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さしゃの二次小説(ハリポタ)コミュの本編第八章 成長期8

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ハリポタ二次小説 レナスの物語

第八章「成長期」8 悩み



このままで良いのだろうか…。


アルはあれから、頬を赤くして、ポォ〜っとしてる事が多くなって来た様に感じるし、授業にも集中できないらしい。

他の教科は誤魔化せても、あの陰険嫌味教師の授業…、魔法薬学では、その誤魔化しも意味をなさなかったみたいだけど…。


「フルーウェーブ!!君は我輩の授業が、さぞ退屈と見えるな。グリフィンドール20点減点。全員羊皮紙にレポートを書いて提出だ!以上!!」


セブルスはそう言い放つと、自室に篭ってしまった。


まぁ…今更レポートの罰則なんて痛くも痒くもないし、ハロウィンを境に、アルも私も、グリフィンドールの【除け者】になることが無かったのは救いだった。


皆、罰則を受けた事は気にしてはいないみたいだし、それどころか、アルを元気付けようと、おのおのが肩を軽く叩いて、励ましている。

その光景を見て少しホッとしたけど…。

本当にアルは大丈夫なのかな…。


「ミス・ヴァルキュリア。話がある。君は残りたまえ。」


皆がセブルスを陰険教師だの、嫌味教師だの言いながら、教室を出る支度をしていた所への、再び当の本人の登場。

全員、帰るのが早い早い。
そのついでとばかりに、皆が耳打ちしていくんだよね。


「が、頑張って……!」

「お気の毒に…。絞られたら、泣いていいからね…?」


ってね。
ってか…、私がセブルスに毎回説教されるって……。
皆、そう思ってるんだろうな…。
まぁいいや…。そう思われていたほうが、皆も変な詮索はしあいでいてくれるんだろうし。
ここは、セブルスに、嫌な教師を演じたままで居ていただいた方がよさそうだ…。


皆が教室を出て行くと、いつもセブルスは少し気が緩むみたいだ。軽くため息をついて、私のほうにゆっくりとした歩調で歩み寄ってくる。
まぁ…話す事は、見当がつく。


「レナス……。近頃のフルーウェーブはどうなっているのだ…?」


やっぱりね…。
そう来ると思った。

セブルスは、アルが座っていた机を、ため息交じりで視線で仰ぐ。呆れてる表情って言うより、心配してくれてるみたいだった。


「私にもよく分からないんだよね…。」


一番近くにあったテーブルに腰掛けて、足を組んだ。
すっごく行儀悪いけど…。今は、誤魔化す事しか出来ない…。


アルが恋わずらい。
そんな乙女の繊細な気持ちが、セブルスみたいな、ブッキラボウに理解できるわけがない…と思う。
ってそれは流石に失礼か…。


「校長から聞いているが…。フルーウェーブは魔法省への就職を希望しているだろう?只でさえ難しい試験が控えているのだ。少なくともホグワーツでの成績くらいトップクラスで卒業しなければ、このままでは、半人間以前の問題になりかねん…。」


たしかに…それは困る…。
だけど…。こういうのって、本人が話をしようとしない限り難しいって思っちゃうんだよね…。


「お前なら、何か知っていると思ったのだがな…。」

「アルの事、何でもかんでも知ってるわけじゃないし…。アル自身だって、知られたくない事、きっとあると思うから…。」


だって…言えないよ。
恋わずらいの相手が、シオンかもしれないだなんてさ…。


「お前はどうなのだ?」

「え?何が…?」


アルの話から、いきなり私の話になったもんだから、びっくりして目を見開いてしまった。

当のセブルスは、相変わらず心配そうに、私の方を少し覗き込む形になる…。



「最近お前も考え込んでいる様に見えるのだが…?気のせいではあるまい。」

「え?あ、うん…。……私もどっちかって言うと、アルの事が心配ってだけ。だから、私の事は気にしないでいいよ。」


ぐいっと近寄って来たから、少し驚いて、言葉がしどろもどろになる。


いつもと違うドキドキが、体全体を襲う。


半分嘘。半分本当。
アルの事が心配っていうのは本当。
でもアルの恋わずらいの相手が、シオンなんじゃないかとか、そういう場合、私はどう仲を取り持ったらいいのかとか、シオンの気持ちはどうなんだろう?とか…。色んな事考えてるんだけどね…。

それ以外にも、妙な不安があった。
なんなんだろう…。変な感じ…。








暫くの沈黙。
何を話したらいいのかなんて、今更この人には思わないけど、この人は、額に掌を当てて、何か考えてるみたい。





「ところでだが…」


その沈黙を破ったのは、セブルスの方。
まだ何かあるのかな…?


「お前の、制御薬の事だが。」

「え?」


最近は、特に進展を見せていないヴァンパイア制御薬の研究。

セブルスは、コバルトブルーの色をした、中身が透けて見えない小さな薬のビンを取り出して、私の目の前に差し出した。
中身が何なのかよく分からない。

セブルスに視線を戻した時に、こちらから聞くよりも、彼からの言葉が先に出てきた。


「それは、フィセラニウムの花を煎じて液体化させたものだ。」

「フィセラニウム…?」


忘れもしない…。去年の春、セブルスからの罰則で、この花を3ヶ月間育てて、7月7日に摘み取った。

朝、昼、晩、1時間ずつルーモスの魔法で、1時間ずつ拘束されるのはきつかった…。



だけど……



だけど…



その時、星を見たんだ…。この人と一緒に…。


「最近の我輩の研究で、フィセラニウムには、解毒作用があることが分かった。恐らく研究の役に立つだろう。」


…………って事は…まさか…。


「あのさ…すんごい嫌な予感がするんだけど…。また、フィセラニウムを育てないといけないとか…そういう事になる…?」


ただでさえ、育てるのが難しい植物。
しかも、3ヶ月間も、朝、昼、晩、1時間ずつ拘束されてしまうなんて、たまったもんじゃない…。
でも、制御薬の研究の為なら仕方ないって思うけど…。

確かに、研究が進んでない事に焦りが無いわけじゃない。
フィセラニウムを育てる事は必要になるんなら、やらないといけないとは思う。

だけど、今ホグワーツで学べる知識を、少しでも頭に入れておきたいと思うのも事実。
できれば、貴重な時間を割かれたくは無い。


そんな考えが頭を巡ったのが、セブルスには伝わったんだろうな…。


「心配するな。何もお前に育てろなどと言うつもりは無い。フィセラニウムの調達の手配は校長がするそうだ。」

「そう…なんだ?」


なんだか…何もかも頼ってしまている…。罪悪感とか、自分一人では何もできないっていう情なさとか…沢山あるけど…。
でも、これは、応援してくれてるって事なんだ。
こういう時って、素直に言うべきだよね。


「ありがとう。」


うだうだ考える前に、私には私にできる事をしないと。
皆協力してくれてるんだったら、申しわけないとか思うよりまず、成果を出さないと。
それが、何より恩返しだって思うから。


「がんばるよ!」


ニコッて笑って見せた。
まだまだ不安はあるし、余裕なんかないけど、焦ってもうまく行くはずなんかないから。

そしたら、セブルスは、いつものように、少しだけ笑って、こういった。




「健闘を祈る」



この人の最大の応援の言葉。
素直じゃなくて…。


私のとって、凄く嬉しい言葉…。



*******


あの後、そのまま薬の研究作業を行なって、やっぱり深夜になってしまった。
真っ暗な階段を上って、グリフィンドールの寮へと向かう。
廊下の壁にかかっている、数多くの人物画には魔法がかかっていて、話をしたりする事や、動く事もできる。
深夜の彼等は、流石に眠っている。

起すと面倒だから、静かにゆっくりと歩く。物音を立てないように…。


こういうとき、ヴァンパイアの能力は便利だ。
真っ暗でも目は見えるし、何となく、何処に何があるか位は分かるから。


グリフィンドールの寮の前には、太ったレディの壁画。
彼女に合い言葉を言わないと、扉をあけてはもらえない。

眠ってる彼女を起そうと声を出そうとしたら、扉の向こうの談話室から、何か声が聞こえてきた…。


耳をすまして、声の主を特定する。
女子2人の話し声。


「最近、変じゃない?なんかあったの?」

「うん…。じつは……。」


聞き覚えのある、少し生意気そうに投げかける質問の声の主と透き通った声で、答える声の主。


間違いない。



アルと、トンクスだ…。


盗み聞きする趣味は無いけど…、寮に戻るためには、ここを通らないといけないんだよね…。


「なに?恋でもしたぁ?」

「………絶対レナスには言わないでね…?」


私の名前が出てきて、どうしても気になってしまう…。
聞いてはいけないっていう天使と、気になるんだったら聞くべきだっていう悪魔が私の中で交差する。


「好きな人が…できちゃって…。でもレナスには…言えなくて…。」

「ふ〜ん…。んで?好きなやつって?誰?」


トンクスがアルに質問を投げかけた時、ドキリとした…。
あいつの名前が出てきたらどうしよう……。


「………あの…あのね…。」

「ああ、もう!じれったいな!じゃあ、名前なんかじゃなくていいよ。外見でもいいから、言ってごらん?」


随分経験豊富なんだろうか…?トンクスがアルの相談役だなんて…。しかも、恋の相談…。

って私は聞いちゃいけないよね…。ってどうしよう…。
逃げたい…聞きたい…、って動けない…。


「外見は…。凄くかっこよくて…。」

「うん。かっこよくて?」


ドキドキと、鼓動が速くなっていく…。


「髪が……長くて………」

「うん。」


なんか…嫌な予感が……


「……背が…高くて……」

「うん…。」


マジか……?!


「……が…赤くて……」

「……うん…。」


だんだんにフェードアウトしていく、恥ずかしさを押し隠したアルティアの声が途絶えた。



決定的……だな……


凄くかっこよくて、髪が長くて、背が高くて、赤い瞳の持ち主。



シオンしか、居ないじゃん……。



恥ずかしさのあまり、泣き出してしまったであろう、アルのすすり泣く声。

それを、慰めるトンクスの、大丈夫?という言葉。



シオンの事が好きなら、悩んで当然なんだろうし、私に隠したくなって当然。
相手は、使い魔、そしてコウモリ。
今は、校長の使い魔で…。何を考えてるのか…謎だらけ。


主の私でも、あいつの事は半分もわかっていない。


重くのしかかってきた…。
なんなんだ…これ…。


ずっとある…。この不安…


それが、何なのか…私にはわからない…



アルの真意を聞かなければ良かったと、半分後悔しながら、寮に戻る事もできずにいる。
だからといって、このまま立ち往生してる訳にも行かない。


仕方なく、今夜は、ほとぼりが冷めるまで、外に散歩に行こうと思った。


嬉しいと思っていいはずなのに…。


寂しいとさえ感じてしまった。
嫌だとも思ってしまった。


自分が…



何を考えてるのか…




分からない……




****続く****

コメント(11)

あららら…。


決定打がきちゃったよ…。


ってか、レナスよ…。
なんとなく、その寂しい気持ち分かるよ。


アルの恋の行方は…?!


な〜んてね☆
なんか、アレっぽいダンヌな・・・・

(*´艸`) ぉっとっとw ←口チャック
しらけさん

アレっぽい…?

何っぽい…?


すんげードキドキ(^。^;)←ヘタレだから(笑)
また、何かとかぶっていたら…。ドキドキ(^_^;)


なんてなことを思ったり…

いや!しかし!
私は当初の予定どうり突き進むのだ〜〜(^o^)/
ぃゃぃゃ、ヘタに言うと・・・・・ね
=ャリ。

だって、あの部分がああだから、こうかなぁと思った。
(って分かんねぇだろこれじゃ笑)

ぇ?

被ってる?

誰の何が被ってるンスか?(←ちょ・・・!!ヤバイって!!)

ワシ阿呆だからわかんなぁ〜〜いヽ(°▽、°)ノエヘヘヘヘ〜

|彡タプッ!!
あらー、アルちゃんったら(*ノωノ)キャハート
シオン君と付き合うと…あんな事とかそんな事とか、特典がいっぱいだよー(笑)
しらけさん

うん☆じぇんじぇん、わかんにゃい〜(*^o^*)/(爆)

かぶってる…。

寝る時、下は、かぶってるー!


何を勘違いしてるんすか。


お布団の事です〜!


あやのこうじきみまろのネタでこんなのあるよね(笑)
みけちゃん

アルちゃんたらねーハートハート

青春だね(*^-^*)
あんなこと〜こんなこと〜。

たくさんまっておりますよハートハート
そりゃもう!!

たくさんですよハートハート
お布団(笑)

m9(^Д^)プギャーハッハー

|彡タプッ!!
しらけさん

あくまで、あやのこうじきみまろのネタっすよ(笑)


構想はあるけど、組み立ての順序がね…。

頑張れあたし!
相変わらずセブルスの罰則厳しいですねあせあせ(飛び散る汗)

アルのシオンに対する気持ち知ったらセブルスがまた暴走しそう冷や汗(笑)
モーフィアスさん

厳しいけど…。
これも、彼の優しさだって思います。

ぼうっとしてる場合じゃないだろ!シャキっとしろ!って言いたいんだろうなぁ〜。

そして、単純だから、きっとすぐにカッとなって……。暴走モードになっちゃいますね…f^_^;

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