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空想歴史愛好会コミュの『深緑の瞳』?

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半蔵との初対決を一蹴した葉月一行は無事真田忍軍との合流を果たす。優れた異能を発揮する頭飛助と才蔵であったが、葉月との出会いから久をはじめ蔓ら新兵衛率いる忍びは急速に能力を伸ばしていた。半蔵からの追撃を受けることなく、彼らは小県に到着し当主昌幸との対面を果たす。
物語は親子の再会から…
昌幸…藍姫…そしてあの石が揃う…

コメント(8)

暗青色に怪しく光る石…
娘から手渡されたその輝きにしばし魅入る
『これが鍵か…ふぅむ』
話には聞いていたがさしもの戦略家も首を捻るばかりだ
『…まったくもってわからん、どうせよというのじゃ』
強面の顔相がますます険しくなっていく父に不安を感じつつ
静観していた藍姫であったが…
ふっ、と瞳から生気が消え去り焦点を失う
そして唇から乾いた声が響き渡る…
「…円覚寺に向かえ…すべてはそこからはじまる…」
国主が住まう城がようやく見受けられる位置にある廃寺
二人の男が静かに向かい合っている
一人は真田の忍頭…飛助、
そしてその目前で黙想する葉月…
飛助は思案していた…彼に委ねられたのは昌幸への謁見…
『藍姫を危機から救えたのはこの男がいたからだ
新兵衛らの言動からも信頼に足る存在であるようだ…
ここに至るまで見てきた行動も裏付けるものがある
止める理由はない…むしろ目通りせねば筋が通らぬ…
…気懸りは唯一つ…あの男に瓜二つと言うことだ…』
「…それほど似ていますか…」
ふと気付くと穏やかな表情で両眼をこちらにむけていた
返答に窮している忍頭であったが、
ふぅ、と一息吐くと観念したかのように話し出した…
「別人とは思えぬほど似ておるわ
齢に差があるゆえ、これここの臓は驚愕に耐えたのじゃ…」
そういって左胸を指差す…
「…血の繫がりはござらぬか?」
最も配慮すべきはこの点である…
葉月はしばらく思案し、こう語った…
「銀河深部の星系ヒューマノイド……」
違和感を相手に感じた葉月は言葉をきり、再び告げる…
「我が一族の男子は皆似ておりまする…ですが
…千年…いや数千年の時を遡っ…」
訝しげに覗き込む瞳を見据え先を続ける…
「…千年もの時が血の濃さをどこまで伝えるものか…
あくまで可能性の話ですが…互いの祖の交わりは…
全くないとも言い切れませぬ」
曖昧な返答をした葉月であったが…
脳裏にはある存在がはっきりと浮かんでいた…確かあれは…
葉月らの一族は非常に強く幅広い異能を有す稀少種である
ヒューマノイドには存在しない自己再生細胞を持ち
永遠の時を過ごす
自然死とは無縁の世界である…
この反動で出生率は銀河のどの生命体よりも低い…
全人口は銀河全域で百にも届かないのだ
過酷な母星で生涯を静かにすごし続ける種族であったが
稀に好奇心旺盛な性を持つ特異体が生まれる
彼らは母星を離れ銀河中を放浪するトラベラーとなるのだ
葉月の降り立つこの星は、確かに彼らの記録が存在していた…
城への帰路、飛助は完全に参っていた
『あの信長の遠戚…』
葉月はあくまで曖昧な言葉を使っていたが…
『…思い当たる節はあるようじゃ…
五代、いや八代…まだまだ遡るか…
織田家の氏神に関連があるやもしれぬ
あの者が現われた越前国は織田明神、劔神社の地じゃ
なればちと複雑になってくるかのう…
さて我が殿にどう話をしたものか…困ったのう
…はぁ…まったく…いやはや…』
「…というわけでございまする。御裁可を…」
ようやく事の顛末を告げた飛助であったが…
『…何かあったのか?異様な緊張感が…殿もいつに無く…』
これまで飛助は城の離れを主への報告の場としていた
だが、今宵は天守…
月明かりがわずかに差し込む最上階である…
…飛助はギョッ、となった
『…確かこの場にきたのは光秀謀反の時…』
国を左右する重大事には…昌幸は天守で迎えた…
『…葉月だけではない…大きな…変革がおこりつつある!』
昌幸は驚きの表情を隠しながら飛助の言葉を聞いていた…
『…なんと、まだ我が身を震わす事が…
お藍がもたらしたのは、間違いなく武田家の遺産…
そして、そのお藍を救うたのが…信長の血族…
…邪魔だてしたのは…半蔵…いや家康じゃ!
…まさか、まさか、秀吉公崩御の報せが届く…
この日にすべてを聞かされようとは!
激流が、うねりとなって渦巻いておる!』
両眼をカッ、と見開き飛助に告げる
「葉月とやらに会おう。明日ここへ連れて来るのじゃ!」

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