株式とみなされた株式等の登　　　記に関する登記義務と同様です（経過措置政令１３条３項）。

[18] mixiユーザー 10月12日 18:03

ウ　株主名簿管理人の新株予約権原簿に関する事務の取扱い（経過措置政令１　　　３条４項）
　　　　会社法の施行により名義書換代理人は，株主名簿管理人に呼称が変わり，　　　その職務の内容として，新株予約権を発行している会社については，新株予　　　約権名簿に関する事務を行うこととなりますが，施行日において現に存する　　　株主名簿管理人は，新株式会社が新株予約権原簿に関する事務を委託するま　　　での間は，当該事務を取り扱うことを要しないこととされています（経過措　　　置政令１３条４項）。したがって，登記簿上株主名簿管理人の登記がある場合　　　であっても，当該株主名簿管理人は，新株予約権原簿に関する事務を行って　　　いない場合もあり得ることになります。

　　エ　施行日前に行った新株予約権の消却手続き（経過措置政令１３条５項）
　　　　施行日前に新株予約権の消却に関する公告又は通知を行った場合の新株予　　　約権の消却は，なお従前の例によることとされています。ただし，この場合　　　の新株予約権の消却に関する登記の事務については，会社法の定めるところ　　　によることとされています。

　　オ　内部統制システムに関する事項の決定時期（経過措置政令１４条）
　　　　会社法施行後は，大会社である取締役会設置会社においては，取締役会が，　　　いわゆる「内部統制システム」に関する事項を決定しなければならないこと　　　とされていますが（会社法３６２条５項），この規定は，施行日以後最初に開　　　催される取締役会の終結のときまでは，適用しないこととされています。

[19] mixiユーザー 10月12日 18:04

(4)保険業法の一部改正に伴う経過措置（相互会社関係）（経過措置政令１７条）
　　
　　　相互会社について，上記(2)のアと同様の経過措置を置くものです。

[21] mixiユーザー 10月22日 21:30

（設立時役員等の解任）
第四十二条　発起人は、株式会社の成立の時までの間、その選任した設立時役員等（第三十八条第三項の規定により設立時役員等に選任されたものとみなされたものを含む。）を解任することができる。

（設立時役員等の解任の方法）
第四十三条　設立時役員等の解任は、発起人の議決権の過半数（設立時監査役を解任する場合にあっては、三分の二以上に当たる多数）をもって決定する。
２　前項の場合には、発起人は、出資の履行をした設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。
３　前項の規定にかかわらず、設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、取締役の全部又は一部の解任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を発行するときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の解任についての議決権を行使することができない。
４　前項の規定は、設立時会計参与、設立時監査役及び設立時会計監査人の解任について準用する。

（設立時取締役等の解任の方法の特則）
第四十四条　前条第一項の規定にかかわらず、第四十一条第一項の規定により選任された設立時取締役の解任は、その選任に係る発起人の議決権の過半数をもって決定する。
２　前項の規定にかかわらず、第四十一条第一項の規定により又は種類創立総会（第八十四条に規定する種類創立総会をいう。）若しくは種類株主総会において選任された取締役を株主総会の決議によって解任することができる旨の定款の定めがある場合には、同項の規定により選任された設立時取締役の解任は、発起人の議決権の過半数をもって決定する。
３　前二項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。
４　前項の規定にかかわらず、第二項の規定により設立時取締役を解任する場合において、取締役の全部又は一部の解任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を発行するときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の解任についての議決権を行使することができない。
５　前各項の規定は、第四十一条第三項において準用する同条第一項の規定により選任された設立時監査役の解任について準用する。この場合において、第一項及び第二項中「過半数」とあるのは、「三分の二以上に当たる多数」と読み替えるものとする。

（設立時役員等の選任又は解任の効力についての特則）
第四十五条　株式会社の設立に際して第百八条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある種類の株式を発行する場合において、当該種類の株式の内容として次の各号に掲げる事項について種類株主総会の決議があることを必要とする旨の定款の定めがあるときは、当該各号に定める事項は、定款の定めに従い、第四十条第一項又は第四十三条第一項の規定による決定のほか、当該種類の設立時発行株式を引き受けた発起人の議決権（当該種類の設立時発行株式についての議決権に限る。）の過半数をもってする決定がなければ、その効力を生じない。
一　取締役の全部又は一部の選任又は解任　当該取締役となる設立時取締役の選任又は解任
二　会計参与の全部又は一部の選任又は解任　当該会計参与となる設立時会計参与の選任又は解任
三　監査役の全部又は一部の選任又は解任　当該監査役となる設立時監査役の選任又は解任
四　会計監査人の全部又は一部の選任又は解任　当該会計監査人となる設立時会計監査人の選任又は解任
２　前項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権を有する

[22] mixiユーザー 12月03日 20:50

定款に設立時取締役１名を定めた会社につき，発起人が定款に定めた１名に加え２名を選任した発起人決定書を添付して設立時取締役３名とする設立登記は受理できるか。

設立時取締役又は取締役の員数が定款に定められている場合においてこれを超えるときを除き，受理して差し支えない。

発起人は定款に設立時取締役が定められている場合であっても，発起人の議決権の過半数をもって，定款の再作成や定款変更の手続を要せずして，当該設立時取締役を解任し得ると解される（会社法第４２条括弧書参照）。定款に定められた設立時取締役を解任することすら可能であるので，定款所定の員数を超えることとならなければ発起人が設立時取締役を追加選任することも否定されないと考えられる。

[23] mixiユーザー 12月03日 22:01

株式会社の設立の登記等の添付書面である資本金の額の計上に関する書面の取扱いについて（通達）

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法務省民商第91号
平成19年１月17日

法　務　局　長　　殿
地方法務局長　　殿

法務省民事局長

　　株式会社の設立の登記等の添付書面である資本金の額の計上に関する書面の取扱いについて（通達）

　会社法施行規則及び会社計算規則の一部を改正する省令（平成18年法務省令第87号。以下「改正省令」という。）が本年１月20日から施行されますが、これに伴い、商業登記規則（昭和39年法務省令第23号）第61条第５項（同規則第92条において準用する場合を含む。）に定める資本金の額が会社法（平成17年法律第86号）及び会社計算規則（平成18年法務省令第13号）の規定に従って計上されたことを証する書面（以下「資本金の額の計上に関する書面」という。）の取扱いを下記のとおりとしましたので、この旨貴管下登記官に周知方お取り計らい願います。

記

　株式会社及び合同会社がする設立の登記（出資に係る財産が金銭のみである場合に限る。）並びに合同会社がする資本金の額の増加による変更の登記（社員が出資の履行をした場合であって、出資に係る財産が金銭のみである場合に限る。）の申請書には、当分の間、資本金の額の計上に関する書類の添付を要しないものとする。

　ただし、株式会社の設立の登記に関し、改正省令の施行日前に会社法第32条第１項の決定（同項第３号に掲げる事項として設立に要した費用の額のうち設立に際して資本金又は資本準備金の額として計上すべき額から減ずるべき額（以下「設立費用控除額」という。）を定めた場合における当該決定に限る。）があった場合又は設立費用控除額を定款で定めた場合（改正省令附則第５条第３項参照）については、なお従前の例によるものとする。

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