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日韓歴史討論コミュの3・1運動90周年に思ふ(1)

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私は、韓国が好きです。韓国の自然、文化、そして人々の人情がとても好きで、これまでに韓国を4回訪れた事が有ります。



最初に訪れたのは、1986年の12月の事でした。30歳に成ったばかりの冬の事でしたが、この初めての韓国旅行で、私は、子供の頃から親しみを抱いて居たこの国(韓国)が本当に大好きに成りました。もちろん、どの国にも良い所と悪い所は有りますし、旅行者が見る物など、その国の表面にしか過ぎない事は事実です。又、当時の私は、若い頃非常に左翼的だった事もあって、韓国に対して、「過去の歴史」に関して、今思へば明らかに間違った観念を抱いて居た事も事実です。しかし、そう言ふ事はともかくとして、この1986年12月の初めての韓国旅行は、私にとって、とても新鮮な体験でした。



その初めての韓国旅行の時、まだ、韓国語も少ししか出来無かった私は、ホテルから出る観光マイクロバスに乗って、ソウル市内を見学しました。そのマイクロバスには、日本で生まれ育ち、韓国に戻ったと言ふ元在日の女性がガイドとして同乗し、日本語で、バスの中から、ソウルの事を色々話して下さいました。


その時の事です。バスが、ソウル中心部に残る李朝の宮殿の一つの前に来た時だったと思ひます。そのガイドさんが、或る門について語り始めました。そして、その際、或る日本人を「先生」と言ふ敬称を付けて呼んだ事に、私は強い印象を与えられました。その日本人の名は柳宗悦(やなぎむねよし)で、そのガイドさんは、彼を「柳宗悦先生」と呼んで、彼とその門の関わりに言及したのでした。


その門とは、光化門(こうかもん)と呼ばれる門です。その門は、李朝の宮殿の一つ徳寿宮(とくじゅきゅう)の正門として建てられながら、最初は秀吉の軍勢に焼かれ、李朝末期に再建されてそこに在った門でした。その光化門が、日本の朝鮮統治時代に、その門が壊される計画が持ち上がった事が有ったのですが、その時、その門を深く愛した美術評論家であり、宗教学者でもあった柳宗悦が、この門の解体に強く反対し、門の解体が中止に成ったと言ふ出来事が有ったのです。その門は、残念ながら、朝鮮戦争の際に焼失し、その後再建されてそこに在るのですが、日本統治時代、当時の朝鮮総督府が、この文化財を解体しようとした事は、明らかに誤った事でした。ですから、その解体計画に反対し、門の保存を実現させるのに大きな役割を演じた柳宗悦氏は立派な人物であったと、私も思ひます。そして、今思へば興味深いのは、当時、まだ民主化が進んで居なかった韓国で、テレビをつければ反日ドラマが映って居た様なあの時代に、柳宗悦は、韓国人のガイドさんから「先生」と言へ敬称をつけて呼ばれて居たと言ふ事実です。



http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%89%E5%8C%96%E9%96%80
(光化門について)



その後、私は、柳宗悦の書いた文章に触れ、彼が朝鮮の美術に対して抱いた深い愛情に強く印象ずけられました。又、更には、彼が仏教芸術に対して抱く深い愛情や見識をも知り、彼を深く尊敬する様に成りましたが、その柳宗悦が、光化門が解体される計画を知った際に書いた文章の一部を以下に御紹介したいと思ひます。


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 光化門よ、光化門よ、お前の命がもう旦夕(たんせき)に迫ろうとしている。お前がかつてこの世にいたという記憶が、冷たい忘却の中に葬り去られようとしている。どうしたらいいのであるか。私は想い惑っている。醜い鑿(のみ)や無情な槌(つち)がお前の体を少しずつ破壊し始める日はもう遠くないのだ。この事を考えて胸を痛めている人は多いにちがいない。だけれども誰もお前を救ける事は出来ないのだ。不幸にも救け得る人はお前の事を悲しんでいる人ではないのだ。
 まだ世は矛盾時代だ。門の前に佇んで仰ぎ見る時、誰もその威力ある美を呑み得るものはないのだ。しかし今お前を死から救おうとする者は反逆の罪に問われるのだ。お前を熟知している者は発言の自由を得ないのだ。しかしお前を産んだ民族の間においては、不幸を伴わぬ発言はないと言ってもよいのだ。この事で今そこにいる凡ての者が暗い月日を送っている。人々は必ずやお前を愛しているのだ。今後年月が経ると共にその愛慕がいや募ってゆくのを私は知っている。しかしかかるアイスらも自由には現し得ないこの世だ。否、かかる愛を殺せよと強いられているのだ。苦しさが胸に迫ってくる。しかしどうする事も出来ないのだ。
 誰もが言葉を躊躇している。しかし沈黙の中にお前を埋めてしまうのは私には余りにも悲惨だ。それ故言い得ない人々に代わって、お前の死に際しもう一度お前の存在をこの世に意識させるために、私はこの一篇を書きつらねるのだ。



柳宗悦著『失われんとする一朝鮮建築のために』より(岩波文庫『民藝四十年』47〜48ページより)


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 彼(柳宗悦)のこの門への思ひが伝わって来る悲痛なばかりの文章です。そして、この同時期に、彼は、次の様な文章も書いて居ます。


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 私の知れる、または見知らぬ多くの朝鮮の友に、心からこの書翰(しょかん)を贈る。情の日本は今かくするようにと私に銘じている。私は進み出て、もだし難いこの心を貴方がたに話し掛けるよう。これらの言葉が受け容れられる事を、私はひそかに信じたい。もしこの書を通して二つの心が触れ得るなら、それはどんなにか私にとっての悦びであろう。貴方がたもその淋しい沈黙を、私の前には破ってほしい。人はいつも心を語る友を求めている。特に貴方がたの間においては、人間の愛が心の底から求められているのだと、私は想う。かく想う時、どうして私はこの訪れを果さずにいられよう。貴方がたもこの書翰を手にして、私に答える事を躇(ためら)っては下さらぬであろう。私はそれを信じたい。

柳宗悦著『朝鮮の友に贈る書』(岩波文庫『民藝四十年』19ページ)

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光化門の解体に反対した柳宗悦は、この門に対してだけでなく、朝鮮の文化と人々に深い愛情を抱いて居たのです。彼は、こう書いて居ます。


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私はこの頃、ほとんど朝鮮の事にのみ心を奪われている。何故かくなったかは私には説き得ない。どこに情を説き得る充分な言葉があろう。貴方がたの心持ちや寂しさを察する時、人知れぬ涙が私の眼ににじんでくる。私は今貴方がたの運命を想い、顧みてまたこの世の不自然な勢いを想う。あり得べからざる出来事が目前に現れている。私の心は平和ではあり得ない。心が貴方がたに向う時、私も共に貴方がたの苦しみを受ける。何ものか見知らぬ力が私を呼ぶように思う。私はその声を聞かないわけにはゆかぬ。それは私の心から人間の愛を目覚ましてくれた。情愛は今私を強く貴方がたに誘う。私は黙してはいられない。どうして貴方がたに近ずく事がいけないのであろう。親しさが血に湧き上がる時、心は心に話し掛けたいではないか。出来得るなら、私は温かくこの手をさえさし出したい。かかることはこの世において自然な求めだと、貴方がたも信じて下さるだろう。
 人は生まれながらに人に恋している。憎しみや争いが人間の本旨であり得ようはずがない。様様な不純な動機のために国と国は分れ、心と心とが離れている。不自然さの勢いが醜い支配におごっている。しかし永続し得る不自然さが何処にあり得よう。凡ての心は自然へと帰りたがっている。凡てが自然に帰るならば、愛はもっと繁く吾々の間を通うはずだと私は思う。何事か不自然な力が、吾々を二つに裂いているのである。

柳宗悦著『朝鮮の友に贈る書』より(岩波文庫『民藝四十年』20〜21ページより)

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http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%89%E5%8C%96%E9%96%80
(光化門について)



 柳宗悦がいかに深く朝鮮を愛して居たかが、ひしひしと伝わって来る文章です。


 かつて、私は、彼のこうした心情に深く共鳴しました。そして、今でも、彼の朝鮮芸術に対する愛情と理解には大いに共鳴して居ます。しかし、初めて韓国を訪れてから23年が経った今、3月1日の韓国からのニュースを読みながら、柳宗悦が気が付いて居なかった事が、或いは理解して居なかった事が有ったのではないか?と思はずには居られないのです。

(続く)
  ↓
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1095366720&owner_id=6445842
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2009年3月1日(日)

3・1運動90周年の日に





                 西岡昌紀

http://nishiokamasanori.cocolog-nifty.com/blog/



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http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=764975&media_id=4

北朝鮮は核・ミサイル放棄を=「3・1運動」の90周年式典で−韓国大統領が演説
(時事通信社 - 03月01日 13:11)


 【ソウル1日時事】韓国の李明博大統領は1日の演説で、「北朝鮮を本当に守るのは核兵器やミサイルではない」と語り、北朝鮮に核兵器などの開発を中止し、韓国や国際社会との対話に応じるよう求めた。


 李大統領は「誰も朝鮮半島の安寧と平和を損なってはならない。(威嚇行為が)決して成功することもない」と述べ、長距離弾道ミサイル・テポドン2号発射準備の動きを見せる北朝鮮に警告した。さらに、「南北は相手を認め尊重し、平和的に共存共栄していくことで合意してきた」と指摘。北朝鮮に挑発行為をやめるよう促した。


 演説は日本統治時代に起きた「3・1独立運動」の90周年記念式典で行われたが、日本に関する言及はなく、未来志向の関係構築を目指す李政権の姿勢を反映するものとなった。昨年の式典では、日本との関係について、李大統領は「いつまでも過去に縛られるべきではない」と述べていた。 

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