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法政大学法科大学院コミュの刑法総論

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刑法総論(担当・今井先生)に関する話題はこちらで。

コメント(13)

レジュメ第一回7Pの一番上に

1)犯罪個別化機能
2)故意規制機能
3)違法推定機能

とありますが、2)の故意規制機能ってどういう意味ですかね?教科書にこの言葉自体はありますが、意味までは書いてないし、有斐閣の法律学小事典にも載ってないし。
もう解決しました?一応自分なりの理解を載せておきます。参考書は大谷・大塚裕史・川端・西田・井田・堀内です。



構成要件(以下Tb)は「刑罰法規に規定された違法かつ有責な処罰に値する行為の類型ないし定型」と定義されているようです(大谷・前田)。

事実認識のレベルにおける故意は、一般に「Tbに該当する客観的事実の認識」と定義されます。

そして、「事実(の)認識」にいう事実とは故意を認めるために必要な事実(つまり裁判所によって認定されるべき事実)をいい、その範囲は、罪刑法定主義の要請と犯罪個別化機能(罪刑法定主義からの派生)によってTbが決めると。

ということは一般予防の観点から(Tbの定義より)、Tbは故意規制機能をもつといえます。


こんなもんでいかがでしょう?
他にも大きい議論があったり、大前提があったりで大ざっぱな立論ですが…


別の切り口で答えてみます。参考になるかどうかわかりませんが…。


ちょっと古いですが、平野龍一の刑法総論?(P92)より。


「故意規制機能とは、故意があるというために認識を必要とする事実、それが構成要件だ、という考え方である。犯罪が成立するためには、単なる悪意といった非難に価する心理的事実があるだけでは足りず、構成要件に属する事実を全面的に認識していなければならない。その意味で、構成要件は故意の内容を規制するのであり、これを通じて責任主義を徹底させようとするものである。」


山口総論では、さらに一歩進めて、故意の認識対象であるためには、構成要件に属する事実は違法な事実でなければならない、としています。そこから構成要件の違法推定機能を肯定しているようです。
平野さんの言ってることも大体同じ感じですね。
故意の内容を規制するために(行為者にとって認識を要する)事実の範囲を限定し、事実の範囲を限定するのがTbの機能で、具体的には判例の蓄積を待たないといけないって話につながりそうかも。

余談ですが、山口さんは、故意をTb要素とするという立場なのでしょうか?
おはようございます。

お二人の書き込みで構成要件の故意規制機能の意味が理解できました。行為者に構成要件事実の認識があれば、故意があると認められるとすれば、構成要件に故意の内容・対象を規制(制限・限定)する機能があるといえるってことですね。

たとえば、人を撃ち殺しても、行為者が人を熊だと認識していたら、「人」という殺人罪の構成要件事実の認識がないため、故意は認められない、と。

そして、構成要件の故意規制機能を肯定すると、レジュメの(2)故意、過失を含まない違法行為類型となるわけですね。たとえば、この説だと殺人罪の構成要件は「故意に人を殺した者」ではなく「人を殺した者」ということになる。故意に人を殺すということを行為者が認識していたら、故意があるだなんておかしい。だから、この説だと構成要件該当性の判断時に殺人罪と過失致死罪の区別がつかないという批判になると。


ここまでは理解できたのですが、教科書P67の「むしろ、?説の問題点は」以下がまだ意味不明です・・・


>余談ですが、山口さんは、故意をTb要素とするという立場なのでしょうか?

西田刑法総論P67に「故意・過失は責任要素であるから構成要件に含まれないとする見解(平野96頁以下、山口27以下)」とありますよ。
>?@説の問題点…

「Tbを違法行為類型と解したうえで」という部分を「Tbを有責類型とは解さない場合」と読むと(西田さんはTbは違法有責行為類型だと叫んでいるので)、

Tbの故意規制機能、すなわち故意(責任要素)の認識対象は事実で、その事実の範囲はTbが限定している、ということと矛盾してるってことじゃないでしょうか。

Tbに責任要素は取り入れないとしつつ、責任要素である故意の対象はTbが決めてるっていう点の矛盾ですね。

そこで西田さんは、例えば常習賭博罪などでは実際に、主体(Tb要素)の限定に非難可能性・期待可能性(責任要素)の欠如が類型化されていて、Tbで責任要素が判断されてるじゃないかと叫んでいるんだ

と理解しています。



>山口さん…
読み落としてました。
ありがとうございます。
えっと、俺の疑問点はですね(はっきり書かずにすみません)、

P68で「行為者が自己の刑事事件の証拠だと誤信して他人の刑事事件の証拠を隠滅した場合、証拠隠滅罪(104条)の故意は否定されねばならない。」とあり、これは平野・山口説への批判部分なのだから、平野・山口説はかかる場合に故意を肯定しているということになりますよね?

常習賭博罪(186条1項)なら、行為者が賭博をしたという事実を認識していれば「常習して」という常習性に対する認識がなくても、常習性という客観的事実が認められれば、行為者に故意があると認めても、結論に異論はないと思います。

証拠隠滅罪の場合には、平野・山口説では自己の刑事事件であると誤信しても、故意が肯定されるのであるならば、証拠隠滅罪の構成要件は「刑事事件の証拠を隠滅した者」と明文上の規定を修正しちゃっているということになるんですかね?そこのところが教科書では明記されていないので、どうなんだろう?と疑問に思っているわけなんです。
>今井先生によれば、ここはあまり重要ではないようですが・・・。

今日の授業で云ってましたね・・・。
ま、故意推定機能の意味は明らかになったので、それでよしとしておきます。質問に答えてくれたお三方、ありがとうございました。
8と同じくです。
山口さんは確か主観的違法要素と客観的責任要素を否定して厳格に捉えているようなので。

山口説や西田説に関わらず、事実の認識が責任要素だとすると、「他人の証拠だったという事実の認識」が故意(責任要素)だということになります。(この点がcarrelさんが書いてくれた点)

西田さんの例では、「何を誤信したのか」という点での詰めが問題だったような気がします。

てことで山口さんは構成要件を「刑事事件の証拠を隠滅」とは修正していません。「他人の証拠だという事実」ではなく「他人の証拠だったという事実の認識」を強調してるのではないでしょうか。
前者だと違法性の問題で後者だと責任の問題となりそうですね。
昨日(23日)の授業の最後に今井先生が言及していた監禁致死罪(トランクに監禁されていた被害者が車に追突されて死亡した事件)の判例についてですが、俺の聞き間違えじゃなければ平成18年2月27日、刑集60巻2号253頁と先生は云っていましたが、たぶん間違えていると思います。正しくは、

最決平18・3・27刑集60巻3号382頁

だと思います。


http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20060330100434.pdf
先週・先々週と今井先生が言及していた論文について

今井猛嘉「飲酒運転対策としての罰則の整備」ジュリスト2007.3.15(No.1330)

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