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さしゃの二次小説(ハリポタ)コミュの本編第十二章 特訓と成果1

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ハリポタ二次小説 レナスの物語

第十二章 「特訓と成果」1 回想



あれからと言うと、私はギルガと話をする時間が増えた。

結構異様なもんなんだよね…。グリフィンドールの生徒が、ハッフルパフの寮の前で待ってるって…。

寮は各々の生徒しか入れないから、合言葉が必要になってる。
それくらい厳重に立ち入り厳禁になってる訳なんだけれども…。

だから、寮の前で待つって事は、誰かしらを待ってるって事が一目で分ってしまう。


おかげで……


「レナス、またギルガ待ってるんだ?」
「付き合ってる……って事?」
「レナスがショタコンだったなんて……!!」


なんて、からかいの言葉までが飛んで来る。
正直、もう慣れたんだけどね。


「お付き合いしたいと思う程、お近づきじゃないよ。所で、ギルは?」

「まぁ!ギルですって!」


今度は、あらやだ、奥さん聞きました?あらやだ、あたし聞いちゃったわよ〜。なんてニヤニヤ笑いながら言ってる、ハッフルパフの生徒…。
だーかーらー……。


「アル、ビル、つったら、やっぱ、ギルかなあ〜って…。」

「冗談冗談!あいつ今【歴史】の授業だったから、すぐに戻ると思うよ?課題で居残りが無ければだけど。」

「え?なんで、居残りなんかさせられるの?」

「あははは…。あいつ、明るいんだけど…いかんせん、勉強が…。」


頭を掻くハッフルパフの生徒。
どうやら、ギルガの頭の中は、相当な重症なのだと窺い知る事が出来る。
レナスはと言うと、笑顔を作っては居るのだが、目だけは笑わずにいる。


そんな奴に、どう訓練すりゃいいってのさ…。
内心がっくり肩を落としたが、それでもレナスは、彼の為に何か出来る事は無いかと、頭の中の引き出しをあさる。


「とりあえず、もう少し待ってみるよ。ありがとう。」

「おうさ!ほいじゃね〜。」


手を振って生徒を見送るレナス。


さぁて…どうしたもんかな…。
この分だと、勉強までみろ〜とか言われそうだ…。


ふぅー…と息をつき、これからの事を考え始める。
しかし、同時に、

なんでこうなったんだ…?
などという、過去の回想までもが同時に頭を駆け巡っていく。

そんな事を考えている暇など、無いというのに…。


そして、瞬時に、その日にあった出来事も回想として蘇る。


あの日、校長室での話が終わり、大広間で食事が済んだ後、レナスは密かに、あの臨時の薬草学教師に呼び出されていたのだった。


なんか…あいつのあの言い方、気になっちゃうんだよなぁ…。



。。。。。。。。。。




―校長室に呼び出された日―



正直、ちょっと不機嫌になった…。
さっき校長室での話が終わって、今食事が済んで、イイ感じで眠くなってる所に呼び出すか?普通さ…。


でも、あいつから話があるって事は何かあるんだろうな…。
お咎めだったりして〜。

一応、気を引き締めて薬草学の扉を叩く。


「失礼します。」


扉を潜った先に見えたのは見慣れた背中。
真っ黒い長めのローブ。
髪がツンツン跳ねていて、襟足だけ長い。


あれ?襟足ってあんなに長かったっけ…?


「あぁ…、いらっしゃったんですか…。」


気配で気づいたような素振りで、振り返ってくる。
ってか、ノックもしたし、声もかけたんだけど…?

また、少しムッとしながらも、シオンがいる教壇へと足を進める。
夏休み前まで、スプラウト先生が使ってた教室。優しくて、生徒一人一人の意見をきちんと聞いて、どっかの嫌味教師とは違って、ひいきなんか絶対にしない、平等な評価をしてくれる。


彼女の時には見慣れた教室だったけど、シオンが教壇に居ると、まるで違う空間みたい。


「あぁ、そうだ…話って何?」


半分忘れかけた所に、質問を繰り出してみた。
当の本人は、背中を向けて、何やら書類をあさっている。

ん?この光景どっかで見た様な気が…。


あ、そっか…。あの陰険教師もこんな感じだ!うん。
自分から呼び出しておいて、この背中を向けたままな感じ!


やっぱ、どっか似てるのか…?
ついクスクスと笑いが込み上げてくる。


「何を…笑ってらっしゃるんです…?」


すこーしだけ冷ややかな目で振り返ってくるその深紅の瞳。
笑ってるのが癪に障ったみたい。


「なんでもなーい。所で…話って?ってさっきから聞いてるんだけど…。」

「あぁ…では、こちらへ…。」


まるで忘れていたかのように振舞うこのエセ教師。
相変わらず…なんていうか…マイペース…なのか…?

やっとの事で促されて、進む先。


「あれ?この扉って…。」

「何か問題が…?」

「いや…そうじゃないけど…。話ってそこで聞くの?」

「兎に角、入って下さい。」


促された先は、教室の奥の扉。いや、別に変な意味じゃ無いんだけど…。
そこは、各教師の控え室、要するに自室になってる。
セブルスの所もそうだしね。


なんとなく、入りにくいんだけど…。


いや、入った事自体なら、何回もある。
でも、明らかに部屋の雰囲気が違う…。

新たに赴任してきた教師が自室にするのだから、模様替えとか、部屋の間取りとかは自由に変えてオッケーなんだそうな。

もしも、あたしが、トントン拍子に教師になったら、こんな部屋を作りたい!なんてイメージまであるくらい。

つまり、先生方の自室っていうのは、【個性】が出るって事なんだけど…。
これは…余りにも…。


「どうか…なさいましたか…?」

「い、いや…、失礼しま〜す…。」


一歩踏み込んだ部屋。
何がある訳じゃないんだけど…。なんとなく緊張…。

その時、パタンと扉を閉められた。
シオンとしてはそっと閉めたつもりなんだろうけど…、音にびっくりしたんじゃなくて…。


うっへ〜〜。なんか余計に緊張…。
へ、変な意味じゃなくて!!


何て言うか…。
あぁもう!!よく分らないんだってば!!


あいつは、部屋の奥に真っ直ぐ進んで行く。
なんとなく、それを目で追うのも気が引けたから、逸らす様に部屋を見回す。

部屋は、1LDKになってる感じみたいだ。
ベッドがあって、暖炉があって、丸いテーブルに2脚の椅子と、2人掛けのソファ。ギッチリ資料やら本を詰め込んだ棚。
目立つのはそれだけ。


あぁ、そっか、洋服って自分で作れるから、タンスとか必要無いんだよね?


そんな風に思って部屋を見回すと…。
一つだけ、縦長のコートハンガーのポールがポツリと立ててあった。


あれ?これって…。
洋服はかかっていなかったけど、一つだけ…、
不自然にだけど、それでも丁寧にかけてある…。



見覚えのある刺繍の黒く長い布。
何気なく近寄って、手を伸ばした。触れた感触で蘇って来る、湖での出来事。



《あぁ…あの時あげたマフラー。大切にしてくれてるんだね…。》



つい嬉しくて、顔が緩んじゃう。
はっとして、シオンを見る。


そんな私の変な顔には気付く事無く、奥のほうで食器をガチャガチャ言わせてる後姿がある。
どうやら、部屋の一番奥がキッチンらしい。


《はぁ…、にへら〜って変な顔は、とりあえず見られて無かったみたいだ…。》


ほぉっと息をついて、胸を撫で下ろすと、目に飛び込んで来た物がある。
出窓があって、既に暗い時間だからカーテンは閉まってるんだけど…。そのカーテンも……、まっっっくろ!!
シオンらしいっていうか…なんていうか…。

って、見てるのはそこじゃなくて…。

出窓の所に置いてある物。
鉢植えっていうか…カーテンに似合わないような、真っ白のプランター。

何本も、違う植物が顔を出してて、小さな花をつけたものまである。
観葉植物…ってわけじゃ…ないよね…?


《ん?これって…。》


よくよく見てみると、レモングラス、ローズマリー、カモミール。
どれもハーブで、すごくいい香りがする。


「お気に…召されましたか?」


ギクっとして、急いで振り返ると、そこにはニコニコ笑ったシオンが立っている。
左手には銀色の丸いトレー、まるでカフェのウエイターさんみたいに、トレーの底を3本の指で支えてる。

慌てて崩した顔を治してみる。


「で?……何を、ニヤニヤしてらっしゃったんですか?」


ガーン!!
しっかり見られてた……。

ちょっと落ち込みながらも、話を逸らしてみる。


「あ、こ、これって、何に使うのかな〜?って思ったから。」


あははは〜…、なんて誤魔化した。
多分こいつだったら


「あぁ…、ハーブですか?」


やっぱり…。こういう時、絶対に話を逸らさせてくれる…。
いわゆる【大人】…なんだよね…。




あたしと…全然違ってさ……。




「ハーブは…紅茶に、使うんですよ…。」

「紅茶…?」


よくよく見てみると、トレーにはティーポットと、湯気が立ってるカップとソーサー。
あと……クッキー?かな?


「もしかして、紅茶入れてくれたの?」

「えぇ…ご迷惑でなければ…。」


お付き合いいただけると有難いのですが…?
なんて、言われて、そっこー頷いてみた。


トレーを丸いテーブルに置くと、丁寧に椅子を引いてくれる。
なんか…柄にもなく、お嬢様になった気分だ…。


「シオンって…紅茶派?コーヒーじゃなくて…?」

「どちらかと言えば…ですが、ね。」

「あ!あたしも!」


なんだか意外な共通点を見つけて嬉しくなった。


「存知あげて…居ます、よ…?」

「へ?あたし、紅茶好きなんて言ったっけ?」

「いえ…、いつなんときでも、貴女が飲むのは、決まって紅茶でしたから…。」


お好きなのでは…?と…。


こういうのを目が点になるって言うのかな…。
良く見てるっていうか、シオンらしいっていうか…。


「まさかって思うけど…、あのハーブも…?」


あたしの為…?
なんて、やっと出てきた言葉。
それ以上は、なんとなく言えなかった。自意識過剰だなんて思いたくないけど…


「貴女がこの場所に来る機会も増えるかと思いましたので……多少は…ね。」


その笑顔に、素直に笑顔で返してみる。
相変わらず変に、にへら〜ってしちゃいそうになる自分と戦いながら…。
まったりした時間が流れた…すこ〜しだけね…。




この時、私は思っても見なかった。




呼び出された本題が、この後に出てくるなんてね…。





****続く****

コメント(3)

ってかシオンが、家庭菜園?!
って、プランター一つだから、観葉植物に近いんだけど…。
なんか可愛らしい一面もあるんだなぁ〜(*^▽^*)

ってか、本題から入らない所も彼らしい。

ギルガとレナスが付き合ったら…それこそ、大パニックですよ…。ってか、ギルガとレナスが一番パニックだっての(T▽T)
本題が気になって仕方ないれすヽ(;;;`Д´;;;)ノ ハプハプ
しらけさん

本題はですね。
まぁ…ね。なんていうかね…。

彼らしい…って言いますかね(# v。v)o

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