劇場に映画を観に行こう♪コミュのクリード　チャンプを継ぐ男

★★★★★

シルヴェスター・スタローンの出世作「ロッキー」シリーズの主人公、ロッキー・バルボアが、宿命のライバルであり後に終生の友となったアポロ・クリードの息子アドニスをボクサーとして育て上げる物語です。ストーリー的には、アドニスが主人公です。

前作(というべきなのか不明ですが)の「ロッキー・ザ・ファイナル」が、非常に含蓄のある人間ドラマだったので、本作品にも期待していました。
確かに本作も良作ではあったのですが、「ロッキー・ザ・ファイナル」ほどの感動はなかったです。ドラマの盛り上げ方が地味だったと思います。脚本にスタローンがタッチしていない影響が大きいかもしれません。

あと、練習シーンの描き方が明らかに下手でした。主人公があまり過酷な練習を積んでいるように見えないのです。ボクサーとしてのキャリアが遥かに上である対戦相手の方が、よっぽど激しい練習をしているかのようにも見えるのでは、かなり問題がありますよね。「ロッキー」シリーズに必ずあった、過酷な練習をやり遂げて、ついに試合に臨む前のカタルシスを感じさせるシーンも、特にありません。(一応、それっぽいシーンはあるにはあるのですが、特にカタルシスを感じるまでには至っていません。大体、あの例の階段を一気に駆け上がるシーンがどういうわけか全く無いのですから)

ということで、ラストの試合まではいささか盛り上がりに欠けるところはあるのですが、最後の試合はさすがに見ごたえがありました。アポロの姿を知っていれば胸が熱くなるシーンもあり、非常に良かったと思います。映画の締めくくり方も素晴らしいです。

で、一応満点は付けましたが、終盤までが地味すぎな展開なので、この作品に低得点を付けている方がいるのも十分に理解できます。上映中は、後方でいびきのような音も一時聞こえましたので。けっして観て損はなかったですが、BDを買って保存したいとまでは思いませんでした。パンフレットも買っていません。

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