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ITER《核融合炉》コミュの核融合炉の安全性について

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コミュ主さんから、トリチウムの安全性などについて聞きたいという要望がありました。
私は専門外ですが、一応理系の端くれってことで、仕事の合間にチョコチョコ書いていこうかと思います。トリチウムに限らず、核融合全般で考えて生きたいですね。

詳しい専門家の方がおられましたら、どうぞ突っ込むなり、先にドンドン書き進めてくださって結構です。
あと、質問はレベルを問わずどなたでもどうぞ。答えられるもしか答えられませんが。

コメント(17)

http://www.hoku-iryo-u.ac.jp/~wajima/sub040909esitritium5.htm
とりあえず、この辺を参考にして、

http://env01.cool.ne.jp/ss03/ss03039.htm
この辺の反対論を検証してみようかと思います。

ちょっと仕事があるので、投稿まで時間が空きますので、お手隙の方は読んでみてください。
では、まず核融合反対論の安全性に関する点を見ていきます。

http://env01.cool.ne.jp/ss03/ss03039.htm
>?.ITERは原発以上に危険
>【ITERで扱うトリチウムは3キロ、核兵器工場並】

専門家は自分の専門以外の分野に関しては、意外と無知だったりします。
上記の文章を書いている人も、きっと自分の研究分野では立派な仕事をしている方なんでしょうが、核兵器のことは専門外なんでしょうね。
もちろん私も専門外ですが、兵器とかに興味がある分、少しマシなのかも。

で、まず突っ込むところは水爆に充填するトリチウムの量とITERで扱う量を単純比較している点。水爆のほうは核融合を起爆するときの火種でしかなく、だからこそ3gという少量で済んでいる。一方、ITERではメインとなる燃焼剤なので、いわばマッチとガソリンタンクを比較しているのに等しい。
つまり、自動車はマッチの何千倍も危険だ、ということになる。
こんな馬鹿な話はないので、ここは笑うところと理解しておきましょう。


>【燃えない物を無理に燃す固有の危険性】

核融合の燃料を「燃えない物」と言うのは言い過ぎで、せいぜい「燃えにくい」くらいにすべき。

> この1億度という温度は、真空槽の中の重水素とトリチウムの混合気体を加熱してイオン化(プラズマ状態)にし、これに強力な磁場を掛けることによって得られる。問題はこの無理から始まる。この磁場にはTNT火薬約60トンのエネルギーが溜まっている。この磁場は超電導磁石によって得られるが、超電導は不安定状態だから、クエンチといって突然一部が崩れて安定な常伝導になることがある。そうするとこの場所で熱化が進み、液体ヘリウムが気化して爆発し、装置を壊す可能性がある。

クエンチは確かに注意が必要な点ですが、対応策はあるはずですし、致命的とも思えません。
なぜなら、JRが進めてるリニアモーター新幹線などは、まさしくその超伝導コイルの上に人を乗せて、時速500kmで走るからです。
で、ジェイアール式マグレブで引くと、やっぱりありました。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%AB%E5%BC%8F%E3%83%9E%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%96
>宮崎での様々な工夫・知見は、山梨実験線MLX01の超電導電磁石に結実し、クエンチ皆無となり、即実用可能な状況となって久しい。

というわけで、通常の運用で突然クエンチが起こる、というリスクは問題にならないくらい低いといえます。

以下はITERの構造に絡むので、上記の構造図を参考にしてください。

> また、プラズマにはTNT火薬約1トンに相当するエネルギーが溜まっている。このプラズマも不安定で、しばしば崩れることがある(ディスラプションという)。この時、瞬時にエネルギーが放出されて、真空槽の壁を壊せば、内蔵しているトリチウムを全量大気中に放出することになる。

確かにこのディスラプションはトカマク型核融合炉の弱点ですが、同時に研究が進んでいる分野でもあります。近年ではディスラプションを起こす原因なども徐々に解明されてきており、ITERでも大きな目標になってます。
そもそもITERは実験炉であり、こうした諸問題を研究して解決するために建設されるのであって、問題があるからダメだというのは本末転倒です。
また、ディスラプションのような課題克服のための実験は、サテライト・トカマクと呼ばれる小型の実験炉でまず行い、その成果を踏まえてITERでの実験となるわけです。言い換えれば、各種の危険性を取り除き終えるまでITERで核融合に点火することは無いわけで、ありえない状況を批判しているに過ぎないといえます。

また、「TNT火薬約1トンに相当するエネルギー」と言うのも怪しいですね。炉心のプラズマは、実際には限りなく真空に近いほど希薄なので、1gしかありません。そのため、何億度という温度にもかかわらず、炉壁に衝突しても表面がわずかに溶けるだけです。
ただ、プラズマには電流も流されていて磁場も発生しており、これが瞬時に解放されるため、かなりの衝撃は発生するようです。しかし、これは構造を丈夫に作れば回避できる問題です。
何よりも、構造図を見れば分かるとおり、プラズマと真空槽の間にはブランケットという壁があり、直接触れることはありえません。

>核融合で発生する中性子の数が、発生エネルギーあたり原発の4.5倍もあり、しかも、発生する中性子のエネルギーが、核融合では14Mev(ミリオン・エレクトロン・ボルト)であって、核分裂の6倍もある。そして、原発ではこの中性子は冷却水などで消費され、またエネルギーは1億分の1程度に減速されてから原子炉の壁に衝突する。ところが、核融合ではこの14Mevの高エネルギーの中性子が全部いきなり真空槽の壁に衝突する。これによる装置の放射化と劣化は厳しいことになる。

前述のとおり、プラズマと真空槽の間にはブランケットという分厚い壁があります。発生する中性子のほとんどは、この壁が受け止め、発電のための熱湯を沸かしたり、リチウムから燃料となるトリチウムを生成したりするわけです。
真空槽に当たる中性子は、ブランケットをすり抜けたごく一部に限られますし、当然エネルギーもそがれます。決して、発生した全ての中性子が直撃するわけではありません。
放射化が懸念されているのはこのブランケットであり、この部分は消耗品として交換可能なように作られています。

>したがって、核融合では真空槽の痛みが激しく、短期間に真空の維持ができなくなって、プラズマの温度が上がらなくなる。そして、無理に使えば真空槽の破壊となる。

というわけで、上記の部分は真っ赤なウソということになります。

>この14Mevの大量の中性子は、核融合反応でなければ得られないから、ITERの真空槽が何回の核融合実験に耐えられるのか、まったく分かっていない。

この部分は、真空槽をブランケットに置き換えれば正しい。ただ「分からないからこそ実験が必要だ」というのを否定したら、科学者としてダメでしょう。
もっとも、ITERには間に合わないものの、こうした炉心材料専用の研究施設が計画されており、ITER以降の実証炉・商業炉ではさらに進んだ素材が使われるのは確実です。
国際核融合材料照射施設
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E6%A0%B8%E8%9E%8D%E5%90%88%E6%9D%90%E6%96%99%E7%85%A7%E5%B0%84%E6%96%BD%E8%A8%AD
長くなるので分けました。

> その結果、真空槽は短期間の運転で放射性廃棄物になってしまう可能性がある。

前述のとおり、真空槽の放射化はブランケットによって遅くなります。

>ITER計画では、その量は運転終了時に、7万5千トンと発表された。設計変更の半値ITERでは3万9千トンというが、放射化した鉄材は真空槽だけでなく、周辺構造材や機器も廃棄物となり、またその他超電導材のニオブやコンクリートなどを含めればとてもその量では収まらないであろう。20年間使用すると言っているが、その場合おそらく一年に数回程度しか核融合実験はできないであろう。

まるで、それらの全てが同じように強く放射化するかのような書き方ですが、当然ながら放射線は距離の2乗に反比例して減ります。つまり、プラズマから1mの位置にある機材に比べて、2mの位置にある機材が受ける中性子の量は1/4になります。4mなら1/16、8mなら1/64。
つまり、その数万トンのうちの大部分は、極めて低いレベルの放射性廃棄物となります。
そして、あらゆる種類の放射性物質が生じる核分裂に比べれば、機材の素材を選べるだけ対処も楽になります。

> 高エネルギーの中性子による影響だけでなく、物体に多数回衝突して低エネルギーになった中性子も一筋縄ではいかない。この中性子の漏れだしを約2メートルの厚さのコンクリート壁で防ぐという。しかし、壁を2メートルのコンクリートにすることはできても、広い天井のコンクリートは重くて、とても2メートルの厚さにすることはできない。そのため、中性子は宇宙に向けて漏れ放題で、上空を通った航空機の乗客は被爆することになる。そのうえ、この中性子は大気中の水蒸気の水素原子に衝突して地表へ逆戻りし、住民を被曝させる。これをスカイシャインという。

こちらも距離の問題。空港や民家の間近に融合炉を造るわけではありませんから。
巡航中の旅客機は、高度数千mを飛ぶので、真上を通ったとしても極めて少量で、しかも一瞬です。むしろ、頭上から常に降り注いでいる宇宙線の方が問題でしょう。

> それだけではない。低エネルギーの中性子は、普通の気体と同じ挙動も示し、配管の中を伝わって流れ出る。ITERなどの核融合炉は原発では考えられないくらい膨大な数の配管が、炉室との境のコンクリートを貫いているので、漏れ放題ということになる。

そこまで中性子のエネルギーが落ちたら、危険性もそれだけ落ちているわけですが。

> これらの対策をするには、膨大な予算が必要である。

さて、その予算の根拠が非常に怪しいのですが。
ようやく、トリチウムに関してです。

トリチウムとは三重水素のことです。通常の水素は陽子1個の原子核なのに対し、陽子と中性子1個ずつで重水素、陽子1個+中性子2個で三重水素となります。重さ以外の化学的な性質はどれも同じです。
核融合炉ではリチウムという元素からトリチウムを作りますが、この二つはまったく別の物質です。
トリチウムはβ線という放射線を出しますが、これは非常に貫通力が低く、平均すると大気中では数センチ、水中ではわずか0.56ミクロンしか届きません。
というわけで、体のすぐそばにトリチウムが大量にあったとしても、全く危険性はないといえます。

>【トリチウム被曝のメカニズム】
> しかし、これが体内に入るとどうか。

ここからが本題。

>その一部は、生体反応によって、脂肪や遺伝子など体組織に取り込まれる。こうなるとなかなか排泄されない。特に、遺伝子に入ったトリチウムは、遺伝子を直接被曝させる。

さて、細胞核の直径は数ミクロンのオーダーですから、本当に危険なのは人間の遺伝子そのものにトリチウムが取り込まれた場合です。また、牛や豚、魚類などのたんぱく質や脂肪に取り込まれたものも、食物連鎖で濃縮される可能性がありますし、それらが人の体内で遺伝子の材料になる可能性はあります。

というわけで、危険性があるのは確かですが、問題はその程度です。DNAが傷ついたとしても、それがそのまま癌などになるわけではありません。DNAは2重螺旋になってますから、その片方が壊れてももう片方の情報を元に自動修復されます。両側が破壊されて初めて癌などの異常が発生しますが、その数が少なければリンパ球などに食われて消滅します。

>【トリチウムの危険性】
> ICRPのトリチウム水の許容濃度は、1ミリリットル中に0.05マイクロキューリー(0.05μCi/ml)である。(キューリーとは、放射能の量の単位。近年の表記ではベクレルを使う。1Ci=3.7×1010ベクレル)。
> この許容濃度では、次に述べるような危険性があって(放医研、第9回環境セミナー報告書、1981年12月他)、安全は保証されていない。

とか言いながら、許容濃度の10倍での実験で突然変異が自然発生の4倍という結果を示してます。10倍の濃度で4倍の変異なら、許容濃度では何倍なんでしょう? あまりにも恣意的な表現でクラクラしてきます。

>【困難なトリチウムの閉じ込め】
> トリチウムは、冷えた金属容器に閉じ込めることができるが、熱した金属ではザルと同じで、自由に通過する。

ザルは言い過ぎ。実際に、水素ガスを冷却触媒に使う発電所が運転されており、水素が漏れないように高圧の流体を流して遮蔽する技術が確立されてます。

> 核融合すればプラズマは発熱するのでこれを冷却するために熱交換器が必要となる。核融合燃料として使用したトリチウムは、大部分が未反応として残るので、そのトリチウムはこの熱交換器の隔壁から常時漏れ出すことになる。

これもウソ。プラズマとの直接の熱交換なんてできたらノーベル賞物です。
実際には、プラズマから飛び出した中性子をブランケット内の液体リチウムで受け、高温になった液体リチウムが熱交換器を流れます。そのとき、生成されたトリチウムが熱交換器の冷却剤に漏れ出す可能性はありますが、冷却材が加圧してあればその量は大幅に下がります。
>【トリチウム回収には莫大な費用が必要】
> 空気や冷却水に混ざったトリチウムを回収する技術がないという訳ではない。しかし、それには莫大な費用が必要となる。したがって、室内や冷却水に漏れたトリチウムはこれまで全量放出していた。

では、どのくらいの量でしょうね?

> 米核兵器工場の場合、何回もトリチウム漏れの事故を起こしている。たとえば、1984年のサバンナリバー工場事故の場合、トリチウム5グラム(5万キューリー)を室内に漏らしたが、全量を60メートルの高さの排気塔から砂漢に放出した。

5gですからねぇ。そんな微量のガスを全部回収するのは、さすがに無理です。
そして、水素の3倍重いとはいえ、ヘリウムより軽いガスですから、あっという間に空高く舞い上がって拡散してしまいます。そして、トリチウムの半減期は12年。24年で1/4に減ってしまいます。それまでに魚や家畜に取り込まれ、ヒトのDNAを破壊しなければならないのです。
それが可能なのは、かなり幸運なトリチウムだけでしょう。

>【カナダ原発、米核兵器工場周辺でがん多発】

これも、まるで原因がトリチウムだけのような書き方ですが、原発も各兵器工場も、トリチウム以外のより放射能の強い物質を撒き散らしているわけです。

>核兵器工場ローレンスリバモア近郊で、皮膚がんが他の地域の6倍という著しく高い割合で発生していることが明らかになった(朝日95.9.20)。疾病管理センターは原因不明としている。がんの発生数が、放出される通常の放射能ではとても説明できないのである。残る原因は、やはりトリチウムしかない。

そもそも、トリチウムがDNAにダメージを与えられるのは体内被曝の場合です。ということは、皮膚がんだけが高くなるのは変ですね。

>アメリカ核工場や研究所14の施設の調査によれば、22種のがんが通常よりも高い確率で発生していることを政府は認めた(朝日00.1.30)。通常の放射能漏れの影響としては説明できないから、これも原因はトリチウム以外に考えられない。

というか、そもそも発癌の原因は放射能だけではありません。各種の天然・人工の化学物質がある上に、ストレスも癌を引き起こします。「通常の放射能漏れの影響としては説明できない」なら、まずそちらを疑うのが常道。
核を扱う施設が近所にあれば、それだけ精神的ストレスは高まりますし、放射性物質以外にも発ガン物質が漏洩している可能性があります。
7は画像貼り忘れのため削除しました。

>?.そもそも核融合発電は実現不可能

ここから、いかに核融合が困難かをあげつらってますが、もはやナンセンスの極みです。
卑しくも、科学を志す者ならば「困難≠不可能」ということぐらい自覚して欲しいもの。

>【プラズマ安定化に失敗、実用化は無理】

例のディスラプションを取り上げてますが、前述のとおりこの現象が制御できて初めてITERでの点火実験が行われることになります。
この文書が書かれた2001年には原因不明だったディスラプションですが、ここ数年で着実に研究が進んでいます。そして、ITERの慣性は10年後。点火実験は20年後です。それだけの未来に、どれほどの進展があるか、むしろ楽しみになりませんか?

>それだけではなく、プラズマが消滅した時、プラズマの中にはTNT火薬1トン程度のエネルギーがあり、これが瞬間的に解放されて、真空槽の壁に熱衝撃を加え、これを減肉する。

またもや、核融合炉の構造に対する誤解が。熱衝撃を受けるのは主にブラケットで、これは交換可能な消耗品。

>【真空槽の修理作業も無理】

> すでに述べたように、核融合の中性子は、エネルギー強度と量の両方で原発の比ではなく、DT反応で出る14Mevの強烈な中性子に耐えられる炉壁材料もない。また、すでに述べたように真空槽の壁はディスラプションによっても塑性変形や熱衝撃を受けて劣化する。

何度も繰り返しますが、真空槽ではなくブラケットです。

> さらに、プラズマに存在する熱はダイバータと呼ばれる装置に集められるので、このダイバータの劣化は激しい。したがって、真空槽の壁やダイバータは消耗品となるため、頻繁に交換しなければならない。

ここも、「真空槽の壁」をブラケットに置き換えれば正しい。
しかし……

> 一方、核融合による中性子は、真空槽の装置全体を放射化する。これも原発とは桁違いに大きい。したがって、この交換修理作業は、作業員を被曝させることになるので、人力ではとても無理で、すべてロボットを使う必要がある。

このロボット、既に完成してます。↓および上の画像。
http://journal.mycom.co.jp/news/2003/03/31/13.html

> しかし、このロボットは電子信号によって運転されるが、高い放射線を受けて被曝し、指令を間違え、狂って動き回ることになる。これではとても交換修理作業はできず、実用化はもちろん、ITERの修理さえ無理であろう。

皮肉なことに、電子部品を放射線から防御する技術は、核ミサイルの分野で確立しました。
核ミサイルを核爆発で打ち落とす、というのが前世紀では真面目に考えられてたのです。そこで、核爆発の至近弾でも壊れないようにシールドする研究が進み、とうの昔に実用化されてます。
>【大きすぎて十分な加熱も無理】
> 1996年末、アメリカ科学雑誌サイエンスが、ITERのような巨大装置ではプラズマは撹乱され、エネルギーを失い、十分な加熱は無理という記事を書いて、核融合の研究者をあわてさせた(Science96年12月6日号p1600)。この内容をサイエンス誌に伝えたのは、テキサス大学核融合研究所のドーランとコチェンロイターである。彼らが計算したところによれば、ITERは巨大過ぎて、小さいトカマク装置では問題のなかったプラズマの乱れを制御できず、核融合に必要な加熱ができない、というのである。

これは酷い。酷すぎます。
5年前の研究、しかもシミュレーションでの結果で、将来の全ての可能性を否定しようとしているわけですから。
しかも、実は次の言葉と矛盾します。

>元電力中央研究所研究員で、現東京大学教授の山地憲治氏は、「大型装置による実証はできるだけシミュレーション(計算)で代用するなどの工夫が必要であろう」と述べている(山地憲治、原子力eye,1998年9月号)。

シュミレーションでプラズマの挙動が予測できるのであれば、制御能力を上げることが可能となります。
要するに、本番前にみっちりプラズマ制御の予行演習をすべし、と言うだけのことです。
そもそも、完全な二足歩行ロボットなど、90年代初めには「今世紀中は無理」と言われてました。しかし、ASIMOのプロトタイプが発表されたのは1996年12月。
不可能が可能になる速度は、それぐらい速いのです。

>【心ある核融合研究者にも、マスコミにも見放されたITER】
> アメリカ物理学会核融合部会長として、現大阪大学教授の長谷川晃氏は、トカマク型核融合は時期尚早であって、推奨できない、とエネルギー省長官に意見を述べた。その結果、アメリカは、1997年、ITER開発に参加しないことになった。

長谷川氏のあげた「ダメな理由」は既出ばかりなので省略。

しかし、アメリカ物理学会核融合部会長ともあろう方が、なぜこんな陳腐な反論を?
その答えは、ITER不参加を決めてからアメリカが進めた、レーザー爆縮式慣性核融合、NIF計画にありそうです。そして、大阪大学は日本におけるレーザー爆縮研究のメッカ。
また、慣性核融合の技術は、軍事利用にも結びつきます。

ともあれ、NIF計画もまた難航し、その結果再びアメリカはITERに参加することになりました。
つまり、流れは再びトカマク方式へ戻ってきたわけです。
>V.嘘ばかりついてきた核融合研究者

>【1970年代では、物理学者のほとんどすべてが核融合推進】

自分に先見の明があった、とする自慢話なので割愛。

>【1970年代の核融合推進の理由】
> 地上の太陽。これは、まったくのウソである。太陽の中心の温度は1400万度であって、ほとんど核融合していない。

物理学者の言葉とも思えない発言。
核融合炉よりも太陽の中心温度が低いのは、2330億気圧という超高圧なため。
それに比べたら、数10万分の1気圧という希薄なプラズマでと、たった数倍の温度で核融合を起こすのが、どれだけ優れているか分かるというもの。

>核融合炉は、『地上の太陽』ではなくて、『地上の超新星』である。この超新星の爆発を装置の中で実現しようとしていることにそもそもの無理がある。

超新星ははるかに超高圧で、原子が潰れて中性子星やブラックホールができてしまうほどですが。

> 安価。核融合をするには巨大な装置が必要なことが分かって、そのウソはすぐにばれてしまい、言わなくなった。

巨大とはいえ、有限な規模の施設です。そして、資源自体は、ほぼ無尽蔵。

> 資源無尽蔵、原発よりクリーン、固有の安全性については、すでに述べた。

核分裂の原発よりクリーンなのは、疑問の余地が無いんですけどね。核分裂では強烈な放射線を発するトン単位の核廃棄物が毎年出ますが、核融合で出るのは検出すら困難なほど希薄なトリチウムと、ブランケットなどの低レベル廃棄物ですから。

リチウム資源に関しては、既に世界でトップレベルの日本の環境対策技術が道を開いています。汚染物質を選択的に吸着するフィルター素材の進歩によって、海水に含まれる微量なリチウムを効率よく採取する技術が確立しつつあるので。これが実用化すれば、数千年単位でまかなえます。
http://www.aist.go.jp/SNIRI/publication/news/96/p4.html

>【ITERではなく、怪物・EATER】

単なる語呂合わせによる中傷なので省略。
ただ、下記のみコメントします。

> 1950年代には、10年後に完成すると言っていた。それが、10年研究すると10年完成時期が伸びることになって、

同様なことは人工知能研究でも起きてますが、その成果は着実に実を結んでます。
身近なところでは、デジカメの顔認識自動焦点機能や、パソコンの文章読み上げソフト、日本語でのサーチエンジンなど。
科学の進歩は、常に気がつかないところで地道に行われているのです。

>【核融合は核分裂と本質的に異ならない】

論評するまでも無いので省略。
へげもんさん、ありがとうございます。

調べようと思えば情報はあるもんですね。

科学の未来というか人間の未来について悲観的にじゃないところがよいですね。

柏崎原発の放射能漏れについて未だに“微量”という表現で脅かすメディアが

すごーくイヤな感じがしてる私です。

マスメディアって未だに羽織ゴロの域をでないんだと思います。

今後とも宣く願います。
>?.しかも、低コストlTERはもっと問題

どうも、この筆者は日本の核融合研究者に恨みでもあるのでしょうかね。

>【半値ITERは片肺核融合】
> ITERは、当初計画では、100億ドル(1兆円)計画であった。これを米欧露日の4極で分担することにしていた。しかし、米が抜けると予想され、また実質的には露も抜けて、欧日だけでは負担できない。そこで、何の根拠もなく半額にして、compact ITERと呼ぶことになった。費用の節約で、手抜きすることにしたのである。

根拠はあるんですよ。それも、日本の研究が元になってます。
JT-60では前述のダイバータが初めて導入され、これがプラズマ制御にも役立つことが判明しました。
また、当会研究所の中型トカマクJFT-2Mでは低放射化フェライト鋼の応用で磁場の安定化に成功し、これもまたITERの小型化に貢献してます。
こうした研究成果を全て無視して「何の根拠もなく」と言うのは、科学者のやることなんでしょうか。

>【トリチウムの確保が困難】
> 建設費削減で、このITERではDT核融合に必要なトリチウムを生産しないことにした。そこでトリチウムを全量を購入することになるが、その輸送の危険については何ら考えられていない。

トリチウムは酸素と反応させれば水(トリチウム水)になります。
水からトリチウムを取り出すのは電気分解で済みます。
水がそれほど危険でしょうか? 前述のとおり、トリチウムから出る放射線は水中で0.56ミクロンしか届きません。
しかも、ITERで扱うトリチウムは3〜4kgと言うことですから、ペットボトル数本の水です。
危険性を考えるまでも無いのでは?

> また、トリチウムは、後に詳しく述べるが、水爆や中性子爆弾の材料である。アメリカはこの不足に悩み、原発を改造してトリチウムを生産しようとしている。したがって、簡単にはトリチウムは買えないことになる。その場合、ITERを誘致した国は、自国の原発を改造し、発電効率を抑えて、トリチウムを生産することになる。

そのアメリカもITERに参加しているので、売ってくれないことは無いでしょう。
冷戦が終わって、核兵器を大量生産する必要も減ってますし。

>【かえって高価となる半値ITER】

確かに、巨大プロジェクトが当初の予算どおりに終わることは稀です。ITERも予定の倍額になる可能性はあります。
が、この文書の執筆時に抜けていたアメリカが戻り、ロシアも好況で経済力が増している現在、ここで書いているような危惧は杞憂となってます。
もっとも、将来のことは分からないので、世界同時不況などで頓挫するかもしれませんが。
>?.騙されるな立地点住民

さて、この筆者のような「素晴らしい」科学的反対論者のおかげで、ITERの建設地はフランスに決まりました。
おかげで日本の予算も減り、建設地を譲った代わりにITER計画の指導者は日本が出すことになり、めでたしめでたしです。気軽に見学に行けないのが寂しいですが。

>【3万9千トンの放射能は永遠に地元保存】
> 半値ITERの設計はまだ完成していないようで、どれだけ資源を使うのか、明らかでないから、どれだけ放射性廃棄物が出るかもわからない。

既に6年が経過し、来年から建設が開始するので、現時点では設計はほぼ完了しているわけです。

>通常は、炉の構造材と磁石と機器の3万9千トンと言っている。これは原発の約30倍の放射能である。

「原発の約30倍の放射能」って、何と比べているんでしょうね?
しかも、そのほとんどは鉄で、放射化しても半減期が短いため、100年後にはその放射能は50万分の1になります。
つまり、「永遠に地元保存」というのもウソ。
そして、この放射化は将来の材料研究によってさらに削減できます。また、その研究に必要なのがITERなわけです。

>?.核融合を隠れ蓑にした核武装計画

最後がこれですが、なんかもう突っ込むのも疲れてしまいます。

>【ITERは、水爆開発の口実】

前述のように、水爆一発あたり3gのトリチウムが必要なわけですが……。
もし本当に日本が核兵器開発を進めていて、そのためにITERのトリチウムが必要不可欠なら、なぜあっさりと建設地をフランスに譲ったんでしょうね。
11 2007年10月27日 03:17 あおおに さん

どうもです。

>柏崎原発の放射能漏れについて未だに“微量”という表現で脅かすメディアが
>すごーくイヤな感じがしてる私です。

アレなんて、想定外の巨大地震にあっても、設計どおりに緊急炉心停止ができたのですから、技術的には100点満点でも足りないボーナス大盤振る舞いの快挙のはずなんです。
使用済み燃料の冷却プールが溢れたのだって、そこに漏れ出ている放射性物質は微量だったし。

もちろん、活断層が敷地内に入ってたのは問題ですが、立地調査の不足と原子炉工学自体を混同するのは酷すぎますね。
さて、偉そうに書いてきましたが、私も所詮素人です。
もっと詳しい方の突っ込みは大歓迎ですが、まずは自前で。

>実際には、プラズマから飛び出した中性子をブランケット内の液体リチウムで受け、高温になった液体リチウムが熱交換器を流れます。

ごめんなさい。20年前くらいに見た核融合炉の模式図に惑わされてました。
実際には図のように、ブランケットには固体のリチウムを含んだセラミックの微粒子が詰め込まれ、その間を高圧の冷却水が流れることになります。
発生したトリチウムは微粒子の間をすり抜け、ポンプで外部へ吸い出されます。
ブランケット内のリチウムは当然目減りしていきますが、これはブランケット自体の交換で補充することになるのでしょう。
ブランケットは消耗品ですし。
へげもんさん、詳しい解説ありがとうございます。
勉強になります
>15:へげもん氏
僭越ながら補足しますと、リチウムセラミックによって生産されたトリチウムはヘリウムなどの不活性ガスを流すことで追い出され、トリチウム回収系に運ばれます。

液体リチウム云々に関しては図にあるJAEAのものとは別の概念で、液体増殖(自己冷却)概念と呼ばれます。欧州各国や日本国内では核融合科学研究所(NIFS)がこの方式を研究しています。液体増殖方式のブランケットはトリチウムの増殖能力が高く、トリチウムの増殖と冷却を同時に行えるので構造を比較的単純にできるメリットがあります。

これに対して図のようにリチウムを含むセラミックスをブランケットに充填する方法は固体増殖と呼ばれます。この方法はトリチウム回収系と冷却系を別々に設けなければならないので構造が複雑になりますが、従来の軽水炉やガス冷却炉で経験してきた技術を流用できます。


>ブランケット内のリチウムは当然目減りしていきますが、
確かにリチウムの量は減っていきますが、その前にプラズマに接する第一壁の寿命が来てしまうのでこの点については問題になりません。なお、JAEAが開発中の固体増殖ブランケット概念SSTRでは3年でブランケットを全て交換するとしています。

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