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memo メモ めもコミュのメモ 281108

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ヴィヴィッド・テクノロジー 建築を触発するデザイン 編著:小野暁彦、門脇哲也、乾陽亮

01 つなぐ 集積の方法 岡村仁

集積の方法
図3
p.18

(倫理研究所富士高原研修所 設計:内藤廣建築設計事務所)
仕口と言うのは古来から色んな知恵があります。すぐにはアイディアが浮かばないので、時には箱根の組み木細工にヒントを得ながら、いろいろ考えました(図7)。大きな部材を使わずに、小さな部材を組み合わせて、つないで全体を作っています。(図8)。その繋ぐ所にお互いに欠き込みを作るのがですが、高い精度が求められ、角度が連続的に変化するところもあり、現代技術であるコンピュータでデータを入力するとその通りにカットしてくれる、NCマシンをフルに使ってます(図9)。
p.20

(三菱自動車モーターショーブース 設計:青木淳建築計画事務所)
形がはっきりしているものだとすぐどうしたらいいかが解るのですが、イメージだけでどうしたらいいのか解らないものはむしろファイトが沸いてくる。僕らにとってそういう仕事は挑戦的で、ぜひやりましょうということにしました。
p.25

(白い教会 設計:青木淳建築計画事務所)
地下鉄の駅を支えるものなので、差異ほどの乾さんのファサードとは違って、これ自身で結構な強度を持たなければいけない。構造的に強度を持たせるためには、平面ではトラス、立体的なものでは四面体と言うのが最小エレメントで強い構造ができる。じゃあそれからスタートしようと、考え始めました。(図 43)。
p.29

FEM解析
p.30

小野:今回のテーマに関して一番僕にとってわかりやすかったものがあります。それは「バラバラなものをどうするか」という言葉です。バラバラなものの繋ぎ方、縮め方に一番興味の中心がおありになるのかなと言う感じでスライドを拝見していました。ですから構造解析と言うよりは、基本的にはどう作るかという連ね方の方に中心をおかれているような気がしました。
p.40
岡村:構造には二つの側面があると思います。それは一つは構造力学ですね、力の流れが瞳孔、そしてそれに対する安全性がどうこうと。しかし、同じ構造でも、実はもう一つ、工法(システム)を考える事も構造なんです。それはどう作るか、どう組み合わせるか、どういうジオメトリーかということです。
p.40
岡村:それをどう組むかと言うのは、力学とは別の話しになるのです。構造的な工学としても大切だと思うのですが、あんまりそう言う人はいないですよね。僕の関心はどちらかというとそちらにあると言っても良いかもしれません。別に解析をしないとか力学はいいんだとかそういうことを言うつもりは全くないんですが、工法・組み方の可能性というのが無限にあるような気もするので、ついついそっちを向いていると言うような感じです。
p.40

岡村:反対に、僕が延々考えて出来るものも当然あります。いずれにしてもお互い考えないとダメですよね。建築家のなかに考える建築家と考えない建築家がいて、そう言う意味では青木さんはすごいなと思うのは、あの人は何でも自分で考えるんですね、これもまた、内藤さんとは全然違いますけど、ディテールとかアイディアも自分で、打ち合わせをしている最中もずっとあれはどうだ、これはどうだ、と。やはり、アイディアと言うのは先に出した方が勝ちじゃないですか。打ち合わせをしていて、先に良い案を出されたら、僕がいくら自分がそう思っていたから悔しいと思っても、それはダメだとさすがに言えないでしょう。そうすると、相手も結構ピッチ挙げて出してくる。僕も出さなきゃいけないから刺激になりますよね。
p.41-42


02 拾う 発見の方法 名和研二

十分に生かされていないものを十分に、より生かそうとする事において、僕が技術に携わる意味があるのではないかと思っています。
p.45

建築を作る行為には、最新鋭のジェット戦闘機を作るとか、ハイテクのロケット弾を作るのとは違う感覚がある。例えば、未だに、アルミを使って喜んでいられると言うのはある意味、建築の特権です。
p.46

(SHS 設計:すわ製作所)
柱の形をLアングルにすれば、柱で荷重を支えつつ大谷石の納まり材にもなり、二次、三次部材を省略して単純明快な構成が出来ます。
p.47
*本誌中の左図を参照

(近藤小児歯科医院 設計:近藤春司)
これは実際の軽さを考えたときに、コンクリートも鉄も案外普段思っていたイメージと違うんだという事と、こういうものが作り方を変えると可能になると言う参考事例です。
p.51

当時、トン数かける材料費+加工費30万円で計算されると、材料だけで2000万近くなってしまう。この建物は建築費全てで2000万強です。だからこの物件で加工はただ鉄板に穴をあけただけ。ほぼ生材に近い鉄板を、トンあたり8万円、普通よりもかなり安く買っています。
p.50

施行時の話
p.51-52

今でもきちんと僕の話しを聞いてくれる人がいるっていうのは一言で言うととてもうれしいです。
p.65

誰かがピーター・ライスに「いつも魅力的なプロジェクトをやっていますね」と言った時に、彼は「そうではなくて魅力的なプロジェクトに毎回しているのだよ」と答えたと言う話しをある本で読んだ時、そうだよなって思いました。
p.66

お施主さんと根本的な関係をつくるのはやはり建築家・意匠家の方ですよね。豊かでわがままで自由なエネルギー体であるお施主さんと、ある方向づけをして抑えていってコントロールしていくのが建築家です。そこがなかったらたぶん何も始まらないですよね。
p.67


03 いかす 日常の方法 大野博史

(南行徳カルテット 設計:浅利幸男、中永勇司)
普通の鉄筋コンクリート造は、型枠職人、鉄筋工、土工事業者がそれぞれの作業を分担しています。ところが木造の基礎は、土を掘って、型枠を建て、配筋をして、最後にまた型枠を建ててコンクリートを打つところまで、すべて「基礎屋」が行います。
p.71
基礎屋の技術を利用しながらまとめることで、コストメリットが生まれます。
p.71

実際であれば壁柱の間に梁が必要になりますが、この柱を基礎からの独立柱、いわゆるキャンティレバーとして基礎と連結させることで、柱間の連結をなくしています。あるのは剛床となる、合成デッキプレートだけで、普通の梁やスラブはありません。
p.74

コンクリート構造ですが構造を柱に集約することで、色々なところに鉄骨造的な処置をしながら、軽い建築を目指しています。
p.74

(8/5 設計:塚田修大)
鉄骨と木造を同時に使う時に注意すべき事は、硬さが異なる材料なので力の流れを鉄骨部分と明快に分けておく事です。この建物の木と鉄骨の取り合い部分は基礎の場合、コンクリートと木造をアンカーボルトで取り合う形になっていますが、この場合は鉄骨を基礎と見立てて、硬いものにボルトを溶接し、そこに木を取り付けています。
p.78

(吉祥寺の家 設計:仲亀清進)
四隅に柱を通していますが、開口部以外の外周の壁を壁梁として構造用合板で固めることで、柱の長さを短くして建物を固くしています。
p.81

一般的な木造は壁量計算で作られる事が多いので、なかなか水平連続の開口部を設けることができませんが、それを実現したプロジェクトです。
p.81

(B-House 設計:atelierA5)
その2枚の境界の間の床にはグレーチングを敷いて、外側のステンレスメッシュまで内部空間として感じられるようにしています。このグレーチング部分はテラスです。ここは法的には外ですが、ステンレスメッシュに囲まれた、内部化された外のようになっています。
p.83

(Kプロジェクト 設計:藤村龍至)
この「メガ柱」の中は設備的に必要なPSや、空気を取り入れるスペースを設け、外部に面しているところには室外機を置く事が出来る場所にもなっています。この設備スペースは、外から新鮮な空気を取り入れ、裏に熱が溜まった空気を放出し、上昇気流によって上から熱い空気が抜けるように設計されています。
p.87

例えば最近発売された極細ポッキーは、単にプレッェルを細くしているだけで味は全く変えていませんが、衝撃的です。まず、見た目が全然違う、手に取った感触も違う、一口目の音の感触も違う。チョコの分量とプレッツェルの分量が今までのものと違うのでチョコの溶け具合も違う。ポッキーが大々的に変わったというよりはちょっとした違いですが、これまでのポッキー感が凄く変わった。僕はそんな構造設計をやりたいなと思っています。
p.88

大野:僕が気をつけているのが、名前がついているものは怪しいものだということ。柱・梁というと直ぐにイメージが浮かびますが、本来は物がまずあってそれに名前がついているわけで、名前がその物を規定しているわけでありません。僕は建築界の形式に縛られないで設計をしたいと思っています。今名付けられている物は、もしかすると10年後、20年後には変わっている可能性もある。名前で信じるのではなく、構造力学に戻る、原点を考えながら設計をしたいと思っています。
p.89

大野:建築家のフィルターを通して条件を整理して、その上で構造家の視点で全体の力がスムーズに流れるように考えます。ただ、スムーズといっても構造的な合理性という意味のスムーズではなく、構造の合理性とは違う空間的な合理性もあると思っています。
p.89


04 みたす 横山太郎 柔軟の方法

建築家の内藤廣さんは、構造上の要求で必要になったフレームは隠れても良いと思っていたようですが、お施主さんがフレームはむき出しの方が好きとおっしゃって、それで全部出すことになりました。キャンパスなどを収納するスペースのために、この方立が必要になったというのもありますが、こちらが予想もしない使い方をされたりしています。使いながらこうした方が良いというアイディアがお施主さんの方から出てくるのだと思います。使う側が考えた方が、だんだん面白くなるのかなと思います。
p.106

一般的に、プレキャストの場合は一型枠を作って何回転使えるかという経済的な目標があると思います。しかしそれとは別にこういう複雑な形で作ることにも向いているのです。全体の構造システムは統一されていて、一部やや複雑ながらそれでも型枠を改造して、できるピースの部材構成が極端に変わることがないように作ることで、プレキャストでも予算内に抑まるようにコーディネートできると思うのです。
p.108

現場打ちの部分もどうしても人為的な管理が必要です。なかなか冬場にやるのは難しいということが本当に良くわかりました。
p.109

横山:作るプロセスということも考えなくてはなりません。部材の長さや選び方などによってデザインが変わるのは当然だと思います。
p.110

門脇:横山さんが、コンピュータの解析が進みすぎて、設計側が施行側にあまりにもスムーズにデータを渡すようになると、むしろ対話がなく本当にできるのだろうかという疑問を書かれている文章がありますが、それはまさに言われているように設計と施行を含めての所でしょうか。
横山:多分3Dで渡されなければいけないレベルの建物だと、設計している方もわからないことが絶対にあると思うのです。作る方もわからない。わからないならどこがわからないのかを詰めないと実際に作れないという話です。当然コミュニケーションは必要なことだと思います。
p.111

横山:それを作るのは建築家の仕事でもあるようにも思います。それを議論して一緒に作るのが構造かの仕事だと思っています。
p.111

☆☆
横山:ゲーリーのやり方を見ていると、プログラミングのデータをそのまま施行に持っていっているようです。
p.112
横山:設計側と制作側のコンピュータ技術の進歩により、表層と骨の関係が段々近づいているような気がします。そういう意味で好きです、というか面白いなと思ってしまいます。
p.112
*構造の組まれ方と形の作り方

横山:あれをやってみたかったのは、<横浜国際客船ターミナル>の時にプレートで色々作った経験からくるところが少しありました。色々拘束する部分が多いと、振動に対して結構効いて来るということがやっていてわかってきました。それを普通の住宅でも取り入れてみたいと思っていました。居住空間における振動というのは住んでる人に取っては気になることだと思うので、計算とは別にこうした方が絶対に強いのではなかという感覚がありました。
p.113
*振動と船酔い、ゆりかご 世田谷村の揺れ


05 とぎすます 小西泰考 界面の方法

(レストランのためのデーブル 設計:石上純也)
現在のコンピュータの発達したこのご時世、自動的に加工するのかと思っていたらそうではなく、曲率ごとの段ボール型紙が一杯あって、それを鉄板に当てたり沿わせたり確認しつつ手作業でやっています。
p.118

スロット溶接
p.119

そのために脚は別で作り、天板はくるくる巻いて持って来て、会場で伸ばしてつなぎ、上にオブジェを載せて初めてフラットになる仕組みです。
p.121
*分解による合理性、VR上での統合、実際に統合・・・、分解も一つのフォームの表現。パネル化にしても、

(錦洋組倉庫 設計:山口誠+中村竜治)
海の上で5.6年使うと錆でぼろぼろになるらしく、その後は転売され倉庫や事務所で使われています。中古で1個あたり20万円くらいで売っています。
p.128

☆☆
一つは屋根をかけ庇をつける必要があったのですが、普通に鉄骨を組み下地から防水までやると結構工程が多い。そこをRCで一枚打てば仕上げも構造も一体で非常に話が早いわけです。二つ目は海上コンテナは買ったときからすでに屋根などに錆が出ていて、塗り直すよりも屋根を捨て型枠にしてコンクリートを流して、スラブでくるんで保護してしまう方が合理的でした。三つ目は構造的なうまみです。用途が陶芸家の倉庫なのですが、プレファブ小屋的な簡便な建物は風が吹くとバタバタして中に高額な作品を置くわけにはいきません。そこでコンクリートのスラブを一枚打つことによって約10tの重量がコンテナに載り少々風が吹いてもびくともしないものになります。
p.129

(松庵の住宅 設計:佐藤光彦)
一本千円くらいの鉄筋で上下の梁を繋ぐことで、それぞれの梁が受ける力の負担を均等に再分配できて、まったく均質なデザインにすることができています。
p.130

(BEAM 設計:カスヤアーキテクツオフィス)
昨今の鉄の高騰によって普通に鉄骨造でやるとまったく見積もりが合わない。
p.131

☆☆☆
小西:進め方は師匠の佐々木の教え、あるいは手法でもあるのですが、構造のルールを作るということです。例えば、<古河総合公園飲食施設>では、柱がたくさんあるデザインに対して、「柱の太さがaφだったらb本立ててください。」というようなルールを設定してその範囲の中で自由に動いてもらい、ルールから外れそうなときは打ち合わせるという手法をとる場合もあります。ルールは口で言う場合もありますし、簡単にエクセルで数式を作って好きな数字を入れて好きなようにやってくださいというときもあります。
乾:そのルールはどうやって決めているのですか。
小西:単純梁の式とか片持ち梁の式のような自分の身体で理解できる簡単なルールです。あまり難しいルールを作りすぎると自分でもわからなくなりますし、それで出来てくるものはますます何をしているか分からないものになります。もちろんこれは一つのプロセスであり、そうではない方法も色々あると思います。
p.136
*フォームと単純なルール、工法とそれにぶら下がる形?優先順位を考える・・・、作るということ、考えること、二つを分けてはいけない。作るから構造があるわけであり、作るから環境がある、ハイデッガー的な問題とルイス・カーン的な問題と

☆☆☆
答え自体は構造解析プログラムであっという間に出てくるのですが、その正しさを判断できるかどうかがとても重要で、自分の経験と実感とで感じ取れるところで理解していれば、全体が複雑になった時にもそれが捉えられます。
p.136
*コミュニケーションという問題でも同様である。直感的に把握できる、もしくは身体化しているものを軸に判断をできる仕組みがなければならない。自分が気付けないだけでなく、相手も気付けない。一般言語に還元する方法を考える必要があるはずである。作ることと考えることと使うことが一つの言語で語ることが出来ていた。と、考えれば使うこともまた専門言語化していると考えるべきかもしれない。では、言語をどのようにしたいのか?

小西:構造の仕掛けが生きる計画になるかどうかという点はよくディスカッションしますね。
小野:清家清の<数学者の家>です。薄いRCのロの字型がロングスパンで飛んでいて、真ん中に立っている一枚の壁で支えているということが施行中の写真ではよくわかり、すごくかっこいいのですが、完成した時は木製の内装などが入っておとなしいというかかなり印象が変わるんです。
p.136
*「構造の仕掛けが生きる」という設計のありかた。そこにある意味はなにか?構造的なある種の合理性?新しい驚き?

小西:構造は流れが緩やかですよね。僕は趣味でアマチュア無線をやるのですが、通信系は移り変わりが激しいです。パソコンもそうです。それに比べると構造は進化がゆっくりしていて意欲的に新しいものを探そうとすると相当覚悟がいりそうです。
p.138

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