『にじ』の呼びかけに応じて、この公正証書にチャレンジしてくれたカップルがいます。選挙候補者へのアンケートなどで知られる「東京メトロポリタン・ゲイフォーラム」を運営する、ノブさん(28歳)とわたるさん(27歳)です。ノブさんは、「All about Japan同性愛」サイトで「ごく私的☆政治観測」のコラムでもおなじみです。 その証書作成のてん末を、6号で同時進行ルポしたわけですが、じつは公正証書については、以前、3号でもとりあげています。「同性パートナーは、入院・手術の同意ができるか?」です。弁護士や病院のソーシャルワーカーの話を聞くなかで、現場は本人の自己決定を尊重し、かならずしも肉親の許諾にこだわってないこと、本人の自己意志をあらかじめ表明しておく公正証書のやり方があること、などをお伝えしました。 ところが、その末尾で、近所の中野公証役場で聞いたところ、「そんなものは作れない、(両人の関係が同性愛だとしたら)公序良俗に反するものは……」と言われ、いつか雪辱戦をしよう、と思っていたのです。