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空想歴史愛好会コミュの空想歴史に挑戦

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管理者が勝手に空想歴史小説に挑戦してます
なかなか更新しないところが難ですが
お気軽に合いの手入れてみてください

コメント(20)

はじめに
最初に思いついた設定は実は歴史小説っぽくないです
どっちかというとSF系にいっちゃってます
それでも本文はきちんと戦国ど真ん中にいくつもりなので
仕事帰りの徒歩一時間で
色々考え出したものです
皆さんももし私と同じように歴史小説に挑戦するなら
どんどんトピックつくって勝手にはじめましょう!
その方がおもしろいかもしれません
設定?
まずは地球が存在する太陽系について
勝手な設定をつけます
それはこの太陽系が属する銀河系星団から
完全に孤立している、という前提
太陽系のもっとも外枠の廻りに彗星の巣とかも
あったりするそうですが
それらをふくめ
太陽系はすっぽりとある多次元空間に囲まれている
これは時間をもゆがめてしまうもので
外からの来訪者は必然的に中に入ると
時間を超越してしまう
あらゆる異性人がとびかう銀河系で取り残された太陽系
そこへさまざまな能力をもった
いわゆる超能力者の集団がこの太陽系に挑み
そして敗れていく…
ただそのなかで幾人かは時間の渦に巻き込まれながら
地球にたどり着く
そして彼らはあるとことでは異能者と呼ばれ
あるところでは魔女扱いされ…
さて彼らが、私の最もお気に入りの時代である
日本の戦国時代、特異な『集団』として
名乗りをあげるとしたら…
さあ!どこに出没させてみようかな?
設定?
異能集団は数人から数十人を考えてます
そして同じ時代にいくつかの集団が世界各地にちらばる
あのちっぽけな日本でも複数が存在した方が
おもしろそうですね
それも漂流前では顔見知り&敵対する存在
であるほうがいいですね
そんでもって主役は実在の歴史上の人物がいいです
彼らを助けサポートしていく集団と
彼らを操り支配していく集団。
さて誰と誰にするか…
一方は明確にしつつ、もう一方はなぞにしたほうが
おもしろいかもしれませんね。
さて次回はさっそく書き出していこうかと思います
いつになるやら保証できませんが
なーるほどー。
この設定のみで、あーしようかこーしようか云々・・。
って思い描けますね〜。
楽しみにしてますよー。(笑)
第一話 見えない壁

「………あと20ポイントで臨界面到達です。………」
やや緊張した声色が館内に響く。
「………3…2…到達。………」
スクリーンを食い入るようににらんでいた300を少し超えたばかり〜まだまだ若年を脱したばかりの青年博士シン・マツナガは、その眉間に寄せた谷間をそっと解いた。
「………喪失(ロスト)」
「まただっ!いったい何があるというんだ!」
先月、地球からもっとも遠く離れたこの宇宙ステーションに着任してきたばかりのベイリーが怒鳴った。彼がこのプロジェクトにかかわるのもごく最近のことだ。木星コロニー生まれは優秀だがどうも冷静さに欠ける。たった27歳のプラナー(遺伝計画により生まれた人間)ならば仕方がないことか…

ガザの臨界面…

時の人となったガザ・ノヴェルは、平凡な科学者だった。
ひとつ皆と違った事は、彼の名がついた臨界面にて巨大彗星が喪失、いや消失した瞬間をはじめて発見した点だった。
あれから数千年の時間が流れた…
いまや人類は地球外のコロニー生まれであるプラナーの方が過半を占有するようになった。地球生まれのテラナー、マツナガ博士のようなタイプはもはや支配階級でしか見受けられない稀有な存在なのだ。
「この見えない壁を超えるにはまだ早いのか?いや、今の人類ではこえられないかもしれない…」
そうつぶやくとマツナガはその場を離れた。
第二話 終焉へのはじまり

ヴェロア・ウィルスは知能ある種族にとっては何でもないウィルスであった。文明が行き届かない未開の惑星にとっては脅威であったが、こと銀河の大半を占有する大国レイティアの首都オルレアに住む知性体にとっては将来撲滅されるであろう病原体のひとつにすぎなかった。
このウィルスにかかったものは少しの頭痛とともに発熱がおこる。それはじわじわ上昇する。何の手も施さず、放置してしまえば、その発熱は留まることを知らず、死に至るまで上昇をやめなかった。だが猶予は十分にあった。実に一年以上の歳月をかけて上昇していくためであった。患者はこの間に抗ウィルス剤を投与し安静にすごしていれば自然に完治するものであった。
あるときこのウィルスはレイティアの支配階級である異能者にとりついた。異能者はある星からオルレアへの岐路途中で感染した。もちろん宇宙船には抗ウィルス剤が十二分に用意されていた。投与され完治までは時間の問題、となったとき宇宙船に住まう二千もの知性体はこぞってこの支配者を見舞った。そして…
第三話 死の序曲

やや影を落としていた医師は、思い直したように笑顔でこう応えた。
「結果は良好の…ようです…」
思わず言葉がとぎれる。
「はぁ?良好のようですじゃと?」
宇宙船で唯一の異能者である老獪なオルレア人は敏感に察知した。医学の発達したレイティアでの治療は極めてすばやく、医師は○日までですよ、もしくは○日の夕刻までの辛抱です、など神経質な医師ならそれこそ秒単位まで完治予測がたてられるほどの返答が通常である。それを…
「このワシは優れたテレパスとは言えんがこれほど傍にいるあんたの抱いたイメージくらいは感知できる。何がひっかかるんじゃ?これはあのヴェロア・ウィルスであろうに。何の心配があるんじゃ」
自分でも説明がつかないくらいの、そう、言ってみれば経験による疑念程度でしか感じなかった医師は返答にとまどった。これでもレイティア屈指の実力をもち、この船のオルレア人専属医師として雇われた誇りもある。下手な憶測はできない…
「体温に変化がないんです」
事実を言葉にすることにした
「感染から抗ウィルス剤を投与しましたが体温に変化がありません。感染がおよそ3日前、投与まで自覚症状がでなかったため3日分の体温上昇0.03は確認できました。ところが投与後これまで一週間変化がありません」
事実を並べながら原因を探る…
「計器の故障も考えられますが、これほど明確に変化しないという検知結果からいくと確率はかなり低くなります」
「つまりどういうことじゃ?」
オルレア人のテレパス能力は、低位であるがゆえに医師の不安だけは明確に感じとっていた。それは確信に近いものであった。医師は異常をハッキリと捉えている!
「投与量に問題があったかも知れません、再投与を試みます。現状のままでもあと半月もすれば首都につきます。ヴェロアは遅効性のウィルスですから…」
…ご心配なく、医師はこの言葉を飲み込んでしまった。異常ははじまっている。過去の結果などすでにアテにはならないのだ。かれの頭脳が危険信号を発している。ヴェロア・ウィルスは伝染性のないウィルスだが…これこそ過去の事実にすぎないのだ…
第四話 ヴェロア・ウィルス特異体

老獪なオルレア人は低位のテレパスであり
本来の力はテレポート能力であった
自らをイメージした場所へ転移できる能力である
彼は未開の地E377星系での探査チームを指揮し
レイテアでも有数の異能者チームを率いていた
そこで感染したヴェロア・ウィルス。

ウィルスは異能者に出会い、その力をコピーした

低位のテレパスとテレポート。
投与された薬剤をさけるため目の前の有機体に逃れていった

そして最悪の事態が起きる…
次々とテレポートしたこの特異体は
様々な異能の力をコピーし、その姿を変えていった
最後に出会ったのはタイムトラベラーであった
時間を超える能力。
それは短時間での増殖を意味していた…
第五話 レイテア生物学大全第4巻第七章 タイムトラベラー

我が国には様々な種族の異能者が在居している
タイムトラベラーと呼ばれる能力もそのひとつである
タイムトラベラーといっても実際に個体が時間移動できるわけではない。
ある一定の対象物に作用する治癒能力の一種である
その区分は特性から以下に二分される
甲種)促成作用
乙種)原状復帰
いずれも、例えば裂傷の治癒において外見上同様の効果をもたらす。
だが甲種)においては治癒能力を高めるため、裂傷が完治したその細胞はまったく新しい細胞であり、傷を元通りに治す=時間を戻す、という俗説から生まれたタイムトラベラー本来の意味合いからは実は似て非なるものになっている
また、乙種)においては文字通り時間を元に戻すものであり、回復した細胞は以前失われた過去の細胞である
第六話 航海日誌

K021暦39044
第二十七探査船 ライハルト号 船長ミューゲル

首都オルレアまであと10日
機関に損傷なくいたって順調な航海である
機関は、である
乗員2017名のうち今日まで32名のヴェロア感染症が判明した。軽微なウィルス感染ではあるが、船医ピアルモ博士によると、どうも感染したヴェロア・ウィルスは特異体であり、通常の感染症ではないらしい。
最初に感染したブラハム・テイラー氏を見舞った28名と氏の専属医であるピアルモ博士を含む3名の医師が次々に感染。
ブラハム氏に接触した者は乗員の約9割以上にもなるため、ただちに全乗務員に対しヴェロア・ウィルスへの緊急検査を実施した。
新たな感染者はでなかったものの、通常では空気感染しないウィルスの感染ルートが特定できないため、32名の隔離に踏み切る。
幸い遅効性ウィルスの特性は保っており、首都中央病棟までは無事引渡しができる状況ではある
また、感染者も大幅な変化は見られず日常の生活に支障をきたしてはいないため、中でも感染した医師4名が中心となって治療にあたっている。
ただ唯一望みであったタイムトラベラーであるネアド准将が感染、昏睡状態に陥った。彼は甲種トラベラーであるため治癒への助力となる鍵だったのだが残念である。さらに彼だけが昏睡状態になる理由もいまだ判明していない。
航海は残りわずか、何としても現状は維持しなくては。
第七話 航海日誌2

K021暦39051
第二十七探査船 ライハルト号 船長ミューゲル

首都オルレアまであと3日
機関に損傷はなくいたって順調な航海である
ヴェロア・ウィルス隔離から7日
感染者32名のうち
一人目の犠牲者が出た
ネアド准将である。
准将は感染直後から昏睡状態に入り
ついに帰らぬ人となった
准将は先のグストー星系における先住民族との戦いで数少ない生き残りの一人であった
歴戦の勇士が病魔によって倒れることとなった…

感慨はさておき、問題はなぜ短期間に悪化したのか?である
そしてこれについてはブラハム氏が非常に興味深い見解を伝え聞いている。氏の見解とは

『この船に存在するヴェロア・ウィルスが特異体であることは疑う余地がない。ネアド准将が昏睡、末期症状をたった7日で発症したことについて、推論がある。このウィルスは学習している。コピーと言えばいいだろうか。発症源であるこの私の遺伝子はおろか異能の力までも、である。このテレパスによって他へ感染し、准将に至るに恐るべき繁殖能力をコピーしてしまった。もはやこのウィルスから逃れる術はない。』

この見解が正しければ隔離した患者の命はなきに等しい。いや船員2017名すべてが危機に晒されている。テレパス能力を隔離することはできないのだ。まだ隔離された船員への感染は認められていない……
学習するウィルス…。ウィルスは自らの繁栄を望み、母体である保菌者の死亡によって自らを滅ぼしてしまう。だがテレパスによる転移を覚えてしまえば、その矛盾した働きは意味をなさなくなる。おそらく彼らは次の母体を見つけるだろう。
第八話 グストー

呪いは確実に広まっている
我々グストーの敵に死を!

生き残りのグストー人には強力なアンチテレパス能力を持つ異能者がいた。その彼らが制圧者に反撃を企てた。

呪いはもはや止まらぬ
術を知りえても時が許してはくれぬ
第九話 異能者の船

「どこまで近づける?」
オルレア人特有のダークグリーン・アイを持つ、船長かつ所有者でもあるキール・テイラーが問いかけた。

「母星から727アミル内は99.9%の死滅が推察されます。危険率が50%を割り込む星は1061アミル離れている惑星ブルークです。もっともここは原始惑星ですから設備の整っているギスト星系を推奨します。3964アミルも離れていますが情報は集積しています」
高低二重の音声を響かせながら航海士TO-1形アンドロイドは淡々と答えた。

「わが星系の7割がすでに失われ、まともに動いているのは1割もないのか…」
スクリーンに映る外宇宙の星々を見ながら思慮に入る。ひとつひとつの光点を追いかけ思考をまとめる。

「よしっ針路はブルークにとれ、ただし途中ギスト星系と交信がとれるエリアをかすめろ。四半日含めればいい。そこで情報を取る。」

「了解しました。到着…」
機先を制し、キールはウィンクして見せた。
「君の計算に任せる。交信エリアにはいったら呼んでくれ。しばらくオペレーションルームにこもる。」
キールは手元のスイッチをはじく

「船内のアルファ・スタッフに告ぐ、ただちにルーム・ゼロに集合されたし。今から…15イミット後だ」

この船には若きリーダーを含めたオルレア最高峰の異能者7名が同乗している。辺境惑星における時空壁の調査にいっていたのだが、十分な結果は得られなかった。非常に弱い通信波はキャッチしたのだが、今はそれどころではない。叔父を含め母星では多くが命を落とした。まだまだ広がりを見せている。我々の手で止めなければ。
幸い我々全員がアンチテレパス能力をもち、すでにアンチテレパス・リングの開発にも着手している。乗員は300名を少しこえたところだが、優秀なスタッフは揃っている。

ルーム・ゼロにはアルファ・スタッフが集まりはじめた…
第十話 ルーム・ゼロ 0イミット後

「失礼いたしました」

二番目にやってきたのはテレポーターのヘルツ・ヘルツ。
いつも貧血で倒れそうなほどの青い顔をしているが、カナル人の中ではとりわけ血色がいいほうだそうだ。

異常に礼儀正しく冷静。滑稽なほどである
しかもテレポートでいきなりやってきて
「失礼いたしました」とおじぎするもんだから。
礼儀正しいと呼べるかどうか少し疑問である。

「おはようございますディレックさん。あなたはあいかわらずここが好きなんですねえ」

「360度船外モニターはここでしか見れないからな。それにここは"落ち着いて変異"できる。ここを設計したオルレア人はわしと同郷なんだ。彼はプラントスのことをよくわかっとる」

変異体質のディレック・ハントはオルレア特有の観葉植物に変異している。どんな姿にも変えることは可能だが、機嫌がいいと"落ち着いて変異"してしまうため、変異生物であるプラントス特有のオレンジカラーが表にでてきてしまう。今は部屋の中央に見事な花を咲かせていた。

「いつも疑問に思うことなのですがひとつよろしいですか?」

カナル人は大きな目をキョロキョロさせながら観賞している

「ディレックさんの本当の姿はなんなんですか?」
第十一話 双子のテレパス

オレンジ色の花が次々とグレー色に変化し、ひとつの塊となってテーブルの下に滑り落ちた。ふと気づくとそこには初老のオルレア人が立っていた。

「やれやれ落ち着けんな。」

「ヘルツ、お年よりは労わってあげないとダメですわ」
高低二重音を響かせて双子のテレパスが入ってきた。一人はくすくす笑っている。この船のアンドロイドと比べようもない魅力的な響きをおびている。

「マイレさん、プラレさん、こられましたか。おはようございます。」

双子のテレパスはマイレ・トリアスとプラレ・トリアスと言う名をもっていた。マイレは受信系テレパスの能力に優れ、プラレは発信系のテレパスに優れていた。受信系とは相手の意識を読む能力であり、発信系とは相手の意識を誘導する能力である。

「おはようヘルツ(おはようディレック)」
二人は同時に違う名を呼んだ。マイレがプラレの意識を読んで気を利かせたのである。いや、彼女流の悪戯でもあった。現にくすくす笑っている。プラレは少し困った顔をしている。いつものこととは言えマイレだけは自分の思い通りに行かないのだ。先読みされると意識操作もきかないのだ。正に天敵であった。

ルーム・ゼロは和やかなひと時をすごしはじめていた。
第十二話 バクスター夫妻

「どう思って?」
小柄で敏捷な体つきのテレキネスが問いかけた。

「さっき入港したのは皇室緊急通信用の追跡ポッドだ。キールの口ぶりからして母国に何かあったに違いない」
いかにも頑丈な巨躯をもつタイムトラベラーが答えた
彼は同じ異能を持つキールと違う種であった。

「あれだけ好奇心をかりたてられた時空壁を放り出すくらいだから、よっぽどでしょうねぇ」

二人はキール率いるアルファ・スタッフでは攻・守の両端に位置していた。常に最前線で身をさらし、幾度もその生命を危険にさらしていたフィンが、その命の灯火を懸命に守ろうとする甲種タイムトラベラーに惹かれたのは自然な流れでもあった。やがて二人はアルファ・スタッフで唯一のツインルームに同居することになった。

「いずれにしても我々はキールに従うだけだ」
ダズは軍隊出身者らしく規律を守り、愛国心旺盛、とくにこの船の船長であり、レイテア国の第八継承者でもあるキールを心から尊敬していた。この世にキールが誕生してから片時も離れたことはない。幼き頃から成長をこの目で見てきた。それは驚きの連続でもあった。

「そうね。でもキールがもっとも頼ってくれるのは我々なのよ。従うだけではダメだわ。よきパートナーにならないと。私たちのように」

少しだけ二つの影が重なる…

「さぁゼロへ。みなが待ってる」
第十三話 ルーム・ゼロ 15イミット後

時間きっかりにダークグリーンの瞳を覘かせた。

「さぁ、お楽しみの時間だ。」
キールはいつもこうはじめる。イ・ア34小惑星帯でアルファ・スタッフ全滅の危機に瀕した作戦前も同じ口調だった。

「結論から言おう。我々は今絶滅の危機に瀕しているレイテア国を救うべく難敵に立ち向かわなければならない。そして今、その星域に向かいつつある。まずはこの状況を知ってもらおう。」
キールは壁の一部をスクリーンに切り替え、母国からの通信ユニットを操作した。

スクリーンにはレイテア国の老臣デスリング・テイラー氏の姿がうつる。キールの曽祖父にあたる。
「……親愛なるキールへ。この通信が私の最期の姿となろう。……もはやこの国を救えるのはそなたしかおらぬ。…キール、レイテアを…いや、この銀河を救ってくれ。……」

画像が乱れる。かなり性急に準備したらしい。

「……今から三ヶ月前、首都オルレアに…既知のウィルス、ヴェロアの特異体が持ち込まれた………入港した探査船乗員すべてが感染しており、我々はすぐさまこれを隔離した………だがこのウィルスにはテレポート能力が備わっており、探査船の医療ログを確認したときにはすでに隔離病連および宇宙港全域に広がってしまった……予防線を張る前に多くの船が……感染したままオルレアをとびたった……我々の想像をはるかに超えた速さで感染は広がり…今やレイテア全土の9割にも及ぶ……時はまってくれない…何とかこの通信ポッドに最新のデータを送り込んだ…ギスト星系にいる辺境担当相レズウェルに助力してくれ…この地がレイテア唯一の聖地となっている……温和な彼には酷なことだが、星系を孤立させるため残りの戦力すべてを……同国民にむけている………時が来れば戦乱はおさまろうが、それは一方の避けがたい死をもってして、だ…キールよ、頼む……」

突如通信は途切れた。
第十四話 キールの考察

ルーム・ゼロを離れたアルファ・スタッフはそれぞれの役割を全うすべく動き始めた。

キールは自室で考えをまとめていた。

ヴェロア・ウィルス特異体…
テレポート、テレパス、そして甲種タイムトラベラー
繁殖本能…果たして転移は本能か?
起点母星オルレア宇宙港、レイテア最大の港…
ヒューマノイドのみの感染
特に我々オルレア人への感染率は高い
すべてが特異体とするには
感染速度に緩急がありすぎる…
最初の犠牲者はネアド准将…キーとなる異能者…
そして叔父のブラハム、曽祖父デスリング
ヴェロア唯一の弱点でもあるアンチ・テレパス
最高峰ともいえる異能者は母星から最も遠隔地にいた
レズウェルもアンチ・テレパス能力は高い…
同国民での争い
9割の感染
時がない…

キールはあることに気づいた…

もしこの俺が大国レイテアを攻めるとしたら…
ヴェロア・ウィルスという武器があったのなら…

瞳の奥にあるイメージが浮かぶ…

意識を感じる…最小単位の生命体であるウィルスに!
繁殖本能とはまったく別物の、巧妙な意識が…
これは問題のおわりではない…むしろはじまり、序曲だ!
第十五話 氷の惑星ブルーク

ギスト星系で得た情報はキールの推理を裏付けるものとなった
オルレア宇宙港を筆頭に
数々の宇宙港での異常な繁殖・感染がみうけられた

再びルーム・ゼロ…

「やはりこのウィルスの背後から敵意を感じる」
推論がもはや確信に変わりつつある

「最初の感染者ブラハム氏、そして犠牲者ネアド准将。おそらく狙われたに違いない。いや最初の標的として選ばれた…」

「お二人とも個性の強いお方ですから。特にネアド准将は歴戦の兵でございましょう。さっぱり検討もつきません」
大きな目がぐるぐると動き出す

「でもヒントはあるわよ。仮想敵対者はアンチ・テレパスに優れていた…」とフィン。「あれだけの感染力を発揮できるウィルスを完全に防ぐ手立てはこれしかないわ。」

………しばしの沈黙が流れる………

ダズがその巨躯から考えられない素早さで立ち上がった
「グストーだ!グストーに違いない!」

「グストー?ふむ、一理ある」驚いて一瞬グレー色にそまりヒューマノイド形態を崩してしまったハントが賛意をしめした

「マイ、叔父の感染直前の動きはわかるか?」

さすがのマイレはもう先を行っている、キーボードを叩き軌跡を宙航図に映しだす。

「グストーの版図内だ」とダズ

スクリーンに描き出された軌跡にグストーの領域が重なる…

「第二のヴェロアが存在するのか?については、おそらくここまでの動きから可能性はきわめて低いように思う。ならば、アンチ・テレパスリングの装着さえしていればヴェロアの駆逐は可能だ。問題があるとすればグストーの干渉だ」

フィン「陰湿な幽体種族なんか捻ってやるわよ」

プラレ「存在自体をテレパスでつぶしてやる!」

おそらくレイテア史上最強の女異能者二人が息巻いた。この二人にすごまれると誰もが逃げ出すであろう。

マイレは物言いたげなキールを目で制し、スクリーンに目的地を映しだす。

マイレ「氷の惑星ブルークです。現地のヒューマノイドはオルレア移民と原始種族ツア族ですが、おそらくオルレアの民は望み薄です。身体的に有利なツア族ですが、異常な寒さと冷気が絶滅の歩みを遅くしているだけにすぎません。」

スクリーンにはブルークの映像が次々と映し出される。極寒の惑星。ツア族はマイナス200度にも耐え得る肉体をもっていた。姿はちょうどダズを毛むくじゃらにした感じだ。勇敢さタフさではレイテアでも有数の種族である。確かネアド准将の配下にはブルーク出身者が多いと聞く。

「まずはこの星から攻勢開始だ!ツア族を救うぞ!」
第十六話 見えない敵

「…完全に…見…失った……わね………」
肩で息をしながらフィンがようやく言い終えた
惑星に着いた途端、姿が見えないことを武器にグストーが先制をかけてきたのである。この攻撃により母船の機関部を半壊され、半数以上の仲間が船内に閉じこもることとなってしまった。
それでもフィンとプラレは持ち直し、ようやく逃避させたのである。

「ごく弱いテレパスを感じます。まだ数体が様子を見ているようです、気をつけてください」
双子の目が空を捉える

「ダズ、先にフィンとマイを連れてツア族に合流してくれ。敵は力を結集させ我々を弱体化させるようだ。どうも母船のアンチ・テレパスリングが気になるらしい、想像以上に個体数が揃っているようだぞ」
キールはフィンがすり潰した幽体グストーを再生し、相手の遺志を読み取ろうとしていた。

「プル、制御エナジー解除だ。いつでも全開できる体制にしていてくれ。多少こちらも影響されるが、味方は俺がカバーする。とんでもない数だ!個体数ではツア族以上だぞ!」
目まぐるしく思考回路が働いていく

キール「ヘルツ聞こえるか?」

ヘルツ「はい。こちらの修理は目下順調ですよ。」

キール「すまないが何人かを増幅ユニットにまわしてくれ、修理よりもこちらを優先したほうがエリアを確保できる」

ヘルツ「わかりました。すぐに対応いたしましょう」

母船左下部から小型ランチが出て行こうとしていた。ダズ達だ。

ダズ「奴等空は飛べないらしい。行動が限定されるようだ。上空から急行する!」

キール「了解。族長によろしくな」

ダズ「早く来てくださいよ。我々は負けませんが、勝つこともできませんから」

静かにランチが上昇をはじめる。天空は黒い雲がではじめ荒れつつあった。っと、遠くで稲妻の音が聞こえてくる。

キール「さぁ、お楽しみの時間だ。」

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