備後の歴史を歩くコミュの参勤交代

最近、フェイスブック上で、江戸時代福山藩は参勤交代はなかったという書き込みがありました。

私が編年資料や『小場家文書』、『佐原家文書』などで調べたところによると、水野時代はもちろん、幕府の要職にあった阿部時代においても初期は参勤交代をしています。大名行列の規模は不明ですが、大阪までは船を利用し、往路18日、復路19日要していたようです。

また、藩主の初お国入りを1000人以上の規模で大阪まで出迎えていることから、参勤交代もこれぐらいの規模だったと想像しています。

これについて具体的な資料をまとめてみますが、参勤交代をしていたか否か、みなさんのお考えを聞かせてください。

コメント(12)

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[1] mixiユーザー 10月10日 20:04

Tsuyoshi Azuma
10月6日 19:08 ·

参勤交代時の宿場コース配置図 ( 安芸国・備後国・備中国 ) 福山藩は西の鎮護目的の為に参勤交代に行っていません・・・。

この書き込みに対して

大半の福山市民は参勤交代したと思っているので、この事実は大ニュースですね。(^▽^)/

Tsuyoshi Azuma
またの機会に行かなかった理由など後日報告証明します・・・。

えっ！そーだったのですね(´ー｀*)ｳﾝｳﾝ

Tsuyoshi Azuma
そうなんです・・・。

と続いています。

後日報告証明するとあります。
どんな資料で、何を根拠に証明されるのか興味津々です。

[2] mixiユーザー 10月11日 13:00

私もどういうコトなのか気になってたトコですm(_ _)m

[3] mixiユーザー 10月11日 19:31

『小場家文書　上巻』が水野勝成の動静を記している。それによると
①寛永9年7月、熊本城請け取りに出発。8月帰国、在城。
②寛永10年6月　江戸参勤、7月帰国、在城。
③寛永11年6月　家光上洛のため京に上がり7月帰国、在城。
④寛永12年5月　参勤、江戸在府。
⑤寛永13年5月　帰国、在城。。
⑥寛永14年3月　参勤　江戸在府。
⑦寛永15年2月　帰国、島原参陣、3月帰城し参勤、5月帰国。8月参勤、江戸在府。
⑧寛永16年2月　帰国、8月参勤、江戸在府。
寛永16年(1639)、この年勝成は76才、島原陣参加による疲れか、年初より病を得て参勤を行わず福山に在ったが、領国経営の急務なるを認識するとともに、年令的に限界を感じたためか、家督を嫡男勝重に譲ることを決意し、勝重出府のあとを追うように江戸参勤を行う。

勝重が寛永16年12月朔日、三代将軍家光に御目見得をし、勝成隠居と家督相続の正式許可を首尾よく受けたことを国元の老頭に通知した書状で、この日から福山二代藩主になったことがわかる。勝重書状（1）この年の春より勝成は病を得て、「五月六日参勤しがたき(徳川実記）」として嫡男勝重を江戸に差し向け、勝重は六月二十二日江戸へ到着し将軍に拝謁、九月九日には勝成も遅れて江戸へ出府、十一月十六日には「老衰せる」として将軍に辞職を願い出て、この書状にある如く儀式を終え、十二月晦日家光から帰国の暇を得て翌年初めに帰福、以後一度も出府することなく専ら領内の治政に意をそそいだ。

以上にあるように、勝成も江戸参勤をしていることがわかる。④、⑤間はちょうど一年間である。

引き続き『小場家文書』から二代勝重(勝俊)についても追ってみたい。

[4] mixiユーザー 10月12日 19:24

勝重が二代藩主となったのは寛永16年12月朔日。寛永17年(1640)、勝重は相続後、初めての正月を江戸で迎えた。寛永17年6月、二代藩主として初めて帰国している。寛永18年5月、参勤のため出府。『徳川実記』によると、寛永17年に将軍から暇をもらって帰国するにあたり、翌年4月に参勤するように命じられていたので、寛永18年5月初めに福山を出発、5月下旬に江戸に着き6月1日、将軍家光に拝謁している。この年の勝重書状は勝重書状（6）6月25日、同書状（7）7月朔日、同書状（8）7月17日、同書状（9）8月朔日、同書状（10）8月12日、同書状（11）8月20日、同書状（12）8月20日、同書状（13）9月26日、同書状（14）11月5日、同書状（15）11月24日、同書状（16）極月6日、同書状（17）同日、はすべて江戸から書き送ったものである。勝重は寛永19年（1642）5月朔日、就封の暇を得て帰国したが、5月14日、幕府は譜代大名の参勤交代制を行うことになり、勝重は本年出府に決まった。従って勝重は、5月に帰国したが11月11日再び出府した。これが正式な参勤交代の第1回である。（『小場家文書』より）

[5] mixiユーザー 10月12日 21:19

寛永19年（1642）11月11日に出府した勝重はいつ帰福したのか。さらに読み進めてみる。
参勤交代とは関係ないが、勝重書状（24）寛永19年極月晦日付けに面白い記述がある。水野勝成は福山城築城にあたり江戸幕府から一万二千両の小判と銀三百八十貫目を拝借し、これを十年月賦で返済を約束していたようで、第1回返済は寛永12年（1635）に金1,260両、銀38貫目、寛永13年、14年、15年と毎年返済を行い、慶安元年（1648）まで延びている。この年は老中に「指延」を願い出ており、ただし勝成へは延期してもらったことは言わないように、むしろ「当年も返済した」と偽って報告するように国元の神谷治部、小場兵左衛門に命じている。

勝重は寛永20年の正月も江戸で迎えた。帰福は9月7日である。5月16日付け勝重書状（38）に「来月はお暇出可申様に御沙汰候旨」と書いているが、朝鮮通信使接待の関係で6月の帰国は延期され、実際に暇が出たのは8月5日、帰福は9月7日であった。（「小場家文書』）

参勤交代の大名行列の規模についての記述は出てこない。
藩主が移動するのである。その規模が知りたい。

[6] mixiユーザー 10月14日 17:43

寛永21年12月23日改元し正保元年（1644）となる。寛永20年（1643）9月7日帰福した勝重であるが、翌寛永21年5月には参勤のため福山を発ち6月14日将軍拝謁。休む間もなく6月29日江戸城西の丸勤番を命ぜられ、帰国は翌正保2年（1645）6月10日である。

正保3年5月勝重は福山を発ち、6月4日江戸参勤し将軍に拝謁。前回と同様西の丸勤番を仰せつかる。江戸到着直後の6月11日付けの江戸から国元に送った勝重書状（66）の宛名に、神谷治部、小場兵左衛門に加えて初めて荻濃新右衛門が記されている。この頃鞆奉行から福山奉行に転任している。そして7月26日付けの書状から美作守勝俊と書判が変わっている。改名の理由は判明していない。

正保4年（1647）、水野氏入国以来行われてきた新田造成も、この年をもって最高潮に達する。しかし、ここにきて大きな障害が発生した。新田造成の推進者であった二代藩主勝俊の大病による政治第一線から後退した。6月5日付け勝俊書状（27）の文中に「我等事近日御暇可被下候」とある。そして6月22日暇を得て帰国した。（『小場家文書　上巻』）

[7] mixiユーザー 10月14日 18:11

正保5年2月15日に改元し慶安元年（1648）となった。正保4年6月に帰福した勝俊であるが、この年の末より病床に臥し、明けて閏正月17日将軍から御見舞を受けていることから、年内の内にすでに江戸に参勤している。3月7日嫡男備前守勝秀は勝俊の名代として江戸へ向かい将軍に拝謁した。4月朔日、勝俊は病気全快につき将軍に御礼言上し、そして9月6日には増上寺に在って「本堂警護水野美作守勝俊」とあり、全快して幕府の公式儀式に出仕している。

慶安2年（1649）、江戸で正月を迎える。この年萩濃新右衛門71才は総奉行の職を辞し隠居する。6月10日、暇を得て帰福。6月26日、江戸城西の丸御殿の改築を命ぜられ、翌慶安3年（1650）5月1日、江戸参勤を行い5月14日から工事に取りかかり、10月2日竣工。この日家老達と江戸城に召されて賞賜を受けた。年末、勝成危篤の急報が入り、将軍から暇を得て帰国の途についたが、年が明けた慶安4年3月15日、勝成は87才で没する。（『小場家文書　上巻』終わり）

以上見てきたように参勤交代は確実に実施されている。規模は依然として判明しない。
引き続き『小場家文書　下巻』も読んでみよう。

[8] mixiユーザー 10月19日 23:12

『水野記　巻第十』「諸大名一同帰国の暇を賜う事」
元禄4年(1691)6月26日、水野勝種(四代)をはじめ25名の大名達が帰国の暇を将軍から賜る。同年7月13日、勝種は江戸を出発する。一方、福山からは吉田彦兵衛を船奉行とし、船およそ46艘、水主1,140余人で勝種を迎えに大阪に向けて出発。7月14日大阪着。勝種は7月27日に乗船し7月晦日福山に着岸す。勝種御召船は転輪丸。この船の水主92人、船頭は佐伯伝右衛門。医者3名をはじめ50名近い近習が乗船している。この記載では江戸から大阪までの行列規模は記されていないが、福山藩の参勤交代の大名行列は、大阪から福山までは船を利用。しかも1,000人を超える規模の船旅であったことがわかる。

『小場家文書　下巻』年表によると、勝種が生まれたのは寛文元年(1661)。翌年三代勝貞が38才で死去し、寛文3年(1663)2月3日第四代福山藩主となる。延宝3年(1675)4月1日、大老酒井雅楽頭の娘と結納を交わし翌年結婚。勝種17才である。

[9] mixiユーザー 10月21日 09:33

参勤交代（ブリタニカ国際大百科事典小項目事典）
江戸時代，大名が一定期間交代で江戸に参勤した制度。幕府が大名統制策の一つとして行なったもので，戦国大名の行なった城下在番と人質徴収の政策に起るといわれる。慶長7 (1602) 年前田利長が母を人質として参勤したのが最も早い例。元和1 (15) 年の武家諸法度で定められ，寛永 12 (35) 年の武家諸法度で確立。多くの大名は在府，在国1年交代を原則としたが，関東の大名は半年交代，また対馬の宗氏は遠隔の地であるのと朝鮮との応対のため3年1度の参勤とした。これと同時に大名は妻子を江戸に人質として住まわせることになっていた。享保の改革の際8代将軍徳川吉宗が上米の制を定めて在府の期間をゆるめたこともあったが，8年間で旧に復した。参勤交代は莫大な経費を要し，各藩の財政を窮地に追込むことが多く，また国元と江戸に分れて藩士が対立することもあり，御家騒動の原因となる場合も少くなく，幕府に対抗する勢力の弱体化を目指す幕府の意図は成功したといえる。参勤交代の影響は政治面だけに限らず，たとえば江戸の繁栄は各大名の莫大な消費に支えられる部分が大きく，江戸，大坂を中心とした商業，交通の発達はめざましいものがあった。地方においても帰国した藩士らのもたらす江戸文化が，地方文化発達の刺激になった。幕府は文久2 (1862) 年の政治改革に際して，参勤交代を大大名は3年に1年，その他は3年1度 100日を在府として妻子の帰国を許した。その後，慶応1 (65) 年再び旧に戻したが命令に従う者がなく，廃絶した。（以上、引用）

『徳川実記』「大猷院殿御実記巻廿八　寛永十二年六月」に、「廿一日、法令を仰出さるゝにより尾紀水の三卿を始め在府の諸大名大広間に群集し、普第の衆は庇に伺公す(中略）需臣林道春信勝中央に出て是をよむ」とあり、「大名小名在江戸交替相定むる所也。毎歳夏四月中参勤致す可。従者之員数近来甚だ多、且国郡費、且人民之労也。向後相応以て之を減少可。但し上洛之節は、教令に任せ、公役は分限に随う可事」と制度化された。元和元年(1615)の武家諸法度は『徳川実記』「台徳院殿御実記巻卅八　元和元年閏六月廿一～廿七日」に徳川二代秀忠が「廿四日、伏見城に金地院崇伝を召して武家法令のことを議せらる」とのみ記されている。各藩が競い合うように大名行列を行っていた。このことが藩の財政負担となっていたのを徳川三代家光が「之を減少すべし」と是正したのである。

[10] mixiユーザー 11月03日 10:21

福山藩主が参勤交代してなかったとは！！驚愕です！！
その後、なにか報告証明されたのでしょうか？？

あまのさん、まとめ、ありがとうございます。
参勤交代について、まとめることができたら、ぜひ『文化財ふくやま』にのっけてください。
最近、近世時代って、案外なにも研究されてないのだなあと実感しております。
正しい溝をまずつけていかなくちゃいけませんね。
がんばりましょう。

[11] mixiユーザー 11月07日 11:05

>>[10]

報告はまだ無いと思います。

伏見櫓や伏見城の情報を集めています。
なにかお持ちではないですか。
あればお願いします。

特に、江戸(徳川時代）期の絵図とか、つまり、秀吉の伏見城「松ノ丸」曲輪は徳川になってもそのまま「松ノ丸」と称されたのか・・・。

[12] mixiユーザー 06月04日 11:32

『下宮家文書』に、福山藩の参勤交代についてまとめられていました。規模を示すような文書は残っていないようですが、よく読んで私なりにまとめてみます。

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