名もなき詩人の詩コミュのナイフ

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mixiユーザー 2018年07月17日 02:49

どうなりたいかを規定できなければ
どんなに錠剤を飲んだところで毒にも薬にもなりはしない
ただはっきりしていることは
言葉があふれなくなった
きっと歯車は正常に静止したに違いない

ナイフを突き出されたらしゃぶりつけ
口の中に滲みだす血を味わうんだ
目からあふれ出す涙を味わうんだ
鉄と潮の味がするだろう
それがお前の中を流れていることを忘れるな

「限界に挑め」
美しくも残酷なコピーが耳から離れない
限界という高き太陽に挑んで一瞬の炎上と栄光を得られるなら
そのあと蝋細工の翼を散らして無様に落下死するのも悪くない
なんてうそぶく

傷つきたくない甘い夢を見ていたい裸をさらす勇気なんかない
限界になんか挑まなくても
長年かけて築き上げた嘘の塔の高さは太陽のそれにひけをとらない
セルフ・ブランディングには余念がない
これを守りきればパブリック・イメージは安泰

その努力を少しでも筆みがきに向けてたら
今頃きっとお前の言葉は輝いていただろうに
今から塔を崩して地に足つけられるだろうか
夢から覚めて裸になって傷だらけになるには
とびきり切れ味のいいナイフが必要だろう

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