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さしゃの二次小説(ハリポタ)コミュの本編第八章 成長期4

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ハリポタ二次小説 レナスの物語

第八章「成長期」4 報告



この、使い魔の事で頭を抱えた私の傍で、セブルスがシオンに向かって睨みつけてる。


多分、だけど、何となくわかる。
声を荒げた自分が恥ずかしいってのもあるけど、実力も能力も優れてるシオンを認めたくない…って顔してる。



「下らん!!」



そう言って、着ていた黒いローブを、バサッと翻して、キビキビと、しかし、面白くなさそうに、校長室を出ていってしまった。
それこそ、扉を蹴破る勢いで…。



セブルスの、嫉妬とか、やつあたりとかはともかく…そのイライラは共有できるって思った自分がいる…。
セブルスが出て行った扉を暫く見つめてた。


彼は彼で、いろいろ思う所があったんだと思うし、なんだかんだ言っても、ハロウィンの時、心配して探したって言ってくれたのは、インキュバスの侵入を知ったからなんだと思う。


お礼とか言わないまま…言い合いになって…。未だにありがとうの一言も言えてない。


目の前で、瞬きを多く、キョトンと小首を傾げた顔でこっちを見ている、この使い魔のために、セブルスと言いあいをしたかと思うと……。
さらに気分が落ちていった。


ってか…絶対こいつ100歳こえてる様になんか見えない!!
どんな風に考えても、反則だ!その顔は!!


「もういい!!知らん!!帰る!!」


頭が噴火でもするんじゃないかって思ったくらいに、顔が熱くなる。
とてもじゃないけど、フツフツと湧き上がってくるイライラを抑える自信もない。

私は、校長室唯一の出口に向かい、肩を怒らせたままドスドス歩いた。


「待ってください。」

「うっさい!!お前なんか、知らん!!」


そう言って、校長室の唯一の扉…セブルスが出て行った扉に手をかけガチャッと開けた。


「危ない……ですよ…」

「はっ?!何言ってんだお前……」


シオンの言葉で振り返った……その瞬間…


「うわぁ!!」


何かが、これでもかと言う勢いで体当たりして来た。
そのまま床に尻餅をついて、ぶつかって来たモノが私の胸に飛び込んでくる。
思わず、危ないって思って、私より小さな体を抱きとめた。

金色のふわふわの髪は、肩で止まっていて、白い肌にのっかった青い瞳が、ぶつかった衝撃からか、痛々しげにこっちに向いた。


「レナス…ごめんね…大丈夫…?」

「い、いや…アルこそ…怪我はない…?」


私に勢い良く体当たりしてきたのは、アルティアだった。膝をついて、ぶつかって転んだ個所を一生懸命さすっているにも関わらず、私の身を案じてくれてる。



………ん?
なんでアルがここに…?



「どうやら、役者が揃ったようじゃのう。」


扉と正反対の方向からダンブルドアの声が飛んできた。どことなく、満足げっていうか…。なんていうか…、至福の瞬間っていうか…。


「役者……って?」


目を丸くするってこういう事いうのかな…。ダンブルドアの言ってる事がさっぱり解らずに振り返る。
すると、ダンブルドアは、またもやにっこり笑った。


「アルティアを呼んだのは、わしなのじゃよ。」

「どゆこと…??」


さっぱり、何がなんだか分からなくて、そこにいた皆の顔をきょろきょろと見回す。
すると、床に腰をつけたままの私とアルにシオンが近寄って来て、手を差し伸べてきた。
私はその手を取って、アルを抱えたまま立ち上がる。


「だから…危ないと言ったんですが…。少し、遅かったですかねぇ…?」

「うっさい…。」


半ば当たっていたから、忠告されたのに、それを回避できなかった自分が恥ずかしくて、それを遮ってみる。


「お怪我は…ありませんか…?」

「怪我するほど鈍くさくなんかない!!大体余計なお世話だ!ぶぅあーか!!」


こうなって来ると、ヤンキーが絡んでるレベルだよね…。分かってるんだけど…。なんかムカツク!!


「レナス!だあれ?この素敵なお兄さん!!」


突然、私の傍にいたアルが私のローブの袖を、グイグイ引っ張った。
もうなんていうか……。乙女モードっていいますかね…。
目がね…キラキラしちゃってさ…。

ああ…アルティアってミーハーなんだな…。意外な一面発見だ…。


「ああ、この人は……。」


解答しようとした私だったけど、自然にストップがかかった…。
って…アルってシオンが人型になれるの知らないんじゃん!!



ど、どどどどどどどどど、どうしよう…。


心臓がバクバクいって、胃には鉛の玉を詰め込んだみたいな重さがあった。
額は熱くなるくせに、背中だけはなぜか、ひんやりと冷たい感覚。

間違いなく…焦ってる…。どうしよう!なんて説明しよう…。


「えっと…、この人は……」

「オレが誰か……お気付きになりませんか?アルティア…殿?」


うおおおおおおーーい!!
シオン自らが、ニコニコとアルティアに語りかける。まるで、じらすかのように、アルティアを覗き込む、長身の男。


人の気もしらないで〜〜〜!!!!!!


「もしかして……シオン君…?」


がーん!!!!!
早い!!答えが早い!!解答が早い!!アル!何故そこで、いつもの天然を、発揮しないのだ〜〜〜〜!!!
こういう時に限って、アルの感は冴えるんだよね…。
って当然か…セイレーンは相手の心を読むことができるんだから…。


「やはり…お分かり戴けましたか…。」


そう言ってシオンが再び、にっこり笑う。
このやろ…また自分から…ばらしやがった…。



本当に人の気も知らないで…。



「本当に?!すごい!!かっこいい!!シオン君、人間にも変身できるなんてすごい!!しかも、すっごくカッコイイ!!よかったね!レナ……ス……?」


アルが大興奮して、まるで、芸能人に会えたミーハーな追っかけの勢いではしゃぐ。
その姿は、ものすごい可愛いんだけど…。
呆れ返って物が言えないといった私の表情を観るや否や、アルの頭の上にはでっかいハテナが浮かべて、こっちを上目使いで覗き込んで来た。

アルはめちゃくちゃ可愛いんだけど、私はシオンに対してのモヤモヤを隠せない。


「ど…したの?」

「……この馬鹿が…、いや、なんでもない……」


この馬鹿のために、文句という文句とか、何もかも吐き出したかったけど、言葉にしたら止まらなくなりそうだから…やめた…。




「さあさあ、皆さん揃った事ですし、と言ってもスネイプ先生はいらっしゃいませんが…、そろそろ本題に入ってよろしいでしょうか?」


ずっと沈黙をまもって来たマクゴナガルだったけれど、ここに来て、やっと口を開いた。


「実はのう、あの時聞けなかった答えを聞きたいのじゃよ。」


今まで、立ってウロウロと何かを考えるように話を聞いていたダンブルドアだったけれど、今度は自分自身の机に用意された、豪華な装飾品がついた椅子に腰掛けながら、真剣な顔つきで言った。

その言葉は……


「君たちの将来の事じゃよ。」


あ………


忘れてた…。


報告したつもりになってた…。



ん?私は決まってるけど…、アルティアはまだって言ってた気がするけど…。
大丈夫なのか?


「報告を…聞こうかのう?どのような答えを出したのか…。」


私は決めた。本当に叶うかどうかなんて分からない。でも、やってみたい。


「レナス。まずは君からじゃ。どんな将来を思い描き、どんな将来に進もうと思ったか…聞かせてくれんかのう?」


まっすぐに見つめてくるダンブルドアの青い瞳。
私自身も、彼の目をまっすぐ見つめた。

きっと誰かが聞いたら、笑うと思う。半人間、いや、化け物でしかない私が、こんな夢をもつなんて、きっと…ありえない、諦めろって、笑うと思う。でも、ダンブルドアが私を笑うなんて事は絶対にない。

信じてる。


ここにいる、シオンやアルは既に知ってる。
あとは、椅子に座り、口元で手を重ねひじをついたダンブルドアと、その椅子の傍らに立ってこちらを優しい眼差しで見ているマクゴナガル…そして、ここには居ないけれど…セブルス…。

今はいい。


今は言葉にすることを優先にしよう。
今は自分の気持ちを言葉にしよう。
それが許されてるなら言葉にしよう。


皆の視線が私に向く。

今まで、誰かにこんなに注目されて…嫌な感じがしなかった事は無かった気がする。
ここにいる全員は、少なくとも…、笑うやつなんか居ないから…。


「いろいろ…考えた…。」


気持ちが勝手に形になる…。


【言葉】という形に…。

【言葉】という音になって、伝えられる…。


「諦めた事もあったけど…。勉強ってすごく好きだったりする。」


ぐっと手に力が入る。手のひらに汗が滲む。


「今まで頑張ってきたから、どうしても活かしたい。私は…、無理かもしれないけど…。」


目を閉じて、深呼吸してみる。

大きく大きく…。

息を吸って、吐く…。




私は…



ホグワーツの教師になりたい





皆の優しい視線が、私を覆う。



マクゴナガルの、驚いた後に優しく微笑んだ顔。

ダンブルドアの、言葉にした直後の満足げな顔。



「よう…、答えを出してくれたのう。」



優しく言われて、鼻の奥がツンとした。さっきまで、将来どうしようとか、色んな事考えてたし、自分なんか…そんな事も考えてた。


生きる資格があるのかって思ったこともあった。


でも今は…



あの時とは違うから



「なれるかどうかって分からないけど、頑張ってみるよ。教師って、成績とか、経験とか、実力とか、いろいろ備わってないといけない思うから。」



言ってみて少し恥ずかしくなった。
口元に人差し指をたてて、ぽりぽりとかいてみる。

なんだか照れくさい…。



「教師になるには、少なくとも、来年のイモリ試験をすべてトップクラスで抜ける必要がありますよ?できますか?」


マクゴナガルが、ニコニコ笑った直後に、真剣な顔つきで言葉を発する。

そんな質問…答えなんか決まってる。


「やります。絶対にやってみせます!」


自信があるとか、無いとか、そんなのどうでも良かった。


そうしたい!

そう強く思ったんだから、やってみるべきだっておもった。

それを抑えるなんて、絶対にしたくない!
やりたい事を主張したら、あとは進むだけ!


「言っておくがのう…。採用試験は…。ちと、厳しくいくでのう。覚悟なされよ。」


急にダンブルドアの視線が厳しく、そして、鋭くなった。


当然か。


ホグワーツは安全ではない。さっきシオンがそういったように、なにかあったら、生徒を護るのは教師。
私は、その術を身につける必要がある。



やってやる!!

どんな事でもやってやる!!

迷いは無い!

私は、教師になりたい!!



力強くダンブルドアに頷いてみせると、ダンブルドアの鋭い目つきが、ぱっと和らいだ。
再び、ニコニコした顔つきに戻って、今度はアルティアに声を投げかける。



「さて、アルティア。君は…どのような将来を望むのかね?」



その言葉に、私は一瞬アルティアのほうを向いた。シオンも、マクゴナガルも、アルに注目してる。


ドキドキ心臓が早鐘を刻む。
口の中がからからに乾いて、生唾が出てくるのを必死に抑えて、それを飲み込まないように我慢した。


「私は…。」


アルが言葉を放つ。
しんと静まり返った部屋全体…。不死鳥のフォークスでさえも、アルの言葉を静かに待っている。


そのせいか、自分の心臓の音だけが妙にうるさい。
アルの言葉を聞き漏らさないように、彼女の言葉に注目した。


今までの出来事が、走馬灯のように駆け巡ってくる。

セイレーンの能力をもつアルティアの能力。
それは…歌うこと。
アルの歌は人の、深層心理へと入り込む事ができる。

私を親友と言ってくれたアル。

きっと、歌手とかそういった方面に行くんだろうな…。芸能人になったら、ファンだって増える。

そうなったら、なかなか会う機会も無くなってしまうかもしれない。


まあ…、それも仕方ないか…。


「私は…」


余計な考えが頭を巡っていたけど、もう一度、アルの発した言葉に意識を向けた。





【 私……魔法省で働きます!! 】




そうか、そうか、魔法省で……



…………………っっっ?????!!!!



「魔法省に行って、役職に就いて、働きたいです!!」




ええええええええええーーーーー???!!!!!!




****続く****

コメント(7)

レナスがやりたい事を言葉にできたって、すごい事だと思う。

だって、今までさげすまされて、嫌悪されて生きてたんだから、言えなくて当然。

将来を考える前に、今を生きる事に必死だったけど、また一歩進めて、そして、その環境を許される状態なのは、本当に喜ばしい。

さてさて…。

アルティアがとんでもないこと言い出しました。

どうなるんだろうね(^_^;)
アル、ミーハー!!(笑)

目ぇキラキラァ〜m9(^Д^)プギャー

てかっ
セブルス=スネイプ、途中で勝手に退席したので減点?(笑)
御礼も言わネヴァーランドヽ(`Д´)ノ

さぁて…と。
これからのシオンの活躍が楽しみぃ〜るんるん(*ノ´∀`)ノ ゥキャホ
相手の心を読める能力って損得考えると難しいですよね、聞きたくない自分への悪口までも聞こえるから冷や汗

レナスよく教師になりたいって言いましたぴかぴか(新しい)
生徒を守る実力だけならとっくに基準値満たしてると思います(笑)
うんうんハート(*^.^*)楽しみです〜♪
アルの将来が若干気になりますが…(^_^;)
まあ、いろいろと考えた末の結論でしょうけれど…(^_^;)
しらけさん

アルティアミーハーなのですよ。
カッコイイ男性にはかなり弱いです(笑)

セブルス、減点してやってくれ!でもたぶん…一番オイシイのは、…セブ?(笑)

シオンが活躍すればするほど…距離があくか、縮まるか…極端かもにゃ〜。

微妙な三角関係(爆)
モーフィアスさん

人間の、聞きたくもない闇の部分を聞いてしまうのは、除き見をしてると同時に、本音を知ってしまうから…

もしもそれが、負の感情だと、かなり苦しいものがあると思うのです。
アルティアはアルティアでかなり、人間の醜い部分を知ってます。それでも明るく過ごせてるのは、レナスといるからなのかな…?なんて(笑)


レナスちゃん、目指せ!エロカワ教師への道!

目標は、倖田來未のバタフライのPV!←アホ。
みけちゃん

不安は尽きないけど…それは次の話で明かになるっすよ。

見守ってやってくだされm(_ _)m
じゃっかん…頼りなくて不安ですが(^_^;)

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