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シュタイナー的生活を楽しむコミュの冬の寒さとの共存

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32週

11/23〜11/29  

 私は力の充実を感じて
  自分を世界のために
   役立たせたいと願う。

 自分の存在が力づけられて
  この世の運命の中で
   明晰な自己を保ちたいと感じる。
       (Rudolf Steiner  高橋 巌訳)

……………………………

魂界において魂を浄化していくための

第一条件ともいえるのは、

「共感」の心である。

シュタイナーの人智学を学びはじめたころから

この生き方は、日本人が大自然の中で育んできた

心に通じるものがあると感じていた。

その一つが四季の移り変わりの中で

厳しい自然の中でも

そこに趣を見いだし、

「共感」して生きるという姿勢である。

先日放送された

NHK 100分 de 名著 清少納言『枕草子』 は

とても内容のあるものであったが、

平安時代の国風文化の代表作である

随筆『枕草子』の中にも

それが見られる。

日本人が育んできた国風文化は、

私たちの遺伝子の中に残っている。

季節にぴったりの『枕草子』の第一段をみてみたい。
--------------

冬はつとめて。

雪の降りたるはいふべきにもあらず、

霜のいとしろきも、

またさらでもいと寒きに、

火などいそぎおこして、

炭もてわたるもいとつきづきし、

昼になりて、

ぬるくゆるびもていけば、

火桶の火もしろき灰がちになりてわろし。
--------------
(口語訳)
「冬は早朝が良い。

雪の降っているときの風情はいうまでもない。

霜がおりて真っ白な様子も、

また、そうではなくても、とても寒い朝は、

炭火を急いで起こし

屋敷のあちこちに配ってまわるのも、

いかにも冬の情感にぴったりである。

もっとも、昼になって、寒さがやわらいでくると、

火桶の火も白い灰が多くなって、

つまらないけど。」
--------------

宮仕え中の清少納言が

冬の京都御所での宮廷の朝を表現したものである。

平安時代が地球規模で低温の時期にあったことは

広範な研究によって明らかである。

その事実の一端は、貴族の着用していた十二単(ひとえ)にも表れ、

寒い時代にマッチした文化であったことを伺い知ることができる。

おそらく、氷点下の続く朝が何日も続いたことであろう。

そうした中で、

清少納言のお気に入りは、

冬の早朝だというから驚きである。

普通とは全く異なる逆説的な見方である。

現代社会において、

冬は、早朝が良いという人はいないであろう。

むしろ冬の早朝は「大嫌い」と言いたいことだろう。

寒いのに早く着替えて家事をしたり

職場に行かないといけない。

できれば冬の朝は、できるだけ長く布団やこたつの中にいたい。

起きたらすぐにエアコンをつけて部屋を暖かくしたいのだ。

しかし、清少納言は、

早朝が一番良いという。

雪の降るような寒い朝に、

炭火を熾して部屋に運ぶさまがワクワクするというのだ。

まるで極寒の冬の寒さを楽しんでいるかのようである。

これは一見理解しにくいようにも思えるが、

しかし実は私も思うことがあるのだ。

これは雪の朝、散歩をしていて実感する。

冬の早朝の空気は凛としていて

引き締まりとても気持ち良い。

冬の空気は隅々まで張りつめていて、

本当に清らかで澄んでいるのだ。

さらに、清少納言は次の観点に感動する。

宮中で白い雪の広がる世界の中で、

黒い炭が赤く燃える姿が美しいと。

厳寒の冬の朝、女官が一度に大量の炭に火をつけて、

御殿のあちらこちらに、

あわただしく炭を配って回っている。

美しい配色の装束を着た女官が

白い雪景色の中で、赤い火のついた炭を運んでいる。

この赤と白のコントラストに風情がある。

渡り廊下の冷たい空気の中でこそ、

炭火の温かさが引き立つ。

この情景はなんと素晴らしいのだろう。

自然と人間への愛着が、しみじみと感じられる。

自然の厳しさの中にもかかわらず

その寒さに「反感」を抱くのではなく

それと共存し、共感していく趣深い生き方。

これこそ日本人の素晴らしい感性なのだ。

この厳しさの中に共感の心を育んで生きていく。

自然を大切に思い、自然を主体として、

共感し共存して生きていく。

冷たい空気の中で感覚を研ぎ澄まし

情景の語りかけを見たり聴いたりしようとする姿勢。

そこから国風文化独特の

「謙虚」に「共感」して生きていく姿勢が育まれたのだろう。

この「共感」こそシュタイナー的生き方に通じるものだ。

清少納言は、文字にはしていないが『枕草子』を深読みすると

自然の事物やそのいとなみの中に顕現する

霊を体験していたように思える。

このような自然や人間への愛情は、

その人の霊性を開発し、

魂の中に永続的部分を築き上げる。

だからこそ不朽の名作『枕草子』が生まれたのであろう。

これから本格的な冬の寒さに向かうが、

この厳しい寒さの中に

「共感」の心を育み枕草子に見られるような

豊かな感性を養いたいと思う。

シュタイナーによると、舞い落ちる雪を含めて、

あらゆる自然は

高次の精神存在の産物である。

地球には四大元素、

すなわち・土・水・空気・火(固体・液体・気体・熱)がある。

天使は液体、大天使は気体、

アルカイ(人格の神霊)は熱に宿っている。

そして光はエクスシアイ(形態の神霊)の衣であるという。

雪はまさにその背後に天使の活動が潜んでいるのだ。

では「共感」の心はなぜ大切なのか。

シュタイナーは以下のように書いている。

「魂は体的本性への執着から解放され純化される。

これまで魂を物質界に強く拘束してきたものが

このようにして克服されたので、

今や魂は外へ拡がる共感の諸力を

存分に発揮することができるようになる。

魂はいわば自己を脱却して、

魂界全体の中へ自分を進んで注ぎ込むようになる。」
(『神智学』p121〜122)



コメント(6)

今日は小春日和でありますが、これから来る冬の厳しさを
過ごしていくのに、とても素晴らしい学びを有難うございます。
人生の冬の厳しさもまた、同じでありますねあせあせ
学校の教科書で見た時から何となく清少納言の枕草子も気に入ってはいたのですがなぜ好きなのか自分でもはっきり分かっていなかったのが今回の100分の名著でよくわかりました。解説の先生がでも楽しそうにワクワクしながら解説されている様子も素敵だなと共感しました。
当たり前と思っているそれぞれの季節の風情を共感と共に楽しく味わいたいと思います。
ありがとうございます。(^O^)
kikiさん
コメントありがとうございます。
本格的な冬の寒さはこれからですが、
今年も共感の心を育んでいきたいと思っています。

「人間を透明に見る」にもコメント頂きありがとうございます。
私も、あのような学びが大好きです。
引き続き、『歴史の中のカルマ的関連』を読んでいるのですが、
学ぶことが多いです。
また落ち着いたら、「人間を透明に見る」の続きをまとめてみたいと思っています。
ありがとうございました。
ヘヨカさん
コメントありがとうございます。

100分de名著、私も録画して繰り返しみました。
解説の先生が魅力的で良かったです。
古典の中から学ぶことが多いですね。
ありがとうございました。
あめじすとさん
コメントありがとうございます。

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