競馬・ダメ予想家のダメダメ理論コミュのセントライト記念【１】／結論

■ラップ傾向

[阿賀野川特別／全体ラップ]
10年　12.7−11.1−11.5−12.3−12.7−12.2−12.5−13.2−12.4−11.0−11.4
11年　12.9−10.7−11.8−12.4−13.3−12.9−12.6−12.2−11.9−11.3−11.7
12年　13.0−11.9−12.6−12.9−13.1−12.1−12.0−11.4−11.2−11.1−11.9
13年　12.6−11.1−11.6−12.6−13.6−12.4−12.5−12.4−12.0−11.6−11.5
14年　13.2−11.1−11.7−13.3−14.1−12.6−11.8−11.7−11.6−11.4−11.6

[阿賀野川特別／前後半３Ｆ]
10年　35.3 → 34.8　2.13.0　良
11年　35.4 → 34.9　2.13.7　良
12年　37.5 → 34.2　2.13.2　良
13年　35.3 → 35.1　2.13.9　良
14年　36.0 → 34.6　2.14.1　稍重

先週の京成杯ＡＨ同様、今年はセントライト記念も新潟での開催。
08年ダイワワイルドボア、09年フォゲッタブル、10年ヤマニンエルブなど、夏の新潟で行われる阿賀野川特別で好走した３歳馬が、中山のセントライト記念で馬券になるケースは少なくない。
つまり阿賀野川特別は、例年のセントライト記念と同格の時計レベルということになる。
そこで、今回は過去５年の阿賀野川特別をサンプルに、新潟芝2200メートルのレース傾向を検証してみたい。

新潟芝2200メートルは、外回りコースのスタンド前からスタート。
最初の１コーナーまでは約636メートルあるが、ポジション争いなどの影響でスローにはなりにくい。
過去５年の阿賀野川特別で、３ハロン目が12秒台まで緩んだのは12年のみで、それ以外の４回はすべて11秒台のラップを刻んでいる。
１コーナーに差しかかる４ハロン目でラップは12秒台まで落ち着き、次の５ハロン目で一気に13秒台までペースダウン。
向こう正面に入る６ハロン目から、３コーナーを過ぎるあたりまで12秒台のラップが淡々と刻まれ、４コーナーからゴールまでのラスト３ハロンを11秒台でフィニッシュする構成が定番だ。

[通過順]
10年　１着 01-01-01-01　２着 02-02-02-02　３着 07-05-05-04　【８頭】
11年　１着 06-08-09-06　２着 06-07-05-02　３着 04-03-03-05　【13頭】
12年　１着 03-03-03-03　２着 02-02-02-02　３着 06-07-05-05　【11頭】
13年　１着 05-06-06-05　２着 04-04-03-03　３着 08-08-08-09　【13頭】
14年　１着 08-10-08-07　２着 03-03-04-04　３着 08-09-04-04　【11頭】

10年は、ヤマニンエルブとスイートブレナムが３番手以下を大きく引き離し、後続が何も出来ないまま決着した異例のケース。
阿賀野川特別は、少頭数でも馬群が縦長になりやすいレースだが、４コーナーから徐々に前後の距離が詰まり、直線入り口ではほぼ横一線となる。
レアケースだった10年を除く、過去４年の３着以内馬12頭中、３角３番手以内だった馬は４頭に対して、３角６番手以降だった馬も４頭。
通過順だけを見ると、粘り込みをはかる先行馬に、後方で脚を溜めた切れ者が、直線一気に猛追してくるシーンが浮かび上がるが・・・

[上がり]
10年　１着 34.8（１位）　２着 35.4（３位）　３着 35.6（４位）
11年　１着 34.2（１位）　２着 34.4（２位）　３着 35.0（５位）
12年　１着 33.8（１位）　２着 34.0（３位）　３着 33.9（２位）
13年　１着 34.5（２位）　２着 34.8（４位）　３着 34.6（３位）
14年　１着 34.1（１位）　２着 34.4（４位）　３着 34.4（４位）

例えば、13年に通過順04-04-03-03の先行策から２着したアロヒラニは、自身上がりが34.8秒。
通過順08-08-08-09の待機策で３着に追い込んだトーセンハルカゼは、自身上がり34.6秒。
道中かなり馬群が縦長になっていたにも関わらず、残り３ハロンの時点で両者はそれほど離れていなかったことが分かる。
他の年も先行馬と差し馬が入り乱れて決着しているが、自身上がりに大きな差はない。
つまり、残り３ハロン地点に当たる４コーナー入り口で、馬群が一気に凝縮しやすいコースということだ。



■結論

今年のセントライト記念は、栗東からの輸送距離が中山よりも短い新潟で開催されるため、例年とは違い東西の有力馬が多数エントリーしてきた。
ダービー２〜６着馬が顔を揃えたセントライト記念など、未だかつてなかったのではないか。
休養明けのクラシック組ではなく、夏に古馬と戦って力をつけてきた上がり馬を狙うのが例年の必勝パターンだったが、今年は素直にクラシック組から入るのが賢明のようだ。
舞台が替わるとはいえ、内回りの2200メートルなら皐月賞を制したイスラボニータで間違いないだろう。

[皐月賞／全体ラップ]
12.3−11.4−11.9−11.9−12.7−12.1−12.0−11.6−11.7−12.0

５ハロン目が12.7秒まで緩んだとはいえ、全体を通して12.0秒前後の持続ラップを刻んだ今年の皐月賞。
先行馬にとっても差し馬にとっても決して楽なレースではなかったが、後のダービー馬ワンアンドオンリーが上がり最速34.3秒を繰り出しても、逃げたウインフルブルームを捉え切れなかった点を考慮すると、後方待機勢は物理的に突き抜けられないレースだったかもしれない。
そんな中にあって、３角から早めに動いて２着以下を１馬身以上突き放したイスラボニータは、器用さと持続力、さらに破壊力をも兼備していることを誇示した内容だったと言えよう。

[ダービー／全体ラップ]
12.5−10.6−11.8−12.2−12.5−12.1−12.7−13.6−12.2−11.6−11.1−11.7

今年の日本ダービーは、６ハロン目まで12.5秒以上緩まなかった。
その後の７〜８ハロンで12.7−13.6秒と一気に失速したのは、後続を離して逃げていたエキマエが故障を発生したためだ。
レースラップの前半５ハロン通過は59.6秒だったが、２番手追走のトーセンスターダムはそれよりも約１秒遅い60秒台後半で５ハロンを通過していたと思われる。

直線に入っても、先行していた馬は大きく失速せず、ラスト２ハロンからゴールまで、ほとんど各馬の位置関係が入れ替わっていない。
内ラチ沿いを突いたマイネルフロストが、ゴール前でもうひと伸びしたことからも、イン有利の馬場だったことは明白。
皐月賞では先行したトゥザワールドが２着を確保し、後方から追い込んだワンアンドオンリーが差し届かなかったが、ダービーでは両者の立場が逆転した格好。
外差しがきく今の新潟芝で逆転があるとすれば、ダービーで外を回してきた馬たちか。
ここは素直に、ダービー２着のイスラボニータ、外から追い込んできたトゥザワールド、ショウナンラグーンあたりで勝負するのが賢明だが・・・


しかし、本命はエアアンセム。


[前後半３Ｆと着差]
37.6 → 34.1（33.9）　0.1先１着　新馬戦
36.1 → 37.4（36.7）　0.1先１着　ホープフルＳ
36.3 → 36.8（36.9）　0.8差11着　京成杯
35.6 → 36.4（35.7）　0.4差４着　弥生賞
35.0 → 36.0（35.6）　0.1差４着　五稜郭Ｓ

デビュー戦こそ自身上がり33.9秒をマークして快勝したが、その後はすべてレースラップの上がり３ハロンが36秒以上かかっている。
５ハロン通過63.1秒から、12.6→11.8秒と急激にラップが跳ね上がり、ラスト２ハロンを11.0−11.3でフィニッシュした新馬戦。
時計のかかる馬場ながら、一貫して12秒台前半の持続ラップが刻まれ、ラスト１ハロンが12.7秒まで落ち込んだホープフルＳ。
メンバーレベルが低かった新馬戦は、能力の差で勝ち切ったところもあるだろうが、デビュー２戦で異質の舞台、異質のレースを連勝したセンスは評価できよう。

ホープフルＳで下した２着馬ベルキャニオンは、共同通信杯でイスラボニータから0.2差２着。
３着馬クラリティシチーも、東京スポーツ杯でやはりイスラボニータから0.2差の３着。
さらに、５着馬ウインマーレライが夏のラジオNIKKEI賞を快勝するなど、オープン特別ながらメンバーレベルは決して低くはなかった。

その後は、京成杯0.8差11着、弥生賞0.4差４着と勝ち馬から離されるレースが続いたが、休養を挟んだ前走は、準オープンの古馬を相手に0.1差４着に健闘。
クラシック上位馬がエントリーしてこない、例年のセントライト記念が古馬1000万クラス級なら、トップクラスが顔を揃えた今年は、最低でも準オープン級の実力が必要であろう。
時計レベルは別にして、今年のセントライト記念で波乱を演出する上がり馬がいるとすれば、前走準オープンを使ったこの馬を置いて他はあるまい。

対抗は、ダイワリベラル。
芝1800〜2400メートルを６戦して、すべて0.4差以内の安定性は魅力。
東京芝2400メートルのゆりかもめ賞では上位２頭の決め手に屈したが、福島芝2000メートルの前走を勝利しているように、直線の短い小回りコースが得意なタイプ。
新潟の内回りなら、器用に立ち回って３着に食い込む可能性は十分にある。
馬券は、この２頭にダービー上位馬を絡めて遊んでみたい。


◎エアアンセム
○ダイワリベラル