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さしゃの二次小説(ハリポタ)コミュの本編第七章 ハロウィン2

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ハリポタ二次小説 レナスの物語

第七章「ハロウィン」2 シオン




「ほう?グリフィンドールはステージか…。」

「うん!そうなんだ!もしかしたらアルが歌うかもって!」


あれからまた通うようになった魔法薬の教室。
少しだけ世間話とかもするようになった。ぎくしゃくしてないのが不思議だった。
そして…それが嬉しかった。


「フルーウェーブがか?それは人も集まるだろうな。」

「でしょ?なんかさ、そのためだったら、ワクワクして、ものすご〜くやる気になっちゃってさ。決まったら知らせるからさ。見に来てよ!」

「……まだ決まってはいないのだろう?」

「いんや!私がそう仕向ける!!それ以外はパス!!やる気ゼロ!」


見たい。アルが大勢の前で歌ってるところ。将来は歌手とか?!楽しみだ!!
って…私が決めちゃいけないんだよな…。それはアルが決める事だ…。


「随分楽しそうだな。」

「うん!こういうの初めてだからさ。思いっきりやってくるよ。」


少し口元を上げて笑ったセブルスがいる。あ、そう言えば……


「ねぇ?スリザリンって何するの?確か…ハッフルパフがゴースト達と、ホラーハウスで、レイブンクローが、イベントゲームだったでしょ?」

「……………。」


あれ?険しい顔した…。聞いちゃいけないことだったかな…?


「あの…もし答えたくなかったら…無理矢理答えなくても…。

「………み……だ…。」

「え?」

「出店だ。食せるもののな。」


す、スリザリンが、でみせえええええ?!


ついおかしくて笑った…!!なに?この人がエプロンして、わたあめとか、売っちゃうわけ?!


「あっはっはっはっはっはっは!!!ひー苦しい!!おなかいたい!!」

「何がおかしいのだね…?」

「だ、だって、なんか……イメージにあわない!!」


ゲラゲラと、指差して笑った。セブルスは、眉間にしわを寄せて今にも爆発寸前!でも笑いは止まってくれない!!


「くじ運が悪かったのだ!笑うな!!それに我輩が出店を出すわけではない!」


そんなこと言われても、想像しちゃったもん!ああ、おっかしい!


「ごめんごめん。いろんな店出すんでしょ?大変そうだね。」


まだおなかが痛い。こんなに笑ったのは本当に久しぶり。
涙が…涙が…。

私がひーひー言ってたら、しばらくの沈黙があって、セブルスが話し出した。


「それより…気になるのだが…?」

「何が…?」


今度は、真剣な面持ちで険しい顔をされた。なに考えてるんだ?


「お前の、あのコウモリだ。お前や、フルーウェーブと話が出来たのはまだ理解ができるが…。我輩とは、今まで話せない振りをしていた。」


ああ…その事か。


「何者なのだ?どう見ても普通のコウモリではないだろう。」

「あいつは私の使い魔だよ。例え普通のコウモリじゃなくたっていいよ。あいつはあいつだもの。」

「では、普通のコウモリではない者が、お前の許(もと)に留まる理由は何故だ?」


え……?留まる理由って……。確かに…主にそぐわないことしたら、見限るって言ってたけど…。


「何か狙いがあるのだろう…。でなければ、お前を目的になにかを企んでいるかだ!!あの時もそうだったろう!あのインキュバスも!!」

「やめて!!!シオンはそんなやつじゃない!!!!」


頭に血が上って、つい怒鳴った……。


「ごめん……。」

「いや……すまない…。あの時の事を思うと……。」


セブルスがすぐ近くにあった、椅子に腰かけた。眉間によった皺がさらに深刻さを物語る。

そっか…。そうだよね…。
あのインキュバスの事があってから……。きっと、セブルスは神経質になってる…。でも…でもね…。


「心配してくれるのは…すごくありがたいって思ってる。だけど…あいつは…私の家族なんだ…。ただのコウモリじゃないかもしれないけど…。私は信じてる。疑ってもいないよ。少なくとも、あいつとアルのおかげで気付く事ができたものがあるんだもの。」


一緒にいて嫌な感じがしない。シオンは。あいつとは違う。あのインキュバスとは…。私はこの直感を信じたい。

セブルスが、心配してくれるのは嬉しかった。でも……シオンを疑うこの人が、すごく悲しかった。

シオンもセブルスを嫌ってるみたいだし……。シオンの事だから、きっとセブルスがデスイーターだって知ってるんだと思う。
だから…そう言うのかな…。じゃあ、私は?私も元デスイーターだよ?
悪の象徴である闇の印。私の腕にもある、薄くなった刺青。シオンは私の腕を見てる。


こんな…私なんかが主人でいいの?シオン……。

シオンが何者でも構わない。
でも…どうして、私の元に留まるの?

私はまだまだガキ!あいつは、私を主と呼ぶけど……あいつの方がよっぽど頭がキレる。このホグワーツの魔法を捻じ曲げた能力だって半端じゃない。

私はあいつの主人であるために、不甲斐無い主人であってはいけない。

見限られるとは思わないけど……。主≪アルジ≫と呼ばれるからには……、私は不甲斐無い者ではいけないんだ。


「もし何かあればすぐに言え。」

「うん…。ありがとう。きっと…大丈夫。シオンは敵なんかじゃない。」


にこって笑ってみた。セブルスの不安げな顔は相変わらずだったけど……。


「ねえねえ!ステージ!見に来てね!」


ローブをぐいぐい引っ張ってみた。この人にも笑って欲しかったから。


「気が向いたらな……。」


嫌味ったらしくそう言われた。



もういじわるうううう!!!



******



うわあああ!!すごい!
夜中になって寮に戻ろうろしたら、沢山の星!★!☆!!

そう言えば…最近空なんか見上げた無かった気がする……。

久々に夜遊びして見る事にした。
お気に入りの木陰を抜けて、湖のほとりまで歩いた。
夜中でも何がどこにあるか位はわかる。ヴァンパイアの能力って結構便利。


座りのいい場所に腰をかけて、秋の星座を楽しむ。10月はもう寒い。この前まで夏で、バカンスの為に孤島にいたことが昨日みたいなのに…。こんなに季節の変わり目って早いんだね…。


そのとき、羽ばたく音がした。


鳥……?違う。鳥にしては、羽ばたく音のペースが速い。

その音は、私の背後で音を止めた。


『校則違反……ですが…?』

「やっぱり…シオン。」


声を聞いて解った。シオンはゆっくり近づいてきて、私の隣に座った。
大きなコウモリのシルエット。でも、その紅い目は、月の光を受けて、キラキラ宝石みたいに光ってた。


『夜遊び…でしょうかね?強いて言うなら…。』

「あははは。私のこと、校長に報告する?」

『いいえ……。』


クスクス笑う私をシオンは横目で見た。何も言わずに。
こいつから校則違反なんて言葉が出るなんて思ってなかったもの。
構わず、また空を見上げた。時々流れる流れ星は、早いものもあれば遅いものもある。
大気圏への入射角度によって見え方が変わるそれは、神秘的で大好きだった。


『星が…お好きですか?』

「うん。星を見るのってさ、なんか…癒されるっていうか…。都会のネオンとか、夜景とかより、私はこういう、囁きあってるような光の方が好きだよ。」

「私も…同じですね……。」


シオンが私の方を見て笑った。シオンが笑うのも珍しい気がした。名前を付けてやった時とか、果物が充実してる時は嬉しそうではあったけど、笑った事は無かったかも…。


『私に何か聞きたいことが……あるのでは?』


え?もしかして…今日のセブルスとの会話…まる聞こえ…?
こういうときは隠しても仕方ないよな……。


「う〜ん…。シオンってさ…どうして私を主≪アルジ≫に選んだの?シオンのほうがよっぽどしっかりしてるのに……。」

『………気になり…ますか?』

「無理にとは言わないよ。私は、多分お前の気持ちより、自分の価値を知りたいだけなんだと思う。」

『価値……ですか?』


私の顔を見上げてくるシオン。私はその顔をまっすぐみた。誤魔化すとかそんな事したくないし。ちゃんと伝えたいから。


「なんでお前が、私を選んだのか…。私は、お前の君主であっていいのかとか、私にそんな価値があるのかとか…。そんな事ばかり考えてるんだ……。」


私はまっすぐ向いてるのに、シオンは少しうつむいた。あれ…?なんか怒らせたのかな…。情けないって思わせたとか…?


『よく……わかりませんねぇ…。』

「何が?」


シオンが少しため息交じりで聞いてきた。おまえ…頼りないかも知れないけどねぇ、かりも主人に、ため息つくなよ…。まあシオンらしいけどね…。


『私に聞きたいのは……そのようなこと…でしょうか?』

「ん?だから何がよ?」

『貴女は、私がただのコウモリではないと……思っていますね?アルティア殿も、あのスネイプも……。』

「そんなの、聞かないよ。」

『あくまで詮索はしない……と?』

「正直…気になるけどさ…。でも、話したくなったら話すだろ?話したくないって事は、今は話せる段階じゃないとか…。話せない理由があるとか…。あるいは、私はまだ、お前の主にそぐわない人間だから…なのかもしれないしね。」

『……………』


何も言わなかったけど、少し驚いていたみたい。
構わず思ったことを言葉にした。


「私はまだ自分で子供だって思ってる。でも、それに甘んじて生きるつもりは無い。例え私がヴァンパイアでも、人として生きるために、力は惜しまない。ようは……どうありたいか。自分自身の気持ちしだいって事。」


シオンの頭を優しく撫でた。オオコウモリは鋭い目つきこそしてるけど、すごくかわいらしい顔立ちをしてる。

ローブを脱いで、シオンにかけてやった。寒いのは苦手って言ってたから。
戸惑うような表情を浮かべるシオンを、私の膝の上に座らせる。
抱きしめたコウモリの体はすごく温かくて、心地いい。


「シオンもさ…。たとえば魔物であったとしてもさ、どうありたいかとか、お前次第なんじゃないの?一緒にいて、嫌だなんて思わないし、心地いいとさえも思う。お前の気持ちを、私は疑ってなんかいないから。」


傍に居てくれるのがうれしい。さんざんな事していたのに、それでも傍に居てくれる、シオンとアル。

本当に本当に大好き!!


「大好きだよ。」


こころの底から満面の笑みってのが出てきた。シオンは私の顔を見て呟くように言ってきた。


『貴女の許にいる理由を……聞きましたね……?』

「え?うん。」

『強いて言うのであれば……。貴女の…その笑顔……ですかね。』


《そして……共に生きようと……言ってくださった……。》


はい…?


意外だった…。そんな風に言われると思ってなかったから…。もしかして…本当にガキみたいな笑顔だって言われてるのか?!


『先に言っておきましょう…。貴女を子供扱いしているわけでは……ありません。それより……放していただけますか…?』


息苦しそうに言ったシオン。そう言われて放すのはなんかしゃくだ!!


「やだ!!放さない!!」


嬉しくなって、ケラケラ笑いながら、余計にぎゅうう!!って抱きしめた。抵抗するだけ無駄だって思ったのか、シオンは大人しく、なすがまま。

でもその迷惑そうな顔が可愛くって、小さな顔の頬にキスをした。
驚いて、こっちを見たから、いたずらっぽくニカって笑ってみた。

本当に本当に愛おしいと思う。傍に居て欲しいって思う。大切な家族。


『主……やはり貴女は……慎みをお持ちなさい…!!』



そう言って思い切り振りほどいて、飛んでいってしまった。飛んでいくシルエットがフラフラと進行方向が定まってないのは……気のせいじゃないよね…?


純情なシオンには…刺激がきつかった……のか?


やっぱり私は、シオンを疑うなんてできない。



あいつも、私の特別だからね。




****続く****

コメント(12)

セブとシオンがいがみ合う理由が…なんとなく見えてきたねぇ…。

ってかセブがわたあめを売ることこみたい!!

シオンって…意外とむっつり……?
むっつり最高ょん指でOK

ぁ これゎ…もしかして…

で ぇ と っスか?目がハートハフンハフン
しらけさん

レナスはデートって思ってないけど…。シオン君はどっきどきだったんだろうね…。

レナス…シオン君も、男なので…汗
レナスさん…。シオンの秘密知っても…動じるどころか…喜びそうだね…。
レナス・・・罪な女のコだ(^_^;)男性諸君は天然小悪魔ちゃんなレナスにドッキドキですね。でもそこがレナスの可愛いところ♪そしてシャイなシオンくん、ラブリー!

ああ、続きが気になるぅ〜
ペシュールさん

罪ですよね…(ToT)
でも、これからどんどん良い意味でかわっていけると思うので、大丈夫だと…思いますo(^-^)o

シオンは…レナスの事好きかどうかは…まだ秘密で(爆)
セブルスのエプロン姿はちょっと…(笑)

シオン君がレナスを主に選んだのは笑顔わーい(嬉しい顔)にやられたと言ってますがまだ裏があるような気もしますマル秘あせあせ(飛び散る汗)
モーフィアスさん

セブのエプロン姿は、一度もしもシリーズで書いたので、お腹いっぱいな方々が沢山でしょうね(笑)

シオンはまだまだ秘密が沢山ありそうですねo(^-^)o
早く書きたい…。でも真意は誰にもわかりません。
私にもわかりません(ノ_<。)
シオン君って、もしかして…?
今は言わないでおこう♪(*´艸`)

ハロウィンハート
何が起きるんだろう♪
カボチャ、大活躍かなぁ…ウッシッシ←カボチャが活躍て…(笑)
みけちゃん

ん?なになに?言っちゃいなよ〜☆☆
私、別にネタバレオッケーだから、いってくれれば答えるよ〜☆

あ、でもみけちゃんの楽しみがなくなっちゃうよね(^_^;)ごめんにゃ(~_~;)
エヘヘ♪(*^∇^;*)
んーと、もしかして…なんだけど…シオン君って、いわゆる『猫又』的な存在なのかな…なんて思いました。
動物って、長く生きると…と、考えるとね…。

『シオンのプロフ』トピを見て、ふと考えた次第です(笑)
みけちゃん

大正解ハートハート
シオンのプロフ気付いてくれたにゃねハート

まだネタバレ状態だけど、いまはそれでいいのさハート

シオンはネコマタよりも、もっとすごい存在なのです(笑)

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