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空想歴史愛好会コミュの空想歴史に挑戦 第二部

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最初に作りはじめたものの、SFに走りすぎてしまいまして
そこでもともと第一部の終わりにつなげようとしていた
第二部を同時進行でスタートさせちゃおうかと

気まぐれ更新なのですが
こちらもよろしく

コメント(7)

第二部 第一話 消え逝くもの

降りしきる雨…滴がすべてを洗い流していく
闇夜の雨音は不気味に響き、滴は紅色の川となっていく
凄惨な地獄絵図に永遠の休息を与えていく

ひとつ、またひとつ小さな灯火が消えていく…

「………………」

もはや声にならない
人一倍艶やかな鎧を覆った若武者の唇が震える

いまはただ静かなる時への誘いを待つのみ…

その時頭上の深い雨雲から一条の閃光が走った
あっという間に雲が途切れ雨音が鳴り止む

「……(天が)…(燃えている?)…」

わずかに残る瞳の色が失せる…
そして静寂の中、青白い炎が若武者をつつんだ
第二部 第二話 天正10年3月14日

「お改め下され」

差し出された二つの頭蓋がおもむろに引き出された
諸将がどよめく…

その時、何者もよせつけない妖眼が睨みつけ静寂が戻る
しばし凍りつくようなときが流れていく

ようやく妖かしの眼を持つ男がゆっくりと向き直り
重い口を開いた

「……これで武田も滅んだ。諏訪に向かうぞ」
第二部 第三話 病床の武士(もののふ)

時は三年前に遡る…地は播磨。
死の病に伏した三十半ばの美濃国人は
刹那の閃光に目をくらませた

「むぅ…天が荒れておるのか…城は…」

朦朧としていた意識が蘇る。が…
ゴ、ゴフッ…鮮明な斑点があたりを染めていく
美濃国人は最期の時を突然迎えようとしていた。

?…死……まだ……死ぬことはない……?

どこからともなく声、いや気配がそう伝えた

?…すべきことがある…今は…いまはまだ…生きよ
新たな…新たなときを迎えるのだ……?

青白い炎が体を包み、美濃国人は静かに息を引き取った
第二部 第四話 天正10年4月3日

躑躅ヶ崎館。60余年にも及ぶ武田の居城…
今は焼け落ち過去の面影は薄れている
その中を妖眼の男が数百の供を連れ歩んでいく

「おいっ、見つかったらただじゃあ済まんぞな」

影がささやく。
暗がりで表情までは読み取れぬが
いかにも敏捷そうな体つきをしている

「なあにかまうことはあるめぇ。我らの足に適う者などおらぬわ。たとえ草のものであってもな」

もうひとつの影がささやく。
こちらは体格が良くとても素早そうには見えない

「そうじゃねえだ。お頭にどやされたらどうするべ」

「…ふぅむ、そっちか」

言われた影は戸惑っている様子だが怯えてはいないようだ

「まぁ、それでもかまうこたぁねぇ。天下人をこの目でみようってんだから。土産話で逆に喜んでくれるさぁよ」

二つの影を静かに見守る四つの瞳があった。
完全に気配を消している

……(危険はなさそうね)…(六文銭かな?)……

姿を消した四つの瞳は瓜二つの体に分かれ、その場を離れた
第二部 第五話 沖田畷

雲霞の如く迫りくる敵兵
味方の退却を少しでも助けるべく殿軍で鼓舞する荒武者
次々と敵をきりつけては味方との距離をあけていく
数的に優位にありながらの完敗である

「殿、ここは私がお守り申す。引いてくだされ」

足軽頭とおぼしき武将が鮮血にそまった鎧を揺らせながらやってくる

「友が呼んでおる、無用じゃ」
「し、しかし…」
「それよりもお主がゆけ」

瞬く間に呑み込まれていく将兵たち
二人は最早話をかわすこともできなかった
ただ、この場を、最期の時を共に迎えようと決めていた

…数十。数百のときが流れた…

頭のない多くの骸が横たわる中
体中の水分を外に放り出し今静かに息をひきとった
この者だけがそこに存在しないかのように
多くの敵兵が目もくれず通り過ぎていく
鎧すらも剥ぎ取られてはいない

そして夜半…青白い炎がともった…
第二部 第六話 天正10年6月1日未明

ある男の上に紅蓮の炎が渦巻いていた
赤黒く悪意に満ちた炎はあきらかに生きている

炎が一条の綱となり
男の体内に潜り込む…

男は異物の存在に苦しみもがいた
やがて抵抗は薄れていく

そして融合した体が突然起き上がり
この世とも思えぬ声色がつぶやいた

「許さぬ…許さぬぞ…我慢ならぬ…」
第二部 第七話 二人の商人

京の都に程近く、水利を備えたこの街にひとり目の男がいた
美丈夫の青年で、どうやら皇族ゆかりのものらしい
この青年はある晩を境にその才を発揮しはじめ
今は三河武士の接客に勤しんでいる

もうひとりは西国の貿易港に身を潜め
妙に丁寧すぎるおかしなしゃべり口調が鼻に付く
異国風の建物に住まい、お世辞にも美男とは言いがたい容姿をしている。のっぺりと青白くもあるその肌は作り物のようであった
容姿に似合わず体術は鋭い。また学が深く何ヶ国語でも話せそうである。そして異常なほど美術品を愛していた
とくにガラス細工では当時のコレクターでも比類なき収集を誇っていた。

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