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エビデンスに基づいた服薬指導コミュのアセトアミノフェンの抗炎症作用

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教科書的には「アセトアミノフェンは抗炎症作用を示さない」とあります。
なぜなら、「脳で発現しているCOX-1のsplicing variant COX-3はPG産生作用をもつが、その活性はアセトアミノフェンによって抑制されるという」からだそうです。(NEW薬理学、第5版)

最近の知見によると、確かにイヌの脳ではCOX-3が存在するようなのですがマウスやヒトの脳には活性を持ったCOX-3はほとんどないらしい。splicingのさいにフレームシフトがおきて、活性を失うためのようです。しかもmRNAの塩基配列から、このmRNAは速やかに分解されやすいことが予想されるようです。

では、アセトアミノフェンは作用点は何なのか?
これに関して明確な答えは出ていません。しかし有力な標的分子は、COX-2だそうです。実際にヒトの末梢においてアセトアミノフェンはCOX-1と比べて4倍もCOX-2への作用が強く、この効果はいわゆる選択的COX-2阻害剤とよばれるcelecoxibやrofecoxibよりも強いことが分かっています。

では、なぜ抗炎症作用がないのか?
アセトアミノフェンは酸化型COX(active form)を減らすことによって効果を発揮しますが、炎症部位ではperoxideが多いために、この作用が阻害されるためのようです。だから、慢性的な炎症状態にあるRA患者さんにはアセトアミノフェンは効果ありませんが、手術終了後まもなくから投与を開始すれば抗炎症効果がみられるそうです。

では、なぜNSAIDに見られる消化管への副作用が見られないのか?
それは、アセトアミノフェンのCOX-2選択性や酸性NSAIDには直接的な腸管へのダメージ(上皮細胞への集積性やミトコンドリア傷害作用による)により説明できます。投与量を多くすれば(>2 g/day)、アセトアミノフェンでも胃腸傷害のリスクが高まります。

では、なぜ血小板抑制作用が見られないのか?
血小板に影響を与えるには、TXB2を95%以上抑える必要があります。したがって、アセトアミノフェンでは高用量投与しないかぎりこのような効果は見られません。


以上、炎症に関してあまり詳しくない管理人がまとめてみました。
専門の方がいらしたら、フォロー願います。

なお、参考文献はFASEB J, 22; 383-390, 2008およびJ Pharmacol Exp Ther, 315; 1-7, 2005。

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