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さしゃの二次小説(ハリポタ)コミュの本編第一章 「シークレットボイス」1

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ハリポタ二次小説 レナスの物語

第一章 「シークレットボイス」1 研究開発


今は授業中。周りでは、頭を抱えてしまった者、途方にくれてる者、満面の笑みというやつをあらわにしている者さまざまだ。
授業といっても自習。薬の調合。何気無く私は好きなんだよな。こういう地味な作業って言うの?


作業の邪魔にならないように、私は、ワインレッドの髪を後ろで結わえている。
いつもは、左目の下にある紋様が見えないように髪を下ろしてるけど、こうゆう時は火を使うからね。


「………残り時間十分だ。」

教壇で、偉そうに声をあげたのはこの授業の先生。
いつも黒い服着て、黒いローブを纏った、色白の先生。
名前は、セブルス・スネイプ。私が1年の時に来た先生。

嫌いじゃないけど…、あからさまに自分の寮の生徒をひいきするのはどうなんだ…?

私は、彼の寮、スリザリンの生徒じゃなくて、スリザリンと一番仲が悪い、グリフィンドール生。
先生は、もちろんグリフィンドール生が嫌いだから、私にも当然冷たい。でも慣れた。

3年もたてば嫌でも慣れる。
慣れない生徒もいるみたいだけど…。

ちなみに私は今、5年生。


あとは、イモリの皮を入れれば完成。
思ったより時間がかかってしまった。

薬を作るのに失敗する生徒が出るたびに、先生の中傷、批判が始まるものだから、気が散って仕方ない。


0点を言い渡され落ち込んでいる生徒が途方にくれてる訳だから、満面の笑みは、もちろんスリザリンの生徒。失敗しても、おとがめ無しだもんね。


「時間だ。薬が出来た諸君は、提出したまえ。失敗した者、失敗した原因、改善を羊皮紙にレポートとして提出。次の授業までにだ。」


みんな帰るのが早い早い…。そりゃそうだ。

薬が出来た生徒の方が少ない。失敗した生徒は鍋の中の薬を消されちゃったから、鍋を洗う必要がない。



「レナス・ヴァルキュリア!!話がある。」

へ?何?私が教室を出ようとすると、怒った様に名前を呼ばれた。
せめて、ミス・ヴァルキュリアって呼んで下さいます?!

結わえた髪をほどき、手櫛で直しながらスネイプの所に行った。
何かしたっけ…?課題は全部やってるし…忘れた事も、一応失敗もないよな…。



「何かご用でしょうか?スネイプ先生。」


教室から最後の生徒が出た時、スネイプはこっちを向いて話はじめた。


「例の薬の件だが、ダンブルドアに許可をいただいた。ダンブルドアも例の薬が完成する事を祈っておられる。」

「え?じゃあ、開発の許可が魔法省から降りたんですか?」

「左様。健闘を祈る。」


いかにも、心にない言葉っぽく言わなくたっていいのに…。



まずは自己紹介。


私は、ミシェイル・ハーグリーヴス。
ハーグリーヴスっていう名前は、ヴァンパイアの血族で、私の場合、父がヴァンパイア、母が人間。
つまり、ヴァンパイアハーフって訳。

でも人間の血が濃いから、私は人の血なんか吸ったことないよ?悪いけど。
むしろ肉すら食べられない…。

でも、月の満ち欠けでヴァンパイアの血が暴走するから、それを抑える薬を作ろうと思ったんだ。
ダンブルドアに交渉して、魔法省にかけあってもらった。
かなりモメたみたい。半獣は嫌われてるから。

ハッキリ言って、私はヴァンパイアが大嫌い。人の生き血をすするなんて、有り得ないでしょ。
血の繋がりを大切にする種族だから、私を連れ戻しにくるかもしれない。
だから偽名を使って、少しでも社会に適応できる様に、ダンブルドアがとりはからってくれた。

今は、レナス・ヴァルキュリア。
どっかの、戦いの女神様みたいな名前を名乗ってる。
イメージはほど遠いんだけど…。

左目の下に、ハーグリーヴス特有の紋様があるんだ。
普段は髪で隠してるけど、みんな意味はわからなくても、紋様があるのには気付いてて、バレる前になんとかしたいなぁ〜って思ってる。


髪は燃える様な、ワインレッド。まるで血の色だ。
まあ、気にしてないんだけどね。


「薬を作る上で、条件が一つあるのだが。」

「何ですか?」

厄介な条件でない事を祈る。特に魔法省とは、関わりたくない。


「薬を作るうえで、未成年が一人で薬を開発するのは、好ましくないと魔法省からの通達だ。そこで、我輩が君への指導にあたると言うことだ。」

一瞬耳を疑った。何?え?どゆこと?

「つまり…、先生と一緒の時じゃないと、薬開発に勤んではいけないって事…ですか?」

「そういう事になる。言っておくが、君の指導を我輩が懇願したわけではない。君がもし、我輩の目に余る行動をとるならば、即中断する。」

なるほどね。確かにそうだ。薬の開発は難しいからね。

「薬の開発は、放課後、この教室を使いたまえ。薬品は自由に使っても構わんが、何を使ったかわかる様に、君は契約書にサインする必要がある。」

「契約書ですか?」


何で契約書なんかいるんだ?


「まかり間違い、君が使う物以上の薬をせしめないとも限らないのでな。魔法契約で、君が使った薬を我輩の手元で管理しておくためだ。」


たんたんと話すのはいつもの事だけど…、何かフに落ちなかった。


「でも先生は、常に手伝って下さるのですよね?薬を盗む時間なんか、数秒たりともありませんが?」


少しトゲのある言い方をした。
先生はキッと睨むけど、睨み合いにももう慣れた。

こうゆう所が無ければ、両手ばなしで優秀な先生って言えるんだけど…。


「ミス・ヴァルキュリア。何か勘違いをしている様だな。知識をたやすくくれてやる程、我輩はお人好しではない。君が薬の調合に失敗し、教室を吹き飛ばさぬ様、見張るだけだ。妙な期待は持たぬ事
だな。」


うわ…。さっき指導にあたるって言ったじゃん…。

その言葉はさすがに口に出さなかった。

スネイプは、契約用の羊皮紙をとりだした。


「さあ、サインしたまえ。」

心の中でぶつぶつ言いながら、羽根ペンにインクをつけた。


でも、先生の言う事も一理ある。ヴァンパイアとか狼人間とか、そうゆう暴走をおさえる薬って、まだ作られてないんだって。


じゃあ、私がやるしかないじゃん!!って思ったんだ。

でも…誰がその薬を飲んで、実験台になるかって…私しかいないもんね…。
だけどさ。先生も、調合のベースとかくらい教えてくれたって良いのに…。
薬を飲んだ瞬間に、教室じゃなくて、私が吹き飛んだらどうすんのさ。


そういえば…狼人間の、リーマス・ルーピン。どうしてるかな…。
満月のたびに苦労してんのかな。

ルーピンは友達。5歳の時に、私がホグワーツに迷いこんでさ。
その時、知り合った。

そういえば…その時に、スネイプとも知り合ったんだ。
何気無く長い付き合いなんだなぁ〜。

スネイプはあの時、生徒の一人で、その人が今、教壇にいるって、なんか変なかんじ。
だから、嫌いにはなれないんだけどね。


まあその話はまた今度。



サインし終わって、羊皮紙をスネイプに手渡した。
何も言わずに、一礼して教室を出た。


少し不安だけど、自分の人生が少し変われるチャンスをもらって、自然と顔がほころんだ。



薬の開発なんて、何年もかかると思うけど、ただ待つなんて嫌だ。
少しでも参考になるかと、図書室に向かう事にした。

私の、人間としての人生は、終わってると思ったけど、少しだけ、希望が持てた。
人間として生きていくための、戦いが始まった。



ーーーーーーー  期待と不安を胸にしまいこんで  ーーーーー






〜〜〜〜シークレットボイス〜〜〜  (後編)




ある日、図書室にいた。
相変わらず、本を読みあさっている。

ヒントはまだ見付からない…。あれから3ヶ月たっているのに…。

「停滞するって辛いなぁ…。」

一人で図書室にこもる姿は、何とも寂しかった。
羽根ペンをクルクル回しながら、やる気と言うものがガラガラ崩れていく。


下準備が無い状態で薬を作るのは危険。スネイプは教室を吹き飛ばすって言ったけど、下手したらそれだけじゃ済まないのが、魔法薬の怖い所なんだ。

「何とかしないとなぁ…。」

ここ3ヶ月ずっと、机にかじりついていたために、頭がいっぱいになってきた。
授業も課題もこなしながら、フクロウ試験の事も考えながら…開発薬の事を考えた。
資料をあさり、本を読んで、それらは全て睡眠時間を削って…。

おかげで、頭がまわらない…食事中に、夢の中に入ってしまう…。マズイ…。

何もかも独りでやらなければならなかった。
まさに孤独な戦い。
生徒に正体を知られないように…。


気分を変えたくて、図書室を出た。



月が出ている時間にそれは起こった。起こってしまった。
左腕が震えだした。言うことを効かない。

マズイ!こんな時に!

息が荒くなる。体中の血が逆流しているような。体の震えが止まらない。言うことを効いてくれない。

せめて、誰もいない所に移動しなきゃ…。
しかし、遅かった…。みるみる体の形が変わっていく。


「嫌だ!来るな!嫌だぁ!!」

思っているのか、叫んでいるのかわからない。

『……せ…殺……殺せ…殺せ……殺せ!!』


自分が何をしているのかわからない…いや、わかっている。
体中の引き裂かれる痛みで悲鳴をあげた。

もうわからない…いや意識がある。私は正気だ。


指の爪が伸びた。生き物を貫くには十分だろう。

口からはキバが生え、生き血をすする事もできる。

背中は大きく裂け、そこには2枚の黒いコウモリの様な翼が顔をだしている。

ヴァンパイアの本来の姿だった…。

体が勝手に動く。人を殺し血を吸う事だけを求める化け物。



「何事です!!」

マクゴナガルが目の前にいる。
悲鳴をきいて、走ったんだろう…肩で息をしている。
生徒が全員寮にいる事だけが救いだな…。


「ミス・ヴァルキュリア…あなた…」


動揺を隠せないマクゴナガルは、化け物を見ていた。
その瞬間、私は彼女に襲いかかった。

『嫌だ!!人を襲うなんて…!傷付けるなんて!!』

彼女は杖を取り出した。

『先生!魔法!早く!』

だが、彼女は躊躇っていた。生徒に魔法を使う事を…。




「レナス!やめるのじゃ!」

ダンブルドアがそこに立っている。杖を構えて。
私の体はどうやら標的を変えたらしい。

『先生とめて!人を殺すのは嫌だ!』


そんな気持ちと相反して、私はどんな形相でダンブルドアに視線を向けていたんだろう…。
ダンブルドアにとびかかった。


ほんの一瞬の出来事なのに…酷く長く感じた。

想像もつかないような衝撃と、背中に酷い痛みが走った。

どうやら背中から壁に激突したらしい。

ダンブルドアが魔法を使った。


体が動かないと思い、やっとの事で視線を上げた。ぼんやりした意識の中で、目の前が暗くなって、頭の中が白くなる様は不快だった。


他の先生達が走ってくるのが見えた。


その中にはスネイプの姿もあった。


……後で怒られるんだろうな…。そう思った時にスイッチが切れた…。



****続く****

コメント(4)

クラウドさん

うっはーハートハート
ありがとうございます(*^-^*)

切口がわからず、まずは主人公の苦悩から書いたわけですが、やっぱり、ダンブルドアとスネイプ先生には優しくしてほしいなハートと思いました(*^-^*)

きゃっほーうハートハート
ありがとうございます☆
クラウドさん

どうぞどうぞハート

うちのセブは時々アホな事しますが…見守ってやってください(>_<)

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